インタビュー
[G-STAR 2022]レース開幕間近の「カートライダー ドリフト」。2023年1月プレシーズン前の現況を,合同インタビューで聞く
本作は,世界累計3億8000万人のプレイヤーが遊んだという「カートライダー」シリーズの正式後継作で,韓国では「小学生のころやってた」「結婚した2人が思い出してまたやりはじめた」「カートライダーで知り合った人と今でも飲んでる」などと,約18年にわたって愛され続けている国民的レースゲームシリーズの1本である。
ゲーム内容は端的に,ドライビングテクニックありの本格レースバトルといったもの。最大8人が参加できるマルチプレイでは「アイテム戦」「スピード戦」をソロプレイのほか,2人1組のデュオ,4人1組のスクワッドのチームプレイで参加することができる。
キャラクターやカートのカスタマイズ要素も搭載されており,自分だけのアバターを生み出すことも可能だ。そのうえで,本作ではカート性能はあくまで“プレイヤースキルや好みの範疇での調整だけ”とされ,数値的な性能の有利不利はないとされる。
正式サービスの開始後は,定期的に初心者向けの「カジュアル大会」,上級者向けの「マスター大会」などを開催し,オンライン配信で大会を盛り上げていくという。シリーズからして韓国内では大会が盛んだったため,さらにエンジンを吹かしていくという意思の表れだろう。
なお,PCおよびスマートフォンのみ,2023年1月12日から「プレシーズン」としてプレイデータの引き継ぎありのテストプレイが提供される予定だ。こちらはクロスプラットフォーム対応により,本テストをPCやスマホで遊んで,正式サービスにデータを移す場合でも,テスト環境外であるPS4 / Xbox Oneとのデータ連携が行えるとしている。
「カートライダー ドリフト」CBT先行体験レポート。カジュアルにオンライン対戦が楽しめる新作レースゲーム
ネクソンは,オンラインレースゲーム「カートライダー ドリフト」のクローズドβテストを,2021年12月9日から15日まで実施する。これに先駆けてプレイしてきたので,インプレッションをお届けしよう。
「カートライダー ドリフト」の発表会をレポート。クロスプラットフォーム対応で,世界中をつなげるオンラインサーキットの展開を目指す
ネクソンは2022年8月18日,クロスプラットフォーム対応の新作レースゲーム「カートライダー ドリフト」の発表会を,東京都内で開催した。本作の概要やプロモーション展開の予定などが公開された発表会の模様をレポートする。
これらのより詳しい内容については,少し古めであるが上記のCBTレポートや,夏に行われた発表会レポートで紹介している。
そしてG-STAR会場では本作に関して,韓国版ディレクターを務めるニトロスタジオのチョウ・ジェユン氏への「日本メディア向け」および「世界メディア向け」の合同インタビューがそれぞれ行われたので,ここからは現地での応答の様子をお届けしよう。
日本向け:我々は挑戦する側だ
――本シリーズの日本での認知度はどれくらいだと思いますか。
チョウ・ジェユン氏(以下,チョウ氏):
日本市場でのカーレースゲームの人気はよく知っていますので,我々は挑戦する立場です。またマーケットで勝つなどの姿勢ではなく,「カートライダー ドリフト」の良さをより多くの方々に広めていくべく,これから多く努力のしていきたいと考えています。
――韓国では思い出深いシリーズかと思われますが,開発チームはそういったファンの方々の感性などを実感しているのでしょうか。
チョウ氏:
私は約18年のシリーズの歴史のうち,16年ほど開発に携わってきましたので,そういった方々の感性もよく分かります。もっと言えば,私自身がプレイヤーとしての気持ちも強いので,昔の思い出に共感してもらいたいですし,今後は持続的に遊ばれる努力もしていきます。
そして,単に過去に遊んだという方々に向けてではなく,新規の皆さまにも最新ゲームならではの楽しみを贈ります。このゲームは「みんなで遊ぶと楽しいゲーム」ですので,家族や友人の輪も含めて,すべての人たちに喜んでもらえるサービスを目標にしたいです。
――コミュニティマネジメントに関する考えもあるのでしょうか。
チョウ氏:
誰かと一緒にやるほど楽しいゲームである以上,コミュニティを作ってもらう,続けてもらうことは重要な課題ですし,我々が注力すべきポイントだと認識しています。ゲーム内ではチャットやボイスで意思疎通できますが,ニトロスタジオとしてもDiscordなどのツールも用いて,ユーザーさんとやり取りをするなど,最大限の準備をします。
――歴代作品と比べて,ボイスチャットなどのコミュニケーションツールも進化していますが,それゆえに弊害が生まれたりは?
チョウ氏:
ゲームで起こる問題というのは,概して個人感情を越えた「ゲームに対する不満の表出」だと捉えています。トラブルは好き嫌いも相まって起こるものなので,デベロッパとしてきちんと意思疎通をし,皆さまと手を取り合い,コミュニケーションを取れればと考えています。
――本作にはガチャがないとお聞きしましたが?
チョウ氏:
確率システムが影響するアイテム獲得機能は実装しません。
最近の市場を見てもそれらは避ける方向にありますので,本作に関しても「シーズンパスだけで楽しめる」よう,ゲームプレイだけで十分に楽しめる内容と,ガチャなしの計画を徹底的にお約束します。
――韓国以外での広告戦略はありますか。
チョウ氏:
まず考えているのは,韓国や台湾といった昔なじみの地域では,ファンの方々の思い出を刺激できればと思案しています。
一方,日本や北米などは新規ユーザーのほうが多いため,すべての人たちに興味を持ってもらいやすいよう“一緒に楽しめる”ことを押し出し,さまざまな層の人たちが気軽に遊べるマルチプレイゲームとして広められるよう準備中です。ただ,グローバル市場での公平性,統一性を目指すためのプランとして,どこか特定の国地域だけを喜ばせる意図はなく,コラボでも誰もが知る世界的人気ブランドに協力をあおぎます。
韓国モチーフが多めなトラック(コース)にせよ,今後は世界各国のアイコンを取り入れたトラックを多数用意していきます。
世界向け:次世代機も準備中
――プラットフォームは今後,次世代機種も対応しますか。
チョウ氏:
PS4 / XboxOneに続き,これら以降の世代機も準備中で,正式サービス後の安定を確認できたあとに提供するつもりです。
――本作の発表時,ゲーム機関連のノウハウはあったのですか。
チョウ氏:
知見はないに等しかったので,内々で研究しました。そのため当初は困難が続きましたが,今は問題なく進められています。
弊社スタッフにせよ,今はコンシューマ対応で外部に出しても,優れたパフォーマンスを発揮してくれると思います。
――当初はXbox独占の予定でしたが,なぜマルチ展開に?
チョウ氏:
それについては我々のほうからMicrosoftさんにかけ合い,独占展開を解除させてもらうことになりました。前述のとおり,当初は各種プラットフォームのノウハウがなかったものの,知見が集まったことと,より多くの方々に遊んでもらうために,多面展開に進みました。
――大人数が同時に遊ぶゲームですが,ソフトウェアやハードウェアごとの性能格差にはどのように対応するのでしょう。
チョウ氏:
0.01秒で勝負が決まるレースゲームだけに,マルチプレイの公平性は必須のため,ネクソンの専門チームがたくさんの努力を積み重ねておりますし,システム的にもマッチングの補正機能を用意しています。
来年のプレシーズンでは安定性のさらなる検証をし,フィードバックを適用するなどして,正式サービスに向けた改善を図ります。
――シリーズ特有の走行方法など,既存プレイヤーが手腕を持ち越せる要素もあるとのことですが,新規ユーザーは障壁を感じませんか。
チョウ氏:
シリーズのクセを継承していることで,既存プレイヤーが実力を発揮しやすくなる。この点は多くの人たちに心配されておりますが,そこも踏まえたマッチングシステムを形成し,各自の実力に見合った対戦を楽しんでもらいつつ,プレイヤーとして成長できる設計にします。
――有料要素はどうなりますか。
チョウ氏:
シーズンパスが主軸となる計画です。また確率システムによるアイテム獲得はいっさい使わずにサービスを提供すると,はっきり申し上げておきす。そのうえでアイテムの売買やトレードなどの機能を検討しているので,リリース後の拡張で楽しみの幅を広げていきたいです。
――マップは既存と新規と,どちらを重視するのでしょう。
チョウ氏:
シリーズ18年の歴史で,これまでたくさんのトラックが作られてきたので,人気トラックは皆さまに喜んでいただけるよう移植します。
一方でオリジナルの新規トラックも,簡単で気軽に遊べるものから,本気のレースを楽しめるものまで,多種多様に用意します。
――カートの強化などはどうなりますか。
チョウ氏:
以前は段階的なエンジン強化で速さを変化させる方針でしたが,本作のカートは基本,外見要素のみで,性能も好みで調整できるものの,ゲームバランスは一律同等に収めるレベルデザインです。
――カートの外見カスタマイズはどれくらい行えますか。
チョウ氏:
プレシーズンでも提供しますが,カラーやステッカー,ラッピングなどで,人それぞれの個性を発揮できるようにします。
この場では正確なアイテム数を言えませんが,皆さまが想像している以上のアイテム数を収録しますので,ご期待ください。
――カスタマイズにおける著作権違反にはどう対処しますか。
チョウ氏:
ステッカーを組み合わせ,他者作品の権利を侵害するなどの可能性は憂慮していますので,ネクソンの専門チームに協力してもらい,著作権に関するフィルターを用意します。それに,そもそものシステム面やアイテム面でもって問題が起きないようにする仕組みを追求します。
――ゴースティングや違法機器への対応のほうは。
チョウ氏:
シリーズ作品で積み重ねてきたノウハウをもとに対処しますが,違法行為の発達は,我々の開発速度よりも進化が早いため,ユーザーの皆さまと比べると少数派な我々はこれに関して,違法をいかにすばやく発見し,対処できるかを,システム作りで対応していきます。
――北米や欧米など,アジア圏以外での反響はいかがですか。
チョウ氏:
アジア圏では認知度が高い一方,北米や西欧ではまったく認知度がないと考えています。ただ,これまでのテストで広める努力はしてきましたし,ビジュアルデザインにせよ,特定の国・地域で人気を出すといった方向性にはしないように心がけていきます。
本作は,現代のマーケットで成功させるための構造を練ってきました。シリーズの歴史からくる隔たりは感じるかもしれませんが,新しい面白さを提供する以上,これは障壁にならないと考えています。
――eスポーツも展開しますか。
チョウ氏:
ローンチ前のため決定事項はお伝えできませんが,本シリーズでは公式大会を長年にわたり開催してきたので,大会環境も選手も,しかるべき準備ができたらまたの機会でお話しさせていただきます。
――シリーズ作品との競合はどのように考えていますか。
チョウ氏:
カートライダー ドリフトはシリーズ最新作にして,今でも人気が続くシリーズの最後発となります。いずれも我々が制作してきたものですが,作品間やプラットフォーム間での競合という点に関しても,私は新たな挑戦者の立場でもって,ゲーム性で勝負していく所存です。
「カートライダー ドリフト」公式サイト
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