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「Victoria 3」の政治システムや国際市場を紹介する最新トレイラーやブログエントリーが公開
2010年の「Victoria 2」以来,久々のシリーズ登場となる「Victoria 3」は,前作同様に産業革命で世界的な覇権を握った大英帝国を中心にした,欧米列強の時代である1836年から1936年までを描いたストラテジーゲームだ。国内外の政治・階級グループの闘争にスポットライトが当てられ,特定の国家をプレイヤーが理想とする近代社会へと導いていくことが目的だ。
それぞれの国の国民には,歴史的な側面に合わせた経済的ニーズと政治的欲求を持っているが,今回のビデオダイアリーでは「Interest Group」という思想集団の存在が強調されている。スウェーデンでは「工業家」「小ブルジョア」「知的階級」,そして「スウェーデン教会派」といった集団があり,異なる人口比率で勢力を張っている。それぞれの階級や財産,職業,宗教が国内政治への圧力となり,プレイヤーが国内をどのようにまとめていくのかが試される。国内人口の意見も時代によって変化し,小銭を稼げることで満足していた交易集団が,知らないうちに大きな政治勢力となって自己主張してくるようなことになるという。
また,「Victoria 3」における「法律」は,国家の在り方を規定する「憲法」に加えて,「交易」と「人権」の3つに大別させることができ,王政や奴隷制などゲームの開始時点でそれぞれの国家に与えられている法律が,その後のプレイに大きく影響していくことになる。さらに,開発者ビデオダイアリーでは「組織」の概念も紹介されており,公共教育機関から労働組合,植民地の総督府に至るまで,国内外にはさまざまな機関が存在する。例えば,教会から思想教育をはく奪することの影響や,内乱に際して警察ではなく軍隊を動かすことでの社会的な混乱なども描かれていく。もちろん,こうした組織は法律によって大きく変化していくわけだ。
これに加えて,公式フォーラム(リンク)で8月5日に公開された開発者ダイアリー(リンク)では,前作からは大きな改善点となりそうな「国際市場」について解説されている。本作においては,家具,磁器,衣料品,フルーツ,ワイン,薬品,染料などさまざまな交易品が,各勢力の生産力向上や戦争などによって細かく変化し,プレイヤーはそうした経済動向にも細かく注視していくことが求められるという。国際経済の側面から,どの国と友好を保つか,どの国を侵略して特定物資の生産を掌握するかといった選択基準にもなるだろうし,例えば何かの原因で染料の輸入が止められ,その影響で紡績工場の給料が減ったことで,雇い主と労働者の間に軋轢が生まれるといった細かい情勢変化も描き出されるようだ。
究極のマイクロマネジメントが楽しめそうな「Victoria 3」だが,まだ正式な発売日がアナウンスされておらず,現時点では日本語化されるかどうかも不明だ。ただし,近代史のファンにとっては気になるパラドゲーの1つになると思うので,月イチでリリースされるビデオダイアリーなど今後の情報に注目していきたいところである。
「Victoria 3」公式サイト
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