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「ソウルハッカーズ2」開発者の石田栄司氏と平田 弥氏にインタビュー。神田明神での“殺陣”とライトアップの模様とともにお届け
2022年2月17日に謎のティザーサイト(関連記事)でのカウントダウンが開始。その5日目のカウントダウン終了(2月21日20:00)に合わせて,本作の世界観と物語をテーマとした殺陣が披露され,タイトルや発売日,プラットフォームが明らかになった。
4Gamerは,殺陣の生配信とWeb番組「ソウルハッカーズ2 発売決定記念特番」が届けられた東京の神田明神(神田神社)にて現地取材を実施。本作のプロデューサー / ディレクターを務める2人のクリエイター,石田栄司氏と平田 弥氏にインタビューを行い,本作の制作経緯や「デビルサマナー」「ソウルハッカーズ」という作品への思いを聞いたので,神田明神の殺陣とライトアップの模様とともにお届けしよう。
「ソウルハッカーズ2」公式サイト
アトラスの新作「ソウルハッカーズ2」が2022年8月25日に発売決定。先着購入特典は「ペルソナ5」衣装&BGMセット2
アトラスは本日公開したムービーにて,新作「ソウルハッカーズ2」を2022年8月25日に発売すると発表した。コンシューマのほかPC向けにもリリースが予定されている。「真・女神転生」シリーズの派生作品「デビルサマナー ソウルハッカーズ」に関する新作というところでも注目の作品だ。
2人のプロデューサー / ディレクターに聞く,本作の制作経緯と「ソウルハッカーズ」という作品への思い
4Gamer:
発表の日を迎えた感想を聞かせてください。本日の発表の前に,ティザーサイトでのカウントダウンが行われていましたが,反響はいかがでしたか。
石田栄司氏(以下,石田氏):
(カウントダウン開始後から)当時の思い出を語りながら新作への期待の声をあげてくれる人がたくさんいらっしゃったので,それにはホッとしました。1作目から変わっている部分がたくさんあるので,それを受け入れていただけるかどうかというドキドキもあります。
平田 弥氏(以下,平田氏):
おおむね石田と一緒ですね(笑)。前作のファンの方はもちろん,名前だけは知っていて興味はあったけどプレイしたことはなかったという人の声もあって。そういった皆さんから多くの反響をいただけたのは,とても嬉しかったです。
4Gamer:
謎のティザーサイト……と言いつつ,サイトのドメインやデザイン,公式Twitterの名前などから“ソウルハッカーズのなにか”であることを察することはできました。ファンにとって盛り上がりやすかった部分はありましたよね。
平田氏:
それはあったと思います。あらためて,正式発表の機会を迎えられてよかったなと。
アトラス,ドメイン名に“soul-hackers”を含む謎のティザーサイトを公開。2月17日20時,21日20時に何かが起こる模様
アトラスは本日,謎のティザーサイトと公式Twitterを公開した。ティザーサイトのドメイン名に「soul-hackers」が含まれるなど,「デビルサマナー ソウルハッカーズ」に関連した何かを期待させるものとなっている。本日20:00と2022年2月21日20:00に,何かが起こる模様だ。
4Gamer:
開発はお二人それぞれがプロデューサーとディレクターを担当されているそうですが,これはなぜそういった体制になったのでしょう。
石田氏:
ゲーム機の進化によってゲーム1作ごとの開発規模が大きくなり,一人でイニシアチブをとってゲームを制作するのが大変になっているのが理由の一つです。
平田とは「幻影異聞録♯FE」を共同して制作していたのですが,そのころから「大きなタイトルを開発するなら2人でやろう」というのがあって。そういった考えのもと,2人で企画を考えたのが本作です。
平田氏:
どちらかというとディレクターとしての協業という面が大きいですね。石田が世界観を,僕がシステム面を主に担当していて,2人がそれぞれで全体的な部分を見るうえで,肩書としてはプロデューサーとして作品に関わっているという形です。
4Gamer:
なぜ今回,あらためて“ソウルハッカーズ”という作品を取りあげようと考えたのでしょうか。
石田氏:
一番大きいのは,続編を望む声があったということです。
実際に企画にしようと考えたのは,SF要素のある1作目が,その当時の「真・女神転生」関連の作品の中でもかなり尖っていたというのがありますね。そこで題材となっていたテクノロジーや人,オカルトといった要素とそれらの関係性を活かし,今の感覚で新たな作品にできるのではと思いました。
4Gamer:
お二人は1作目にはどう触れてきましたか?
平田氏:
1作目が出たころはまだアトラスに入社していないので,単純にいちゲーマーとして楽しんでいましたね。当時はバリバリのセガマニアだったので,「セガサターンでRPGが出た。しかもメガテンシリーズが!」と,熱い気持ちで作品を応援していました。
石田氏:
開発していたのが,ちょうど入社したころだったと記憶しています。とは言え,入りたてなので制作に関わっていたわけではなく,そういう意味ではいちゲーマーとして遊んでいたという方が強いですね。3DS版のときは主にデザイン面で携わっていて,開発者としてはそのときにあらためて向き合ったという感じでしょうか。
4Gamer:
グラフィックスや登場人物のデザインなどから,これまでの作品とだいぶ雰囲気が変わった印象を受けました。世界観や物語はどのようになっているのでしょうか。
石田氏:
1作目はネットワークでしたが,今回はそのネットワーク上の情報の集積より生じたAionという存在がテーマとなっています。時代の変化によって題材は変わっていますが,“テクノロジー”が軸になっているというところでは1作目と構造が似ているかと思います。
また,1作目では,テクノロジーを使って悪さをする人間との戦いが描かれていましたが,今回はテクノロジー側の視点から人々を観察する……という新機軸の物語になっています。“観察対象”がデビルサマナーで,彼らがなぜエージェントとしての暮らしを選んだのか,なぜこんな危険な道を歩むことになったのか。それらをテクノロジー側の視点でひも解くことで“人間とは何なのか”を描き出す物語になっています。
4Gamer:
では,ゲームシステムはいかがでしょう。
平田氏:
きっちりパワーアップしています。具体的なところでいうと,バトルシステムの「サバト」ですね。プレスターンをベースとしたもので,相手の弱点を突くと仲魔が召喚され,大軍の仲魔で総攻撃を仕掛けるという爽快感のあるシステムとなっています。
システム面は,コアな層が楽しめることはもちろん意識しつつ,新規のプレイヤーが入りやすいような間口の広さを考えて制作しています。「真・女神転生」や「ペルソナ」をプレイしたことがある人なら,抵抗なくすんなりと入れるかなと。
4Gamer:
現在「真・女神転生」関連の作品で言うと,大きく分けて「真・女神転生」と「ペルソナ」の2シリーズが展開しています。それらとの棲み分けはどのように考えているのでしょう。
石田氏:
作品に登場する人物の掘り下げに関するところですね。
キャラクターに注視しているという点で,どちらかと言えば「真・女神転生」よりは「ペルソナ」に近いところはありますが,ダーティーで大人の雰囲気がある本作は,高校生たちの物語を描く「ペルソナ」とはだいぶ異なると思います。
4Gamer:
“人物の掘り下げ”という部分をもう少し詳しく知りたいです。
石田氏:
企画を立てたとき,1作目の“闇のエージェント”みたいなキャラクターたちはすごく魅力的だけど,(1作目では)そのキャラたちの背景があまり描かれていなかったと感じたんですね。それぞれ何かしらの背景があるけど,敵として出てきて,何者かよく分からないまま倒しちゃって……という。
その見た目も,「エージェントなのに全然潜む気がない」我の強さみたいなところも好きで(笑)。なので,一人ひとりをもっと掘り下げることができれば,大勢の人物を登場させて,組織ごとに異なる事情や対立といった部分も深く描けるし,長く続けられる設定や物語を作れると思ったんです。この“個々を描く”という点は,いま展開している作品を含め,これまでのシリーズ作品とは違う切り口になっているかと思います。
4Gamer:
タイトル名が“ソウルハッカーズ”のみになったのは理由があるんですか?
平田氏:
いろいろな理由があるんですが,テクノロジーを大きくテーマにしている部分もあって,ソウルハッカーズという名前を前面に出したいということが一つありますね。
あと,シンプルに(デビルサマナーが付くと)長くなるというのもあります(笑)。そもそも1作目がデビルサマナーの2作目で,その2作目となるから……みたいな分かりにくさも理由にあるんですが,この辺は初回限定版に収録されているアニバーサリーブックに関連した話題があるので,興味がある人は手に取ってみてください。
4Gamer:
最後に,ファンに向けてのメッセージをお願いします。
平田氏:
最初に話したことの繰り返しにはなりますが,正式発表の機会を迎えられて,皆さんに情報を届けられてよかったと思います。開発はラストスパートをかけている最中で,満足できるものをお届けしたいと思っているので,ぜひ期待していてください。
石田氏:
デビルサマナーは,街やそこで暮らす人々といった身近な出来事や個人の物語を描く部分が魅力のシリーズ作品だと思います。本作も,世界の破滅に関与するという大きな物語はありますが,それは登場人物の個人的な話が集まってできているような構造にもなっています。
登場するデビルサマナーの中に,プレイヤーの皆さんそれぞれが自分と近いものを感じられる人物や物語が見つかれば嬉しいです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
神田明神ではソウルハッカーズ2をイメージした殺陣とライトアップも
カウントダウン終了で「いよいよゲームの情報が公開か!?」というところで突如として始まり,意表を突かれたという人も少なくないはず。トレイラー公開前のため謎だったアクターも,あらためてそのビジュアルや光を放つジャケットを見ると作中の主人公リンゴに扮したものだと分かる。
なお,神田明神では,本日(2月22日)17:30から21:00まで,ソウルハッカーズ2をイメージしたライトアップが行われる。リンゴの衣装の展示や,参道石畳へのトレイラーの投影などもあるとのことだ。
また,同日生配信されたWeb番組「ソウルハッカーズ2 発売決定記念特番」では,本作の登場キャラクターやバトルシステムのさらなる詳細が明かされているので,未視聴の人はアーカイブをチェックしておこう。
「ソウルハッカーズ2」公式サイト
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