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[TGS2022]1か月に1本! これまで100作以上を生み出してきたオランダのSokpop Collectiveはインディシーンのアイドル集団だった
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印刷2022/09/20 17:39

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[TGS2022]1か月に1本! これまで100作以上を生み出してきたオランダのSokpop Collectiveはインディシーンのアイドル集団だった

 東京ゲームショウ 2022の,オランダパビリオンに展示されていたのが,Sokpop Collectiveの作品群だ。2022年4月にリリースされたばかりのストラテジックシミュレーション「Stacklands」PC)は,日本語を含む12か国語版がリリースされ,Steamストアページでは“圧倒的に好評”を得ている作品だ。

画像集 No.003のサムネイル画像 / [TGS2022]1か月に1本! これまで100作以上を生み出してきたオランダのSokpop Collectiveはインディシーンのアイドル集団だった

 本作は,テーブルトップのカードゲームのような趣向になっており,全ての建物,資源,ユニットがカードとして並べられている。例えば村人のカードを森に移動させることで材木をが採取でき,そこから製材所に移動させることで木材を作ることができる。さらに木材と石,村人を組み合わせると家を作り出すことも可能だ。また,ゴブリン,クマ,ネズミなどの敵と村人が戦って勝つと,村人は成長し,より強くなっていく。
 200枚以上のカードが存在し,80種以上のクエストが楽しめる。いらないカードを売ってゲーム内コインを集めると,さらにゲーム中にあるカードパックを購入でき,1回のゲームで5〜7時間ほど楽しめるコンテンツ量となっている。

 そんなゲームを作ったSokpop Collectiveは,4人のゲーム開発者からなるオランダのユトレヒトを拠点にするチームだ。大学卒業後,別々にソロデベロッパとしてゲーム開発の現場に乗り込んだものの,2015年にこのチームを結成することになったという。そして2018年から,Sokpopの本格的な活動を行うことになるが,気になるのが「新作ゲーム,毎月爆誕!」と,ブースのポスターに書かれた日本語だ。
 以下,その理由について,結成メンバーの1人であるアラン・コーニング(Aran Koning)氏に立ち話程度のインタビューをしてきたので紹介しておこう。

画像集 No.005のサムネイル画像 / [TGS2022]1か月に1本! これまで100作以上を生み出してきたオランダのSokpop Collectiveはインディシーンのアイドル集団だった

4Gamer:
 1か月に1本というのは,驚くべきスピードですね。

アラン・コーニング(以下,Koning)氏:
 ええ。トリックをお話ししてしまうと,1人が1作を4か月かけて作っているってことなんです。昔は2週間で1作,つまり1人で1作2か月で作っていたこともありましたが,今は4か月に1作ペースでちょうどよく感じますね。

4Gamer:
 なぜ1人1作なのですか。4人で1作でも良いとは思いますが。

Koning氏:
 僕らは皆で1つのチームを結成していますが,ソロデベロッパであるという前提なのです。ソロデベロッパとして活動を続けたいけど,誰かが失敗しても他のメンバーの作品でリカバーできるような,そうした仕組みを作りたかったのです。それで,「毎月1本」を謳うサブスクリプションサービスを考案して,この5年間のうちに100本以上のゲームを毎月リリースしてきました。

4Gamer:
 そのサブスクリプションサービスはどのように展開しているのですか。
 
Koning氏:
 支援プラットフォームの「Petreon」を使っています。あと,ほとんどのゲームは2020年からSteamでも販売していて,「Stacklands」は特に注目されました。

4Gamer:
 作品から得る利益はどのように配分するのですか。

Koning氏:
 どのプラットフォームから得られる収益も,皆で均等に分けています。「Stacklands」もヒットしましたが,その配分を変更しようなんて声は上がりません。それこそがSokpopを起業した目的なんですから。

4Gamer:
 これまでゲームを作り続けて,腕が上がったと感じますか。

Koning氏:
 そうですね,最初の頃よりはだいぶ良くなったと感じます。4か月間隔で,じっくりと新しい企画を考えてイテレーションし,皆と相談しながら完成させていくテンポを掴めたと思います。

4Gamer:
 作り続けるということは,パッチやアップデートなどはどのようにケアしているのですか。

Koning氏:
 正直なところ,それはあまりできない部分です。ある意味,「Petreon」でパトロンになってもらっている人は,我々のゲーム開発者としての成長を,それぞれが毎月リリースするソフトから見守ってくれているのだと思います。
 最初,このSokpop Collectiveという企画を立ち上げたときは,誰も5年以上も継続できるなんて思っていなかったでしょう。しかし実際に皆さんからの支持を得られているので,これからも完成度の高いゲームを作るよう頑張っていくだけです。

4Gamer:
 まるでファンが成長を見守るアイドルみたいですね(笑)。しかし,ゲームを毎月1本出さなきゃいけないというのは,大きなプレッシャーになり,バーンアウト(燃え尽き症候群)になったりしませんか。

Koning氏:
 正直,それについては我々も良く話すようになりました。なので,お互いの健康についてもそれぞれがチェックし,サポートし合うことにしています。今のところ,プレッシャーよりもやる気のほうが強いので,今はこのビジネスモデルをさらに軌道に乗せ,我々のクリエイティビティを刺激するような経験をさらに積みながら,次のプロジェクトに繋げていきたいと考えています。


 Sokpop Collectiveのメンバーは,今回のTGS 2022に合わせて,初来日の道中記をYouTubeの公式チャンネルで公開しており,その滞在を満喫していた様子だ。今回の旅が彼らのクリエイティブの刺激になったことを願いつつ,今後の挑戦にも楽しみにしたい。


結成当時は,こんなアイドル風写真も出していたSokpop Collectiveのメンバーたち
画像集 No.002のサムネイル画像 / [TGS2022]1か月に1本! これまで100作以上を生み出してきたオランダのSokpop Collectiveはインディシーンのアイドル集団だった

Sokpop Collectiveのアラン・コーニング氏(右)と,ティウメン・ティオ(Tijmen Tio)氏
画像集 No.004のサムネイル画像 / [TGS2022]1か月に1本! これまで100作以上を生み出してきたオランダのSokpop Collectiveはインディシーンのアイドル集団だった

Sokpop Collective公式サイト

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