紹介記事
「Winning Post 10」初心者が楽しく馬主ライフを送るために。基本的なプレイのコツを知って自分だけの名馬を育てよう
本作は,ここ数年展開されてきた「Winning Post 9」系列の更新バージョンではなく,新たなシステムを取り入れた最新のナンバリングタイトルであり,シリーズ30周年の記念タイトルでもある。そこに昨今の競馬ゲームの盛り上がりもあって,新しく始めたプレイヤーも多いのではないだろうか。
しかし,本シリーズの初プレイはなかなかに難しい。熟練プレイヤーならこれまでの経験とコツでいくらでもやり込めるが,適当にプレイしているとゲームオーバーまっしぐらだったりする。そこで本稿では,「前作までの引継ぎなしかつDLCなし」を前提として,このシリーズを初めて遊ぶ人向けに,プレイのコツをいくつか紹介していこう。
経営シミュレーションの基本,「何に投資するか」をシビアに考えよう
シリーズ未経験の人が「よく分からん」と感じるポイントはさまざまだと思うが,本作は基本的に,(意外とシビアな)経営シミュレーションである。単純に勝てる馬を育てるゲームではなく,あくまで馬主ライフを楽しむゲームなので,馬主として,そして生産者として経済的に成功しなければならない。
特に序盤では,この経営の難しさがプレイヤーの前に大きく立ちはだかる。何より,有限の資金をどう使うかが悩ましい。ゲーム開始時には20億円もの資金が与えられるため,最初は余裕そうに見える。だが,繁殖牝馬や幼駒を庭先取引で1頭買うためだけで最低でも数千万円が必要となってくるし,セリともなれば落札額が数億円になることも稀ではない。また,1つ1つの牧場施設の拡張にも,数億円の出費が必要となる。おまけに,毎月の月末には経費だけでも数百万円以上が自動的に引き落とされる。
したがって,あれもこれもと手あたり次第に馬や牧場施設を買っていたのでは,20億円の資金はあっという間になくなってしまう。ここは,経営シミュレーションの基本に立ち返り,何を買い,何を買わないかをシビアに見極めよう。
筆者が特におススメしたい投資先は繁殖牝馬だ。理由はもちろん,繁殖牝馬が多くいれば,それだけ優秀な幼駒を生産できるチャンスも高まるからだ。なるべく早い段階で,初期の厩舎レベルでの管理上限である5頭の繁殖牝馬を揃えることはもちろん,手持ち資金が5〜10億円程度余っていたら,牧場施設の「厩舎」を拡張して管理頭数の上限を増やしていきたい。
なお,繁殖牝馬の購入の際には,年齢が若いこと,能力が高いこと(牧場長のコメントが参考になる),そしてあわよくば緑〜虹のお守りがついた馬を選ぶようにしたい。お守りつきであれば,能力の高い幼駒が産まれてくる確率が高まるからだ。
ちなみに,お守りがついた繁殖牝馬は,対応するお守りを所有していないと庭先取引で購入することはできない。だが10月1週の繁殖牝馬セールでは,そんなお守りつきの馬も資金さえあれば落札できる。この時点で所有できる繁殖牝馬の数に空きがある場合は,ぜひチェックしてほしい。
ただし,このセールに出てくるお守りつきの繁殖牝馬は,「自身の競走能力は高くなかったが,強力な史実馬の先祖となったためお守りつきに指定されており,それらの史実馬を産み終わったためにセールに出てきた」というケースも多い。このような場合だと,いざ所有して産んでくれた子どもたちの能力が安定して高いとは限らないので気をつけよう。強い親馬から強い子馬が生まれる,という原則に従うならば,ゲーム内の競走成績や史実の名馬列伝を参考にして現役時代に活躍した母馬を選ぶようにした方がいいだろう。
繁殖牝馬の話をしたところで,種付けの際のポイントについても触れておきたい。
種付けで最も気をつけるべきは,配合の「評価」と「爆発力」だ。ざっくり言えば,幼駒の能力は平均的な期待値の指標である評価をベースに,爆発力をランダムに加味することで決定される。
これらはどちらも無視できないファクターだが,筆者のプレイ経験で言えば,評価がAで爆発力が一桁の配合よりは,評価がBまたはCでも爆発力が20〜30の配合の方が強い馬が生まれてくるように感じる。候補となる膨大な数の種牡馬の中からどれを選ぶか決めかねた時は,爆発力や評価でソートをかけた結果,上位に出てくる馬を選ぶといいだろう。
なお,リストではBOOKFULLとなっている種牡馬であっても,提示されている2倍の種付け料を支払うことで種付けが可能になるという点も,忘れずに覚えておきたい。
セールで購入できる馬は,繁殖牝馬だけではない。幼駒のセールも毎年8月に行われるからだ。
幼駒に関しては,お守りのついていない馬は当たり外れが大きい。よほどの思い入れがあり,まったく成功しなくても悔いはない,くらいの覚悟がない限りは見送った方がいいだろう。
また,幼駒も庭先取引で直接購入することが可能だが,序盤に手に入りやすい緑のお守りを使っても,これで購入できる幼駒の能力には限界がある。一方で,1ランク上の銅のお守りに対応した幼駒をうまく鍛えてやれば,GIを勝利することも夢ではない。1月4週に緑のお守りを10枚溜めると銅のお守り1枚と交換してもらえるため,より強力な幼駒を入手するためにキープしておくのが有効だ。
資金に余裕があるなら手を付けたいのが,牧場施設の強化だ。観光施設を建てれば,毎月数千万以上の追加収入が得られるので単純に毎月の収入をアップできる。
そのほかにも,幼駒が故障しにくくなる「牧草」,競走寿命を長持ちさせられる「温泉施設」,競走成績に大きく影響する賢さがアップする「花壇」など,建てておくと便利な牧場施設は多い。セールなどで大金を使わない限り,十億円単位で資金がなくなることはないので,半年〜1年後の繁殖馬のラインナップを頭の片隅におきながら,牧場施設には定期的に投資をしよう。
ただし,経営が軌道に乗る前にあまり調子に乗って施設の強化に力を入れると,牧場の維持でいっぱいいっぱいになって,繁殖牝馬も幼駒も買えずに苦しい日々……となりかねないので,そのあたりはほどほどに。
手元に残す幼駒を厳選しよう
繁殖牝馬を多数揃えて毎年生産できる幼駒が増えると,それはそれで多くの現役所有馬を管理していくという別の難しさが発生する。もちろん,次走や放牧のスケジュールを調教師任せにすることもできるが,筆者がプレイした限りだと,調教師が適性にあったレースを選んでくれるかどうかは,イマイチ信用できない。「絶対勝てないでしょ」という適性のレースにも登録してしまう。また,毎週変動する疲労や調子の状態も,できればプレイヤーが毎週チェックした方がいい。
この管理の難しさも,WP10が経営シミュレーションゲームであるがゆえのジレンマだ。所有馬を充実させ多額の競走賞金を毎月獲得するためには,芝・ダート・長距離・短距離など得意分野の異なる所有馬が複数いることが望ましい。その半面,所有馬の管理があまりに大変だと見落としなどのミスが起こるし,ゲームのテンポが悪くなってプレイを続行するモチベーションが下がってしまうことになりかねない。
そこで慣れないうちは,自家生産馬を数頭,そしてセールや庭先取引で買ってきた史実馬を若干加えて,1世代あたり3〜5頭を所有するようにするとよいだろう。この方法でも複数世代の合計で10頭前後の現役馬を所有することになるが,年末に調教師から引退を推奨された馬を引退させていけば,自然と世代交代が進み,現役所有馬の頭数は一定数に抑えられるはずだ。
ここで悩ましいのが,自家生産した幼駒の絞り込み方だ。配合をじっくり考え,待ちに待って生まれてきた自家生産の幼駒を,生後間もなくあっさり売ってしまうのはためらわれる人もいるかもしれない。だが,牧場施設や高い能力の繁殖馬が揃っていない序盤では,生産した馬すべてが優れた競走馬に育ってくれるわけではない。そこで,大半の幼駒は0歳の時にセールで売却することをおススメしたい。
まだ海のものとも山のものともつかない0歳馬の能力を見極めるのは簡単ではないが,ちょうど8月のセール直前の6月1〜3週および7月1〜3週には,牧場長がスピード以外のサブパラメータ(瞬発力,柔軟性,賢さなど)に関する能力を大まかに教えてくれる。例えば,7月1週に「将来性」に関して有望そうなコメントが出たら,幼駒ごとに入力できる「メモ」を開いて瞬発力の欄に便宜的にチェックを入れる,という風にすれば8月の幼駒セールの時にどの馬を売ればよいかを絞り込む判断材料となる。
ただし牧場長のコメントは外れることもあるので注意が必要だ。そこで,知人の評価と組み合わせることで確実性を高めることができるだろう。特に体感上,史実馬や架空馬を問わず,河童木と美香の評価が高いと実際の能力が高い,というケースが多いようだ。
なお,8月の幼駒セールでは,幼駒が評価額以上の値段で売れることが多い。所有する競走馬が稼いでくれる賞金以外の収入を最大化するためには,この段階で自己所有する馬以外をすべて売却するのが理想的だ。
この時点で必要な幼駒を完全に絞り込めなかったとしても,安心してほしい。最終的に所有する競走馬を決定する年末の手続きの段階でも,選別のチャンスはある。年末の手続きでは,牧場長の「これはわたしの直感なのですが〜」というコメントを参考にしよう。ここで「超大物」「大物」の馬を優先的に選ぶようにすれば,能力の高い競走馬のみを手元に残すことができるだろう。
WP10ならではの史実馬や調教システムも押さえておこう
以上,WP10を経営シミュレーションとして捉えて,序盤のコツを紹介してきたが,そのほかにも気をつけておくとよい点をいくつか解説しておこう。
まずは,「手に入るチャンスのある史実馬を見逃さない」ことだ。所有している繁殖牝馬から史実馬が生まれる場合は,種付けの種牡馬選択時に配合評価が☆となるので,あえて史実馬を生まないプレイスタイルでない限りは,積極的に生産するようにしよう。
また,8月1週の当歳(0歳)の幼駒が購入できる幼駒セールと,12月3週の1歳の海外幼駒が購入できる海外トレーニングセールでは,稀にだが「金のお守り」クラスで名馬列伝持ち(つまり競走馬として大成した)幼駒が出てくることもある。例えば,1973年スタートだと,1980年前後のハギノカムイオーやカツラギエースなどがこれに該当する。
通常の庭先取引であれば,対応するお守りがないと購入できないこうした馬も,セールではお守りなしに購入できる。ただし,これらの史実の名馬は落札価格が高騰する傾向にある。衝動買いを我慢して常に10億円ほどの余裕資金を持っておけば,そうした高額馬でも問題なく落札できるだろう。
12月3週の海外トレーニングセールも,翌年の2歳馬の陣容が薄い場合にはチェックするといいだろう。単にセールに行くだけで費用が1000万円かかるのでちょっと尻込みしてしまうが,8月セール同様に金のお守りつきの幼駒も稀に登場するし,タイムの速さを目安に選べば,早熟で能力の高い馬に出会いやすいのも魅力的だ。
そして,自家生産ではどうしても優先度が下がりがちなダート適性の高い馬や,日本国内ではレアな血統の馬に出会いやすいのも海外セールのメリットとなっている。
調教面では,WP10ならではの特徴である史実調教を毎月忘れずに実行しよう。WP10では,パワー不足で伸び悩んだ馬や,勝負根性のない先行馬,瞬発力のない追込馬なども,史実調教のおかげで大成させやすくなっている。
特に序盤は,所有馬の能力が微妙でなかなか勝利できない,という状況によく遭遇することだろう。そんな時でもあきらめず,史実調教で弱点を鍛え,適性や相手関係を調べてレースを選べば,オープン級まで昇格することができるはずだ。
なお,月末になっても史実調教を実行していないと秘書から調教師に任せるかを尋ねられるのだが,それぞれの馬の短所をうまくカバーしてやるためにも,なるべくプレイヤーの手で実行してほしい。
そして,WPシリーズの調教と言えば“1週放牧”も忘れてはならない。
所有馬の調子はいつ悪化するか分からないので,調教師に任せていてはレースに調整が間に合わない。そこで有効なのが「1週間だけ放牧する」という行為だ。1週間だけでも,下向きになった調子が必ず上向きになるので,適時使うことで必ず良い状態でレースを迎えられる。
1週放牧は,次走まで間がない時に疲労を取る場合にも有効だ。例えば,天皇賞秋(10月5週),ジャパンカップ(11月4週),有馬記念(12月4週)という「秋古馬3冠」のローテーションを組むと,天皇賞やジャパンカップの後で予想以上に調子が落ちたり疲労が高まったりする場合がある。そんな時に1週放牧をすることで,調子や疲労を回復した状態で次走に挑めるのだ。
さらに1週放牧には,月をまたぐ形で使うことで競走寿命の減衰を抑えられる効果もある。
このように,1週放牧を知っているのと知らないのとでは,所有馬の体調管理の難度が大きく変わってくる。あまりに便利なので,「これは本当にいいのか?」と感じるくらいだが,シリーズでおなじみの調整方法なので,WPらしい部分でもある。
以上,WP10をプレイするうえでのコツをいくつか紹介してみた。これらを頭の片隅において5〜10年プレイすれば,所有馬の陣容や牧場施設が充実していることだろう。ここまで来てしまえば,経営シミュレーションとしてのWP10の難度は大きく下がってくる。その後は,好成績を残した馬が獲得してくれたお守りを使って強力な史実馬を入手し,それらの史実馬や自家生産の架空馬に賞金やお守りをさらに稼いでもらう……という正のスパイラルを形成できているはずだ。後は自分なりの目標達成を目指して,馬主ライフを楽しんでほしい。
さらに気楽に遊びたいという場合は,WP10の体験版を先にプレイして引き継ぎすれば,ボーナスとして金のお守りがもらえることを利用して,ゲーム最序盤で超一流の名馬を購入することで,経営を確実に軌道に乗せられる。これからWPの世界に入る人にも,体験版はオススメなので,まずはプレイしてみるといいだろう。
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