インタビュー
[インタビュー]めでたや「信長の野望 出陣」1周年! 菊地Pがホロリときちゃった激動の1年とは?
現場ではこれまでの出陣の歩みをはじめ,本日8月29日に実施される1周年アップデートの情報として,バッチバチ必至の「東軍・西軍勢力戦」の話なども聞いてきた。文末では,開発直伝の「編成見直し塾」も掲載しているので,ステップアップしたい初心者はぜひご一読を。
「信長の野望 出陣」公式サイト
「信長の野望 出陣」ダウンロードページ
「信長の野望 出陣」ダウンロードページ
“天下統一”に向けて,新たなスタート
4Gamer:
「信長の野望 出陣」の1周年,おめでとうございます。
菊地啓介氏(以下,菊地氏):
ありがとうございます。前回のインタビューでも同じようなことを言いましたが,本当にあっという間の1年でした。
4Gamer:
始めに,1周年を迎える心境はいかがでしょう。
菊地氏:
いろいろな気持ちが入り混じっています。昨今のアプリ市場で1年間もの運営を続けるのは難しいものと覚悟していましたが,プレイヤーの皆さんのおかげで,なんとかたどり着けました。ただ,ホッとしている反面,当初の想定を実現しきれなかった悔いもあります。
1年前のサービスインから先,出陣はプレイヤーの皆さんの反応を受けて追加・改善したものが多数ありますが,それに加えてイベント実施や不具合対応もあったことで,手が足りない状態が続きました。
ですので,今は1年経ったけれども,やりたいこともやるべきこともまだまだたくさんあります。今回の周年は出陣の新たなスタートと受け止めて,皆さんがより楽しめるゲームに進化させられるよう,「やるぞ!」という使命感が湧き上がっているところです。
4Gamer:
まだ楽しみが待っているようで,プレイヤーとしてもうれしいです。
菊地氏:
皆さんに楽しんでいただけている様子は,我々チームの糧になっていて,運営の原動力につながっています。
これまでもいくつかご当地コラボを実施してきましたが,現地で話しかけてもらえることも,「出陣のついでにこういうところに行った」と投稿してもらえることも,すべてエネルギーになっていました。
私は過去,長らくコンシューマーゲームを開発してきましたが,あらためて「ゲームを1年間遊び続けてもらう」のはなかなか大変なことだと実感しています。皆さんに貴重な時間を使って遊んでいただけている現状も,「当たり前ではない」と強く認識して取り組んできました。
4Gamer:
出陣は追いつけ追い越せを考えないで済むゲームなので,そうした意識も,自分なりのペースで遊べる作風に影響していそうですね。
菊地氏:
そうかもしれません。このゲームは日本全国を自分の足で歩き,領地を得ていく遊びですが,“天下を統一する”という目標に向かう途上には,寄り道できるコンテンツを充実させようと考えてきました。やはり,同じことのくり返しは飽きさせてしまいますからね。
一方で,ガラッと変えすぎてしまうのも,それはそれでプレイヤーの皆さんに「じゃあ今までやってきたことはなに……?」と徒労感を覚えさせてしまいます。そのため次の1年は,新しいものと続けていくものとのバランスをうまく取りながら挑んでいくつもりです。
1周年のアップデートで大・開・放!
4Gamer:
まずは周年アップデートについてお聞かせください。
なんでも「メインストーリーが新規追加」されるとか?
菊地氏:
これまでのメインストーリーはチュートリアルを兼ねる内容でしたが,次章からは「諸国を紹介するお話」に仕立てました。
最初は近畿地方から始まり,そのあとは北陸・東海などにお話を移していきます。その地方にちなんだ物語やミッションを用意しているので,新しい遊びとしてぜひ楽しんでもらいたいです。
4Gamer:
ストーリーは随時実装されていく形でしょうか。
菊地氏:
ええ,これまでと同じように「第○章」を随時実装していきます。お題となるメインミッションも定期的に追加し,ゲームを進めている感触をしっかりと味わえる作りを目指していきたいと思います。
ちなみにミッションのなかには,「完全制圧した市区町村が〜〜個以上あること」といった条件もありますね。
4Gamer:
それはなかなかやり応えがありそうです。
菊地氏:
最近は,選択した地方のランダムな地点に遠征できる「遠征令箱」の登場により,皆さんの全国制圧も進んできましたので,次なる目標として“各地方の制圧率向上”を後押ししたいんです。メインミッションでしか得られない武将の友好度もあるので,ぜひ挑戦してください。
もちろん,焦らず自身のペースで進められる作りを心がけているので,日々のちょっとした刺激にしてもらえるだけでも幸いです。
4Gamer:
プレイヤーレベルも上限が開放されるそうですが,いくつくらいに?
菊地氏:
今回は「Lv150」を開放します。すでに数千人のプレイヤーの皆さんがLv100に達していて,毎月のように「開放はまだ?」というお声をいただいてしまっていたので,この周年の機会に対応することにしました。
4Gamer:
満を持してですね。Lv100以降のLv上げとなると大変そうですが。
菊地氏:
レベルアップ条件として,多少の石高や技術レベルは必要ですが,そこまで劇的な階段方式にはしていません。おそらく,Lv100の人はこれまでの延長線といったペースでレベルを上げられるはずです。
出陣におけるプレイヤーレベル自体,その人の強さなどではなく,「拠点や石高をこんなに獲得した!」という感覚を実感してもらうような,日々の積み重ねに対する達成感のような値ですしね。
4Gamer:
Lv100プレイヤーがもう数千人に達したとのことですが,運営側の当初の進捗予想としては早かったのでしょうか。
菊地氏:
早かった,というより「多かった」ですね。
レベル上限を50から100に引き上げたとき,「Lv100への到達目安時間」も計算していて,そこはだいたい想定内でしたが,Lv100到達者がまさかこれほど出てくるとは。予想以上で驚きましたし,それほどまでに遊んでくださっていることを本当にありがたく感じています。
4Gamer:
同じく開放要素として,技術レベルの上限も引き上げられるとのことですね。こちらも熱心に取り組んできた人は多そうです。
菊地氏:
これまでレベル上げに対応した技術の最大値はLv15でしたが,今回から一部の技術についてはLv25まで上げられるようになります。
各地方の技術マップにも新要素開放のための技術を追加しているので,マップが埋まってきた人も新たな指針を考えてみてください。
続日本100名城と名城武将が登場! 図鑑機能も充実
4Gamer:
埋めるといえば,名城図鑑に「続日本100名城」も追加されますね。
菊地氏:
スタッフが続日本100名城の関係各所への連絡に尽力したことで,追加がかないました。続日本100名城には“12人の名城武将”が登場します。例えば,山形県の米沢城では直江兼続を獲得できます。
4Gamer:
続日本100名城でも,その地に縁のある武将をゲットできるんですね。
菊地氏:
はい。それと既存の日本100名城のほうにも,新規武将を12人追加しました。こちらも例を挙げると,先日の列伝イベント「河越夜戦」で活躍した北条綱成が,川越城で獲得できるようになっています。
4Gamer:
なぬっ,ぜひとも足を運ばねば!
菊地氏:
日本100名城のほうに関しては,すでに訪問済みの場合,「アップデート後に追加武将を自動で入手」できる仕組みにしています。
4Gamer:
ああ,もう1度取りにいかなくても大丈夫なんですね。
菊地氏:
ただ,続日本100名城のほうは訪問済み,あるいは該当の領地を獲得している場合,図鑑には自動で「登録」されますが,名城武将の獲得には,あらためて現地を「訪問」していただく必要があります。
4Gamer:
なるほど。今年度のお城めぐりプランを見直す必要があります。
菊地氏:
ぜひ旅のきっかけにしてもらえればと思います。
それとフィールドで出会える武将も54人を追加しました。こちらは各地域,各レアリティにまんべんなくといった形です。一例として,東海地方ですと,SSRの蜂須賀小六が登場します。
皆さん,ご近所のフィールド武将も十分に「覚醒」された時期かと思うので,この機会にまた新武将を探し歩いてみてください。
4Gamer:
その際,既存のフィールド武将も従来通りに出現しますか?
菊地氏:
はい。今までの武将も登場するので,そこは安心してください。
4Gamer:
もう1つ,「古戦場図鑑」についてはどういうものでしょう。
菊地氏:
名城図鑑と同様,日本各地にある100か所の古戦場を実際に訪問することで図鑑に登録していく,というものです。
対象は川中島の戦いや関ヶ原の戦いといった有名どころから,真田丸の戦いなど,ある合戦の一場面にフォーカスしたものも含んでいます。同じ図鑑機能として,領地を獲得すれば登録できる「名所」もありますが,古戦場のほうは現地に足を運んでいただく必要があります。
4Gamer:
これまであまり意識してこなかったのですが,歴史に残っているだけでも100か所もの戦場があったんですね。しかし古戦場めぐりというと,お城訪問よりもさらに渋いイメージがありますよね?
菊地氏:
場所によっては石碑が置いてあるだけ,野原が広がっているだけといったところも少なくないですしね。だからこそ,「そういう場所にも行った証」として新たにコレクションしていくのは楽しいのではないかなと。
4Gamer:
確かに。古戦場めぐりは「兵どもが夢の跡」と思いをはせるディープな体験になりがちなので,付加価値ができて足も軽くなるかも。
菊地氏:
それに古戦場にもいろいろあり,川中島では毎年お祭りが開催されていますし,桶狭間などは「古戦場と言われている場所が2か所ある」など,旅のついでの見どころや発見も多いんですよね。
我々としてはお出かけの目的や楽しみを,ゲームでちょっとだけ増やせないかと思案してきましたので,今後はぜひ各地の古戦場にも足を運び,いろんな思いを感じ取ってみてください。
4Gamer:
関ヶ原など,おもてなし武将隊がいる古戦場もありますしね。跡地に諸説があるのもまた歴史の面白さですし,歴史散歩がより充実しそう。
歴史ついでに,歩数で進める「歴史紀行」も新街道があるとか?
菊地氏:
2つ目の街道「中山道六十九次」を追加します。こちらは従来の「東海道」を踏破すると開放される仕組みです。
4Gamer:
中山道は埼玉や群馬,長野方面から京都を目指すルートですね。ちなみに東海道を踏破済みなら,2つの街道を同時進行できるのでしょうか。
菊地氏:
それがですね,両ルートの同時進行はできないため,中山道を進めるには一度,東海道から設定を切り替えていただく必要があります。
4Gamer:
あっ,私は東海道2周目の道中なのですが,この歩数の扱いは……?
菊地氏:
中山道は中山道だけの歩数,ということになるので引き継ぎはできません。ただ,切り替え自体はいつでも可能ですので,お好きなタイミングでスイッチしていただければと思います。
4Gamer:
となると,2周目の東海道をキッチリ歩いて,三条大橋まで到達してから中山道に行くのもいいかもしれませんね。
あれ。意外と「中山道いくぞー」な気分になりそうです!
菊地氏:
その意気でぜひ挑戦してみてください(笑)。
絶対欲しい内政施設3種が追加!
4Gamer:
内政にも新施設「神社」「狩場」「採掘場」が追加されるそうですね。こちらはそれぞれどんな効果を持っているのでしょう。
菊地氏:
1つ目の「神社」は,皆さんが余らせている兵糧などの資源を納めることで“おみくじ”が引けます。こちらは週に一定回数まで引けて,くじでしか得られない武将友好度などの報酬を得られます。
4Gamer:
それは楽しそうです! 武将については,例えばどなたが?
菊地氏:
目玉となりそうなのは「宮本武蔵」ですかね。武蔵は技術で開放することで(条件「中国地方の市区町村の完全制圧数」),おみくじの当たり対象として任意でセットできるようになります。
もちろん武蔵だけでなく,各地にちなんだおみくじ武将がいるので,各地制圧と技術開発を進める新たな恩恵と思ってください。
4Gamer:
ここでも各地の完全制圧がポイントになってくるのですね。
次いで「狩場」はどういったものでしょう。
菊地氏:
狩場は“武将経験値が毎日手に入る施設”になります。出陣を遊んでいると,武将経験値ってけっこう足りなくならないですか?
4Gamer:
なります。もういくらあってもいいものです。
それが毎日獲得できるようになるとっ!?
菊地氏:
そうです。1日の初ログインで兵糧や金銭が手に入るのと同じように,武将経験値も入手できるようになります。
これもまた技術での開放が必要ですが,開発を進めてレベルアップさせていくことで,武将経験値の獲得量も増加していきます。
4Gamer:
絶対に欲しい施設ですね。では最後の「採掘場」は?
菊地氏:
狩場の資材版です。開発すれば毎朝資材がもらえるようになります。
4Gamer:
あああ,それも絶対いる……資材は支城移転などでたくさん使いますから,地方制圧に燃える人には必須そうですね。
これら新施設には,武将を任命させて成果向上を図れますか。
菊地氏:
狩場と採掘場には武将を任命できます。
いずれも専用の得意特性はないので,現状は「該当施設向きの能力の武将」を置いてもらうのが最善となります。
4Gamer:
特性の有無を除けば,従来の施設と同じ勝手ですね。
それにしても,内政面が一気に拡張された感じがします。
菊地氏:
ここも新しいものと,続けていくもののバランスを取った拡張と言えます。加えて周年アップデートでは「フィールド派遣の4枠目も開放」されるんです。技術開発で開放できます。
4Gamer:
4枠目の追加……待ってました! 私はなるべく得意武将を派遣させたい派なので,農民用・商人用・野盗用・武将用をセットしておけて,かつ入れ替えずに済むようになるのが本当にうれしい。
……そのうえで今後,5枠以上に増えたりすることは?
菊地氏:
今のところ予定していないです。プレイヤーの皆さんからの要望が多かったら検討,とはなるかもしれませんが。
一応,派遣のクールタイムに対する要望などもいただいていましたが,昨今では「来訪イベント」を開催しているので,待ち時間を早めるより,枠数を増やすほうがいいだろうと判断しました。
4Gamer:
来訪は「○○を○回以上タップ」という依頼もありますものね。
菊地氏:
あと派遣の新機能として,1周年の列伝イベントでは「強者を派遣で登録」できるようになります。派遣で取れる回数には毎日の上限がありますが,無制限に取りたい人向けに専用パスも提供します。
4Gamer:
ついに派遣で強者を……!
パネルミッションを達成するのにも重宝しそうです。
菊地氏:
そこも派遣枠の追加が相乗効果として効いてくるはずです。
天下布“歩”を成すにも,オシャレじゃなくちゃ!
菊地氏:
周年アップデートでは我々なりの目玉として,「見た目のカスタマイズ機能」も導入します。画面に映る皆さんのアバターの服装を変えられるようになるわけです。これにちなんで,プレイヤー全員に「当世具足」をプレゼントします。
4Gamer:
うおぉ甲冑ですね!? かっこいいですねー。
菊地氏:
あとは忍者装束や雅な着物なども用意します。それぞれ2タイプのデザインがありますので,好みで選んでください。
衣装の通常の入手方法は,歩くとたまる「戦国マイレージ」交換所の引き換え景品などにします。種類も随時追加していくので,気軽にオシャレを楽しんでもらいたいです。
4Gamer:
歩くときの気分も変わりそう。どの衣装も着せてみたくなります。
菊地氏:
衣装のほかに,各大名家の家紋が入った「旗指物」も身に着けられるようになります。まずは織田家や武田家,上杉家や伊達家などの旗を配布するので,こちらも好みの組み合わせを探してみてください。
こちらのバリエーションも,ゆくゆくは追加していくつもりです。
4Gamer:
旗指物まであると,一気に戦国感が増しますねー。
菊地氏:
アバターアイテムはゲームの遊びとは直接関係ありませんが,日々のプレイを楽しくさせるものとして,絶対に入れたかったんです。
1周年の列伝イベントは,天下分け目の大戦!
4Gamer:
列伝イベントの話もありましたが,今回のテーマはなんでしょう。
菊地氏:
1周年の列伝イベントは「関ヶ原の戦い」です。
過去,列伝イベントでは戦国の出来事をいずれかの陣営,もしくは武将の立場で描いてきましたが,今回は“東軍から見たストーリー”が展開します。これにちなんで,特別登用で得られる武将も「本多忠勝」となっています。さらに1周年の特別武将として「徳川家康」も登場します。周年にふさわしい能力に調整しているのでご期待ください。
4Gamer:
周年にふさわしい家康……! ぜひともお迎えしたいです。
菊地氏:
それと先日「石田三成」を登場させましたが,周年前の共闘イベントでは「大谷吉継」も実装するので,西軍びいきの人は注目ですね。
イベントストーリーも東軍主軸ではありますが,西軍の熱いシーンも挿入するので,ボリュームはいつもよりも多いです。
4Gamer:
西軍にもドラマがありますものね。列伝イベントの物語は,先日の河越夜戦もグッときましたし,評判もどんどん上がっている印象です。
菊地氏:
今回もシナリオスタッフが注力しているので,楽しみにしていてください。それと強者は今まで,2名の武将が前後半に分かれてフィールドに出現していましたが,今回は「強者の種類」を増やしています。
4Gamer:
おお,それはスペシャルですね。
となると強者向けの編成もいくつか考えておきたくなります。
菊地氏:
強者のレベルが低いうちは戦力でさえ勝っていればなんとかなるはずですが,高レベルになってくると「討伐目標」や弱点に合わせた工夫が必要になっていきますからね。
4Gamer:
この強者の種類増加は,関ヶ原以降も継続されるのでしょうか。
菊地氏:
現状の想定だと,今回のみの特別な仕掛けとしています。ただ,こうした機能拡張がベースとなり,新たな要素を生んできたのは確かなので,今後の状況を見つつ検討していきたいと思っています。
4Gamer:
仕掛けといえば,1周年で開催される群雄リーグ「出陣最強決定戦」も気になっています。最強決定戦とは……?
菊地氏:
今回の群雄リーグは9月5日からエントリーを開始しますが,最強決定戦は“ご当地ボーナスいっさいなしの戦い”となります。
これまでは該当地方と縁の深い武将がバフされ,該当地の領地を持っているほど有利だったのですが,今回はそれらの要素はいっさいなし。全国の領地制圧率は反映されますが,純粋な強さを競い合います。
選りすぐった武将たちと,その編成のうまさが物を言うと思うので,自信がある人はぜひとも実力を見せつけていただきたいです。
4Gamer:
熱い腕試しの機会になりそうですね。
菊地氏:
群雄リーグの特別登用では,各地方の代表的な武将から好きな人物をピックアップできます。部隊強化の足しにしてみてください。
4Gamer:
一点狙いがしやすそうですね。
新要素については,攻城戦にもあるんですよね。
菊地氏:
9月半ばの攻城戦は「勢力戦」形式となります。勢力戦はこれまで2回開催してきましたが,そのときは織田家・武田家・上杉家の三つ巴で,プレイヤーの皆さんにはいずれかの勢力に属してもらいました。
一方,今回は関ヶ原の戦いにちなんで,東軍「徳川家康」と西軍「石田三成」の好きな勢力を選んでぶつかり合っていただきます。
4Gamer:
おお,そこでも関ヶ原再現。どっちに入るか悩みますね。関東住みとしては東軍ですが,西軍で史実をひっくり返すのもおもしろそうです。
コラボもバランスを大事に
4Gamer:
1周年のコラボ施策などはいかがでしょう。
菊地氏:
近日開催のものだと,昨年のJR東海さんとのコラボに続き,JR東日本 新潟支社さんとのコラボが実現していて,上越・北陸新幹線に乗って楽しむイベント「謙信 越後に出陣!」が8月22日から開催中です。
開催期間は9月30日まで。8月24日〜25日が「第99回 謙信公祭」だったので,それに合わせた長期日程となっています。
秋の旅行がてらに楽しんでいただけたらうれしいです。
4Gamer:
駅弁を食べつつ,新幹線の車窓から黄金色の田園を眺めると。パネルミッションの達成報酬も「【越後に出陣】上杉謙信」ですしね。
コラボに関してだと,「ドコモで楽市楽座」はけっこう攻めていましたね。ポインコ兄弟が信長の肩に乗っているのがツボでした。
菊地氏:
「【楽市楽座の賑】織田信長」は,私も一生懸命バランスを探っていました。CGディレクターともずっと「ここの位置か?」「このバランス感では?」とやり取りして,あの形に仕上げたんです。
ただ,プレイヤーさんには「雑コラ」と言われてしまい……むしろ,チーム内でも僕の耳にギリギリ届く音量で囁かれていました(笑)。
4Gamer:
私はあの信長が具申で登場するとフフッてなりますし,かわいらしくて好きですが(笑)。コラボの世界観はやっぱり考えるのですよね?
菊地氏:
ええ。例えば5月開催の劇場版「鬼平犯科帳 血闘」とのコラボでは,同作の舞台が江戸時代で,「信長の野望」の世界観ともそこまで逸脱していないだろうと考えての打診でした。
一方でNTTドコモさんとのコラボのように,「信長の野望」らしさを保ちつつも,アクセントとなるような施策も打っていきたいです。いずれは漫画やアニメの作品ともコラボしてみたいですしね。
4Gamer:
もう一点,新イベント「戦国ウォークラリー」が実施されているようですが,こちらはどこかの史跡を歩くようなものですか?
菊地氏:
戦国ウォークラリーは当社主導のイベントで,プレイヤーの皆さんに「1人10万歩を歩いてみませんか?」というご提案になります。
4Gamer:
おおお,10万歩ですか。いけるかしら……。
菊地氏:
実現に至るまで,プレイヤーの皆さんの「月々に歩いた歩数データ」を集計させてもらっていましたが,「10万歩くらいが達成率が高くなるんじゃないか?」という落としどころだったんです。
具体的な内容としては,ゲーム内パネルミッションとして歩数の目標を段階的に提示していきます。コンプリートするとゲーム内アイテムや,抽選で最大10万円相当の「えらべるPay」が当たるチャンスもあります。
夏の暑さが和らいできたころ,ぜひとも挑戦してほしいです。
4Gamer:
さらに,9月末には「東京ゲームショウ2024」も控えていますよね。
菊地氏:
本作が迎える2回目のTGSですね。昨年は幕張メッセにチェックイン用のスポットを置きましたが,あれがサービスイン後に初めて実施したご当地イベントと言えるので,とても感慨深いです。
今年のコーエーテクモゲームスのブースでは,ゲーム内アイテムが手に入るチェックイン用のスポット,ゲーム画面を提示した人に先着で出陣オリジナル「ひんやりマフラータオル」を贈呈する企画を行います。
4Gamer:
会場もきっと暑いでしょうから,涼感グッズは助かりそうです。
菊地氏:
それから,今年の「大関ケ原祭」でもなにか協力できればと考えています。自治体さんとの初コラボは,大関ケ原祭2023が最初でしたので。
4Gamer:
周年施策的に,多くのプレイヤーも足を運びそうですしね。
菊地氏:
そうやって盛り上がりの一助になれればと思っています。
本作の1年の歩みを振り返って
4Gamer:
今回は1周年ということで「簡易的な年表」を用意させていただいたのですが,この1年,印象に残っていることはなんでしょう。
菊地氏:
そうですね。2023年9月の「攻城戦」実装時は「位置情報を利用した,みんなで戦うゲームができた」という感触を持てました。まあ,そのあとの共闘イベントはいい感触がありつつも,リアルタイム通信の戦闘とあってトラブルがあったり,プレイ時間が長かったりと,いつくかの反省点で皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました。
あそこからバランスや機能を見直し,改良を重ねて,段々と「歩く」ことと「みんなで戦う」ことの要素を組み立ててきました。
初回の来訪イベントもいろいろとご指摘をいただいてしまい,こちらの認識が足りていなかった面は2回目で大きく修正させてもらったのを覚えています。振り返るとやはり,大変だったことだらけです。
4Gamer:
プレイヤーからの反響がとくに大きかったことなどは?
菊地氏:
2024年2月に「湯治場」を実装したときは,わりと反響が大きかった気がします。最初は「もらえる友好度が少ない」と言われていましたが,技術開発でレベルを上げるほどに獲得友好度が増えていくので,今ではけっこう活用していただいているのではないかと思います。
4Gamer:
限定武将の友好度をもらえるのがうれしいんですよねー。
菊地氏:
ゲーム外だと,2023年10月に放映したTVCMや,11月に読売新聞さんに載せてもらった見開き広告の影響で新規プレイヤーが大きく増えて,今でもプレイし続けてくれているデータを目にしてうれしく思えました。
4Gamer:
甲冑姿の人々が現代の街を歩く実写CM,かなり凝っていましたね。
菊地氏:
あれは渋谷で撮ったのですが,朝のものすごく早い時間に撮影したんですよね。しかもその日は天気がぜんぜんよくなくて(笑)。
位置情報ゲームに携わってからは,天気や災害にもずいぶんと敏感になりました。この1年も,日本各地で震災や悪天候による災害がいくつもありました。今も日本のどこかで大変な思いをしていらっしゃる方々がいるということを,以前よりも強く考えるようになっています。
4Gamer:
ご当地イベントと名のつくものだけで,9つやっていましたね。
菊地氏:
ありがたいことに,いろいろな自治体さんや企業さんからお声がけいただいております。先日の相馬野馬追のお祭りコラボもそうでしたが,出陣はコラボの事例が増えるごとに,「我々ともなにかできませんか?」とお誘いいただくケースが増えてきています。
申し訳ないことに,それらすべてにお応えすることは難しかったのですが,皆さん地元を盛り上げようとする熱意が高くて,その思いに触れさせていただけている現状をありがたく感じています。
それに「日本には歴史にちなんだ魅力的な場所がたくさんあるんだな」ということを,あらためて実感させられた1年でしたね。
4Gamer:
まだまだ知らないお祭りや名所があると気付かされますね。普段の遠征でも,地方に支城を置いたことで知った地名がたくさんあります。
菊地氏:
日々のプレイとは別に,旅行時の楽しみ方がまた違うのも出陣らしさなんですよね。プレイヤーの皆さんにも「日本100名城を訪問したとき,出陣のおかげで満足感が高かった」と言ってもらえています。
私も「信玄公まつり」のとき,武田氏館で老若男女の方々がスマホをかざして,名城武将の武田信玄をとっている姿を目撃し,現地に向かうバス車内でも,ご年配のご夫婦が出陣をプレイしてくださっていて,思わず感動しました。この1年,ゲームの運営で考えさせられることは多かったですが,こういういいこともあって,総じていい年だったと思えます。なんか,振り返っていたらジーンときてしまいますね。
4Gamer:
タイムラインをまとめたかいがあります(笑)。
さて,お堅い話としては「位置情報ゲームとしての今後の展望」はいかがでしょう。出陣は現在,ゲームデザインに改良を重ね,遊びも軌道に乗せたイメージです。一方,位置ゲームは安定してくるほどゲーム性の追求のほか,リアル店舗とのコラボ,ヘルスケアの充実など,ゲーム分野以外のさまざまな概念と連携するのが慣例となっています。
その点,出陣は現時点でも前例にない施策や,旅行を楽しくするユーティリティに富んでいますが,今後はどうなのか。なにかに注力することも含めて,2年目をどんな風に歩んでいきたいとお考えですか。
菊地氏:
やはり,バランスを取っていきたいです。
出陣の遊びの軸は,歩くこと,遊ぶことにありますが,人によっては「こういう楽しみ方が好きだから,このイベントはがんばってみよう」など,多様なプレイスタイルがあると思います。同じゲームでもいいと思う部分は人それぞれですので,なにか1つに注力するといった考えはせず,今後もそういった多面的なことに対してバランスを取り,ゲームの作りでフォローしていければと考えています。
4Gamer:
出陣は,サービス1年にしては幅広いコンテンツを大量に導入してきたと思います。私も実装のたびに楽しませてもらってきましたが,それらの影響で遊びの選択肢が増えすぎる,目的を散漫にさせる,あるいは導線が乱雑になるなどの問題も浮上してくるころではと推測しています。
こうしたスマホゲームとしての課題はいかがでしょう。
菊地氏:
おっしゃるとおり,プレイヤーの皆さんからは「やることが多すぎる」といったご意見をいただくこともあります。この点については,もっと整理して,ゲームをスムーズに遊んでもらうための改良の余地があると考えています。そこは皆さんとの対話しながら進めていきたいです。
とはいえ,伸ばすべきことは伸ばしつつも,先ほど挙げていただいたような,なにかを極端に推すことはせずにやっていくつもりです。
4Gamer:
そういった幅広い楽しみを提供していくスタンスは,人や理想や参考物など,なにを源流として培われているのでしょう。
菊地氏:
出陣に関しては「チームにいろんな人がいて,彼らが新たな遊びを思い描いてきた」。その結果で形作られてきたものです。
コーエーテクモゲームスの「midas」ブランドは,発足時からスマートフォン市場に対して創発的に取り組むことをミッションとしてきて,さまざまなジャンルの意欲的な人員を集めてきました。
それだけに,以前はコンシューマ専門だった私のように,みなゲームに対するさまざまな価値観を養っています。チームリーダーたちは当社の歴史ゲームの妙を知っています。彼らにつくメンバーたちも個性や嗜好が豊かで,プロモーションチームだって「3県周遊キャンペーン」をしれっと制覇してくるような猛者がそろっています。
そうした各々の強みや好きなもの,やりたいことが集まって1つに凝縮されてきた。それが今の出陣なんだと思います。
4Gamer:
本作がどう作られてきたのか。またどうして今の形になったのか。これ以上にない納得感を覚えさせていただきました。
それでは締めくくりとして,今後の意気込みをお願いします。
菊地氏:
出陣を1年間もサービスし続けてこられたのは,すべて日々遊んでくださっているプレイヤーの皆さんのおかげです。あらためて,本当にありがとうございます。我々一同,深く感謝しています。
配信当初はロード時間の長さ問題などでやめてしまった方々もおられるはずですが,この1年でものすごく改善してきました。1周年では多くのイベントやキャンペーンも実施しますので,これを機にまた触れてくださると大変うれしいです。もちろん,新規のプレイヤーさんも大歓迎です。
我々も,まだまだご期待に応えきれていない部分を自覚しており,心苦しさを感じていますが,今後もゲームを進化させていけるよう励んでいきます。これからも全国の皆さんと手を取り合い,次の2年目は1年目以上に楽しくなるような運営を目指していきます。皆さんこれからもどうぞ,「信長の野望 出陣」をよろしくお願いいたします。
初心者脱却! 開発チーム直伝「編成見直し塾」
今回,1周年にかこつけて開発陣に“私の部隊編成”を見てもらい,教えを乞うというずうずうしさを発揮してみた。
現在のプレイヤーレベルは50。武将はそれなりにそろってきているけれど,ちょっとお休みしていた期間もあるのでやり込みとは言えず。武将も勢力に偏りがあるし,レベルを上げきれていない人もまちまち。
そんな状況で相棒としている部隊たちを,周年目前で忙しそうな開発スタッフを捕まえて見せつけたのが,今である(あらためて,ご教授くださった開発チームの皆さまにお礼申し上げます!)。
例えば「攻城戦で相手より戦力が上だったのに,なぜか負けた」とか。「新武将をどう組み込んだらいいのか分からず,結局いつものメンバー」とか。同じような悩みを抱えている,ちょうど中間層なプレイヤーは,以下のアドバイスが参考になるようなら部隊を見直してみよう。
■日々の拠点戦部隊
■攻城戦部隊
4Gamer「こちらが,現在の我が軍の最強部隊でございます」
開発「ふむふむ,なるほど。主力は【毘沙門天】上杉謙信を大将にした,上杉家の騎馬部隊なんですね」
4Gamer「あの上杉謙信の戦法,ドゴォ! って感じで強いですよね」
開発「そうですね。サービス開始時から現在まで活躍している,使用率の高い人気武将です」
4Gamer「あと,初期に手に入った島津家の皆さんを愛用しています」
開発「武勇攻撃や会心率上昇を中心とした武将が多いので,上杉家とも相性がいいですよね」
4Gamer「それとお恥ずかしいのですが,「信長の野望・新生」や「信長の野望 覇道」の北条綱成さんのグラフィックが好きでして……本作でも綱成さんを入れた部隊は外せないなと!」
開発「こちらも,武勇攻撃と相性の良い【獅子奮迅】北条氏康が編成されていたりして,非常にマッチしていると思います」
4Gamer「あと,今川義元が安定して回復してくれるので,なんだか手放せないんですよね。最近は寿桂尼さまもお迎えできましたが」
開発「確かに安定感は増しますね! ただ,この攻城戦軍団のなかでは少々ミスマッチかもしれません」
4Gamer「えっ,攻城戦には回復部隊いらないんですか……?」
開発「攻城戦では“なんらかの方向性に特化した軍団”がおすすめです。例えばこの編成では,もう武勇攻撃に振り切って,強化戦法をかけつつやられる前に怒涛の勢いでやる! みたいな。そこにからめ手を加えて敵の動きを止める武将を少し混ぜることで,安定感が増しそうです。逆に,回復系を中心にするなら「被ダメージ軽減」特性を持つ盾役を多めに編成しつつ,長期戦で効果を発揮する【土佐の魁傑】長宗我部国親を加えるなど,耐久寄りに振り切ると生きてくるかもしれません」
4Gamer「なるほどぉ……勉強になります。攻城戦って,相手の戦法を発動させなくする恐慌とか,攻撃できなくする混乱とか,とにかくイジワルなほど勝てるイメージがあります。上手なプレイヤーさんが戦い方を紹介しているSNSで使われていたのを見て,風魔小太郎を育ててみましたし。混乱を付与できるし,広範囲に攻撃できて,3部隊とか同時に倒せるのがすごい,とシビれまして。いつかできるようになりたいです!」
といったアンチョコを教えてもらうことができた。上級者であれば知っていて当然だったかもしれないが,自分のペースで遊び,学んでいっても問題ないのが,この出陣のいいところなのである。
まもなく1周年。となると次はサービス2周年を目指して,今後もさらなる(私自身のプレイも含めた)進化を期待していきたい。
「信長の野望 出陣」公式サイト
「信長の野望 出陣」ダウンロードページ
「信長の野望 出陣」ダウンロードページ
キーワード
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.
(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.