プレイレポート
あなたは,待ち時間に何かしても,しなくてもいい。人生の過ごしかたを「While Waiting」の試遊で考える[TGS2024]
開発は,パズルアドベンチャー「Moncage -箱庭ノ夢-」(PC / Switch / iOS / Android)で知られるOptillusionで,9月28日にTGS 2024内で開催されたインディーゲーム開発者によるピッチコンテスト「センス・オブ・ワンダー ナイト 2024」では,ポッキー賞を受賞している。
「センス・オブ・ワンダー ナイト 2024」,最高賞受賞作品は「Esophaguys」。首が伸びるお爺さんたちが登場するパーティーゲーム[TGS2024]
CESAは本日(2024年9月28日),インディーゲーム開発者によるピッチコンテスト「センス・オブ・ワンダー ナイト 2024」を開催し,受賞者を決定した。最高賞にあたる「Audience Award Grand Prix」は,首が伸びるお爺さんのキャラクターがユニークな「Esophaguys」が獲得した。
- キーワード:
- PC:Esophaguys
- パーティーゲーム
- Team Esophaguys
- Team Esophaguys
- プレイ人数:1〜4人
- 協力プレイ
- 対戦プレイ
- PS5:Esophaguys
- PS5
- Xbox Series X|S:Esophaguys
- Nintendo Switch:Esophaguys
- PS4:Esophaguys
- PC:未解決事件は終わらせないといけないから
- Nintendo Switch:未解決事件は終わらせないといけないから
- Nintendo Switch
- PC:Last Standing
- PC:Let's Build a Dungeon
- PC:CINEMA
- PS5:CINEMA
- Xbox Series X|S:CINEMA
- PS4:CINEMA
- PS4
- PC:ANLIFE: Motion-Learning Life Evolution
- PC
- ニュース
- 編集部:Chihiro
- TGS 2024
- 東京ゲームショウ
- Xbox Series X|S:Let's Build a Dungeon
- Xbox Series X|S
“ただ待つゲーム”を謳う「While Waiting」は,可愛らしい絵柄も手伝って「ほっこりと箱庭のような画面を眺めるゲームなのかな?」と思う人もいるだろう。確かに眺めているだけでクリアはできるのだが,それだけではなかった。
試遊を始めてまず驚いたのが,最初に出てくるシチュエーションが「生まれるのを待つ」だったことだ。
ゲームで「生まれるための順番待ち」をしたのは初めてだ。現実においても覚えがないけれど |
魂状態の主人公が,細い橋の上でほかの魂と一緒に生まれる順番を待っている |
本作では,主人公・アダムの「人生における重要な“待つ”シーン」が切り取られている。プレイヤーは,アダムとともにその“待っている”時間を過ごすことになる。
魂の状態でも,子供時代の運動会に参加しているときも,会社に勤めているときも。生まれてからこの世を去るまで,“待つ”シーンは次々に発生する。本作には,そんなシチュエーションが100以上収録されているそうだ。
“待ち”が発生したとき,そのまま何もしないでいれば,いずれその時間は終わるときがくる。ただ,待つだけでなく「何かをすることもできる」のだ。
例えば,バトンを受け取るのを待っているあいだ,コース外のチアリーダーに混じって応援をしてみたり,ほかのコースの選手を妨害してみたりもできる。ただそれは,ゲームのクリア条件にまったく関係ないので,してもしなくてもいいことなのだ。そう,人生の時間はどう過ごしても進んでいく。
かなり差し迫った状況のアダム。素直に前の人がトイレから出てくるのを待つか,それとも,早くトイレに入るため,何らかの行動をとるか |
プレイを始めてしばらくは,積極的に行動することがゲーム中で特別な価値を持たないことに対して,少し不思議な気分であった。
しかしプレイを進めていき,コミカルなたくさんのシチュエーションをアダムと共有するうち,人生をいかに過ごすかということだけでなく,あらゆる物事の価値について改めて向き合う気持ちが出てくる。
特定の行動をする(またはなにもしない)と,シールがもらえる。これに関しても,集めたっていいし集めなくったっていい |
ブースで,開発者のHongke Luo氏にお話をうかがった。幼少時代に母親のPCゲームを勝手に遊んでいたというLuo氏,そのエピソードやゲームに込めた小ネタなどを知るうち,彼の人生観がユーモラスでありながら,常に本質を問う本作の姿勢に現われているのだと感じた。
ネットミームなどの小ネタも満載。どのシチュエーションもクスッと笑えて心に残る |
だからといって,「While Waiting」は決して製作者の持つ答えを押し付けるようなゲームではなく,むしろその逆である。
この風変わりなゲームは,プレイヤーの心に踏み込んでこない。それなのに,生きている間の時間を過ごすことについて,改めて気づかせてくれるのだ。そしてその答えは,きっと人間の数だけあるのだろう。
東京ゲームショウ2024にも,入場や試遊などいろいろな“待ち時間”が発生したなあ,と思う筆者であった |
- 関連タイトル:
While Waiting
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