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舞い散る桜が印象的だった「ミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇」のゲネプロをレポート。キャスト5名のメッセージもお届け
オトメイトが展開する女性向け恋愛アドベンチャー「薄桜鬼」を原作とした「ミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇」の東京公演が,2019年4月5日に日本青年館ホールで開幕しました。“薄ミュ”ことミュージカル「薄桜鬼」はこれまで,2012年に上演された第1弾「斎藤 一 篇」から2017年上演のシリーズ第10弾「原田左之助 篇」までの第1シーズンや,第2シーズンとなるミュージカル「薄桜鬼 志譚」の幕開けとなった第11弾「土方歳三篇」など,さまざまな盛り上がりをみせてきました。
今回,東京と京都で上演される「風間千景 篇」は,2014年の同名公演に新たな脚色や演出を加え,新キャストでお届けするというミュージカル「薄桜鬼」シリーズ第12弾です。初日の4月5日にメディア向け会見とゲネプロが行われたので,その模様をとおして「薄ミュ」の魅力を紹介します!
ミュージカル「薄桜鬼 志譚」風間千景 篇
公演情報ページ
キャスト5名が語る「風間千景 篇」への思い
メディア向けの会見では,風間千景役の中河内雅貴さん,雪村千鶴役の本西彩希帆さん,土方歳三役の和田雅成さん,沖田総司役の山﨑晶吾さん,斎藤 一役の赤澤 燈さんの5名が本公演への思いを語ってくれました。
――公演への意気込みや見どころをお願いします
中河内雅貴さん(風間千景役):
(主演とあって)とにかく舞台上でやることの分量が多いです。限られたスケジュールの中で,みんなで手をつなぎ,力をあわせてここまできました。あとは毎公演,お客様に喜んでいただけるよう“風間として生き続けるのみ”だと思っています。
「薄桜鬼」はそれぞれが信念をもって生きている人物が最大の魅力です。これまでの「薄桜鬼」にはない結末が待っていると思いますので,ぜひ楽しみにしていてください。
本西彩希帆さん(雪村千鶴役):
私はもともとミュージカル「薄桜鬼」を見て女優になろうと思ったので,夢だった千鶴ちゃんを演じられるのが本当に嬉しいです。みんなで協力しながら作ってきたものを楽しんでほしいと思います。見どころは“すべて”です!
和田雅成さん(土方歳三役):
原作の「薄桜鬼」を知らない方にも楽しんでいただけるよう,舞台づくりに取り組んできました。本当に新選組として生きた人達という面をしっかりと届けていきたいと思います。
山﨑晶吾さん(沖田総司役):
1年前(志譚 土方歳三 篇)にも沖田総司を演じましたが,またいちから初心のつもりで役作りを頑張ってきました。
赤澤 燈さん(斎藤 一役):
(今回が初参加で)続いてきた作品に途中から参加するのは勇気がいるものでしたが,今回の座組が過去にとらわれずに今を生きているという雰囲気だったので,スッと馴染むことができました。風間がメインではありますが,新選組にも“いいとこどり”なシーンがたくさんありますので,楽しみにしていてください。
――ファンへのメッセージをお願いします
赤澤さん:
2014年の「風間千景 篇」とは違う,新しいものを作るという気持ちで取り組みました。ベテランのスタッフやキャストの胸を借りて頑張ってきましたので,よろしくお願いします。
山﨑さん:
斬るほうも斬られるほうもそれぞれの人生があり,心に響くものがあると思います。それを伝える舞台にしていきたいと思っていますので,ぜひ劇場に観にきてください。
和田さん:
仲間と作り上げた舞台です。斬って斬られてが多い舞台では,誰1人欠けることなく終えることが難しいのですが,無事に全員で千秋楽を迎えられるように頑張りたいです。
本西さん:
観劇された皆さんがもっと「薄桜鬼」が好きになるような舞台になっていると思います。私自身もさらに「薄桜鬼」が好きになりました。ぜひ劇場に足を運んでください。
中河内さん:
平成最後の月,それも4月の桜が咲いている時期に,「薄桜鬼」という作品の主演を任されたことが本当に嬉しいです。ゲームは10年以上,ミュージカルは2012年から続いている作品で,この場にいられることが本当に光栄です。
これまでもさまざまな2.5次元作品に出演してきましたが,2.5次元というジャンルがここまで大きくなるとは予想していませんでした。2.5次元舞台を目指す人に背中を見せられるような演技をしたいと思っています。
風間の色気と新選組隊士の生き様に
心打たれたゲネプロをレポート
舞台は風間千景の登場で始まりました。鬼である風間の激しい気性が,ほんの僅かなシーンからも見て取れます。“俺様”な部分と何ともいえない色気をまとった風間の魅力に,いきなりやられてしまいました。
今回は風間がメインですが,もちろん新選組も存在感を見せてくれます。舞台の上で華々しく活躍する姿は健在で,隊士ひとりずつフォーカスが当てられているため,風間ファン以外も満足できるはずです。
歌については,語ることすら恐れ多いほどの圧巻のパフォーマンスでした。しっとりしたバラードや和風ロック,熱いソウルナンバーなどさまざまなジャンルの楽曲を,全員が見事な歌唱力で歌い上げていました。
ミュージカル「薄桜鬼」の魅力といえば,歌と殺陣,ダンスの融合にあると思います。筆者もこれまでに何度か「薄ミュ」に足を運んできましたが,今回は殺陣よりもダンス寄りな演出だったという印象を持ちました。
とはいえ殺陣が少ないわけではなく,あくまで歌うシーンでダンス寄りの振付が多めだと思ったくらいなのですが,そういった細かな変化からも,舞台の内容も常にアップグレードされているのだと感じました。
恋愛要素とドラマチックな物語も特徴の「薄桜鬼」。今回の「風間千景 篇」は,千鶴が新選組の戦いを見届けるという,後者の要素が強い印象でした。
新選組の中で広まっている「変若水」という謎の薬や,それを飲むことで生じる「羅刹化」の真相といった物語が展開するのですが,ゲーム本編を知らなくても安心して物語が楽しめる構成になっています。
自身らが思い描くものと異なる方向へと時代が進んでいく……。幕末の世で新選組がどのような歩みを進めていくか,実際の歴史で知っているという人は多いでしょう。そんな彼らの苦悩が,演技や歌,演出から伝わってきました。
舞台になっても千鶴の魅力は失われていません。千鶴を演じる本西さんは,凛とした姿と,はかなさのある演技がとても印象的でした。新選組も,そんな彼女といるときは安らいだ姿を見せてくれるのですが,それがとても切なかったです。
シリアスな物語ばかり触れてきましたが,もちろんロマンスもしっかりと描かれています。ゲームのプレイヤーなら興奮間違いなしな場面の再現や,原作を知らない人でも必ずハートを撃ち抜かれてしまうような風間のシーンが楽しめるので,ぜひ期待してください。
もちろん恒例の楽曲「ヤイサ! ヤイサ! ヤイサ!」もあります。「薄ミュ」ファンのファンは新しい演出や振付を,初めて足を運ぶ人は熱いリズムをぜひ楽しんでください。
鬼が登場するシーンはまさに鬼気迫るものとなり,風間の瞳の色のような紅い扇子が印象的なダンス,ライティングが美しい月が浮かんでいるシーンなど,心に残る演出がたくさんありました。とくに印象的だったのが,舞台を舞い散る桜の花びら。散った花びらの一枚一枚が,まるで彼らの生き様を表しているかのようで胸に刺さるものがありました。
そんな「風間千景 篇」は,原作ゲームの風間ルートの持つ雰囲気を丁寧に再現してくれた,とても良い余韻を残してくれる舞台になっています。
“風間推し”という人はもちろん,新選組のファンにも「薄桜鬼」を知らないという人も,ぜひ劇場でこの夢のようにはかなく美しい物語に触れてほしいです。
ミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇 公演概要
◇原作:オトメイト(アイディアファクトリー・デザインファクトリー)
◇演出:西田大輔 脚本:毛利亘宏
◇公演日程:
【東京】2019年4月5日(金)〜11日(木)日本青年館ホール
【京都】2019年4月18日(木)〜21日(日)京都劇場
◇出演:
風間千景 役:中河内雅貴/雪村千鶴 役:本西彩希帆/土方歳三 役:和田雅成/沖田総司 役:山﨑晶吾/斎藤 一 役:赤澤 燈/藤堂平助 役:樋口裕太/原田左之助 役:水石亜飛夢/近藤 勇 役:井俣太良/山南敬助 役:輝馬/永倉新八 役:岸本勇太/山崎 烝 役:椎名鯛造/天霧九寿 役:兼崎健太郎/不知火 匡 役:末野卓磨/雪村綱道 役:川本裕之
アンサンブル:菅原健志 村井 亮 細川晃弘 宮川 連 橋本征弥 前田りょうが 吉田邑樹 池田謙信 澤邊寧央 多田 滉
◆ローソンチケットにて前売券と当日引換券が販売中
https://l-tike.com/play/m-hakuoki/
◇公式HP:https://www.marv.jp/special/m-hakuoki/
◇公式ブログ:http://m-hakuoki.jugem.jp/
◇公式Twitter:@m_hakuoki
(C)アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会
ミュージカル「薄桜鬼 志譚」風間千景 篇
公演情報ページ
(C)2018 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY
(C)2017 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY