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ハゲタカという鳥は,死んだ獣の肉を食らって生きておる。腐りかけの肉を口にしても平気なのは,胃の酸がとびきり強く,そこらの菌ならまとめて溶かしてしまうからじゃ。
ならば――ゾンビの肉はどうなのじゃろうな。死んでおるのに動き回る,あの傷んだ肉を,あやつらは喜んで突くのか。
いや,そういえば,ゾンビものにカラスの群れという取り合わせは,作品でもよく見かけるのう。腐肉に鳥が寄るのは,物語の中でも変わらぬものらしい。
今回紹介する「感染区白書」(Vultures - Scavengers of Death)は,そんな死肉に群がる鳥の名を借りた特殊部隊が主役のゲームじゃ。その名も「ヴァルチャーズ」――英語でハゲタカを指す。
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ゲームの舞台は,感染症が広がって滅んでしまった1990年代の大都市サレント・バレー。人はゾンビへと変わり果て,街は死で埋め尽くされておる。
そこへ金目のものを回収しに乗り込み,死の街をあさって歩く。狙うのが肉ではなく財宝という違いはあれど,やっておることは本物のハゲタカと大差ないのう。
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プレイヤーはこのチームの一員として,死の街へ単身で乗り込んでいく。操作できるのは,皮肉屋の大男レオポルドと,身軽に動きまわるアンバー。二人は戦い方がまるで違っていて,火力で押すレオポルド,機動力で立ち回るアンバーで攻略スタイルが変わるのじゃ。
ゲームの目的は,感染の発生源をつきとめ,治療の手がかりとなる物資を持ち帰ること。道中に落ちているメモを拾い集めていくと,この惨劇の裏にある企業の暗い秘密が,少しずつ姿を現してくるのじゃ。
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見た目こそ初代「バイオハザード」を思わせるローポリのホラーじゃが,遊んでみると中身はずいぶんと違う。世界はマス目で区切られ,移動も戦闘もマスに沿って進む,ターン制のSRPGなのじゃ。
ゾンビに気づかれていないうちは自由に動けるが,見つかって戦闘に入ると話は別。1ターンに使えるのは,攻撃やアイテムに使うAPが3,移動に使うMPが3だけ。この限られた手数で,迫りくる敵をさばかねばならん。
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対ゾンビ用の武器といえばハンドガンじゃな。頭を撃つ場合は2AP,胴や脚なら1APといった具合で,ハンドガンの場合は狙う場所によって消費するAPが変わる仕様じゃ。脚に対する攻撃はダメージが低いものの,動きを止められるという大きなリターンもある。
とはいえ,遠くから銃で撃つだけでは弾がすぐ尽きるゆえ,ナイフでの接近戦もまじえて,どう弾を節約するかが腕の見せどころじゃ。ゾンビを押してオブジェクトにぶつけて気絶させたり,位置を交換して有利な状況を作ったりと,攻撃以外のアクションもいろいろと用意されておるぞ。
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探索も一筋縄ではいかん。入り組んだ箱庭のようなマップを,どの道から抜けるか頭を悩ませることになる。セーブはバイオよろしく決められた場所でしか行えず,弾も回復も常に心もとない。一歩進むごとに「ここで一発使ってよいものか」と考えさせられるのじゃ。
逃げ道を失い,弾も尽きたそのとき,頼れるのは冷静な判断だけ――そんなヒリついた空気が全編に漂っておる。
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ゲームの進行は,拠点となるNESTからミッションを選んで出撃する形式で,物語は一本道ではない。出撃の前には持ち込む装備を選び,戦い方に合わせて支度を整えていく。
そして死地から貴重品を持ち帰れば,それを元手にマーケットで武器を強化したり,新しいアイテムを買い足したりできるのじゃ。
ピストルにナイフ,ボウガンと,手持ちの得物を磨いて次の潜入に備える。命がけで漁った成果が,そのまま次の一戦を生き抜く力になるという寸法じゃな。
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見た目はいかにも90年代のホラーゲームじゃが,遊び心地はじっくり型のSRPG。アクションが苦手で,とっさの操作にはどうも自信がない――そんな者でも,一手ずつ落ち着いて考えながら,あのヒリつく緊張感をたっぷり味わえるのがこのゲームの魅力なのじゃ。


























