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頼むから巻き戻してから返してくれ。レンタルビデオ屋を経営する「Retro Rewind - Video Store Simulator」(あかねのインディーPick Up!)
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印刷2026/08/31 07:00

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頼むから巻き戻してから返してくれ。レンタルビデオ屋を経営する「Retro Rewind - Video Store Simulator」(あかねのインディーPick Up!)

画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / 頼むから巻き戻してから返してくれ。レンタルビデオ屋を経営する「Retro Rewind - Video Store Simulator」(あかねのインディーPick Up!)

 「Be Kind, Rewind」――巻き戻してから返してね。

かつて北米のレンタルビデオ店では,VHSのケースにこんな一文が貼られておった。
 テープは好きな場所から再生できんから,前の客が最後まで観てそのまま返すと,次に借りた人が延々と巻き戻す羽目になる

 そこで店側は注意書きを貼り,巻き戻さずに返した客から追加料金を取ることもあった。今にして思えば,ずいぶん牧歌的な話じゃな。

 この「巻き戻してから返してくれ」という店側の気持ちを,身をもって味わえるのが,今回紹介する「Retro Rewind - Video Store Simulator」じゃ。

画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / 頼むから巻き戻してから返してくれ。レンタルビデオ屋を経営する「Retro Rewind - Video Store Simulator」(あかねのインディーPick Up!)

 2026年3月17日にSteamでリリースされた一人称視点のショップ経営シミュレータで,舞台は1990年代初頭。プレイヤーは町のレンタルビデオ店の店主となり,何もない店内に棚を買い足し,そこへテープを並べていくのじゃ。

 ショップ経営ゲームはごまんとあるが,レンタルビデオという題材はそのなかでも毛色が異なる。
 売ってしまえば手元から消える商品と違い,貸したテープはいずれ在庫として戻ってくるからじゃ。

 そのぶん発注の考え方も変わってくる。今日は棚がすかすかでも,明日には返却の山ができているかもしれん。この感覚は,ほかの店舗経営ものではなかなか味わえん。

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 1日の流れは決まっておる。ゲーム内の朝8時に店へ入るのじゃが,「OPEN」の看板を点けるまで時間は進まん。つまり開店前の時間は,いくらでも下準備に使えるのじゃ。

 看板を点ければ客が入り始め,曜日ごとに決まった閉店時刻まで店番が続く。時刻を過ぎても店内に客が残っておれば,最後の一人がいなくなるまでは付き合わねばならん。

 客がいなくなればドアを閉めて,その日を終えられる。営業中は現実の1秒がゲーム内の2分にあたり,1日はおよそ6〜8分で終わる感じじゃ。

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 開店前にまずやるべきなのは,返却されたテープの処理じゃ。1本ずつ読み取り機に通し,棚に戻していくのじゃが,そこに巻き戻されていないテープが混ざることがある。

 そうしたテープは専用の機械にかけて巻き戻さねばならん。1本あたりの手間はたいしたことがないのに,何本も溜まると面倒になってくる。
 ワシも遊んでいるうちに「頼むから巻き戻してから返さんか!」と本気で思うようになったわい。

 延滞の扱いも面白い。返却されたその場で請求するのではなく,会員が次に借りに来たときに切り出す形になっておる。しかもここで,延滞料を請求するか見逃してやるかを選べるのじゃ。

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 ワシは客の態度で決めておった。悪びれた様子のないヤツからはきっちり取り,しおらしく謝るヤツには目をつぶる,という具合じゃな。
 テープが壊れて返ってくるのは稀なケースじゃが,そのときは弁償してもらう。返却処理という地味な作業だけで小さなドラマが生まれるのが,このゲームの醍醐味かもしれん。

 棚に並ぶのはすべて架空の映画で,80〜90年代の実在作をもじったタイトルも混ざっておる。元ネタが分かるたびにニヤリとさせられるのう。

 仕入れは店内の古いPCから行う。ここで参考にするのがカレンダーじゃ。日付ごとにイベントが書き込まれておって,たとえばハロウィンが近づけばホラーがよく借りられるようになる。先を読んで発注しておくのが商売の勘どころというわけじゃな。

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 新作をまとめて何本か仕入れると,新作用のポップがもらえる。さて,これをどこに立てるか――ここから店内作りの話になる。壁紙と床材を張り替え,ポスターや小物を飾り,棚をどう並べるかも自分で決めていくことになるのじゃ。

 ジャンルごとにコーナーをまとめ,目立つ場所に新作のポップを立てる。ビデオ屋に通っておった世代なら,まっさきにやりたくなるはずじゃ。
 しかもこのゲーム,最初にその棚へ置いた作品のジャンルが棚のディスプレイに表示される仕組みになっておる。ただ並べていくだけで,ホラーの棚,SFの棚ができあがっていくというわけじゃ。

 店が手狭になってきたら,売り場そのものを広げることもできる。店のランクが上がれば扱えるテープのジャンルが増え,ドリンクマシンやポップコーンマシンを置いて売上を伸ばす道も出てくるぞ。

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 そのうちバイトも雇えるようになる。任せられるのはレジ打ちか返却処理のどちらか一方だけじゃが,それだけでもずいぶん手が空く。ただしサボることがあるので,見つけたら声をかけてやらねばならん。

 派手な目標を追いかけるゲームではない。開店準備をして,接客をして,返却されたテープを捌いて,翌週の発注を考える。その繰り返しを楽しめるかどうか――つまり,作業ゲー好きに向いておる作品じゃな。

 最近のアップデートで日本語にも対応した。棚を整えるのが好きで,ビデオ屋の蛍光灯の下で背表紙を眺めた記憶があるなら,触ってみるとよいぞ。

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