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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第634回「思い出を超えていけ」
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印刷2021/05/27 11:00

連載

男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第634回「思い出を超えていけ」

画像集#001のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第634回「思い出を超えていけ」

著者近影
画像集#002のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第634回「思い出を超えていけ」
 「昔は良かった」って,よく聞くワードだけれど。そしてそれを「思い出補正だ」と思っちゃうけれど。確かに綺麗な思い出って,綺麗なまま記憶に残りがちではあるわ。だけど,「思い出補正だけじゃないんだよな,きっと」と思ったって話を今からします
 数千年も前から「最近の若いもんは」という若者批判めいたものがあったという話を聞いたことがあるんだけど(諸説あるみたい),年配者が若い人に対して嘆くというのは,おそらく人類が営みを続けていくうえでのお約束ですらあるんでしょうね。
 ゲイムで例えましょうか。上記のとおり,昔の作品は良かったという声はゲイムがある限り今後もずっと出てくるものでしょう。ただ,それってゲイムがぼやけて見えたからじゃないか? 昔のゲイムは,ドット絵でした。そこに味があり,アイデアが詰め込まれていた。それはその通りだと思う。ただ,それしかなかったという一面もあると思うの
 たとえばリンゴをゲイムで表現した場合。昔は2Dのドット絵,今は精巧な3DCGなどで表現するわけでしょ。その場合,より現実のリンゴに近いのは,当然今の技術で描かれたリンゴなわけですよ。ただ,どちらがより文句をつけやすいかと言えば,今の技術じゃないかと思うの。それは,より現実に近い表現になったから。
 ドット絵は「これはリンゴですよ」という概念さえ伝えられれば,あとは受け取る側の想像力で補えちゃうからね。一方で描写がリアルになればなるほど,現実と比べてちょっとでも違うところがあるとその違いが気になっちゃう。
 だから,ついつい「昔は良かった」と感じちゃうのって,「気にすらしていなかったことが気になるようになった」ってだけなんじゃないかなーって思うのよね。視力が悪かったときには気になっていなかったものが,コンタクトレンズを導入したら視認できて気になり始めたっていう感じかしら。
 これはまさに私の例なんだけど。パチンコの看板のパ部分が消えてるなーとか。全然関係ないけど,富山大会をよくやる会場の近くにある葬儀場「セ・プレ いたの」を何かに空目してしまうのは何だろうなーとか。目に入るからこそ気になるってことはあるのよね
 これは実はゲイムだけの話ではなく。簡単に情報が得られるようになったからこそ,気になるようになったことってけっこうあるのよ。プロレスでも,今は未知の外国人レスラーなんてほぼほぼ存在しないからね。調べれば前歴がすぐに分かっちゃう。怪奇派でも,すぐに正体を暴かれちゃうのよ。思わず「おいおい,ホントかよ?」と言いたくなるような存在すら,あっという間に素顔がばらされちゃうからね。大らかに楽しむっていうのが難しくなっているの
 ただ,それが悪いことだとは言わない。物事には表と裏があって,どちらが顔を出すかは世相次第って部分があるから。情報化社会によって生まれたビジネスや楽しみ方がある一方で,情報化社会が奪った楽しみ方やビジネスがある。作り手は,情報で方法を奪われたならば,それを逆手に取る楽しませ方を生み出さなきゃいけないわけだから。

 で,なぜこういうことを思ったかというと。先日「メタルマックス30周年 生誕祭 生放送」に出演させてもらったのですよ。お仕事で体験したことをこの連載で書くと癒着臭がして,読者の皆さんに「で,いくらもらった?」と思われかねないんで,なるべく避けたいとは思ってるんだけど,実際に出演してみたら思うことって出てくるからね。
 私としては,ゲイムについて,もしくはゲイムきっかけで感じたことはここで語りたいわけよ。生放送はその出演料,この原稿に関しては原稿料以外もらってないしな。なので,結果的に書いちゃうわけだけれども。ただ,タイトルがどう,最新情報がどうってことよりも感じたことをメインに書かせてはいただくよ。
 ちなみに,イベントでは三つのタイトル,犬が主人公のローグライクアクション「METAL DOGS」,メタルマックスの世界観はそのままで別の世界線である「メタルサーガ」シリーズの最新作「メタルサーガ 〜叛逆ノ狼火〜」,メタルマックス本流の最新作である「メタルマックス ワイルドウェスト」PlayStation 4 / Nintendo Switch)についての続報が発表されました。気になる方は以下の動画をご確認ください。今回,それらの情報はここでは書かないので。


 てなわけで,生放送の話に戻るのですが。メタルマックスと言えば,尖った演出が多いRPGとしてマニアの間で語られてきたシリーズなわけですよ。30年前の5月24日に1作目が発売された,と。このゲイムこそ,過去と比べられるタイトルの筆頭クラスじゃないかと思うのよね。
 それこそ,誰もが大らかに楽しんでいた時代の中でも,尖りに尖っていた作品だから。あの当時の尖りっぷりを今そのまま出せるかっていったら,そうとも限らない部分が出てくる。それこそ,ドット絵がいいという人も現代風にアレンジしてほしい人も両方いるわけで。
 30年って,そういう時間なんだと思う。昔のままがいい人,今のメタルマックスがいい人。どちらがいいとか悪いとかではなく。作り手としては何を捨て,何を残すかの取捨選択。そして,何を足すか。何を磨くか。結果,プレイヤーにどんな体験をもたらすか。すごく難しいわよね。
 いわゆるAAAと呼ばれる超大型タイトルではないだけに,開発に割けるコストもリソースも限られていて,それをどのように配分していくが勝負となってくる。ただ,そんなことはプレイヤーには関係ない。生放送に出させていただいた身としては恐縮だけども,そこは無責任に期待する側でいさせてもらう。ともかく,面白いメタルマックスを遊ばせてください
 で,今回はどちらかというと以下が言いたくて。生放送のオープニング+ニコニコプレミアム生放送では,メタルマックスのゲイムミュージック生演奏ライブがあったのですが。音楽っていいね。ファミコンやスーパーファミコンで聴いたゲイム内の音が,生で演奏されると体験する者を圧倒してくるんだね。ゲイムを邪魔せず,でも音楽だけで聴くと心を動かしてくる。やっぱ,エンターテイメントにおける音楽って強い。負けないようにしなければ。

「メタルサーガ 〜叛逆ノ狼火〜」イメージビジュアル
画像集#004のサムネイル/男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第634回「思い出を超えていけ」

 たぶん,ゲイムを開発してる人もそう思ってる。昔は良かった。でも,今もいい。作り手はそれを目指しているはず。そしてそれは,プレイする側にとってもいいことだ。思い出を超えていけ。情報を超えていけ。昔を超えていけ。それらはきっと,今に生きる人達の,使命でもある。
 あ,最後になりましたがメタルマックス30周年,おめでとうございます! もちろん,メタルマックスだけでなく,ありとあらゆる周年を迎えたゲイムタイトルも,おめでとうございます。これからも期待しています!

今週のハマりゲイム
PlayStation 5:「バイオハザード ヴィレッジ
Nintendo Switch:「New ポケモンスナップ
iOS:「龍が如く ONLINE
iOS:「今三国志
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション

■■男色ディーノ(プロレスラー)■■
ディーノ選手が所属するDDTプロレスは,本日(5月27日),東京・新宿FACE大会「Ultimate Tag League 2021 the FINAL!!」,29日に福岡・西鉄ホール大会「Audience 2021 TOUR in FUKUOKA(昼)」,福岡・西鉄ホール大会「Audience 2021 TOUR in FUKUOKA(夜)」,30日に熊本・熊本城ホール・シビックホール大会「Audience 2021 TOUR in KUMAMOTO」を開催します。また,ディーノ選手個人としては28日にベストボディ・ジャパン プロレスリングの東京・新宿FACE大会「BBJ SATSUKI 2021」にも出場予定。「4日間で5試合あるので,(会社に)ぶっつぶされないように頑張ります」とのことでした。
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    メタルマックス ワイルドウエスト

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    メタルサーガ 〜叛逆ノ狼火〜

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