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写真で見るゲーム特化スマートフォン「ROG Phone II」。前モデルの不満点を細かく解消した実用性も見どころだ
国内向けの正式発表はまだ行われておらず,発売時期や価格も未定であるが,中国本土ではメインメモリ容量8GB,内蔵ストレージ容量128GBのモデルが税別3499元(約5万5000円)前後となっている。
本稿では,台湾・台北市で行われたメディア向け事前イベントで披露されたROG Phone IIを,写真を中心にレポートしたい。製品の特徴やスペックについては,掲載済みのレポートを参照してほしいが,イベントで明らかになったスペックはプレビュー版であるため,製品仕様は最終版ではない。とくに,モバイル通信機能のスペックは販売地域ごとの違いもあるため,現時点では未公開だ。ほぼ確実なのは,5Gには非対応といったところか。
ASUS,ゲーム特化スマートフォン新製品「ROG Phone II」を発表。6.59インチ有機ELパネルとSnapdragon 855 Plusを採用する
2019年7月22日17:00,ASUSは,ゲーマー向けスマートフォンの第2弾「ROG Phone II」を発表した。ROG
縦方向に大きくなったボディ
指紋認証センサーはディスプレイ埋め込み式に
まず,外観をチェックしていこう。
ROG Phone IIが採用するディスプレイパネルは,6.59インチサイズの有機ELパネルで,前モデルの6インチから一回り大型化した。並べてみると,サイズの差は一目瞭然だ。
大型化にともない,バッテリー容量も前モデルの4000mAhから6000mAhへと大幅に増量となった。そのため重量も,前モデルの約200gから約240gへと2割も増えている。重いスマートフォンのひとつである「iPhone XS Max」でも約208gなので,それよりもさらに重い。実際,手に持つと相応の重量を感じる。
ROG Phone IIのベゼル部分も,ゲーム用途に対するASUSのこだわりが感じられるポイントだ。最近ではディスプレイのカバーガラスが側面まで広がったうえ,ベゼル部分が湾曲している端末が増えている。しかしROG Phoneは,しっかりとベゼルを確保した「Bezeled Design」を採用して,縦横どちら向きで持ってもゲームをプレイしやすくしているのだ。
もちろん,ベゼル有りとは言っても一昔前のような幅広ベゼルではなく,ナローベゼルと呼べる範囲ではあるが。
ちなみに,インカメラ(フロントカメラ)の位置も自撮り目的ではなく,ゲーム実況にユーザーの顔を重ねて流す用途を主目的として,横持ち時にユーザーの顔がしっかり映る場所――縦持ち時の上側ベゼル右寄り――に置かれている。
前モデルでの問題点を解消した要素としては,指紋認証センサーの変更が挙げられよう。ROG Phoneでは,背面に指紋認証センサーを配置していたが,付属の外付けクーラー「Aeroactive Cooler」を装着すると,指の腹でセンサーに触れるのが少々難しかった。
ROG Phone IIの4側面に並んだインタフェース類も見ていこう。
正面から向かって左側面にあるのは,ROG Phone独自の拡張コネクタ――初代では「サイドマウントポート」と呼ばれていた――だ。USB Type-Cポートを2つ並べたような形のコネクタには,付属の専用外付けクーラー「Aeroactive Cooler II」や,スマートフォンをデスクトップPC風に使えるようにする拡張ドック「Mobile Desktop Dock」などを接続できるようになっている。
コネクタの片側はUSB 3.1 Gen2 Type-Cポートとして使用でき,DisplayPort 1.4対応の映像出力も可能だ。また,充電用コネクタとして使用する場合はQuick Charge 3.0および4.0や,USB Power Delivery 3.0といった規格にも対応している。
一方,横持ち時には上側になる右側面には,[電源/スリープ]ボタンと音量調整ボタンが並んでいるほか,左右端にタッチセンサーの「AirTrigger II」が埋め込まれている。AirTrigger IIは,タッチやスライドでゲームの入力を行えるほか,触覚フィードバック機能もあるとのことだ。
下側面には,USB Type-Cポートと3.5mmミニピンのヘッドセット端子が並んでいた。こちらのはUSBポートはUSB 2.0対応なので,周辺機器を接続してのデータ通信用というよりは,充電用といったところか。もちろん,データ転送速度を気にしない用途であれば,どちらでも使える。また,充電用としてはQuick Charge 3.0とUSB Power Delivery 3.0に対応しているので,急速充電に利用可能だ。
また,下側面にはマイク孔が2つあり,上側面と左側面の1つずつと合わせて4つのマイクを利用できるわけだ。
第一報では触れなかったが,カメラ機能も前世代より強化されている。
まず,リアカメラは2眼タイプとなり,メインの標準レンズとサブの広角レンズという構成になった。メインカメラは,ソニー製のイメージセンサー「IMX586」を用いて約4800万画素の撮像素子を備え,レンズの開放F値はF1.79であるという。
一方のサブカメラは,約1300万画素で125度の画角を持つ広角カメラだ。開放F値などは未公表である。
3眼あるいは4眼といったカメラ機能に重点を置く製品とは比較できないものの,2眼タイプとしてはハイエンドスマートフォン相応のスペックを備えている。加えて,カメラアプリ側にも,パノラマ撮影やポートレート撮影機能など,さまざまな撮影モードがあるので,前モデルに比べればカメラ機能に妥協を強いられることはなさそうだ。
独自UI「ROG UI」を搭載。充実したゲーム向け機能は健在
ゲームに関する各種設定や,ゲーム特化のランチャー機能は,ホーム画面の下側,ドックの中央にあるボタンをタップすることで起動できる。前モデルでは,ゲーム関連機能に「Game Center」という名前が付いていたが,ROG Phone IIでは,「Armoury Crate」という名称に変わっていた。
ちなみに,ROGのPC製品でも,2018年後半の製品からArmoury Crateというユーティリティソフトをプリインストールするようになっていたので,ブランド内で名称の共通化を図っているのかもしれない。
ちなみに,Android端末における画面の回転機能は,一般的には左右どちらの側面も上側になるのが一般的だが,ROG Phoneシリーズの場合,右側面にAirTrigger IIを備える構造上,横画面時は必ず右側面が上になる点に注意したい。
Armoury Crateには,ランチャー機能である「Games Lobby」,ハードウェアの状態監視や設定を行う「Console」といった機能がある。Games Lobbyでは,登録したゲームごとにCPUの動作クロックやタッチパネルの遅延,画面リフレッシュレートなどを個別に設定して,プロファイルに保存しておける。
一方のConsoleでは,CPU温度やストレージの残量などを確認できるほか,ファンスピードのコントロール,AirTrigger IIの設定,カラーLEDイルミネーション機能「Aura LED Lighting」の設定などが行える。
また,横持ち時に画面左端から中央に向かって指をスワイプすると,ゲーム特化の動作モードである「GameGenie」の設定メニューが表示される。GameGenieでは,プレイ中における通知や着信の制限や,自動輝度調整機能の無効化,マクロ入力の設定などを行えるそうだ。
ROG Phone IIのソフトウェア面では,「X mode」についても触れておく必要があるだろう。X modeは,ゲームプレイ時に有効化することで端末の動作をゲーム向けに最適化する機能である。たとえば,ゲームの起動時にバックグラウンドアプリの使っていたメモリを解放して,メモリをゲームに割り当てることで動作を快適にするといったことが可能だ。
X modeへの切り替えは,Androidの通知パネルやArmoury Crateでのアイコンタップのほかに,ROG Phone IIの下側を握ることでも行える。デフォルト設定の場合,X modeが有効になると通知パネルの配色がオレンジから赤に変わり,ライブ壁紙中央に描かれた「Y」字型が開くといったギミックがあるのもゲーマー向け製品らしい外連味といったところか。
合体マシン的周辺機器はROG Phone IIでも健在
先代のROG Phoneにおける特徴の1つは,多彩な周辺機器,とくにスマートフォン本体に合体する機器の豊富さにあった。ROG Phone IIも,当然ながらこの特徴を受け継いでいる。
前モデルに付属していた「Aeroactive Cooler」と比べて,新型は空冷ファンの排気を行う開口部を拡大したのに加えて,本体と接する部分にも改良を加えているという。前モデルのAeroactive Coolerは,本体背面に触れる部分がフラットな形状をしていたが,Aeroactive Cooler IIでは,単純にフラットな面ではなく一部が膨らんだ形状になっている。これによって隙間が空いてしまうのを防ぎ,熱伝導性をより高めるという理屈のようだ。
別売り周辺機器の中でも,とくに注目を集めそうなのが,専用ゲームパッドの「ROG Kunai Gamepad」(以下,Kunai)だ。
Kunaiは,アナログスティックの付いたゲームパッドを左右に2分割したようなゲームパッドだ。ROG Phone IIにバンパーユニットを取り付けたうえで,その左右にKunaiを装着すると,タッチ操作やAirTrigger IIで行う操作を,ゲームパッドの物理的なスティックやボタンで行えるようになるものだ。ROG Phone IIには,ゲームアプリの仮想ボタンにKunaiの各ボタンやスティックを割り当てる機能もあるので,ゲームパッド非対応のアプリでも利用できるのは魅力的なポイントだろう。
Kunaiの左右を取り付けて,単体ゲームパッドとして使えるようにするホルダーも用意されているほか,SwitchにおけるJoy-Conのように,Kunaiの左右をそれぞれ左右の手に持って操作することも可能だ。
Aeroactive Cooler IIには,簡易的なスタンド機能があるので,Switchにおけるテーブルモードのように,ROG Phone IIをテーブルに置き,ゲームパッドだけを手に持ってプレイするといった使い方もできる。
もう1つの注目周辺機器である「TwinView Dock II」は,ROG Phoneと同時に登場して話題となったセカンドスクリーン付きドックのROG Phone II版である。クラムシェル側の筐体下側には,ROG Phone II本体と同じサイズや解像度で,120Hz表示にも対応するタッチパネルを備えており,上側に端末をはめ込むと,Nintendo 3DSのような2画面ゲーム機になるわけだ。
ドック内には5000mAhの追加バッテリーも組み込まれているのだが,デザインをややシンプルにしたことで,前モデルよりも軽くなったそうで,重量バランスも変更して,より実用的な周辺機器に仕上がっているという。
TwinView Dock IIの左右に,前出のKunaiを取り付けることも可能で,かなりごつい2画面ゲーム機ができ上がるわけだ。
ROG Phoneの後継モデルであるROG Phone IIだが,ドラスティックに変化した新製品ではなく,前モデルを市場に投入して得られたフィードバックをもとに,いくつもの問題点を解消した製品という印象を受けた。現在求めうる最高性能のスマートフォン向けSoCを搭載しただけでなく,周辺機器も含めて細かく使い勝手を改良したことにより,ゲーマー向けスマートフォンとしての実用性は上がっているだろう。
国内発売がいつ頃行われるかは分からないが,スマートフォンゲーマーなら注目すべき製品となりそうで,今後の発表に期待したい。
ASUS,ゲーム特化スマートフォン新製品「ROG Phone II」を発表。6.59インチ有機ELパネルとSnapdragon 855 Plusを採用する
2019年7月22日17:00,ASUSは,ゲーマー向けスマートフォンの第2弾「ROG Phone II」を発表した。ROG
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