台湾時間2017年5月30日,NVIDIAは,COMPUTEX TAIPEI 2017の開幕に連動して,会場近くのホテルであるGrand Hyatt Taipeiの宴会場を貸し切って自社イベント
「NVIDIA AI Forum」を開催した。そのオープニングを飾る基調講演で,NVIDIAを率いる
Jensen Huang(ジェンスン・フアン)社長兼CEOが,ゲーマー向けノートPCの薄型化を一気に進める技術として「Max-Q Design」(以下,Max-Q)を発表したというのは
速報でお伝えしたとおりだが,Huang氏はそのほかに何を語ったのだろうか。今回は基調講演のまとめとして,その他の内容を紹介してみたいと思う。
基本的にはGTC 2017と同一の内容ながら,新情報が4つ
……と,大上段に振りかぶってみたわけだが,結論から先に言うと,氏が語った内容は,一部を除いて,GTC 2017の内容の焼き直しだった。なので本稿ではその「一部」について語ることとなるが,それらは大枠で「一部」は4つに分けることができる。
スーパーカーではなく電動スクーターを取り上げたのは,開催地に配慮したためだろう
![画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/001.jpg) |
1つめは,Unreal Engine 4ベースとなる同時多人数参加型VRプレゼンテーションおよびシミュレーション,カンファレンスシステムである「Project Holodeck」関連だ。GTC 2017の時点でHuang氏の取り上げた3DモデルはKoenigsegg(ケーニグセグ)製スーパーカー「Regera」(レゲーラ)だったが,NVIDIA AI Forumではこれが電動スクーターになっていた。
Huang氏は,Gogoroの創設者Horace Luke氏をステージに迎えて,Project Holodeckのプレゼンテーションを行った
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ちなみにこの電動スクーターは,HTCの元幹部が立ち上げたベンチャー企業,Gogoroのもので,2015年に台湾市場で販売が始まっているという。バッテリーを充電するのではなく「充電済みバッテリーを供給するバッテリーステーション」に立ち寄ってバッテリーを交換するという,斬新なシステムで急成長を続けているのだとか。
電動スクーター本体は政府の補助金を合わせると実勢価格4万台湾ドル(約14万円)くらいで,これ以外に,充電済みバッテリーを提供するバッテリーステーションの月額利用料金がかかるとのことである。
![画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/003.jpg) デモより。球体透視スコープを潜らせると,スクーターの内部までモデリングしてある様子を確認できる |
![画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/004.jpg) マイクロフレーク多層塗装してあるボディも,Project Holodeck上で忠実に再現されている |
NVLink対応版GV100搭載の「Tesla V100」モジュールを掲げるHuang氏
![画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/005.jpg) |
2つめは,NVIDIAのVolta世代コアGPU「GV100」を8基搭載したスーパーコンピュータ「DGX-1 with Tesla V100」をベースとするデータセンター向けGPUサーバー「HGX-1 With Tesla V100」が,FoxconnおよびInventec,Quanta Computer,Wistronといったコンピュータ製品受託製造大手4社で各社のリファレンスデザインとして採用されたという話題である。
実際には,NVIDIAと強く連携して開発することで独自のGPUサーバーを短期かつ高効率に設計できるという「
HGX Partner Program」に基づいて進められたプロジェクトのようだ。
HGX Partner Programに,コンピュータ受託製造大手4社が参加した
![画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/006.jpg) |
Jetson TX2モジュールを掲げるHuang氏。Isaacで鍛える対象のAIコアはJetson上で動作するものということになる。もっともIsaac上ではJetsonすら仮想マシンとなるわけだが
![画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/008.jpg) |
3つめは,ゲームエンジン(≒Unrela Engine 4)ベースの「加速させた仮想空間」でロボットAIを学習させる「Isaac」による学習AI事例として,ドローンが登場したことだ。GTC 2017の時点では,クラブを手に取ったロボットがゴールやホールを目指してタマを打つロボットAIを示したHuang氏だったが,今回の基調講演では,Isaacによる教育を受けた空撮用ドローンが,障害物を回避しながら森の中を進んでいる様子が示されていた。
仮想空間内でロボットAIへの教育を加速させるISAACに関して,一歩踏み込んだ解説があった
![画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/007.jpg) |
Huang氏は,「Isaacの中で現実世界に極めて近い物理法則をシミュレートできているため,車輪で走行するロボットや,プロヘラで空を飛ぶロボット,スクリューで水中を進むロボットなどのAIを鍛え上げることができる」といったことを述べてもいる。
上はIsaacで鍛え上げたドローンの例。下はそのドローンが,飛行可能な視界を緑と赤で分類しているところだ
![画像ギャラリー No.010のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/010.jpg) |
Jetsonベースのさまざまなロボットプラットフォームが登場しつつある,というスライド
![画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/011.jpg) |
Max-Qは薄型ノートPCにハイエンドGPUをもたらす技術だとHuang氏は言い,Max-Qベースで「GeForce GTX 1080」搭載ノートPCと,従来のノートPCとで重さを比較してみせた。「Max-QのノートPCだったら,1日このまま壇上で持ち続けられる(くらい軽い)よ」とのことである
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そして4つめがMax-Qである。
壇上でHuang氏は,それまでの常識的な,分厚くて重いゲーマー向けノートPCと,Max−Qベースの薄型ノートPC「ROG Zephyrus」をそれぞれの手に持って,「重さ約半分,薄さ約3分の1,性能3倍のノートPCを実現するのがMAX-Qだ」と断言していた。
なお,Max-Qについては
こちらを参照してほしい。
2017年におけるNVIDIA製品戦略のキモとなるAI
これ以外の内容はGTC 2017の基調講演と同じだったので,どんな話だったか確認したいという人は,
筆者のGTC 2017基調講演レポートをチェックしてもらえればと思う。
ただ,そこまで内容が重複するほど,2017年のNVIDIAにとってAIは重要であり,製品戦略の根幹を成しているということなのだろう。NVIDIA,そしてHuang氏は何を考えているのかが垣間見えた基調講演だったとまとめられそうだ。
![画像ギャラリー No.015のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/015.jpg) NVIDIAのデスクトップAIワークステーションとも言うべき「DGX Station」。Tesla v100カードを4枚搭載している |
![画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/016.jpg) Jetson TX1ベースのドローン。IsaacでのAI強化を想定したものか? |
基調講演会場外のNVIDIA展示コーナー
![画像ギャラリー No.014のサムネイル画像 / [COMPUTEX]「Max-Q」以外にジェンスン・フアン氏は何を語ったのか。「NVIDIA AI Forum」基調講演レポート](/games/049/G004964/20170601152/TN/014.jpg) |