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[G-Star 2014]「Civilization」らしさは“セッション”システムで活かされる――MMORPG「Civilization Online」の開発者インタビューを掲載
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印刷2014/11/26 16:39

インタビュー

[G-Star 2014]「Civilization」らしさは“セッション”システムで活かされる――MMORPG「Civilization Online」の開発者インタビューを掲載

 韓国釜山で開催されたG-Star 2014のB2Cブースでは,XLGAMES CEOのJake Song氏が制作するMMORPG「Civilization Online」がプレアブル出展されていた。そのチュートリアル部分をプレイしたレポートは「こちら」の記事を見てほしいが,ターン制のシミュレーションゲームである「Civilization」シリーズの魅力を,MMORPGとしてどのように表現するのかは,よく分からないままだった。

画像集#007のサムネイル/[G-Star 2014]「Civilization」らしさは“セッション”システムで活かされる――MMORPG「Civilization Online」の開発者インタビューを掲載

 今回,G-Starの会場から少し離れたホテルの一室に場を設けてもらい,XLGAMESからCEOのJake Song氏,Art DirectorのCho Ki Chuol氏,Game DesignerのKim Ji Liang氏,そして2K GamesのSenior ProducerであるGarret Bittner氏の4名に,原作をどのように活かしているのか聞くことができたので,読者にお届けしよう。

(左から)Cho Ki Chuol氏,Jake Song氏,Kim Ji Liang氏,Garret Bittner氏
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「始まり」と「終わり」があるMMORPG

プレイヤーキャラクターが引き継ぐものは? 


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。始めに,G-Star 2014の会場で本作をプレイしましたが,そこかしこに「ArcheAge」のDNAのようなものを感じました。やはり意識はしているのでしょうか。

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Jake Song氏(以下,Jake氏):
 おそらく,どちらも私が最初のディレクションの方向性を決めているので,そう感じるのだと思います(笑)。

4Gamer:
 言われてみれば,ArcheAgeらしさというよりも,Jakeさんらしさということなのかもしれませんね(笑)。では,改めてターン制のシミュレーションゲームである「Civilization」シリーズと,MMORPGになる本作「Civilization Online」の違いから教えてください。

Jake氏:
 はい。原作はおっしゃるとおり,ターン制のゲームです。それがMMORPGになったことでターン制ではなくなり,リアルタイムで行動するようになったことが大きな違いです。たとえば,原作ですとプレイヤーがリーダーになって,いくつものユニットを操作します。一方のMMORPGでは,一人のプレイヤーが一つのユニットとして,ほかのプレイヤーと協力して文明を進化させていきます。

4Gamer:
 原作には,ゲームの始まりがあり,どちらかが勝利し,ゲームの終わりがあります。ですが,本作はMMORPGですから,明確な始まりと終わりを作ることは難しいように思うのですが。

Jake氏:
 既存のMMORPGには,サービス開始以降は終わりがありません。しかし,原作の「Civilization」のエッセンスをそのまま活かそうということで,本作でも古代から始まり,文明が発展し,現代でロケットを発射できれば終わる(勝利する)ようになっています。そして,勝負がつくと最初に戻ります。

ロケット打ち上げによる「科学勝利」だけではなく,各文化の儀式を執り行うことによる「文化勝利」など,勝利条件は複数あるようだ
画像集#012のサムネイル/[G-Star 2014]「Civilization」らしさは“セッション”システムで活かされる――MMORPG「Civilization Online」の開発者インタビューを掲載

4Gamer:
 それは,ワールド(サーバー)がリセットされるということですか?

Jake氏:
 簡単に説明すると,“始まりから終わり”までを我々は“セッション”と呼んでいます。セッションが一つ終わると,新しいセッションが作成されます。そこに前のセッションと同じプレイヤーと入って楽しめますし,ほかのプレイヤーと入って楽しむこともできます。

4Gamer:
 一つのセッションで,どれくらいの時間が必要になるのでしょうか。

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Kim Ji Liang氏(以下,Kim氏):
 通常は1週間の予定です。時代は6個存在していて,1日に一つ文明が進むと考えています。短いものは30分くらいから,長いものだと実時間で3か月かかるセッションもあります。

4Gamer:
 3か月となると,かなり複雑な情勢になりそうですね。ちなみに文明の進化速度は,一つのセッション全体で同じですか,それとも勢力ごとに異なるのでしょうか。

Kim氏:
 文明ごとに違います。例えば,古代文明では,“鉄”を作り出した文明は進化するという感じです。進化させることは,一人でもできますが,プレイヤーが多く集まっていないとできない場合もあります。

4Gamer:
 なるほど。では,文明ごとに差ができるわけですね。1セッションに何人くらいが参加できるのでしょうか。

Jake氏:
 同時接続で3000人を考えています。

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4Gamer:
 十分すぎる人数ですね。プレイヤーは,どのようにセッションに参加するのでしょう。

Jake氏:
 ゲームを始めると,進んでいるセッションのリストが表示されます。古代から始めたい人は,古代の状態のセッションから遊べますし,中世から始めたい人は,そこから開始することもできます。

4Gamer:
 途中参加もできるんですね。

Jake氏:
 はい。たとえば,友達同士で遊びたい場合は,何番のセッションにしようと連絡して,同じセッションに入ることができますよ。

4Gamer:
 なるほど。ところで,1セッションで始まりと終わりがあるということは,プレイヤーキャラクターの成長がどうなるのか気になります。

Jake氏:
 キャラクターのクラス,レベル,アイテムは,1回のセクションが終わると,リセットされてしまいます。ですが,ゲーム進行中やセッションが終わったときの評価ランクごとにプレゼントされるカードはなくなりません。

4Gamer:
 カードというのは?

Jake氏:
 使うと必殺のスキルが発動したり,制作のスキルが上がったりというものですね。なおレベルというのは,市民ランクのことで,これが上がるとパッシブスキルが付いたり,制作スキルが上昇したりします。また,難しい文明に行くと,カードがもらえるようにもなっています。

4Gamer:
 「難しい文明」ですか? その難しいとは何を指すのでしょうか。

Jake氏:
 先ほど,プレイヤーがセッションに途中から参加できるとお話ししましたが,たとえば中国がすでに50%の土地を持っていて,ほかの文明の逆転が厳しいセッションがあるとします。腕に自信のあるプレイヤーが,そこをあえて,ほかの文明,つまり“難しい状況”の文明を選択してセッションに入るということです。そうすることで,劣勢の文明に参加したプレイヤーには,ボーナスが与えられるというわけです。

4Gamer:
 各セッションの状況は入る前に分かるんですか?

Jake氏:
 ええ。どこが優勢か分かります。

4Gamer:
 なるほど。これで一つ疑問が解けたように思います。実は文明によって進化速度が違うということで,状況を逆転させる手段はあるのか気になっていました。というのも,ある文明が木製の船しか持てない段階で,ある文明が鉄製の船で攻めてきたとしたら,もう木製の船側の文明では勝ち目が薄くなりますよね。

Jake氏:
 逆転は難しいでしょうね。

4Gamer:
 この途中参加とボーナスは,セッション内の展開が一方的にならないように,プレイヤー自身がテコ入れ要素になるという仕組みと考えれば良いわけですね。

Jake氏:
 ええ。おっしゃるとおりです。

4Gamer:
 すっきりしました。戦況が変わらなければ,劣勢の文明側のプレイヤーは途中で心が折れてしまいますよね。

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流行語を生むほどの「Civilization」人気


4Gamer:
 話が変わるのですが,チュートリアルの最後にロケットが飛んで行くシーンがありましたが,これには何か意味があるのでしょうか。

Cho Ki Chuol氏(以下,Cho氏):
 チュートリアルの最後に登場する建物群は,セッション中に設置できるものを,最大限に見せようと頑張ったものです。実は,次回の2次クローズドβテストの内容は,古代からルネッサンス時代までとなっていますので,ロケットまでは設置できません。ですから,そこから先の文明で,ロケットを発射するところまで,このゲームではできるというのを見せたかったんです。

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4Gamer:
 なるほど。ちなみに,前回のクローズドβテストの反響はいかがでした?

Jake氏:
 1次クローズドβテストでは,本作が新しいコンセプトなので,受け入れられるか心配していました。ですが,プレイヤーさんはすぐに慣れて楽しんでいたようで,とても良い反応が得られました。1次CBTにはチュートリアルはなかったのですが,プレイヤーさんはテストが始まって2時間くらいで,もう都市を作り始めていたんですよ。

4Gamer:
 それは分かる気がします。私もチュートリアルを触りましたが,基本的な操作はMMORPGをベースにしたもので,とても慣れ親しんだものでした。説明がなくてもある程度進められましたし。つまり,このチュートリアルは,MMORPGに慣れていない「Civilization」シリーズファンにも分かりやすくするために追加したものだと。

Jake氏:
 そうですね。1次CBTの場合は,そもそもMMORPGという作品に興味を持ったプレイヤーさんが多いので,進んで遊んでくれます。ですが,そういう方々だけではなく,MMORPGをあまり知らない一般のプレイヤーさんにも遊び方をキチンと伝えるため,チュートリアルを追加することにしたのです。

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4Gamer:
 ところで,韓国での「Civilization」シリーズの人気はどれくらいのものなのでしょうか?

Jake氏:
 去年,韓国で「Civilization V」がリリースされたときは,その人気が凄かったです。プレイヤー間でいろいろなパロディーがはやりましたし,ゲーム内に登場するガンジーのセリフが,日本で言う「今でしょ」のような感じで「Civilization」シリーズを知らない人の間でも伝わる言葉になりました。

4Gamer:
 ゲーム内のセリフが,ゲームを知らない人にまで広がるというのは凄いですね。

Jake氏:
 ええ。そのセリフを私達のパーカーの後ろに書いているんですよ(笑)。

4Gamer:
 な,なるほど……。
 では,「Civilization Online」のグラフィックスについても教えてほしいのですが,なんとなく本作は,ディズニーキャラクターのような見た目や頭身のように感じました。

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Cho氏:
 頭身の決定については経緯がありまして,本作では都市を建築するときに,64平方メートル(ゲーム中の単位)のなかに,すべての建物を入れなければならないという制限があります。このため,もしリアルな頭身,建物のサイズで作成していくと,ゲーム内の距離感が広くなりすぎてしまいます。
 ですから,建築物をデフォルメしていくことからコンセプトを考え始め,それに合わせて,キャラクターも西洋風でデフォルメされた頭身にしたのです。

4Gamer:
 確かに,リアルな距離感の街になると,移動だけでもの凄く大変でしょうね。

Cho氏:
 見た目のグラフィックスについては,顔の比率だったりといった要素を,いろいろな国のフィギュアなどを参考にしてデザインしています。ただ,アジアの方から見た反応ではディズニーチックと言われるのですが,一方でヨーロッパの方から見るとアジアンテイストなのだそうです。

4Gamer:
 ああ,確かに,どちらとも取れる中間的なイメージのデザインになっているかもしれませんね。

Jake氏:
 そうなっていると思います。私達は,どの国でも受け入れられる顔を作りたかったんですよ。

4Gamer:
 意見の違いを考えると,それがしっかりと実現できているということなんでしょうね。ところで,街を作れる範囲は64平方メートルということでしたが,街を作れる場所は決まっているのでしょうか。

Kim氏:
 いえ,決まっていません。お勧めの場所はありますが(笑)。システムで禁止している場所でなければ,どこでも建物は設置できます。

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4Gamer:
 建築の自由度の高さもJakeさんの作品らしいですね(笑)。では最後に,サービスのスケジュールを教えてほしいのですが,韓国ではG-Star明け(11月25日)から2次CBTが開始されるとのことです。一方,海外での展開について決まっていることはあるのでしょうか。

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Garret Bittner氏:
 いろいろなプレイヤーに良い経験をしてもらうというのが最終目標なので,もちろん海外展開の計画はあります。ですが,まずは韓国でのサービスが優先です。

4Gamer:
 韓国でしっかりと作品を作り上げて……ということでしょうか。では,サービス形態は決まっているのでしょうか?

Jake氏:
 基本プレイ無料になり,有料アイテムを販売する予定です。

4Gamer:
 ですが,クラスやレベル,アイテムはリセットされますよね。どういったアイテムが有料になるのか,気になります。

Kim氏:
 まだ未定なのでお話できないのですが,いろいろなアイテムの計画を立てていますよ。

4Gamer:
 分かりました。続報をお待ちしています。本作を楽しみにしている読者にコメントをお願いします。

Jake氏:
 パッケージの「Civilization」が凄いゲームだったので,それに負けないようにオンラインゲームを作りました。もっと期待してもらえれば,もっと早くオープンできると思いますので,よろしくお願いします。

4Gamer:
 もちろん期待しています(笑)。Bittnerさん,いかがでしょうか。

Garret Bittner氏:
 はい。アジアへの進出も計画していますが,たくさんの方に期待してもらっている分,私達もたくさんの方にプレイしてもらいたいです。まだお話しできることはないのですが,日本でもプレイしてもらえるように頑張ります。

4Gamer:
 日本での早い発表に期待しています。本日はありがとうございました。

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「Civilization Online」公式サイト

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