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  • 発売日:2013/10/24
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「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
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印刷2013/10/26 00:00

インタビュー

「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に

 セガのソニックシリーズ最新作となる「ソニック ロストワールド」Wii U/3DS)が,2013年10月24日に発売された。
本作は,“3Dソニック”としては,20周年記念タイトルとして2011年に発売された「ソニック ジェネレーションズ 白の時空/青の冒険」PS3/Xbox 360/3DS)以来となる作品だ。今までのシリーズ作品を超えるべく内容の充実を図ったのはもちろん,シリーズで初めてソニックの足を“遅く”したり,ゲームをテンポよく進められる「パルクール・アクション」を導入したりと,シリーズ未経験者への配慮もしっかりとなされている。

画像集#001のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
Wii U版パッケージ
画像集#002のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
ニンテンドー3DS版パッケージ

 今回4Gamerでは,プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビューを実施し,開発にまつわるさまざまな話を聞いてきた。シリーズファンはもちろん,今までソニックシリーズをプレイしたことがないという人も,ぜひ最後まで読み進めてほしい。

「ソニック ロストワールド」公式サイト



4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 「ソニック ロストワールド」は,いわゆる“3Dソニック”としては,2011年に発売された「ソニック ジェネレーションズ 白の時空/青の冒険」以来の新作となります。本作の開発が始まったのはいつ頃だったのでしょうか。

「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏
画像集#030のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 スタートしたのは,2010年に「ソニック カラーズ」の開発が終了したすぐあとですね。当初は「カラーズ」に関わっていたコアメンバー数人で,「ジェネレーションズ」と並行して開発を進めていました。
 20周年記念タイトルだった「ジェネレーションズ」のテーマは「これまでのソニックを振り返る」ことでしたが,「ロストワールド」では,その先へと向かう「これからのソニック」を提示しないといけません。
 ですから,どのような新しいアプローチができるか,最初はWii版「カラーズ」のエンジンをベースに,いろいろと実験をしてもらっていました。その中で出てきたのが,今回の新要素であるシリンダー状のステージなんですよ。

Wii U版SS
画像集#026のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に

4Gamer:
 最近のソニックシリーズでは,ステージごとに3Dのフォワードビューと2Dのサイドビューに切り替わるというスタイルが定着していましたよね。なぜ,フォワードビューを大きく変えることにしたのでしょう。

飯塚氏:
 その部分は,シリーズとしてずっと引きずっている課題だったんです。
 サイドビューでは,新しいギミックが作りやすいのでいろいろな遊びを作れるのですが,フォワードビューのスタイルだと,どんどんスピードを上げて障害物を避けるくらいの遊びにしか発展できなかったんです。
 極端な言い方をすれば,それではもうレースゲームですから,プラットフォームアクションとしてソニックを進化させるためには,フォワードビューに大きくメスを入れる必要があったんです。

4Gamer:
 シリンダー状ステージのアイデアが生まれて,これで行けるという手応えはすぐに持てたのでしょうか?

Wii U版SS
画像集#017のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
画像集#018のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 シリンダー状の地形なら表と裏でさまざまなルートを作れるから,ユーザーさんの選択の余地が広がるだろう,というとっかかりは得られたのですが,レベルデザインはすんなりとはいきませんでした。ただルートを増やすだけだと,ユーザーさんは結局そのうちの1つしか選びませんから,残りはいらなくなってしまいます。
 シリンダーという仕組みを生かしたステージを構築するまでは,何度も試行錯誤しましたが,「前に進むこと」がプラットフォームアクションを活用する手段の一部にもなりましたし,いい結果につながったと思っています。

4Gamer:
 「ロストワールド」では,シリンダー状や球体など,今までのフォワードビューのステージとは遊び方がまったく違うというのが印象的でした。

飯塚氏:
 フォワードビューの改良は大きな課題ではあったんですけど,ゲーム全体として遊びのバリエーションをもっと増やしたいというのが大前提にありました。シリンダー状や球体状のステージは,ユーザーさんに期待感を持ってプレイしていただきたい,というところから出てきたものなんです。

Wii U版SS
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4Gamer:
 期待感とは,具体的にはどのようなことなのでしょうか。

飯塚氏:
 これまでのソニックシリーズでは,「ゾーン」が7つくらいあって,それぞれがいくつかの「アクト」に分かれているというのが,定番の構成でした。
 1つのゾーンがアクトで分割されているのは,ある意味開発側の都合であって,プレイする方に同じようなステージが続くと感じさせてしまう部分があります。
 また,シリーズ作品をプレイし続けてくださる方にとっては,「7つめのゾーンまで進んだから,そろそろクリアかな」というように,ボリューム的な予測もついてしまいますよね。

4Gamer:
 確かに,終わりの目星が付いてしまうと,プレイヤーとしては寂しい気持ちになってしまいますね。

飯塚氏:
 ですから今回は,「このステージが終わったら,次はどんなステージが待っているんだろう」という期待感を最後まで持っていただけるように,アクトで分割されていないゾーンをたくさん用意する形にしました。
 もちろん,同じような遊びが隣り合わないように全体の構成を考えていますし,今までのシリーズに負けないくらいのボリュームもあります。

3DS版SS
画像集#023のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に 画像集#024のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に


パルクール・アクションやソニックの「低速化」で,初心者に優しくバリエーション豊かなステージに


4Gamer:
 「ロストワールド」では,ソニックの移動スピードも遅くなっているんですよね。ハイスピードアクションをウリにしているソニックシリーズとしては,かなり思い切った仕様変更だと思うのですが,その経緯をあらためて教えてください。

画像集#031のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 実は,シリーズ初心者の方には以前から,「ソニックは速すぎて難しい」という意見をいただいていたんです。そこで「ロストワールド」では,シリーズの歴史で初めての試みと思うのですが,初心者の方がプレイしたときに一番操作がしやすいスピードに調整しました。それによって結果的に,ソニックの足が遅くなったんです。
 もちろん,単に遅くするだけではなく,スピード設定は3段階用意していますから,今までどおりソニックらしいスピードでプレイしていただくことも可能です。

Wii U版SS
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4Gamer:
 以前の作品から言われていた意見を,今まで取り入れなかったのはなぜですか?

飯塚氏:
 もちろん取り入れる努力はこれまでもしてきました。ただ,最速の状態でもっともコントロール性能が良くなるようにしたり,障害物を瞬間的に避ける能力を与えたりというように,ハイスピードアクションというコンセプトに合わせた調整は不可欠だったので,その両立が難しかったわけです。
 ソニックの足を遅くするというのは大きなニュースですから,受け入れられなかったらどうしようと発表前はドキドキしていたのですが,国内外問わず,全体的にウェルカムな反応だったのでほっとしました(笑)。

Wii U版SS
画像集#025のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に

4Gamer:
 アクション面でいえば,崖にぶら下がる,壁を上る,壁から壁へとジャンプするといった「パルクール・アクション」という新要素もありますが,これはどのような経緯で導入されたのでしょう。

パルクール・アクションの例(Wii U版SS)
画像集#016のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
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画像集#012のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 パルクール・アクションは,もともとは初心者やアクションゲームがあまり得意でない方でも,テンポ良くプレイしてもらう補助的な役割として導入したものです。たとえば,ジャンプ距離が足りず,足場に届かないようなときにしがみついてよじ上ったり,段差にぶつかったときに自動で乗り越えたりと,立ち止まってしまうことがないようにサポートするといった感じですね。
 加えて,壁や天井を走ったり,壁から壁へとジャンプしたりというように,アクション上級者の方がプレイしたときに活用できるようなアクションも入れています。

4Gamer:
 「カラーパワー」は,「カラーズ」以降の作品で導入されている要素ですが,なぜ「ロストワールド」でも採用することにしたのでしょうか。

飯塚氏:
 順を追って説明しますと,まず過去のソニックシリーズでは,ソニックをはじめとしたキャラクターそれぞれで異なる遊び方を提供することで,バラエティ感を出してきました。
 「ソニック ワールドアドベンチャー」のように,変身してから違うゲームが展開するケースもありましたが,基本的には,ソニック自身にできるアクションというのは限られていたんです。そこで「カラーズ」では,過去のソニックにはできなかった新しいアクションをさせられるよう,カラーパワーを採用しました。
 カラーパワーは,発売後のユーザーさんの評価も高かったので,今後もレギュラーで採用していこうと決めました。そういう経緯から,「ジェネレーションズ」にもカラーパワーが使える「カラーズ」のステージを採用したんです。

画像集#013のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
カラーパワー「シアン・レーザー」(Wii U版SS)
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カラーパワー「インディゴ・アステロイド」(Wii U版SS)

4Gamer:
 なるほど。以前,「ジェネレーションズ」のインタビューのときに,過去作品のステージで入れられなかったものがたくさんあったのに,ステージ選定時期にまだ発売されていなかった「カラーズ」のステージが入っていると聞いて,少し不思議に思っていたんです。それは,ファンにカラーパワーの要素を意識付ける意味合いもあったんですね。

飯塚氏:
 ええ。今後のシリーズにおいて新しいアクションを広げられる絶好の要素だとしても,間が空いてしまうと,ユーザーさんにとっては特殊なものだと認識されてしまう可能性もありますから。今後は,リングやバリアなどと同じような感覚でカラーパワーを使えるようにしたいと考えています。

4Gamer:
 「ロストワールド」には「エッグマン六鬼衆」という新キャラが登場しますが,彼らはどういった経緯で誕生したのでしょうか。

画像集#015のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
未知の大陸・ロストヘックス
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エッグマン六鬼衆
飯塚氏:
 まず,シリンダー状の地形を採用するにあたって,そのステージがソニックの世界のどこにあるのかを考える必要がありました。そこで,「ロストヘックス」という上空に浮かぶ幻の大陸が舞台になりました。
 今回の敵役になる六鬼衆達は,未知の大陸・ロストヘックスに住んでいるという設定ですから,今まで見たこともない種族ということになります。そこで,ソニック達とは違うことが一見して分かるように,「鬼」をモチーフにすることにしたんです。

4Gamer:
 それは,いわゆる日本の鬼ですか?

飯塚氏:
 はい。彼らは「ゼティ」という種族なんですけど,開発初期の頃はそのまま「オニ」と呼んでいたんです。本当は,種族の名前を「オニ」(ONI)にしたかったんですけど,海外から反対されたので,最終的に今の名前に落ち着きました。

4Gamer:
 鬼ではダメだったんですか。

飯塚氏:
 海外でも鬼という言葉はけっこう浸透しているようで,ONIだと日本のイメージが強くなってしまうんですよ。
 ちなみに,日本では馴染みやすさを重視して六鬼衆という呼び方をしていますが,海外では「Deadly Six」(デッドリーシックス)という名前なんです。これまで,キャラクターの名前関連はワールドワイドで統一していたので,日本と海外で呼称が異なるというのも,シリーズでは珍しいことです。

4Gamer:
 では,今回のストーリーはどのような展開になるのでしょうか。

飯塚氏:
 「ロストワールド」のストーリーは単なる勧善懲悪ではなく,キャラクター同士の関係が揺れ動く,人間味にあふれた展開になっています。もちろん,シリーズ作品を知らなくても楽しめるような内容ですから,初めての方も安心してください。
 今回は,「カラーズ」からシナリオを担当しているアメリカ人のライターに,かなり初期の段階から入ってもらい,一緒に考えていくスタイルで進めてきました。たとえば,六鬼衆という設定はこちらから提案したものですが,個性付けはライターのアイデアがかなり反映されている,といった感じですね。

画像集#029のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に


同じゲームを遊んでいる人が世界中にいる,というつながりを肌で感じてほしい


4Gamer:
 「ロストワールド」にはWii U版とニンテンドー3DS版がありますが,「ジェネレーションズ」で「白の時空」と「青の冒険」で収録ステージなどが違ったように,今回も機種によって内容が異なるのでしょうか。

画像集#032のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 そうですね。アクションの根幹部分や,フォワードビューとサイドビューのステージを用意しているのは共通なので,同じ感覚でプレイできますが,すべてのステージで違う遊びを取り入れています。
 たとえば,Wii U版と3DS版でステージの名称は共通ですが,ゲームデザイン上はそれぞれ別のものとして作っているので,同じステージは一つもありませんし,「エッグマン六鬼衆」との戦いもまったく違います。
 使用できるカラーパワーやパルクール・アクションの一部は,Wii U版と3DS版,それぞれのステージに合わせた独自のものを用意しました。ラジコンの扱い方もマルチプレイの中身も違いますし,両方プレイしていただいても楽しめる内容になっていると思います。

4Gamer:
 ラジコンはWii U版と3DS版でどのような違いがあるのでしょうか。

飯塚氏:
 ラジコンは難しいステージを楽に進めるようになるお助けアイテムで,Wii U版と3DS版でそれぞれ同じ機体を扱えますが,Wii U版は2P協力プレイ用,3DS版は1Pプレイ用のアイテムとして実装されています。3DS版はラジコンを使う前提でレベルデザインされていますので,アクションゲームとしては3DS版のほうが歯ごたえのある内容になっているかと思います。

画像集#008のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
Wii U版SS
画像集#009のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
3DS版SS

4Gamer:
 なぜそのような差をつけたのでしょうか?

テイルスラボ(3DS版SS)
画像集#007のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 Wii U版では,Miiverseを使って「アイテム放流」をしたり,「オモチャオのミッション」をクリアしたりすることで,使えるラジコンの種類が増えていきます。
 つまり,プレイする人のテクニックや運に左右される部分があるのに対して,3DS版はラジコンを「テイルスラボ」で生産する形です。マテリアルを集めれば確実に作れるので,レベルデザインもそれに合わせたということですね。ステージが簡単すぎたら,誰も3DS版でラジコンを使ってくれないでしょうから(笑)。

4Gamer:
 3DS版は,ラジコンを使わないとクリアできないステージもあるんですか?

飯塚氏:
 ラジコンが必須になるステージはありません。アクションに手応えを求める人は,ラジコンを使わずにクリアを目指してもらうのも面白いと思います。
 補足しておきますと,3DS版で作ったラジコンをWii U版に転送すれば,Wii U版でも使えるようになります。Wii U版でラジコンを増やせないときは,3DS版を持っているお友達に協力してもらうといいかもしれません。
 また,Wii Uをインターネットにつないでおけば,アイテム放流でラジコンが届くこともあります。ラジコンは,一度受け取ればそのあとずっと使えるようになるので,ぜひ試していただきたいですね。

4Gamer:
 Wii U版のアイテム放流の仕組みは,どうなっているのでしょうか。

Wii U版SS
画像集#004のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 一言で言えば,Miiverseを使った,わらしべ長者的な機能ですね。
 ゲーム内で取得したアイテムを「放流」すると,ホワイトウィスプがそのアイテムを持って,「ロストワールド」を遊んでいる誰かのところに行きます。その人が使ってくれたらアイテムがパワーアップして次の人のところに行く……というように,めぐりめぐって最終的には自分のところに戻ってきます。
 放流で手に入るアイテムの種類はかなりありますが,中には,カラーパワーの「ブラック・ボム」のように,アイテム放流でしか手に入らないものもありますので,ぜひ積極的に活用していただきたいですね。

カラーパワー「ブラック・ボム」(Wii U版SS)
画像集#005のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に 画像集#006のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に

4Gamer:
 放流したアイテムは,実際の時間でどのぐらい経つと戻ってくるんですか? 放流したきり戻ってこないようなこともあるのでしょうか?

飯塚氏:
 ほかの人にたくさん使ってもらえたら,すぐに戻ってきます。万が一,誰にも使ってもらえなかった場合でも,2日間程度で戻ってきます。アイテムがなくなることはないので,プレイヤーには,アイテム放流によるデメリットはありません。
 Wii U本体をインターネットに接続した状態で,Miiverseを使えるようにしておけば,ゲームを始めてすぐにでも,ほかのプレイヤーからの放流アイテムを,自動的に受け取れるようになっています。

4Gamer:
 いきなりラジコンやブラック・ボムのような,レアアイテムが届くこともあるんですか?

飯塚氏:
 その可能性はありますね。実は私も,アイテム放流がどの程度ユーザーの皆さんに使ってもらえるのか,予測できていないんです。
 もちろん,開発中に日米欧間でアイテム放流のテストを行って,問題なく動作することは確認していますが,どの程度ユーザーさんに使ってもらえるのかは,やはりゲームが発売されてみないと分かりませんから。
 今回の「ロストワールド」は,欧州とオーストラリアが最初で,次に日本,そして北米の順番で発売されます。日本の皆さんにもアイテムをどんどん放流していただいて,世界中のソニックファンと交流していただけたら嬉しいですね。

4Gamer:
 放流アイテムを使うとき,コミュニケーションを取る必要はあるんですか?

Wii U版SS
画像集#003のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 自分が受け取ったアイテムを放流してくれた人や,自分が放流したアイテムを使ってくれた人のMiiはゲーム内で確認できますが,とくにコミュニケーションは必須ではありません。
 ゲームを一人で遊んでいても,Miiverseの掲示板に投稿されたコメントがゲーム内に表示されれば,このゲームを遊んでいる人が世界中にたくさんいるというつながりを,肌で感じることができますよね? アイテム放流はその一歩先まで進めて,見知らぬ人からアイテムをもらえることで,世界中の仲間と一緒に冒険を進めている,という雰囲気を感じてもらいたかったんです。
 ゲームを起動するたびにいくつものアイテムがやって来るので,放流したプレイヤーのMiiを見て,「今日はこの人のアイテムを使ってみよう」といったきっかけにつながればいいかなと考えています。

4Gamer:
 単刀直入にお聞きしますが,次回作の構想はすでにあるのでしょうか? 前作の「ジェネレーションズ」のときもそうでしたが,今回の「ロストワールド」も,開発を並行して進めてきたということは,次のプロジェクトもすでに始動しているのではないかと勘ぐってしまうのですが。

飯塚氏:
 構想はもちろんありますよ。30年40年とソニックシリーズをつなげていくためにも,次にどうするかは,当然考えていかないといけませんから。
 ただ最近は,Wii U版の追加DLCとして用意させていただいた「ナイトメア」のように,発売後の展開もありますから,本編の開発が終わったからといって気が抜けないんですよ。今回のDLCは,本編の開発が終わってから急ピッチで制作したのですが,配信が発売日に間に合って本当によかったです(笑)。「ナイトメア」は「NiGHTS」とのコラボで,ニンテンドーeショップから無料でダウンロードできますので,ぜひプレイしてみてください。

4Gamer:
 それでは最後に,読者に向けてメッセージをお願いします。

画像集#033のサムネイル/「ソニック ロストワールド」プロデューサーの飯塚 隆氏にインタビュー。初心者でも楽しめるさまざまなアプローチで“これからのソニック”を提示した作品に
飯塚氏:
 「ソニック ロストワールド」は,初めてプレイする方でも安心して遊べるように意識した作りになっています。
 先にもお話ししたように,ソニックのスピードもプレイしやすい速度に調整していますし,何度も同じ場所で失敗してしまったときは,ステージの難しい場所をスキップして先に進むこともできます。もちろん,今までソニックを遊んできてくださった人達にも,ワクワクできるような体験をしてもらえるよう,いろいろと新しいチャレンジに取り組みました。
 Wii U版では,アイテム放流をどんどんしていただいて,世界中で「ロストワールド」をプレイしている人達と盛り上がっていただければ嬉しいです。もちろん,Miiverseへの攻略の投稿なども大歓迎です! 3DS版はダウンロードプレイにも対応していて,ソフトを持っていない人と一緒に遊べますので,ゲームの面白さを広めていただけたら嬉しいです。
 Wii U版,3DS版ともにニンテンドーeショップで体験版を配信していますので,興味を持っていただいた方は,まずはダウンロードしてみてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


 「ソニック ロストワールド」は,今までのシリーズ作品と比べても,プレイヤーを楽しませたいという,アクションゲームとしてのこだわりが,随所に盛り込まれているのが伝わってくる内容になっている。
 すでに本作をプレイしている人なら分かっていただけると思うが,ステージごとにまったく異なるギミックやアクションが用意されており,アイデアに満ちあふれたステージが次から次へと出てくるのは,まるで遊園地のアトラクションのよう。ゲームを進めるたびに新鮮な体験を味わえたというのが,ソニックシリーズを通してプレイしてきた筆者の率直な感想だ。
 Wii U版,3DS版ともに,ニンテンドーeショップで体験版が配信中なので,ソニックは知っているけどゲームは遊んだことがないという人がいたら,ぜひダウンロードしてプレイしてみてほしい。

「ソニック ロストワールド」公式サイト


  • 関連タイトル:

    ソニック ロストワールド

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