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「The Tomorrow Children」オープンβテストレポート。労働も破壊も自由なこの世界を体験。いくつかの課題も浮き彫りに
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印刷2016/07/08 00:00

プレイレポート

「The Tomorrow Children」オープンβテストレポート。労働も破壊も自由なこの世界を体験。いくつかの課題も浮き彫りに

 キュー・ゲームスが開発,ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアが配信するPlayStation 4用オンラインアクションゲーム「The Tomorrow Children(トゥモロー チルドレン)」のオープンβテスト(以下,OBT)が,2016年6月3日17:00〜6日17:00(日本時間)に開催された。

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 2014年11月に行われたクローズドαテスト,今年1月に行われたクローズドβテスト(以下,CBT)に続く3回目のテストとなった今回は,特別な参加枠を設けず,PS4ユーザーならば誰でも参加可能な形式で行われた。
 今回はOBT期間3日のうち,合計24時間程度をこの世界で過ごしてみて,その経過や遭遇した出来事,そしてそれに対する感想などを,主観を交えつつお届けしていくことにしよう。細かな概要などについては,過去の記事も参照してほしい。

若者よ,人間の未来を担う労働者となれ。独特の世界観とオンラインプレイが特徴的な「The Tomorrow Children」クローズドαテストをレポート

「The Tomorrow Children」のクローズドβテストをレポート。君は1人の労働者として,この不可思議な世界で何を楽しむ?



参加条件なし,PS4ユーザーなら全員参加できた今回のテスト


 今回はOBTということで,参加条件に制限がなかったため,これまでのテストと比較して,大幅に参加者が増えていたことは間違いない。また,これまでのようにテストの時間制限や不具合によって町に入れないということがなくなったため,ログインするごとに別の町へと移動しなければならないようなこともなく,ずっと同じ町に居続けることも可能となっていた。
 ゲームの導入部分はCBTのときと同じで,チュートリアルを終えたプレイヤーキャラクター「プロジェクションクローン」に対して,町に住居を建てるための「個人住居建設許可証」や「住民手帳」,連絡用の「トランシーバー」などが支給され,駅から地下鉄に乗って町へと向かうことになる。

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チュートリアルで覚えられるのは採掘や納品のごく基本的な部分のみだった
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ゲーム中の「心得」として,ゲームの定石はメニュー画面から読めるようになっている

 今回筆者がたどり着いた町は「ビィリヴスク(BIYLINOVSK)」。初日の開始時刻直後ということで,町には「万能工作台」や「人力発電機」など,町を維持するための最低限の設備があるだけで,「資源」もオール0という本当にまっさらな状態だ。この初期状態の町を体験できたのは,ある意味貴重だったかもしれない。

町にたどり着くと,いくつかのツールと,ログインボーナスの配給券などが支給された
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 その時点の町のデータを見てみると,プレイヤー(ゲーム中は「同志」と呼ばれる)は19人ほどいて,このOBTが賑わっていることが感じられた。町の定員は20〜30人の間ぐらいのようで,試しにプレイヤーが20人以上いる町に行こうとすると,満員で弾かれてしまうこともある。我が町の19人という人数は,決して少なくない数字というわけだ。
 また,開始と同時刻にログインしているプレイヤーには,さすがに過去のテスト経験者が多かったようで,前回のテストにおいて筆者が気になっていた,「初心者による資源の無駄遣い」も少ないように思えた。

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OBT開始直後は万能工作台のパズルに慣れず,時間がかかる人も多かった
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CBTのときと同様,労働監査局の隣に自宅を建ててみたが,なんと向きが反対だった

 本作はサンドボックスタイプのゲームなので自由度は高めだが,序盤でプレイヤーがやるべきことはある程度決まっている。町の近くに現れる「島」にバスなどを使って渡り,そこで採掘した資源を町に持ち帰り,それを素材に万能工作台で施設を作っていくことで,町を発展させるのだ。
 また,本作の最大の目的である「人民の復活」は,島に隠されている「マトリョーシカ」を持ち帰り,施設の一つ「人形変換機」にセットすることで,マトリョーシカが人間へと変換され,町の住人となっていくのである。

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島と町の間を定期的に運行しているバスを使って,移動や採集した資源の運搬を行う
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島はさまざまな形をしていて,たくさんの資源とマトリョーシカが眠っている

 住人の増加と維持には,彼らが住むための「宿舎」の建設と,生活するための「電力」と「食料」の供給,そして施設を充実させるための「タウンホール」の建造といった作業が必要となる。これらをバランスよく続けていくことで,町は次第に発展していくというわけだ。

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いつの間にか町の労働監査局が2件に……。これはあまり意味がない
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人形変換機と宿舎を建てると,ようやく本題となる人類の復興が始まる

 ちなみにクローズドαテストのときは,この住人の人口を250人まで増やすというのがゲームの最終目的となっていたが,CBT以降はこのような目的は設定されていない。製品版でこのあたりがどうなるのかも気になるところである。


労働の対価となる貢献度のバランス調整が施されていた


 プレイヤーの分身であるプロジェクションクローンは,島や町で労働することで「貢献度」を得られる。貢献度はRPGにおける経験値に当たるもので,これが一定値を超えると階級(レベル)が上がっていく。階級が一つ上がるごとに「ボーナスポイント」が1与えられ,これを「器用さ(作業速度が上がる)」「体力(ライフの上限が増える)」「攻撃力(敵への攻撃力が上がる)」「愛国心(もらえる配給券の数が増える)」「俊敏さ(移動速度が上がる)」「腕力(10上がるごとにバッグの容量が1増える)」という,五つのパラメータに振り分けられるようになっている。

島での労働を真面目に続けていれば,レベルアップは比較的早い
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 CBTの制限時間は72時間だったとはいえ,長く遊んでいればこの成長要素が楽しみの一つになってくることはすぐに分かる。とくに器用さや俊敏さは,パラメータを割り振ることでゲームの手触りが明確に変わってくるのが楽しい。
 それぞれ島での労働,とくに採集作業に役立つもので,筆者もレベルアップ時には積極的にこの二つのパラメータにポイントを割り振っていた。バッグの容量が増え,採集した資源を多く持って帰れる腕力も魅力だったが,10まで上げないと効果が出ないというのがネックで,制限時間のある今回は上げることを早々にあきらめてしまった。

ボーナスポイントの割り振りはいつでもできる。筆者は器用さと俊敏さを主体に上げていた
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 なお労働に対しての貢献度については,今回が一番バランスが取れているように感じられた。前回,島で採れた資源を積んだバスをバス停で待ちかまえ,それを資源置き場に入れることで貢献度を稼ぐだけのプレイヤーがいることに触れたが,この作業に対する貢献度の量が下がり,それとは逆に資源の採集時に得られる貢献度が上がったため,島に渡って労働をする意義が大きく上がった。
 さらに木を揺らして実(資源の「食料」となる)を落とすという作業に対する貢献度の量も上がっていて,町中に植えられた木は無闇に切るよりも,実がなることを待ったほうが効率よく貢献度を上げられる。ここに気付けば,町中での樹木を栽培することに積極的になる,という具合だ。

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木を揺らして実を落とすだけで,実の数に応じて貢献度が上がる
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貢献度を上げることが目的なら,島にある資源を片っ端から掘るだけでもいい

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島にはプロジェクションクローンを攻撃したり,小型のイズベルグを生み出したりする装置がある。武器で破壊可能だ
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特定のプレイ条件を満たすと,実績としてメダルがもらえる。プロフィールに飾ることも可能

 貢献度とは逆に,CBTでは比較的楽に手に入った「外貨」(性能のいい道具を「ブラックマーケット」から買ったり,賄賂として使う貨幣)については,ログインボーナスとしてもらえるもの以外はほとんど手に入らなくなっていた。入手方法もPlayStation Store経由であり,外貨の用途なども考えると課金アイテムとして提供されることになるのかもしれない。

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CBTではそこかしこで入手できた外貨だが,このOBTでは1日1回程度,数クレジットしか入手できなかった
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今回支給された外貨は,PlayStation Storeで受け取れた。製品版では課金アイテムになることが予想される

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外貨でしか購入できない,「ブラックマーケット」の高品質ツール。宝箱などからは使用回数の少ないお試し版が手に入ることもある
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特定のツールを配給券で買えるようになったり,「ホバーマシン」などを使用するための免許も外貨で購入する必要がある


プレイスタイルの違いが,プレイヤー間の軋轢を生むことも


 OBTも2日目となると,多くの人がゲームに慣れてきた印象で,町も順調なペースで発展していく手応えを感じられた。ただ一方で,自由度の高いサンドボックスタイプのオンラインゲームゆえに,ゲームの主軸となる目的とは違うことをやろうとするプレイヤーが出てくるのも確認できた。たとえそれがほかのプレイヤーの行動を阻害するものだとしても,ゲームシステムの一部に組み込まれていることをやっているだけである以上,それは単にプレイスタイルの一つでしかなく,止める理由はないのだ。
 筆者が最初にそれを体感したのは,万能工作台にて施設を作っているときだった。突然プレイヤーの1人に「悪いね(BAD)」の評価をされたかと思うと,そのプレイヤーはすかさず筆者の足元に罠を置き,筆者を投獄したのである。

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筆者初の投獄。何も悪いことをした記憶はないのだが……。難度の高いコマンドをひたすら入力するか外貨を払うと出られる
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「悪いね」をされると一定時間体が青くなり,右側の地面に見える罠に触れると投獄されてしまう

 本作では,町の発展に都合の悪いようなことをしたプレイヤーに対し,ほかのプレイヤーが「悪いね」の評価ができる。これをされると,一定時間「反逆者」のレッテルを科されてしまい,その間は前述の罠によって「逮捕」されてしまうこともあるのだ。
 あとで分かったのだが,そのプレイヤーは相手の行動とは関係なく投獄することで貢献度を獲得していたようなのである。こういう遊び方もあるのか……ということを認識させられた。
 なお,そのプレイヤーはその後も同じようなプレイを続けていたが,町の発展を妨害するようなことはせず,むしろ貢献しているぐらいではあったので,町に1人はいるちょっと偏屈な老人のような存在として意識することにしたところ,さほど気にはならなくなった。

 そしてその2日目,ついに我が町ビィリヴスクにも「破壊者」が現れる。町を破壊する敵キャラクター「イズベルグ」はゲーム初期から登場していたものの,プレイヤーによる破壊行為を目の当たりにしたのは,町がある程度発展してきてからだった。
 もしかしたらこのビィリヴスクも,町の移動時に見られる「発展している町」のリストに挙がっていたのかもしれない。破壊行為をするプレイヤーにとっては,荒廃した町よりも発展した町を狙ったほうが,壊し甲斐があるのだろう。

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2日目となって各種施設なども充実してきたビィリヴスクの町だったが……
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破壊された施設は修理すれば直るが,放っておけば消えてしまう。修理には木材が必要となる

 プレイヤーによる破壊行為は,町に設置されたイズベルグ撃退用砲台や,武器の一つであるロケットランチャーなどを使って行われる。ゲームの仕様上,相手の姿は何か行動をとるまでは見えないし,PvP要素のない本作では,そもそも彼らに対抗する手段が罠を仕掛けて引っかかるのを待つ(破壊行為は即座に反逆者扱いになる)か,破壊に使われる砲台を撤去するなどの消極的な策しかないため,破壊行為に押し切られてしまうのである。
 とくに「火力発電所」のような建設にコストがかかる施設や,プレイヤーの労働によって大きくなっていく「タウンホール」のような施設が数分の破壊行為でなかったことにされてしまうようなことが何度も続くと,さすがにプレイに対するモチベーションが一気に下がってしまう。

破壊されてしまった火力発電所を再建するも,次に島から戻ってきたときはまた破壊されていた……
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 オンラインゲームにおけるPKなどの攻撃的な行為は,それを行うだけのメリットがあることに対し,大きなリスクを背負うというのが定石だが,本作における破壊行為は,プレイヤー本人が楽しいということ以外のメリットが基本的に存在しない。メリットがないので積極的にやろうという人は少ないだろうが,破壊行為に対するペナルティが反逆者扱いとなって,いずれその町から追い出される程度でしかないので,現在のルールのまま製品版が出るとすれば,悪意を持って破壊行為を行うプレイヤーは今回のように少なからず現れるだろう。
 Twitterや各種BBSなどの反応を見るかぎり,やはりこの破壊行為に対抗できる手段を求める声が挙がっていたが,正直筆者も同じ気持ちである。創造と破壊の両方ができるのが,この手のサンドボックスの魅力ではあるが,破壊側に回ったときのリスクがもう少し大きくないと,創造する側の心が折れてしまう。このバランス取りは非常に難しいところだとは思うが,個人的には少し時間をかけてくれてもいいので,大多数のプレイヤーがある程度納得できるような調整を見せてもらいたいと思っている

町をイズベルグに壊されるのもプレイヤーに壊されるのも,結果としては同じではあるが,後者は対策のしようがないので精神的なダメージも大きい
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3回目のテストにおいて,筆者が気になったポイント


 せっかくのテストの機会であり,フィードバックという意味を込めて,個人的に気になった点についてもいくつか記しておきたい。

 今回のプレイでは新しい島なども確認できたが,それを含めて町との行き来に総合的に時間がかかっていた印象だ。島へはバスを使って移動するのが基本となるわけだが,ときおり町と島の距離が非常に長くなることがあり,これがバス待ちの時間を長くしている。もちろんこういう島が出てくることがあってもいいのだが,島が消える少し前に新しい島が現れると,バスがそちらも経由するため,さらに待ち時間が長くなるのだ。また,島が消えてからしばらく出てこないことがあり,そのときはバスが一切動かなくなってしまい,乗ったまま待ちぼうけをくってしまうこともある。
 のんびり待つのもこのゲームの味として悪くないのだが,島での労働を楽しんでいる筆者としては,もう少し行き来がスムーズになるといいなと思った次第だ。

今回初めて登場した名作SF小説の1シーンをイメージさせる島。最寄りのバス停までの距離が遠いのが気になった
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 もう一つは,町のタウンホールについて。タウンホールは建造後に,資源の「メタル」を入れることでレベルアップし,町に建てられる建造物の数が増やせるのだが,これにより,メタルが不足がちになることが多かった。メタルは砲台の弾の生産などに使われ,建物の素材としても多く使う割に,発掘量は少なめだ。過去のテストでは,タウンホールに入れる資源はメタルではなく「クリスタル」だった記憶があり,そちらのほうがゲームとしてのバランスが取れていた印象だった。
 またタウンホールは,破壊されてしまうとレベル1から育て直しとなってしまうため,これがさらにメタル不足を加速させ,さらに破壊行為のターゲットとして真っ先に狙われる存在となっていた。これが「壊されたときに入っていたメタルの数は0に戻るが,レベルは下がらない」なおかつ「再建のときはレベルに応じた資源が必要」といったルールになれば,再建のモチベーションはもう少し上がるのではないかという気もしている。

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建設後,タウンホールの中央にメタルを入れることでレベルアップしていく。これを知らない人も多かったようだ
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レベル2まで成長したタウンホール。この後破壊されてしまったので,次の段階はまだ見ていない

 最後にもう一つ,町の施設の維持に必須となる電力をまかなうために,初期の頃は「人力発電機」を使うことになるのだが,これが手間と時間がかかる割に貢献度が低い印象だった。OBTが始まってすぐの頃は物珍しさもあって積極的に発電する人も多かったのだが,やがて島での労働などが面白くなってくると,発電する人がグッと減ってしまうのだ。
 町に火力発電所が建てば電力の心配はほぼなくなるが,タウンホールと同様に破壊行為のターゲットとなることも多く,壊されてしまえばしばらくはまた人力発電に頼るしかなくなってしまう。人力発電を行ったときに入手できる貢献度がもう少し高ければ,自発的に発電をする人も増えるのではないだろうか。

時間がかかる割に発電量も貢献度も少ないように思え,OBT後半は自主的にやる人は少なかった
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バランス調整や販売形態などの課題は今後どうなるのか


 OBTの3日目も引き続き破壊行為は続いていて,町の住人は減る一方だったのだが,それでも我が町ビィリヴスクの最大人口は一時期は280人を超え,3日目の時点で「最組成した人民」の数が21位に,総獲得貢 献度42位に入る程度の町に発展していた。
 今回初めて触ったプレイヤーにとっては作業的に感じられたかもしれない島での労働も,筆者は楽しく挑むことができ,同じ3日目の段階でビィリヴスクでの「資源採掘回数」1位になるまで続けていたぐらいだ。

町とプレイヤーのランキングも専用の施設で見られる。こうした結果として残る数値が確認できることで,プレイヤーの労働に対する意識や互いの団結心が向上する
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 社会主義国家を思わせる世界観や,黙々と作業を続けられるゲームシステムはこれまでどおり筆者の好みなので,次にプレイする機会がもし製品版となるのなら,必ずや購入してプレイしたいと思っている。ただ,もし仮に今回のOBTのバランスのまま製品版がリリースされたなら,長くゲームを続けていく自信がないというのが正直なところだ。
 また本作が有料配信になるのか,それともF2Pとなるのかも気にかかるところで,これによってオンラインゲームとしてどのぐらいの人数が参加するのかという部分と,プレイヤーの志などに大きな影響が出てくると思う。
 テスト参加者の声や筆者自身が触った感触なども含め,まだもう少し改良の余地はあるはずで,プレイヤー全員が気持ちよく労働できるホワイトな現場構築を心から期待しつつ,次の情報を待つことにしたい。

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