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[E3 2019]「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」開発者合同インタビュー。日本での体験機会は必ず作ります
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印刷2019/06/13 20:06

インタビュー

[E3 2019]「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」開発者合同インタビュー。日本での体験機会は必ず作ります

 カプコンのハンティングアクションゲーム「MONSTER HUNTER: WORLD」PC / PS4。以下,MHW)の大型拡張コンテンツ「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」(以下,IB)の発売日(2019年9月6日)まで3か月を切った。新たな地での狩猟解禁の日を今か今かと待ちわびている人は多いだろう。

 E3 2019のカプコンブース内にて,同作の開発チームを率いる辻本良三氏藤岡 要氏への合同インタビューが実施されたので,本稿ではその内容をお伝えしよう。

右から辻本良三氏,藤岡 要氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / [E3 2019]「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」開発者合同インタビュー。日本での体験機会は必ず作ります

――IBは今回が初出展となりますが,手応えはどうでしょうか。

藤岡 要氏(以下,藤岡氏):
 モンスターハンターが,海外でもだいぶブランドとして定着してきたかなと感じました。日本でのイベントと遜色ないプレイをしてくれている印象です。

辻本良三氏(以下,辻本氏):
 モンスターハンターの理解度が高くなっている人が増えた気がしますね。これも,MHWをグローバルで多くの人にプレイしてもらった結果だと思っています。

画像集 No.007のサムネイル画像 / [E3 2019]「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」開発者合同インタビュー。日本での体験機会は必ず作ります

――従来作のように「G」としてではなく,大型拡張コンテンツとしてリリースすることにした意図を教えてください。

辻本氏:
 MHWは据え置き機ということもあり,DLCが身近になっているといいますか,環境が揃っている人も多いかなというのが1つあります。ただ,扱い的にはGですので,「MHWをより深く遊んでもらうために,何を追加すればいいのか」というところを大量に入れています。

――G級という表現をやめた理由はあるのでしょうか。

辻本氏:
 MHWはグローバルでいろいろなユーザーがつながるようになっているので,コミュニケーションなどの観点から,タイトルとランクの名前を分かりやすく統一しようと考えました。今回はGというタイトル付けを廃止してアイスボーンに,G級はマスターランクに変えてます。

藤岡氏:
 もともとGという言葉も,響きで付けたものなので(笑)。

――ティガレックスとナルガクルガが復活しますが,今まで遊んできた人に対するラブレターといった意味合いもあるのでしょうか。

藤岡氏:
 もちろんそれもありますが,MHWから始めた人も相当数いますので,ティガレックスやナルガクルガのように,個性的でかつ元気のあるモンスター,シリーズにおいて一番ユニークな部分をこのタイミングで体験してもらいたいという思いもありました。

――モーションはほぼ踏襲されているのでしょうか。

藤岡氏:
 ゲームデザインの根幹はキャラクターの個性でもあるので基本的には変えていませんが,骨格は見直しています。過去のまま持ってきてもMHWのゲームデザインにフィットしませんので,そういう意味での作り変えはしていますね。懐かしさもあり,新鮮さもあるという方向性で手を入れています。

――ティガレックスが大きく見えるのは気のせいでしょうか。

藤岡氏:
 そんなに変えていないのですが,先ほど言ったとおり,骨格を見直して,いろいろなものに対応しやすい体型にしているので,そういった部分でリサイズしたところが大きく見える要因になっているのかと思います。

ティガレックス
画像集 No.005のサムネイル画像 / [E3 2019]「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」開発者合同インタビュー。日本での体験機会は必ず作ります

――地面が崩落するギミックはモンスターにも影響がありますか。

藤岡氏:
 流れて落ちるほうはモンスターも一緒に巻き込まれますが,崩落するほうはプレイヤー側がそこを離れないと,どこかに流されちゃうっていう仕組みだったはずですので,モンスターには影響はありません。ちなみに僕は毎回ランスで落ちてますね(笑)。

――待望の寒冷地ですが,天候の変化はあるのでしょうか。

藤岡氏:
 天候の変化は入れています。ただ,大きく何かに影響するようにはしていないので,環境生物のモーションが変わったりとか,そういった仕組みくらいですね。

画像集 No.004のサムネイル画像 / [E3 2019]「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」開発者合同インタビュー。日本での体験機会は必ず作ります

――地下に瘴気の谷を思わせるエリアがありましたが,あそこはどういった場所なのでしょうか。

藤岡氏:
 生物としては温かい場所が必要で,ほとんどの生物はそういった場所で生活しています。バフバロとかもそうですが,基本的には暖かいところを巡回していて,食性が植物なのでたまに森のほうに出てくるといった感じです。
 もちろん肉食獣が住処にしているところもあり,そういった場所にはほかの生物の残骸が落ちていたりするので,そこが瘴気の谷のように見えているのかもしれません。

――新アクションである「クラッチクロー」のコンセプトを教えてください。

藤岡氏:
 MHWは,環境を利用してモンスターをコントロールし,自分の思ったように隙や展開を作るという戦い方が1つのコンセプトになっています。クラッチはその選択肢の1つで,モンスターに自分から直接干渉する手段として用意しました。
 クラッチでモンスターにしがみついて向きを変え,スリンガー弾を発射して吹っ飛ばすことで,モンスターを壁に当てたり,落としたり,罠にはめたりといったことができます。また,しがみついて攻撃をすることで肉質を柔らかくしたり,スリンガーの弾を落としたりといった要素も取り入れることで,クラッチを選択肢に入れやすくしています。

――IBから小型モンスターにライドできるようになりましたが,なにか条件はあるのでしょうか。

藤岡氏:
 あることをすると笛がもらえるのですが,それをお友達になったモンスターに使うと乗れるといった流れです。なので,IBを導入したからといって最初から乗れるようになるわけではありません。

画像集 No.006のサムネイル画像 / [E3 2019]「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」開発者合同インタビュー。日本での体験機会は必ず作ります

――今後さらに追加するものはありますか。

辻本氏:
 IBもアップデートを何回かする予定で考えてます。モンスターの追加も考えていますが,どういうモンスターが追加されるかはまだ話せません。プランはすでに組んでいますが,プレイヤーの反応を見て調整したりもあるので,内容は作るものがある程度固まった状態で発表するようにしてます。もちろんワールドのときと同じような形で,イベントクエストなどを配信したりといった運営もしていく予定です。

――IBを導入したプレイヤーと,していないプレイヤーで一緒に遊べるんでしょうか。

辻本氏:
 マッチングと協力プレイはどちらも可能で,IBを入れていれば新アクションも使えます。逆にIBを入れていないとマスターランクのクエストを受けたり,新アクションを使ったりということはできません。

画像集 No.003のサムネイル画像 / [E3 2019]「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」開発者合同インタビュー。日本での体験機会は必ず作ります

――マスターランクのクエストはワールドのほうにも存在するのでしょうか。

藤岡氏:
 はい。従来のフィールドに見たことのないモンスターがいるという流れがあります。調査クエストに関しては,マスターランクでもやっていこうと思います。

――新エリアである渡りの凍て地に行くまでの流れを教えてください。

藤岡氏:
 ゼノジーヴァを倒してワールドのストーリーを終わらせておけば,IBを導入したときに,すぐに渡りの凍て地にいく流れのイベントが始まります。

――マスターランクにおけるモンスターの強化は,どういった方向性になっていますか。

藤岡氏:
 昔はステータスをいじるだけだったりというのもありましたが,近年は遊び心地を変えないとマンネリ感が生まれるので,今回はアクションのところに手を加えるということもやってます。近年のG級を体験されている方なら,大きな差はない手応えになっているはずです。

――MHWではFFXIVとのコラボレーションもありましたが,そういった取り組みはIBでも考えられてますか。

辻本氏:
 コラボレーションはお互いのタイミング次第なので,今のところはまだ分からないですね。ああいうのってポッと出てくるので。今は発売日に向けての追い込み段階なので,そのあたりの話はまだできていません。

――装衣のスロットは着ているときだけ効果が生じるのでしょうか。

藤岡氏:
 そのあたりはしっかりと説明するタイミングを作る予定です。基本的な考えとしては,ワールドを遊んでいる人達の遊び心地は担保したいので,例えば転身の使い心地を大きく変えるといったことはしない方向で調整してます。
 とはいえ,マスターランクに行ってもあれだけしか着ないという状況になるのはどうかとも思いますので,そこのバランスをスロットで取るといった感じですね。これによって,クエストに持っていく装衣の選択肢が広がればいいなと意識してデザインしています。

――既存のプレイヤーがIBの世界に触れられるようなゲーム内イベントは考えてますか。

辻本氏:
 ゲーム内イベントは難しいのですが,番組形式でIBの世界をお見せするほうで考えています。

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――最後に日本のハンターに向けて一言お願いします。

藤岡氏:
 タイミング的にどうしてもE3が試遊を出す初めての場になってしまいましたが,日本のプレイヤーにも触ってもらう機会は必ず作ろうと思うので,情報を待っていただければと思います。

辻本氏:
 現時点で出ている情報だけだと,モンスターの数が少なく感じる人も多いかと思いますが,もちろんそんなことはありません。ただ,一気にネタを出すわけにもいかないので,1つずつ説明する形で今後も出していきます。また,藤岡が言ったように,日本で触る機会は絶対に作りますので,ご安心ください。

――ありがとうございました。

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