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Western Digital,第2世代の「WD Black NVMe SSD」を国内発表。自社製コントローラと自社製NAND搭載で高性能と低消費電力を追求
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印刷2018/05/17 10:00

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Western Digital,第2世代の「WD Black NVMe SSD」を国内発表。自社製コントローラと自社製NAND搭載で高性能と低消費電力を追求

 2018年5月17日,Western Digitalは,ゲーマー向けと位置づけるSSD製品「WD Black NVMe SSD」の第2世代モデルを国内市場に向けて発表した。製品名から想像できるように,論理インタフェースとしてNVM Express(以下,NVMe),物理インタフェースとしてPCI Express(以下PCIe)x4を採用する製品だ。

第2世代WD Black NVMe SSD。Western Digitalはブランド再編で,PC用の内蔵ストレージを「Western Digital」ブランドに集約している。以前は「WD」ブランドの「Black PCIe SSD」という製品だったが,今世代はWestern DigitalブランドのWD Black NVMe SSDという製品だ。見た目は変わらないが,製品情報の入ったシールから四角い「WD」ロゴマークが消えている点に注目してほしい
画像集 No.002のサムネイル画像 / Western Digital,第2世代の「WD Black NVMe SSD」を国内発表。自社製コントローラと自社製NAND搭載で高性能と低消費電力を追求

 ラインナップは容量1TB,500GB,250GBの3モデルで,いずれも5月18日発売予定。主なスペックとメーカー想定売価はのとおりとなる。

※1 Power State 3,省電力モード
※2 Power State 4,休止モード
画像集 No.003のサムネイル画像 / Western Digital,第2世代の「WD Black NVMe SSD」を国内発表。自社製コントローラと自社製NAND搭載で高性能と低消費電力を追求

 第2世代WD Black NVMe SSDにおける最大の特徴は,Western Digital独自のコントローラを採用したことだ。おそらく買収したSanDiskのコントローラをベースにしていると思われる新世代コントローラは,CPUとは別に「Data Path engines」を用意しているのが大きな特徴となっている。

Western Digitalが公開しているスライド。図がズレているので分かりづらいが,水色の「Control Path」は本来,CPUのブロックを通る。また「Data path」の文字で隠れているブロックがData Path enginesだ
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 たとえばSamsung Electronics(以下,Samsung)は,EVOシリーズで,TLC(=3bit MLC)NAND型フラッシュメモリの一部をSLCキャッシュとして利用する「Turbo Write」技術を採用する。これはストレージのI/Oが高負荷な状況において効果を発揮するわけだが(関連記事),SLCキャッシュ容量が飽和した場合は,むしろ「キャッシュ領域を必ず通す」仕様がゆえに,アクセス遅延が大きくなる。

 Samsungはこの対策として,最新世代だと膨大なSLCキャッシュ領域――具体的には容量2TBモデルで最大78GB――を確保しているのだが,Western Digitalの新コントローラは,連続した大きなデータを逐次書き込みするようなケースにおいて,SLCキャッシュ領域を通すことなく直接NAND型フラッシュメモリへ書き込むようなバイパスを「Data path」として,そしてData pathを制御用のコントローラをData Path enginesとしてそれぞれ用意した。これによりアクセス遅延の問題を回避できるだけでなく,CPUのクロックサイクルを消費しないため,消費電力および発熱を大幅に引き下げられるというのがWestern Digitalの主張だ。
 実際,WD Blackで「放熱のための銅シート」などは採用していないとのこと。部品を実装していない面に一般的な放熱シールを貼ってあるだけで,これで十分に冷却できるという。

市場で先行する競合製品との比較。Western Digitalはとくに低消費電力であることと電力効率が高いことを謳っている
画像集 No.007のサムネイル画像 / Western Digital,第2世代の「WD Black NVMe SSD」を国内発表。自社製コントローラと自社製NAND搭載で高性能と低消費電力を追求
画像集 No.008のサムネイル画像 / Western Digital,第2世代の「WD Black NVMe SSD」を国内発表。自社製コントローラと自社製NAND搭載で高性能と低消費電力を追求

 組み合わせられるNAND型フラッシュメモリは東芝・Western Digital連合の「BiCS3」。64層のTLCで,すでに「WD Blue 3D NAND SATA SSD」で採用実績のあるものだ。

 IntelとMicron Technology,そして前出のSamsungはいずれも自社のコントローラとNAND型フラッシュメモリを組み合わせられる技術を持っている。そのグループにストレージ業界の巨人であるWestern Digitalが仲間入りしたことで,SSD市場はさらに活気を増すことになるのではなかろうか。
 第2世代WD Black NVMe SSDのスペックはSamusngの「SSD 970 PRO」に迫り,それでいてメーカー想定売価は「SSD 970 EVO」並みなので,性能次第ではゲーマー向けSSDとして大きな注目を集めることになりそうだ。

参考として,容量500GBクラスにおける第1世代と第2世代のWD Black NVMe SSDスペック比較。第2世代モデルは圧倒的な進化を遂げている
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Western DigitalのWD Black NVMe SSD製品情報ページ

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