［インタビュー］「GUILTY GEAR -STRIVE-」の世界一を目指す御傍選手，もっちー選手，TY選手に「ARC WORLD TOUR FINALS」開幕直前の心境を聞いた

　2023年3月12日に開催される「ARC WORLD TOUR FINALS」。「GUILTY GEAR -STRIVE-」（以下，GGST）部門に出場する日本人プレイヤーの御傍選手，もっちー選手，TY選手へのショートインタビューをお届けしよう。世界最強を目指す3選手に意気込みを聞いたので，ぜひ目を通してほしい。

トーナメントの組み合わせ。「GUILTY GEAR -STRIVE-」部門は日本時間3月12日9：00からスタート

御傍選手

御傍選手。いろいろな格闘ゲームをプレイしてきたが，現在はGGSTをメインにしているという

4Gamer：
　御傍選手は「グランブルーファンタジー ヴァーサス」での活躍から全国的に名前が知られるようになりましたが，それ以前は大会に出ていなかったのでしょうか。

御傍選手：
　格闘ゲームは昔から遊んでいたんですが，家庭用勢だったので大会に出る機会はありませんでした。「グランブルーファンタジー ヴァーサス」からオンラインの大会も増えて参加するようになりました。

4Gamer：
　いよいよ，決勝大会が明日開催されます。今の心境はいかがでしょうか。

御傍選手：
　緊張はほとんどしていません。いつにも増して，勝ちたいという気持ちになっています。

4Gamer：
　2021年の「Red Bull Kumite Las Vegas」では，試合ぶりはもちろん，パフォーマンスでも観客を沸かせていました。大舞台でもあまり緊張していないように見えます。

御傍選手：
　実はKumiteのときはめちゃくちゃ緊張していました（笑）。それこそ，試合後に立てなくなるくらい。目立ちたがりなのでパフォーマンスするのは好きなんですが，無理やりやっているときもあります。

4Gamer：
　決勝大会1回戦の相手は，フランスのSkyll選手になります。対策は詰めてきましたか。

御傍選手：
　Skyll選手なんですが，動画がほとんどなくて，人対策はできませんでした。ただ，使用キャラがスタンダードキャラのソルなので，変なことはしてこないだろうとは思っています。ソル対策自体はしっかり詰めてきたので，そこまで心配はしていません。
　トーナメントの全体として，日本人選手への人対策は詰めてきたんですが，海外の選手はそこが厳しかったので，心構えの準備に力を入れました。

4Gamer：
　大会のキーとなる試合は，どこだと考えていますか。

御傍選手：
　全体的に1回戦の組み合わせが面白いんですが，そのなかでも，もっちー選手とNBNHMR選手の試合は，自分が勝ち上がった場合の次の相手になることもあり，注目しています。

4Gamer：
　勝ち上がったと仮定して，どちらの選手と戦いたいですか。

御傍選手：
　キャラ的に考えるとNBNHMR選手の名残雪ですね。そもそも，もっちー選手はキャラクターどうこうという話でなく，人が強すぎるんですが。

4Gamer：
　そのほか，トーナメント全体で注目している選手はいますか。

御傍選手：
　日本勢であればTY選手が一番怖いですね。直近の大会を勝ちまくっていることもあって，勢いがあります。海外勢だとUMISHO選手です。ハッピーケイオスはネタが豊富で何をしてくるか分からない。対戦したい気持ちはあるんですが，大会で当たると本当に危険なキャラクターになると考えています。

4Gamer：
　大会を観戦するうえで，注目してほしいポイントはどこになりますか。

御傍選手：
　GGSTの試合はテンションゲージを使った攻防が面白く，使い方1つで試合の流れが一気に変わります。使い方に幅があって，プレイヤーによって色が出る部分にもなっていますね。
　自分の場合は，青色のロマンキャンセルにゲージを使うことが多くて，人よりも独特でうまく使えていると思っています。立ち回り，攻め，守りといろいろな状況で使うので，ぜひ注目して試合を見てください。

4Gamer：
　決勝大会は，優勝賞金5万ドルとかなり高額です。心境やモチベーションに影響は出ましたか。

御傍選手：
　かなり出ましたね。正直，めちゃくちゃ5万ドルほしいです（笑）。自分は物欲が伴ったほうがパワーが出ると思っていて，欲望と一緒に戦っています。賞金は高ければ高いほど力が発揮できそうです。

4Gamer：
　使い道などは考えていますか。

御傍選手：
　ゲーム用のPCを買いたいですね。配信環境を整えたいです。

4Gamer：
　最後に大会への意気込みと，応援してくれている人や家族，ファンにメッセージをお願いします。

御傍選手：
　優勝するための準備はしてきましたし，自信もあります。この大会に臨むにあたり，手助けをしてくれた人，アドバイスをくれた人，応援してくれている人のためにも全力でがんばります。

もっちー選手

JOZ所属のプロゲーマー，もっちー選手。格闘ゲームに限らずいろいろなゲームを触ってきたが，最近はGGSTだけに集中していると語る

4Gamer：
　決勝大会が明日開催されます。心境はいかがでしょうか。

もっちー選手：
　今回の大会に向けて，できることはすべてやってきました。この状態で負けたらしょうがないかなと思えるくらい練習してきたので，悔いのないよう全力を尽くしたいと思っています。

4Gamer：
　もっちー選手と言えば，古くは闘劇で，最近ではRAGEなどで目覚ましい活躍を見せていました。今もリラックスできているように見えますが，場慣れしている感じでしょうか。

もっちー選手：
　大会に出るにあたって，昔から緊張することはあまりありません。プラスして経験も積んでいるので，どういった精神状態で臨めばいい結果が出るかも理解しています。うまくコントロールして，明日の本番に挑みたいですね。

4Gamer：
　大会中にいつもの動きができていないとき，どのように修正していますか。

もっちー選手：
　勝ちたい気持ちが強すぎると，あまりいい動きができなくなるんです。シンプルに強い行動に頼ってしまい，それを読まれてピンチに陥ってしまう。それは良くないことなので，とにかく甘えた行動を取らないよう意識しています。

4Gamer：
　決勝大会1回戦の相手は，アメリカのNBNHMR選手になります。対策は詰めてきましたか。

もっちー選手：
　対戦したことがないので実際どうなるか分かりませんが，名残雪使いは日本にも結構いるので，対策はしっかり詰めてきました。対戦動画も見て，脳内でまとめてきたので，それを生かしていきます。NBNHMR選手は，青色ロマンキャンセルの使い方が独特でうまかったですね。そこが，日本人の名残雪使いと明確に違うポイントだと思います。

4Gamer：
　勝算はいかがですか。

もっちー選手：
　名残雪対策はかなり詰めてきましたし，戦績的にもかなり勝てるようになってきました。ただ，NBNHMR選手が相手となるとどうなるか……。

4Gamer：
　本番前に練習試合もできるようですが，NBNHMR選手と対戦する予定はありますか。

もっちー選手：
　やめておこうかなとは思っています。ただSkyll選手が自分と同じソル使いなので，対戦していたら，こっそり内容を見ておこうと思います（笑）。

4Gamer：
　大会のキーとなる試合は，どこだと考えていますか。

もっちー選手：
　1回戦のUMISHO選手と，TempestNYC選手との試合ですね。個人的にはUMISHO選手と一番当たりたくなくて，何をしてくるか分からない怖さがある。隠している連係もありそうで，動きが想定できません。

4Gamer：
　そうなると，TempestNYC選手に勝ち上がってきてほしいと。

もっちー選手：
　それがさっき対戦したんですけど，これがまたやばい強さで（笑）。攻めも守りもうまいうえに，なんでもやる系のプレイヤーで，日本のレオ使いとは違った独特の強さがありました。

4Gamer：
　そのほか，トーナメント全体で注目している選手はいますか。

もっちー選手：
　プレイヤーがみんな強いので1人を選ぶのが難しいですが，強いて挙げるならSkyll選手のソルです。海外のソル使いのなかでめちゃくちゃ勝っているプレイヤーで，明日もどんな試合ぶりを見せてくれるのか，すごく楽しみにしています。

4Gamer：
　大会を観戦するうえで，注目してほしいポイントはどこですか。

もっちー選手：
　ソルは守りが強いキャラで，対応型である自分のプレイスタイルとマッチしています。攻めの強いゲームではあるんですが，どうやって相手の攻めを凌いでいくか，その部分に注目してほしいですね。

4Gamer：
　決勝大会は優勝賞金5万ドルと高額です。心境やモチベーションに影響はありますか。

もっちー選手：
　シンプルに，よりいい結果を残したいという気持ちにはなっています。ただ，賞金が足かせになってプレイに影響が出たり，緊張が増すといったことはないですね。今もリラックスして過ごせているので，このままの状態で大会に臨みたいです。

4Gamer：
　最後に大会への意気込みと，応援してくれている人や家族，ファンにメッセージをお願いします。

もっちー選手：
　優勝する自信はそこそこです。準備はしてきたので，あとは負けたとしても悔いの残らない試合をしていきたいですね。自分を応援してくれているみんなのためにも，がんばります。

TY選手

TY選手。格闘ゲーム歴はスーパーファミコンのタイトルからで，兄と対戦して育った。しかし，ずっと勝てず，兄を倒すことが最初の目標だったと話す

4Gamer：
　GUILTY GEARシリーズを触り始めたきっかけは，何だったのでしょうか。

TY選手：
　ウメハラさんたちが参加した，「闘神激突」を見てからですね。自分ももともとストIVシリーズをプレイしていて，短期間の練習で小川さんを追い詰めたウメハラさんを見て興味がわいたんです。

4Gamer：
　決勝大会が明日開催されますが，今の心境はいかがでしょうか。

TY選手：
　もう少し緊張するかと思っていたんですが，案外でした。これまで何度も大型大会に参加しているので，場慣れしてきたせいかもしれません。ただ，12月にあったARCREVO Japan 2022でも緊張しなかったんですが，あとで配信を見返したらすごく瞬きが多くて（笑）。もしかしたら，気づいていないだけで緊張している部分はあるのかもとも思っています。

4Gamer：
　決勝大会の1回戦の相手が，イスラエルのZando選手になります。対策は詰めてきましたか。

TY選手：
　事前に，どういったタイプなのかを確認したくらいですね。キャラ相性も悪くありませんし，ひとまずはがんばれるかなって思っています。ラムレザル対策は知り合いに頼んで積んできたんですが，これでサブキャラとか用意してたら，出たとこ勝負になりそうです。

4Gamer：
　大会のキーとなる試合はどこだと考えていますか。

TY選手：
　もっちー選手と，NBNHMR選手の試合ですね。できるのであればお酒でも飲みながら観戦したいです（笑）。もっちー選手は日本最強クラスで，NBNHMR選手もアメリカ最強クラス，純粋にどっちが勝つのかすごく気になっています。

4Gamer：
　TY選手が勝ち進むうえでどちらに勝利してほしいですか。

TY選手：
　個人的には名残雪戦がそこまで苦手ではないので，NBNHMR選手ですかね。ソル戦も別段苦手ではないんですが，もっちー選手が強すぎてちょっと……。

4Gamer：
　観戦するうえで注目してほしいポイントはどこになりますか。

TY選手：
　自分のプレイスタイルは，展開をとにかく早くして，相手が対応できないうちに本命を通すといったものになります。相手が対応してきても，さらに対応して上を取っていくので，早い展開での対応力に注目してください。

4Gamer：
　優勝賞金5万ドルとかなり高額ですが，心境やモチベーションに影響はありますか。

TY選手：
　出場する前の段階だと賞品や賞金を気にするタイプなんですが，大会中はあまり考えないようにしています。邪念が入るとあまりよくないなと。ひたすら相手を倒すことだけに集中しています。

4Gamer：
　最後に大会への意気込みと，応援してくれている友人や家族，ファンにメッセージをお願いします。

TY選手：
　相手が強すぎて，正直自信はないです。ただいつもそうなんですよ。強い相手に全力で挑んでいたらいつの間にか優勝していたみたいな。今回もいつもと同じようにがんばります。
　あと，大会に参加するにあたって，家族や友人にアメリカに行くと伝えたらすごく驚いていたんですが，応援もしてもらえて……。みんなの期待に応えたいですね。

「GUILTY GEAR ‐STRIVE‐」公式サイト