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[インタビュー]「FINAL FANTASY XVI」最新トレイラーに映るダークな世界,悲惨な境遇……吉田プロデューサーら開発陣3名にその一端を聞く
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印刷2022/11/04 22:00

インタビュー

[インタビュー]「FINAL FANTASY XVI」最新トレイラーに映るダークな世界,悲惨な境遇……吉田プロデューサーら開発陣3名にその一端を聞く

 スクウェア・エニックスが2023年夏にリリースを予定しているPS5向けアクションRPG「FINAL FANTASY XVI」(以下,FFXVI)の最新トレイラーが,2022年10月20日に公開された。この動画には,本作の世界観や召喚獣を身に宿す「ドミナント」達の立ち位置や宿命などの一端が収録される。今回4Gamerでは,それらの新情報をもとに,本作のプロデューサーを務める吉田直樹氏とディレクターの髙井 浩氏,そしてシナリオを手がける前廣和豊氏の3名にインタビューを行った。

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 スクウェア・エニックスが2023年夏にリリースを予定する,PS5向けアクションRPG「FINAL FANTASY XVI」。2ndトレイラーでは,主人公・クライヴが召喚獣の力を駆使して戦う姿や,召喚獣同士のバトルを確認することができる。公開後に,プロデューサーを務める吉田直樹氏にインタビューする機会を得たので,どのようなタイトルを目指すのかを語ってもらった。

[2022/06/22 12:00]


魔法の源「エーテル」をめぐり,5つの国家が「マザークリスタル」を奪い合う世界


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回は髙井さんと前廣さんも同席されていますので,まずは吉田さんからFFXVIチームへの参加を打診されたときのことから教えてもらえますか。

髙井 浩氏
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髙井 浩氏(以下,髙井氏):
 確か評価面談のときに,吉田から評価の話じゃなくて「第三開発事業本部で次のFFナンバリングを何とかできないかという話が社長から来ているんだよね」みたいな相談を受けたんです。

4Gamer:
 面談が重い(笑)。

吉田直樹氏(以下,吉田氏):
 こういうことは,やっぱりサシで話すべきですからね。当時はFFXIVをどんどん大きくしていかないといけない途中でもあって,引き継ぎに1年以上かけないとうまく体制が回らなくなるので,早めに相談しないといけないという事情もありましたし。

髙井氏:
 実際,吉田はFFXIVのプロデューサー兼ディレクターをやっているので,そこにもう1本やるのはさすがに無理だろうと。それで「誰かにやってほしいんだよね。髙井さん,どう?」と言われて,正直,大変なことだけは分かっていました。でも,せっかくこの会社にいてナンバリングのFFのディレクターをやれるならと,「引き受ける前提で考えさせてください」みたいなことを言ったのが最初だったと思います。

吉田氏:
 前廣はどうだった?

前廣和豊氏
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前廣和豊氏(以下,前廣氏):
 話を受けたのが昔すぎて,全然覚えてないです。もしかしたら評価面談だったかもしれないし,呼び出されたのかもしれないですけど,何かのタイミングで受けて淡々と「はい」と。ただ「蒼天のイシュガルド」をリリースして間もない時期のはずで,「それどころじゃない。とにかく目の前の仕事」みたいな状態だった気はします。

4Gamer:
 FFXIVのアップデート直後でありつつも,前向きに「やります」という感じだったのでしょうか。

前廣氏:
 そうですね。

髙井氏:
 後ろを向いていた感覚はないですね。

前廣氏:
 どちらかと言うと,「さて,どうしてくれようかな」という感じでした。

4Gamer:
 FFのナンバリングを担当するという話になったときに,「せっかく新作を作るなら,これがやりたい」といったビジョンが最初にあったかと思うのですが,それはどのようなものでしたか?

髙井氏:
 1番最初にあったのは,コマンドRPGではなく,本当に,純粋に手触りがアクションであるアクションRPGにしたいということでした。あとは,オープンワールドにはしたくなかったですね。それと吉田からは,召喚獣同士がぶつかり合う派手な戦いを,ゲームとしてしっかり描ける形にしてほしいと,口酸っぱく言われていました。
 そこで世界中に召喚獣がいて,何らかの形で召喚獣同士が戦い合ったり,動いたりするゲームにしようと。あとは前廣頼みにはなってしまうんですが,それが世界の中に絡んでいるというところをキッチリ表現したいというのが,最初に思ったことでしたね。

前廣氏:
 設定に関しては,召喚獣が当たり前に存在している世界をしっかり作ろうと考えました。それと,クラシックな──たとえばゴシック的な世界や中世ヨーロッパ的な世界をあらためてしっかり作り,そのうえで召喚獣を筆頭に「FFって,どんなだっけ」ということを踏まえて,今のテクノロジーでFFの世界をもう一度作るというのが,今回やりたかったことになります。

4Gamer:
 世界観は,先日の3rdトレイラーで少し見えてきましたね。

吉田直樹氏
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吉田氏:
 はい。今回のトレイラーは,FFXVIを今から楽しみにしてくださっているFFファンの皆さんやコアゲーマーの皆さんに,どんな世界観で,どんな国があって,どういう物語で,どんなシチュエーションなのかといった,本筋の中身について知っていただこうというものになります。とくに今回のトレイラーに登場する各キャラクターのカットシーンやセリフは,「この勢力はきっとこうだよね」「このキャラとこのキャラはこう絡むんじゃないか」といった想像や妄想の余地があるシーンから切り取っているので,いろいろ楽しんでいただきたいです。

4Gamer:
 世界の中心になっているのが「マザークリスタル」だというお話ですが,そもそもマザークリスタルはどういった恩恵を周囲に与えているのでしょうか,

前廣氏:
 ゲームの舞台となるヴァリスゼアの大気中には,エーテルが存在しています。ヴァリスゼアでは,このエーテルを集めて消費することで魔法が使えるのですが,エーテルを出しているのがマザークリスタルです。
 そして人々は皆,マザークリスタルから切り出した小型のクリスタルを端末として持ち歩き,火や風を起こす魔法を使います。つまり,マザークリスタルが魔法を使うための源になっているので,各国家はとても大切に扱っているわけです。

4Gamer:
 マザークリスタルは,世界に1つしかない存在なんですか?

前廣氏:
 いえ,いくつかあります。人が作ったものではない,自然のエネルギー源があり,その周囲に必然的に人が集まって,次第に国家が形成されていったという世界です。

吉田氏:
 我々の世界における油田のようなものと言えば分かりやすいかもしれませんね。

4Gamer:
 ヴァリスゼアには5つの国家がありますが,それぞれマザークリスタルを持っているわけですよね。なぜマザークリスタルを奪い合っているのでしょう。

前廣氏:
 マザークリスタルはエネルギー源ですから,多いに越したことはありません。エーテルがたくさんあれば,それだけ魔法がたくさん使えて,国家の勢力が増していきます。しかし,マザークリスタルは人間が作り出せるものではないので,奪い合いが起きるんです。
 また,今回のトレイラーに「黒の一帯」と言うワードが出ていますが,これはエーテルの枯渇した地域です。エーテルがなくなると,その地域は草木も生えないし,動物も生きていけなくなってしまいます。

4Gamer:
 当然,魔法も使えなくなるんですよね。

前廣氏:
 そのとおりです。今のヴァリスゼアは黒の一帯にどんどん侵食されている状況で,各国家は1つでも多くのマザークリスタルを確保して国を維持しようと考えています。いつ自分の国のマザークリスタルも枯渇するか分からない,だったらほかの国から奪ってしまえというわけですね。

吉田氏:
 黒の一帯=エーテルの枯渇が,大陸のいろんなところから中央に向かって侵食している中,各国家はまだ戦力があるうちに国を広げたい。しかし,それは本質的な問題の解決にはつながらない。結局,奪った地域も含め国全域が侵食されたとき,どうするつもりなのかという矛盾をはらみつつ,物語は進んでいきます。

4Gamer:
 どこも,動かないわけにはいかないという状況に置かれているわけですね。
 それでは,5つの国家について教えてもらえますか。

前廣氏:
 トレイラーに登場した順に,まずロザリア公国はすごく歴史の長い国で,主人公のクライヴが生まれた国でもあります。召喚獣はフェニックスですね。お堅い国柄です。
 次のザンブレク皇国は宗教国家で,すべての所業は神のもとに行われるという考えを持っています。逆に言うと,国を治める神皇が「神様がおっしゃられた」と発すれば,それで全部通ってしまうような国になります。

4Gamer:
 まず敵対しそうな……。トレイラーも,この国の侵攻でお話が始まった,というような流れでしたね。

前廣氏:
ダルメキア共和国は国主を待たない唯一の国家で,砂漠や荒涼とした地域が国土になります。共和制なので多数の州があり,それぞれの代表者が集まって政治を行っています。この国のドミナントであるフーゴは表向きこそ評議会の相談役ですが,召喚獣になれるということで絶大な権力を持っています。

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前廣氏:
 鉄王国はザンブレクと同じ宗教国家ですが,神ではなくマザークリスタルを信仰しています。つまり,マザークリスタルそのものが御神体なんです。ヴァリスゼアでは,何をするにも魔法が当たり前のように使われていますが,この国だけはそうではありません。魔法は「御神体が与えてくれたエーテルを消費するもの」という位置付けで,そんなことは許されないとされているため,人々はかなり原始的な生活を送っています。

4Gamer:
 うーん,仲良くなれる要素が見当たらない。

髙井氏:
 鉄王国だけ,共通言語じゃない言語を使っているのも特徴になります。

前廣氏:
 最後がウォールード王国です。ドミナントが国王として戦をして何十もの部族をまとめてきたという背景があるので,とにかく戦好きです。

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吉田氏:
 実はもう1つ,国ではないんですがクリスタル自治領という場所があって,これはヴァリスゼアのど真ん中にあります。巨大なマザークリスタルが存在している場所なんですが, ここは古くから不干渉地帯という習わしになっているんです。自治領はそれぞれの国に囲まれているので,ここだけは特定の国家が支配するのではなく,皆でエネルギーを分け与えてもらいましょうと。国王もいないし,そこに住んでいる人達も誰かに従っているわけじゃない。そんな不干渉地帯が ど真ん中にあると捉えていただければ。

髙井氏:
 おそらく,最初にマザークリスタルという単語を聞いて想像するような巨大クリスタルのあるところが,このクリスタル自治領です。

4Gamer:
 いや。自治領がいかにも巻き込まれそうですね!?

一同:
 (笑)

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吉田氏:
 魔法関連の設定をもう少しお話しすると,各国のドミナントは,召喚獣をその身に宿しているのでクリスタルを介在せずに魔法を使えます。同様にクリスタルを介在せずに,周囲のエーテルから魔法を使える「ベアラー」という人達がいます。言わば人間とドミナントの中間的な存在なんですが,基本的には世界中から迫害を受けています。

4Gamer:
 え,魔法が使えることがマイナスなんですか?

吉田氏:
 たとえば鉄王国の考え方では,人間が魔法を行使しまくること自体,かつての権力者達にとって異常なことでした。そうした時代が長く続いたせいで,今なお迫害を受けている。

4Gamer:
 なるほど,確かに支配する側からは都合の悪そうな存在です。具体的には,どんな迫害を受けているのでしょうか。

吉田氏:
 国によって扱いには差があるのですが,たいてい労働力として使われています。ロザリア公国は比較的寛大で,自由民ではないというくらいですね。このベアラーの存在も,FFXVIの物語の大きな見どころの1つです。

4Gamer:
 今回のトレイラーで,ベアラーに言及するシーンはありましたか?

吉田氏:
 いえ,ベアラーの設定は複雑なので,詳細は今後紹介していきます。今のところは,そういう存在がいるということだけ押さえておいてください。

4Gamer:
 各国で扱いが違うといえば,ドミナントや召喚獣の立ち位置も知りたいです。

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前廣氏:
 ロザリア公国だとフェニックスが再生を司って国を救ってきたため,フェニックスのドミナントが代々国家元首となります。また先ほど触れましたが,ダルメキア共和国のドミナントは,相談約として厚い待遇を受けています。ただ,あくまで国を司るのは人です。そしてウォールード王国も,ドミナントがそのまま国王になっています。

4Gamer:
 トレイラーでは,酷い扱いをされているシーンもありましたが。

前廣氏:
 あれは鉄王国ですね。召喚獣は,エーテルを司る御神体に抗う存在のトップのようなものですから,とんでもないということで兵器として扱われています。

4Gamer:
 ロザリア皇国はフェニックスの国なのに,トレイラーではほかの召喚獣も出てきましたよね。あれは,イフリートでしょうか。

吉田氏:
 火を操る謎の黒い召喚獣と呼んでいる存在ですね。

4Gamer:
 その謎の召喚獣が現れたことで,「あれはなんだ!」とお話が動いていくと。

吉田氏:
 そうです。本来,火だったらフェニックス,風だったらガルーダ,闇だったらオーディンというように,召喚獣は1属性1体というのがヴァリスゼアの原則です。なのに,なぜ火の召喚獣が2体いるんだというところから,歯車がかみ合わなくなっていきます。

4Gamer:
 もう1つ,トレイラーにはドミナントが石化して死ぬという表現がありました。すべてのドミナントが,そうした最期を遂げるのでしょうか。

髙井氏:
 はい。ドミナントもベアラーも,自身の体を酷使することになるので石化してしまうリスクは高いと言えます。

前廣氏:
 クリスタルを介在せずに魔法を使う代償として,身体が石化していくんです。ベアラーは召喚獣にはなれませんが,虐げられて強制労働させられている中,魔法を使ってどんどん石化していきます。石化が進んで魔法が使えなくなると,お前はもう要らないと捨てられるだけです。一方,ドミナントは召喚獣になる代償として石化していきます。進行の大小はあれど,全員が必ずその道を通ることになります。

4Gamer:
 悲惨すぎる……。

吉田氏:
 その辺りが,鉄王国の教えを否定しきれないところです。人の身でありながら魔法を行使したり,召喚獣になったりすること自体が,身体を蝕む行為であり普通ではないというわけですから。
 なぜ世界のルールがそんな形でできあがっているのかというところも,FFXVIの大きなポイントの1つになっていきます。世界の理がいかにして生まれていて,登場キャラ各自が運命とどう戦っていくのかみたいなところに,注目していただけると面白いと思います。

4Gamer:
 トレイラーを見ていて「そりゃ慟哭もするわ」と思いましたね。

髙井氏:
 これくらい厳しい設定にしないと,「困ったら召喚獣になればいいじゃん」と受け止められてしまいますから。ドミナントは,相当の覚悟を持って召喚獣になっています。国の威信を背負ってとか,それくらいでないと使えない位置付けです。

吉田氏:
 あとは個人の性格と,持って生まれた体力や体質にもよります。たとえばタイタンのドミナントであるフーゴは「別に俺が出れば片が付くだろう。俺は石化なんてしねえ」と思っているタイプ。その一方でフェニックスのドミナントであるジョシュアは病弱ですから,周りから「フェニックスになれ」なんて強制されることはまずないでしょうね。

4Gamer:
 ただ結局のところ,お話としては召喚獣化して戦うことを避けられないわけですから,その葛藤や敵味方の意志のぶつかり合いなども,FFXVIの見どころになるわけですか。

髙井氏:
 人それぞれが持つ葛藤を感じていただけると思います。

4Gamer:
 世界観がダーク過ぎて,誰が敵で誰が味方か全然イメージが湧きません。

髙井氏:
 確かに「これが敵だ」というのは,あのトレイラーからは読み取れないと思います。

吉田氏:
 せいぜいザンブレク皇国のシルヴェストルが,ずっと悪いことばかり言っているので,「何か悪いヤツっぽいな」というくらいですかね。どちらかと言うと,この世界の歪さが最大の問題点なんだと捉えておいていただけると。

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召喚獣は,モデルもバトルも使い回しなしのワンオフで制作


4Gamer:
 FFXVIのキーとなる存在の召喚獣についても教えてください。

髙井氏:
 今のテクノロジーで召喚獣を表現するのは,意外とハードルが高いんですよね。

4Gamer:
 それはカットシーンだけで終わるのではなく,ゲームシステム的にも設定的にも,召喚獣をしっかり落とし込んで描かなければならないからでしょうか。

髙井氏:
 そうです。あと,物理ベースでレンダリングされている世界では, 実在するものはけっこうしっかり表現できるんです。ただ召喚獣はこの世には存在しないので,たとえば「そこにタイタンが立っていても違和感のないリアルタイムの画」を作らなければならないというのは,ハードルが高くて。でも,わりと馴染みましたね。「この化け物達,いそうだな」と。

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吉田氏:
 また召喚獣やモンスターはデザインがユニークなので,骨もスケールも体表も,何1つ使い回しが効かないんですよね。そこが現世代でFFを作る難しさです。
 最近のオープンワールド系のゲームは,人にフォーカスしたら人型が多く登場する物語になりやすいのです。「このキャラクターができることは,ほかのキャラクターも全部できる」といった仕様にすることでコストの圧縮を図ります。一方,FFXVIでは何もかもワンオフなんです。

4Gamer:
 確かに,どの召喚獣も被っている要素がありません。

吉田氏:
 そこを突き詰められるのは,FFは開発費をかけられるゲームだからです。そのぶん,僕が入社する前にFFを見て感じていた「なんてモノを作るんだろう,この人達」という,ワンオフのある種のバカバカしさは,本作で実現できていると思っています。

4Gamer:
 本作では,そんな召喚獣たちとのバトルも見どころかと思います。前回のインタビューで,バトルの流れは最初にクライヴvs.人間サイズの敵,次にクライヴvs.召喚獣,そして召喚獣同士というスケールの異なるものがシームレスで続くというお話がありましたが。

髙井氏:
 バトル中,プレイヤーは基本的にクライヴを操作し,人型の敵や人間サイズのモンスターとは,場所を問わずいろんなところで戦うことになります。
 ボス……と一口に言ってもクライヴより一回り二回り大きいものから,かなり大きなものまでいるんですが,そうしたボスバトルでも,プレイヤーはクライヴのすべての操作を行えます。ボスは数十体とかなりの数いて,それぞれ専用の場所に登場し,その場に合わせて作ったワンオフのアクションを行います。これをプレイヤーは,クライヴをキャラクタービルドして,アクションを駆使して攻略していきます。ある意味,アクションRPGの一番のキモみたいなところですね。

4Gamer:
 そのサイズのボスでもワンオフなんですね。

髙井氏:
 はい,使いまわしている部分はほとんどありません。
 そして,召喚獣との戦闘は,さらに多岐にわたるシチュエーションになっていて,同じ場所で同じようなことを行うバトルシーンもほとんどないと思います。なんなら操作そのものが「あ,ここではこんなことさせられるんだ」というレベルで変わります。

吉田氏:
 トレイラーでは,ガルーダがクライヴを握っているシーンがありましたが,あれはバトル中にシームレス発生する演出になります。クライヴが等身大のサイズでガルーダと戦うことになり,ある程度進行するとロードを挟まずにあの演出が入り,そこからさらに展開していくんです。

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髙井氏:
 クライヴで切った張ったをやっていたら,いつの間にか召喚獣戦になっていたり,また戻るなど,シチュエーションは,かなり目まぐるしく変わっていきます。

吉田氏:
 それが顕著なのが,トレイラーにも一瞬映っているオーディン戦です。あれが本当にごく一部のシチュエーションでしかないくらい,さまざまな展開が待っています。

髙井氏:
 オーディン戦をトータルで100としたら,あのシーンは10以下ですね。

4Gamer:
 それだけいろいろな要素が詰め込まれているなら,きっと楽しいだろうと期待が高まります。

吉田氏:
 それだけに,召喚獣戦はひと区切りついた時の脱力感がけっこう大きいと思います。「やりきったー」という感覚がすごいです。

4Gamer:
 先ほど,クライヴのキャラクタービルドがあるという話が出ましたが,どんな仕組みになっているのでしょうか。

髙井氏:
 クライヴは,お話的にもシステム的にも成長していきます。お話的には順次使える召喚獣の力が増えていきますが,システム的には装備できる召喚獣の数が決まっているので,召喚獣のどのアビリティを使ってバトルに挑むのか,自由にカスタマイズできるようにしています。

吉田氏:
 まず,召喚獣ごとにアビリティは4種類ずつ存在し,召喚獣を装備するとそのうち2つだけをセット可能です。たとえばクライヴがフェニックスを装備したときは,フェニックスが持つ4種類のアビリティ中から2つです。さらにアビリティは強化することもできて,気に入ったものだけを強くしたり,4つすべてをまんべんなく強化したりもできます。
 召喚獣は同時に3体まで装備でき,それぞれ2つずつアビリティを選択可能です。それによって,移動系に寄せたクライヴにすることもできるし……。

髙井氏:
 一度に迫ってくる数が多い雑魚モンスターに強いとか,ボスに特化したとか,とにかくマニアックとか,いろんなクライヴにできます。

吉田氏:
 この攻撃からこの攻撃へつなぐために,あえてこの組み合わせにする……といったことは,おそらくプレイしていくうちにできあがっていくと思います。いわゆる一般的なゲームで言うところのトレーニングモードみたいな場所も用意していますので,そこで試していただいて,自分なりのコンボを極めていただくといいかと。

前廣氏:
 イメージとしては,FFVのジョブです。ジョブの代わりに召喚獣があって,アビリティをたくさん覚えて,付け替えてカスタマイズするような感じです。

吉田氏:
 いずれ公式サイトやメディアツアーなどで詳しくご紹介しますので,今は妄想を膨らませていただければと思います。今言えるのは,クライヴ自身のアクションのバリエーションは相当多い,ということです。

4Gamer:
 キャラクタービルドとなると,難解な要素と受け止める人もおそらくいますよね。そのあたりFFシリーズのナンバリングとしてどういう方向に振っているのか,少し気になりました。

髙井氏:
 とくに何も考えなくても大丈夫です。性能なんて気にせずただお話を追いかけるだけでも,まったく問題なく進むと思いますよ。

吉田氏:
 そこは僕がこだわって,口を酸っぱくして「プレイヤーを考えさせないでくれ」と話しました。「新しい召喚獣の能力を手に入れたら,最初からセットアップした状態にしてほしい。メニューを開くことなく,そのまま使ってもらって構わない。カスタマイズの方法を示唆するのはOKだけれど,それをプレイヤーに強要しないように」とお願いしました。もちろん,それをやるとプレイヤーによっては一切カスタマイズをせずエンディングを迎える可能性もあり,開発はそれを嫌うのも理解できるんです。

4Gamer:
 確かに,少なからずの人が触れないままプレイしそうです。
 
吉田氏:
 でも,1周目はそれでいいじゃないかと。1周目はとにかく気持ちよくプレイしてもらって,「格好よかった,面白かった」と思ってもらえれば,それで全然構いません。そのあと情報収集して,あんなこともできる,こんなこともできると分かったら,“強くてニューゲーム”に挑んでもらえばいいんですから。

4Gamer:
 あくまで1周目は気持ちのいいプレイにフォーカスした作りなんですね。

吉田氏:
 そのつもりです。とくに,「ストーリーフォーカス」(ストーリーを進行しやすい難度)を選んだ場合に最初から自動的に装備されている,アクションがオートで発動する系のアクセサリーは,本当によくできています。召喚獣の能力が増えていくと,勝手に連係していくので「俺のクライヴ,超カッケー!」となれるんです。あれをマニュアルに切り替えたときの,「あれ,俺のクライヴ急にカッコ悪い……」という感覚(苦笑)。

髙井氏:
 今のご時世,動画配信が活発に行われているので,FFXVIの動画を配信してくださる方もたくさんいらっしゃると期待しています。普通に遊んで1周目をクリアした人が,ほかの人の動画を観て「こんなの知らない。やってみたい」となってくださるかなと。逆に「ここはこうできるようになってるじゃん」と自分で気づいた人は,どんどん高みを目指してもらえばいいですし。
 今のネットワーク社会は,上位層に引っ張ってもらいやすい構造になっているので,最初に全部触ってもらえなかったから,もうそこで終わりという懸念はしなくてもいいのかなと思うようになりましたね。

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4Gamer:
 本作はかなりアクションを押している印象を受けますが,バトルの難度はどうでしょう。

吉田氏:
 プロデューサーの僕から答えますが,「本格アクションゲーム」という名前から受ける印象よりは,比較的易しめにしています。髙井や前廣を含め,チーム全体が麻痺しているんですよ。一時期,「アクションフォーカスでプレイしていると,中盤以降コンティニューの文字が何度も表示されるんだよな」となっていたので,「いやいやいや,ちょっとちょっと」って(笑)。
 アクションですから,どうしても人によって得手不得手はあると思いますが,ストーリーフォーカスを選んでいる限りは,そうそうコンティニューすることはないと思います。敵の攻撃も見ずに,一切クライヴの移動も放棄する,みたいなプレイではさすがに無理ですが。

4Gamer:
 アクションだからと身構える必要はなさそうですね。

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吉田氏:
 やはり,FFシリーズである以上は,お話を楽しんでいただきたいですし,クライヴを格好よく操作してもらいたいですから。中盤を過ぎたあたりから,もしかしたら各ボスで1回ずつコンティニューするかどうかくらいの難度に落ち着けたつもりです。アクションに自信がある方も,1周目はできるだけストーリーフォーカスでプレイしていただきたいくらいです。クリア後は,1周目で育てたものをすべて持って,2周めや超絶モードに行けますから,やり込み勢はぜひそちらにご挑戦ください。

4Gamer:
 発売前からしれっと2周目の話をしていただいているんですが,“強くてニューゲーム”と“強くてニューゲームだけど,敵も超強い”みたいなモードがあるんですか?

髙井氏:
 2周目では,1周目で手に入れたすべての装備品やアビリティが最初から使えます。またクライヴのレベルも引き継いでいるので,それに合わせて敵を強化しています。一撃で敵を倒してしまっても,それはそれで楽しくないですから。
 そのうえで,もう1つ上位のモードを用意しています。

吉田氏:
 もう1つ上位のモードは本当のガチ勢のために作りました。レベルが固定なので,配信で「俺スゲー」するなら,ぜひそちらのモードでやっていただきたいです。

髙井氏:
 それを1周目からやっても,さすがにねえ。

吉田氏:
 1周目は「俺強かった! 俺格好よかった! クライヴすごかった! FFXVIすごかった!」で,しっかりエンドロールを観ていただけるようにしたいという気持ちが強いです。

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次の情報公開は2022年内に。2023年からは,より具体的な紹介を


4Gamer:
 召喚獣同士のバトルは,往年の特撮怪獣映画を彷彿させるのですが,画作りにあたって参考にしたものがあれば教えてください。

前廣氏:
 基本的に皆,特撮好きなんですよ。仮面ライダーとかウルトラマンとか。だから,「これを参考にして云々」みたいなものはなくて。

髙井氏:
 「こういうシチュエーションで,こういう見せ方ならこれ」で,皆に通じるよね。

吉田氏:
 とくに召喚獣のバトルを作っているエース級のアニメーター数人がやはり特撮好きで,説明しなくとも勝手にそうなるんです(笑)。先ほど触れたガルーダがクライヴをつかむシーンも,特にコンテがどうこうよりも「こうなるよね」という感じで作っていましたから。それは,そういう人材をわざわざ集めたわけではなく,たまたまで。たぶん僕らが皆,同年代で特撮好きなので,もう自然とそうなるのでしょう。

髙井氏:
 裏では「ここのアングル,ウルトラマンっぽくしましたけど,いいですか」みたいなやり取りをしながら作業を進めていましたからね。

4Gamer:
 ああ,やっぱり。そんな気配を感じていました(笑)。

吉田氏:
 特撮好きな人達がニヤッとできるカット割りや演出は多いと思います。

髙井氏:
 無意識のうちにやっているので,かなりあるでしょうね。

4Gamer:
 そういえば,前回のトレイラーを観た人達が「スーパー召喚獣大戦」みたいなコメントをしていましたが,今回のトレイラーで本当に「召喚獣大戦」というワードが出てきてニヤリとしました。

吉田氏:
 分かりやすいしキャッチーだから,そのままでいこうとなりました。新しいトレイラーを作っている中で,自然と「後世,これを召喚獣大戦と呼ぶ」でいいのかもね,というくらいの感じです。ヴァリスゼア史上,ここまで召喚獣同士が入り乱れて起きた戦争がない,というのも理由のひとつです。

4Gamer:
 今回は世界観の一端が明らかになりましたが,システム面などまだ分からない部分もたくさんあります。次の情報公開はいつ頃になりそうでしょうか。

吉田氏:
 年末近くになってしまうと思いますが,年内にもう1回トレイラーの公開を予定しています。そのタイミングで,発売日に関することも言えるんじゃないでしょうか。より詳細なシステムの紹介,召喚獣アビリティのセットアップなどは,発売が近づいてからしっかりご紹介しようと思います。早すぎるとそれはそれで情報過多で飽きてしまいますしね……。

4Gamer:
 お,ついに発売日もですか。

髙井氏:
 開発の進捗としては,すでに9割5分はできていて,エンディングまで通して遊べる状態にはなっていますから,発売が遅れることもないはずです。

4Gamer:
 次の情報も楽しみにしています。

吉田氏:
 ダラダラと情報を小出しにし過ぎるのは止めようと思っています。そのスタイルでは,発売日の頃にはもうプレイした気になってしまう。トレイラーもさんざん観たし,さんざん期待したし,何となくどんなゲームでどんな話か分かったし,システムも理解した。あとは動画で観ればいいかな,みたいな。だからシステムや遊び方に関しては,今のところ発売が迫ってきてから情報を公開するつもりです。年明けくらいからさらなるキャラクターの紹介などにも力を入れていきますので,今は雰囲気を楽しんでいただければと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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