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[TGS 2021]「シン・クロニクル」決死行の分岐にやり直しはない――誰と生き,誰が散る,1度きりのRPG体験は2021年12月15日から
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印刷2021/10/01 23:45

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[TGS 2021]「シン・クロニクル」決死行の分岐にやり直しはない――誰と生き,誰が散る,1度きりのRPG体験は2021年12月15日から

 セガは東京ゲームショウ2021 オンラインの2日め(2021年10月1日),配信番組「セガにゅーTGSスペシャル」内で,新作スマホゲーム「シン・クロニクル」iOS / Android。以下シンクロ)を2021年12月15日に配信すると発表し,概要やクローズドβテスト情報を公開した。

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 本作は先日,“セガ新作RPG”として発表されていたタイトルで,先の速報でもお伝えしたとおり,サービス9年めを迎え,累計2500万DLも突破したスマホRPG「チェインクロニクル」シリーズの後継作として生まれた,題して“あなたが 結末を選ぶRPG”である。

 開発陣はチェンクロと同じく,総合ディレクターに松永 純氏を据え,さらにチェンクロチーム,松永氏の出自でもあるアーケードゲーム「戦国大戦」チームに,「三国志大戦」チームも集結している。
 加えてキャラクターボイスのキャストには坂 泰斗さん,悠木 碧さん,井澤詩織さん,黒木ほの香さんの名が連ねられている。

 なお,後継作の意味合いについては「続編ではなく,まったく新しい世界・物語・ゲームシステムであり,継承しているのはスマホゲームながら本格的なRPG体験をもたらすこと,自分自身が冒険している感覚を与えること,それらを今だからこその内容で届けること」にあるという。

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 コンセプトは“運命は自ら決める。選ぶチャンスは一度きり”

 ストーリーは毎章10時間以上のボリュームがあり,クライマックスでは「どちらの仲間に任せるか」「世界と仲間のどちらを選ぶか」といった二者択一に迫られ,選択前の途中セーブなどない,やり直しがいっさいきかない物語分岐の先へ先へと進むことになるらしい
 いわく「だからこそ、指が震える。魂が震える」とのことだ。

 先日公開されたティザームービーでも真のロールプレイングをうたっていたとおり,RPGの原点「テーブルトークRPG」のように,プレイヤーが物語の行き先を自ら決めることに重きを置いているのだろう。

 また,仲間はパーティに入れることで個別ストーリーが展開していき,それらの発生状況に応じて運命の選択にも影響が出てくるという。
 これにより,シンクロでは物語展開がおのおの異なることから,再現性のない自分だけの物語を体験できるようだ。

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 舞台は,滅びが約束された世界「へルドラ」。絶望を象徴する大陸中心に空いた大穴“奈落”からは何百年,何千年ものあいだ,“黒の軍勢”と呼ばれる闇色の魔物が無限に現れ続けていた。

 黒の軍勢の大侵攻“蝕”に備える人類は,大穴を囲む大障壁を“境界騎士団”に守護させていたが,そこで初陣を飾ったある新人騎士が,謎の書物“クロニクル”を手にしたことで,彼は奈落攻略の探査騎士隊として,帰り道の約束はない決死行に挑むことになる――それがあなただ。

 シンクロの主人公はチェンクロと同様,プレイヤー投影型のようで,おそらくマスコット的な存在であろう,自称大精霊の相棒もいる。
 クロニクルの名を冠し,作中でもその存在が明るみになっている以上,「そーゆーこと」を妄想したくなるのはさておき,世界観的にも見た目的にも,チェンクロと比べてダークファンタジーの雰囲気が強めだ。

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 物語のヒロインは2人。非情な世界で正義を貫く少女「セラ」と,非情な世界で理想を追う少女「クロエ」だ。

 イメージカラーは白と黒。いずれも意味深な心情と背景が気になるところだが,セラとクロエのボイスを悠木 碧さんが一人二役で演じているという点も,二律背反な想像力をかき立てられる。

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 このほか自由を夢見る蛮族の少女「マーヤ」など,つらい旅路をともにする(メイン格であろう)仲間をはじめ,“運命の選択によってのみパーティに加わる可能性がある”ゲストキャラクターも存在する。

 こちらも脳裏を刺激されるのが,「じゃあ仲間にならなかったほうはどうなるの?」だが……健やかな終着点を願いたいばかり。

 なお,登場人物たちを手がけているリードキャラクターデザイナーは,チェンクロでもユニやレアーオなどのイラストレーターとして長らくおなじみなN.P.A氏だ。下記のキャラクタービジュアルを見るに,シンクロのメイン級は基本,N.P.A氏のイラストで統一されるようだ。

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イケメンか美少女か。攻撃職か補助職か。中村悠一さんか花澤香菜さんか。どちらのキャラクターと歩みたいか。つまり,そういうことを選び続けるのだろう。RPG界隈における“取り返しのつかない回収要素”はその有無も含め,古今東西さまざまなタイトルの記憶がよみがえるが,誰でも平等に懇切丁寧にやり直せるフォローを厚めにしてきた近年のゲームトレンドとは真逆を行くところは,まさに決死行。プレイヤー側も震えるし,セガ側もいろんな意味で震えるに違いない。スマホゲームのやり口としても今後,シンクロが唯一無二になる可能性も
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 番組内ではゲームの試遊も行われ,実際のプレイの流れを見ることもできた。システムはアクション演出しっかりめのターン制バトルといったもので,3Dフィールドやダンジョンを進み,物語を進めていく。
 装備要素の「武器」がやりこみ面を担い,加えてキャンプイベントも存在し,そこで仲間とコミュニケーションを取れるようである。

 キャラクターたちとのドラマシーンに関しても,バストアップの立ち絵を並べる普遍的な絵面にとどまるのではなく,擬似的な3D表現で場面に奥行きを作り,さらにカメラワークを導入することで視点の動きなどもつけつつ,近年の高品質なゲームでは定番とも言える,キャラクター自体のアニメーションも盛り込んでいるようだった。
 気になる人は配信のアーカイブに目をとおしていただきたい。

※ゲーム画面は開発中のものです
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 さらに,サウンド面もかなり意欲的である。
 メインコンポーザーは“大穴つながり”とでも言うべきか,アニメ「メイドインアビス」の音楽を手がけたケビン・ペンキン氏が担当する。

 そのうえでゲストコンポーザーとして,ゲームサウンド界隈の重鎮たる伊藤賢治氏,浜渦正志氏,下村陽子氏,甲田雅人氏,光田康典氏,古代祐三氏らが,各章のクライマックス専用BGMと担当するという。
 しかも彼らには“各章のクライマックスシーンの音楽を担当”してもらうというから,つまるところ「運命の選択に応じて,聴けるBGMも片方だけ」になるようで。贅沢がすぎるうえに悩ましすぎる話だ。

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 このほか,シンクロは番組終了後より事前登録の受付が開始されており,公式サイトおよび公式Twitterアカウントも開設,さらに12月15日の配信に先んじて,10月14日からCBTを実施するとのこと。
 CBT参加者募集は公式サイトでチェックできる。

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 番組の最後,松永氏は「スマホゲームは毎日気軽に遊べる反面,コンシューマRPGの遊びや映画の感動と比べると,少し軽いと思われがちで,ともすれば暇つぶしと思われている節があります。けれどそうじゃなくて,一生心に残る,思い出になる体験を,スマートフォンだからこその形で用意しました。どこでもいつでも入り込める,自分だけの1度きりの物語が続いていく感覚をぜひ味わっていただきたいです」と語った。

 やり直しのきかない選択肢で,人それぞれの物語体験を提供するスマホ向けRPG。松永氏も「どんな反響になるかは想像しきれていないですが」と述べたように,シンクロの意気込みに対しては良しあし問わずの意見が大量に集まりそうなことを,今からいい意味で予感している。

 ついでに,もしかしたら「やり直しがきかないなら複数端末でやればいいじゃん」と思う人もいそうだが,シンクロがチェンクロの系譜にあることを考えると,それも現実的とは言いがたそうだ。
 端的に,シンクロがチェンクロと同じくらいシナリオに注力していくのなら,いずれどころか早いうちに何十時間分ものプレイ時間が要求されるかと思われるので,もろもろを踏まえると分岐体験のためだけの並行プレイは,とてもじゃないが長く続けられる人はいないはず。

 それだけに“他人がどんな選択をしたか”が感想でも,動画でも,それ自体がコンテンツになり得るところは現代的なファン同士のつながりを生みそうとあり,うまい手である。そしてなによりもシンクロが標榜する,自分の選択をとおして,自分だけの物語を歩むこと。
 その楽しさを知るRPGないしTRPGの民には言わずもがなだが,それを知らない人は,真のロールプレイングに出会えるのかもしれない。

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