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16人同時プレイも可能な「いっき団結」を皮切りに,SUNSOFTのレトロゲームIPが続々と復活。その経緯や勝算について詳しく聞いてみた
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印刷2022/10/08 12:00

インタビュー

16人同時プレイも可能な「いっき団結」を皮切りに,SUNSOFTのレトロゲームIPが続々と復活。その経緯や勝算について詳しく聞いてみた

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 サン電子が展開するSUNSOFTは,特にファミコンやスーパーファミコンの全盛期に幼少期を過ごしたようなゲーマーにとって,絶大な知名度を持つゲームブランドであろう。「いっき」「アトランチスの謎」「上海」「超惑星戦記 メタファイト」などの独創的なゲームの数々は,いまもプレイヤーの心に(色々な意味で)深く刻み込まれているはずだ。

 そんなSUNSOFTが2022年8月に“復活宣言”を行った。「いっき」をコンセプトに開発中の16人同時プレイが可能なローグライクアクション「いっき団結」PC)を皮切りに,SUNSOFTのレトロゲームを軸とした展開を次々と実施するというのだ(※関連記事)。

 今回4Gamerは,TGS 2022にブースを出展していたサン電子に取材を申し込み,レトロゲームに注力するようになった経緯や,その勝算を中心に,あれこれと話を聞いてきた。また,今回SUNSOFTを復活させた仕掛人の越知雄一氏は,ゲーム業界では相当なキャリアを持つ人物でもあるため,その波瀾万丈な経歴も含めてお伝えしてみたい。

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TGS 2022に出展したSUNSOFTのブース。ちなみに写真が青く見えるが,これは海外のゲーム好きの部屋をイメージしてライティングを行ったからだそうだ
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黎明期のオンラインゲーム業界に他業種から飛び込む


4Gamer:
 「いっき団結」が気になってサン電子に取材を申し込んだら,越知さんが出てこられてビックリしました。現在はSUNSOFTに在籍されているんですね。

越知雄一氏(以下,越知氏):
SUNSOFT 越知雄一氏
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 まあ,私も長らくゲーム業界の表舞台に出ていませんし,一般的なゲームファンの方にとっては馴染みが薄いと思いますが(苦笑)。

4Gamer:
 「いっき団結」も気になりますが,今回は越知さんが4Gamerに登場される久しぶりの機会なので,これまでの経歴なども,ぜひお伺いしたいです。

越知氏:
 分かりました。
 僕は1995年に大学を卒業したのですが,新卒で入社したのはラジオ局のニッポン放送でした。ニッポン放送では編成部に所属して,番組の企画や広報を担当していたんです。

4Gamer:
 編成部って,ラジオ局では花形といえる部署ですよね。ちなみに当時の「オールナイトニッポン」(※)だと,どういったパーソナリティがいましたっけ。

※同局を代表する深夜番組。今年,55周年を迎えている

越知氏:
 えーと,松村邦洋,西川貴教(T.M.Revolution),ロンドンブーツ1号2号,ネプチューンなんかは今も印象に残っていますね。そのほか当時は,松任谷由実,吉井和哉(The Yellow Monkey),福山雅治,ナインティナインなどがパーソナリティを担当していました。

 オールナイトニッポンは看板番組ですから,僕たち編成部の人間もよく収録立ち会いなどを行っていました。番組終了が深夜3時とか5時になるのでタクシーで帰るのは当たり前でしたし,それどころか,その時間から打ち上げに行くこともしょっちゅうでしたね。

4Gamer:
 私はいちリスナーとして楽しませてもらっていましたが,とてもきらびやかな業界だなあと思っていました。

越知氏:
 外部から見るとそうかもしれませんね。でも僕が入社した頃は,Windows 95やYahoo!が登場した直後で,インターネットが急速に普及し始めていました。僕としては,向こう(インターネット)の業界と見比べると,なんだかラジオ業界が古くさく見えていたんですよ。
 それでインターネット関連の転職先を探して,エヌ・シー・ジャパンに入社しました。ちょうど,「リネージュ」の日本サービスが始まった頃です。

4Gamer:
 ものすごく早い段階からオンラインゲームに着目されたんですね。

越知氏:
「リネージュ」
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 僕は前職がメディアだったこともあり,エヌ・シー・ジャパンではマーケティング部に所属して,最初にリネージュのプロモーションを担当しました。あの頃のエヌ・シー・ジャパンは社員が20名くらいの,こぢんまりとした会社で。当時はオンラインゲームも普及していないので,何もかも手探りで業務を行っていましたよ。

4Gamer:
 当時手掛けられたプロモーションで,印象に残っているものはありますか?

越知氏:
 リネージュの醍醐味といったら,なんといっても大規模PvPの攻城戦じゃないですか。あの面白さを,どうにかして動画で伝えたいと考えたのですが,当時はYouTubeやニコニコ動画といった動画サイトは無いわけです。Windows Media PlayerやReal Playerを使って再生してもらうシステムを構築したのですが,あれを実現できたときは嬉しかったですね。

 あとは,ソフトバンクがCSで制作していた“チャンネルBB”で,リネージュの番組を制作したのも忘れられません。苦労も多かったですが,いま振り返ると,それも含めて楽しかったです。

4Gamer:
 当時はリネージュを皮切りに,「ラグナロクオンライン」や「MU -奇蹟の大地-」などのMMORPGが続々と輸入されて,オンラインゲームが一気に盛り上がっていきましたよね。

越知氏:
「リネージュ2」
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 ええ。リネージュはある意味,日本に来るのが“早すぎた”オンラインゲームで,収益面に限っていえば,まぁまぁの成果でした。でも,その次に展開した「リネージュ2」が,インターネットがマス層に普及するタイミングと合致して,爆発的にヒットしたんです。4Gamerさんもよくご存じでしょうけど。

4Gamer:
 リネージュ2の初期におけるプロモーションだと,“シブヤプロジェクト”(※関連記事)が印象に残っています。

越知氏:
 あぁ,懐かしいですね。
 リネージュ2は大ヒットし,そのプロモーション施策を手掛けた僕も,会社に評価されました。それで恥ずかしながら,僕は調子に乗ってしまったんです。「もっと大きな仕事ができるんじゃないか?」と勘違いをしてしまった。

4Gamer:
 なるほど。

越知氏:
 そんな折に,僕にとって旧知の人間が多いガイアックスがオンラインゲーム業界に新規参入しようとして,その責任者として僕に声が掛かったんです。その頃にはオンラインゲーム業界内のシェアは固まっていて,後発のガイアックスには厳しいだろうと周りからアドバイスをされていました。でも,自信満々だった僕は2005年に移籍して,ゲームポータルの「ムポー」を立ち上げたんです(※関連記事)。

4Gamer:
 そういった経緯だったんですね。

越知氏:
 でも,これがもう全然うまくいかなくて(苦笑)。
 やがてムポーを含むガイアックスのゲーム事業は,インデックス・ホールディングスに丸ごと売却されます。僕は,そこの子会社のUTDエンターテインメントに移籍して社長を務めましたが,こちらも1年くらいで辞めてしまいました。

4Gamer:
 あの頃のオンラインゲーム業界は,色々な会社が次々と立ち上がって,うまくいったりいかなかったりと,激動の時代だったと思います。

越知氏:
 そうして途方に暮れていたら,今度は稲船さん(※稲船敬二氏)の作ったカプコンの子会社のダレットに誘われたんです。「ダレットワールド」という,今でいうメタバースみたいなオンラインサービスを行うということで,それを担当することになりました。
 しかしダレットワールドもうまくいかなくて,サービスを開始した翌年に立て直しを図ることになります。そして僕は,2011年に親会社のカプコンに転籍することになりました。

4Gamer:
 カプコンではどういったお仕事をされていたのですか?

越知氏:
 主にアジア方面の市場開拓ですね。まずは2012年に台湾支社を設立して,「鬼武者Soul」や「モンスターハンター フロンティア オンライン」などのタイトルを立ち上げて,まずまずの結果を収められました。そのほかには,韓国支社でも一年間社長を務めました。
 でもカプコンは2016年の秋に退職して,そのタイミングで,いったんゲーム業界から離れることにしたんです。

4Gamer:
 理由について聞いてもよいでしょうか。

越知氏:
 2016年前後って,スマホゲームの勢いがすごかったじゃないですか。「未来のゲームはコレ(スマートフォン)が主流になるんだろうな」と考えたとき,僕にはついていける自信がなかったんです。老眼も始まっていて,小さい画面を見続けるのはキツかったですし。

4Gamer:
 当時はスマホゲームのメーカーが東京ゲームショウで一番大きなブースを出展していましたし,越知さんのような懸念を多くの人が感じていたと思います。

越知氏:
 そういった悩みを抱えていた頃に,先ほども紹介したガイアックス時代の知り合いから,「PIXTA」という素材データを販売する事業のアジア展開を手伝って欲しいと誘われて,悩んだ末に転職しました。ゲーム業界に未練がなかったといえば嘘になるけど,僕なりに踏ん切りをつけたうえでの決断でしたね。


グローバル展開ができればSUNSOFT復活の勝算は有り


4Gamer:
 現在の越知さんはゲーム業界に戻られていますが,何か心境の変化などがあったのでしょうか。

越知氏:
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 僕はいま51歳で,社会人としての人生は折り返し地点を過ぎています。それで,残りの人生を悔いが残らないように,最もやりがいを感じられる仕事にチャレンジしたいと考えていました。そういったなかで,転職エージェントからサン電子を紹介してもらったんです。

 当時のサン電子は業績を立て直す最中で,また社員数も減っていて,SUNSOFTを立て直すのは険しい道になりますとエージェントからは言われていました。それで,僕なりにサン電子やSUNSOFTを分析したところ,確かに立て直すのは難しい。けれども,その“道”が無いわけではないとも感じたんです。これは非常にやりがいのある仕事になるだろうなと感じたことが,ゲーム業界に復帰する決め手となりました。

4Gamer:
 越知さんがSUNSOFTをどのように分析されたのかが気になります。

越知氏:
 SUNSOFTのレトロゲームは,今も国内外に根強いファンがたくさんいるんです。このブランドを大切にしつつ,レトロゲームを起点に良質のゲームをグローバルで展開できれば,SUNSOFTを復活させられる可能性があると考えています。グローバルで,という部分がポイントです。

4Gamer:
 SUNSOFTの日本における知名度は言わずもがなですが,海外では実際のところどうなのでしょうか。

越知氏:
 たとえばそうですね,アメリカとヨーロッパには当時SUNSOFTの子会社があって,その頃に発売した「BATMAN」「gremlins」「Spy Hunter」といったゲームの知名度が高いんですよ。「BATMAN」は,北米だけで120万本近く売れていますからね。もしかするとSUNSOFTの知名度は,日本よりも海外でのほうが高いかもしれません。

4Gamer:
 なんと,そこまでですか。

越知氏:
 ゲームの完成度という面においては,ファミコンの後期に発売された「Gimmick!」(ギミック!)というアクションゲームが,近年は海外で再評価されています。実はファミコン版のギミック!って,スーパーファミコンが出た後に発売された事情もあり,本数が全然ないんです。確か日本で1万本,スカンジナビアで5000本,合計で15000本しか作られていません。

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画像は「ギミック! SPECIAL EDITION」より
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4Gamer:
 スカンジナビアですか。

越知氏:
 「ギミック!」を海外展開するときに立候補してくれたのが,スカンジナビアのディストリビューター(卸売業者)さんだけだったみたいです。当時,任天堂がROMカセットを作るときの最低ロットが5000本だったので,その本数だけ制作したみたいですね。
 そんなファミコン版の「ギミック!」も,今となっては激レアで,海外のレトロゲームの流通市場ではヘタすると20万円近くに高騰していますから。

4Gamer:
 SUNSOFTのゲームが海外でそこまで高く評価されているのは,ちょっと予想外でした。

越知氏:
 現在のゲーム市場は細分化されていて,色々なメーカーさんがレトロゲームのリメイクやリブートのアプローチを行って,結果を出しています。SUNSOFTのタイトルも,インティ・クリエイツさんが「超惑星戦記 メタファイト」をリブートした「ブラスターマスター ゼロ」を2017年にリリースしています。あれはすごく良く出来ていて,グローバルでしっかり売上を出して,しかも3作品が作られていますからね。こういった展開を,SUNSOFTの他のIPでも行いたいんですよ。

4Gamer:
 越知さんが入社された頃は,開発チームの環境も不十分だったそうですが,そのあたりはどうだったのでしょうか。

越知氏:
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 ゲームの開発経験のあるスタッフは何名か残っていましたが,将来的に複数の開発ラインを立ち上げることを踏まえると,十分とはいえない人数でしたね。なので僕が入社してからしばらくの間は,社内の別部署へ異動していた開発経験者を呼び戻したり,社内環境を整えたりといった地道な作業を続けてきました。
 そうして,社内環境がある程度整ったうえで,SUNSOFTのレトロゲームIPを用いた新展開を模索して,「いっき団結」の開発プロジェクトを立ち上げたんです。


最多16人で悪代官に立ち向かう「いっき団結」


4Gamer:
 その「いっき団結」について詳しく聞かせてください。

越知氏:
 「いっき団結」は,アーケードやファミコン向けソフトの「いっき」をもとに,新たに開発したタイトルです。年貢に苦しむ農民が悪代官を打ち破るというコンセプトはそのままに,今回のジャンルはローグライクアクションとして作られています。
 実際には,敵からの攻撃を一定時間逃げ切るとステージクリアというゲーム内容で,16人のマルチプレイにも対応しているのが大きな特徴です。

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「いっき団結」
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4Gamer:
 ローグライクというのは,どういった部分を指しているのでしょうか。

越知氏:
 マップが非常に広くて,ドロップアイテムが毎回異なります。また,隠されたエンディングも用意されており,毎回違ったゲーム展開を楽しめるので,ローグライクと銘打っています。
 逆に僕からの質問ですが,4Gamerさんにとって「いっき団結」の第一印象はどうでしたか?

4Gamer:
 正直に言ってもいいですか?

越知氏:
 ええ,もちろんです。

4Gamer:
 「Vampire Survivors」をベースに作られているように見えますが,あれを16人で遊ぶのは,たまらなくカオスで楽しそうだなとワクワクしました。

越知氏:
 話が早くて助かります(笑)。
 おっしゃるとおり,今回の「いっき団結」は,「Vampire Survivors」からの影響を受けて開発しています。

4Gamer:
 「Vampire Survivors」の敵から逃げ回るゲームプレイや,粗いドット絵によるグラフィックスも,「いっき」との親和性が高そうです。「いっき」らしさが随所に反映されていて,しかも独自要素もあって個人的にも楽しみですね。

越知氏:
 あぁ……。それを聞いて安心しました。

4Gamer:
 もうひとつ感じたのは,開発の速さです。「Vampire Survivors」が流行ったのは今年の初め頃ですし,それを見て「いっき団結」のプロジェクトが立ち上がっているわけですから。しかも新規に立ち上げたばかりの開発チームで。

越知氏:
 そこまで汲み取っていただきありがとうございます。
 おっしゃるとおりごく小規模の開発チームなのですが,メイン開発者の2人が,いますごく頑張ってくれています。

4Gamer:
 実際に社内でプレイしてみて,いかがですか。

越知氏:
 開発のかなり早い段階から,「このマルチプレイは本当に面白いな!」と感じています。なんというか,他の人のゲームプレイを見ていて思わずツッコミを入れたくなるんですよ。VTuberの戌神ころねさんに取り上げてもらったときも,視聴者の方に「なんだよ,クソゲーじゃねえじゃん(笑)」ってチャットで言われました。ゲーム実況にも非常に向いていると思いますね。

4Gamer:
 なるほど。そこまでおっしゃる位の出来映えなら,TGS 2022に本作が出展されなかったのは惜しかったですね。

越知氏:
 はい。できれば出展したかったのですが,現在はクローズドβテストに向けた追い込みに入っていて,余裕がまったくありませんでした。

4Gamer:
 現在の開発状況はいかがでしょうか。

越知氏:
 マルチプレイ周りのシステムを構築するのが大変ですね。将来的にはロビーを設けて,実力に応じたプレイヤーとマッチングができる仕組みを導入する予定です。

4Gamer:
 サービススケジュールに関しては,どのようになっていますか。

越知氏:
 1か月以内にクローズドβテストを実施する予定です。そこでのフィードバックを受けてバランス調整を行いつつ,正式サービスに向けたスケジュールを組む予定です。

※10月5日に,本作のクローズドβテストのスケジュールが発表されている
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4Gamer:
 今回SUNSOFTを復活させるにあたり,日本で人気が高いIPの「いっき」を最初に選ばれたのが興味深かったです。

越知氏:
 日本においてはダントツの知名度がありますからね。ちなみに,「いっき」のファミコン版は70万本も売れているんですよ。いま振り返ると信じられませんが(笑)。

4Gamer:
 先ほど,SUNSOFTを復活させるにはグローバル展開が欠かせないというお話がありました。「いっき」の海外での知名度は,実際のところどうなのでしょうか。

越知氏:
 実は海外では,「いっき」は正式ルートで販売されていないんですよ。
 あまり大っぴらに言うことではありませんが,日本のレトロゲームに興味のある海外のファンにとっては,海賊版のカセットで遊んだことのあるタイトル,という認識の人が多いみたいです。なのでSUNSOFTとしては,「いっき団結」の海外へのプレゼンスをどうやって高めていくかが,今後の大きな課題だと考えています。

4Gamer:
 素朴な疑問ですが,「いっき」のコンセプトである一向一揆って,海外のゲーマーに伝わるのでしょうか。

越知氏:
 市民が為政者や王に対し立ち向かう物語は,海外でも当たり前のように浸透していますよ。言ってみればフランス革命だってそうですから(笑)。「いっき」の世界観は,海外のゲームファンにとってあまりにも独特ではありますが,それも含めてインパクトを与えられればいいなと。

4Gamer:
 確かに近年は日本の,さまざまな“カルチャー”に着目したゲームが多いですよね。一揆がカルチャーだと言われると,当時のお百姓さんにとってはたまったものではないでしょうけど……。

越知氏:
 ええ。昔と比べると,海外ゲームファンの日本文化や歴史に対する関心が高まっていると思います。「ゴースト・オブ・ツシマ」や「Sengoku Dynasty」といったゲームが海外で作られて,当たり前のように受け入れられていますし。こういった状況を見ると,「いっき団結」がグローバルで受け入れられる可能性もあると思うんですよ。

4Gamer:
 それにしても,「いっき」が発売されてから37年近く経つのに,まったく新しい展開が起こるというのも,なかなかすごい話だと思います。

越知氏:
「いっき」のアーケード基盤
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 当時の開発者は,まさかこんなことが起こるとは夢にも思っていなかったでしょうね(笑)。
 先ほども申し上げましたが,現在は他のメーカーもこういった展開を当たり前のように行っています。しかも,めちゃくちゃ大きくはないにせよ,マーケットとして一定の大きさで成立していて,グローバル前提ならビジネスとして成立する可能性もある。このことは,僕がゲーム業界に戻ってきたときに驚いたことのひとつですね。

4Gamer:
 SUNSOFTに期待しているファンを裏切らないことも大切ですよね。たとえばですが,昔に人気を博したIPだからといって,安易にスマホに持ってきてPay to Winのビジネスモデルにするような展開になると,ガッカリするファンもいるでしょうし。

越知氏:
 SUNSOFTは「いっき団結」だけでなく,これがうまくいけば次,そしてさらに次へと展開しいていきます。たとえゲームが売れたとしても,その内容がファンを裏切るものだったら,結局,長くは続けられないと思うんですよ。なのでファンに受け入れてもらえることは絶対条件ですね。

4Gamer:
 それを聞いて安心するファンは多いと思います。

越知氏:
 もちろん売上も大事ですが,今後どのような展開を起こすとしても,オリジナルのIPの良さは毀損しません。そのうえで,今の時代に対応する形で,新しい展開を積極的に狙っていきますよ。

4Gamer:
 越知さんがゲーム業界に戻られてしばらく経ちましたが,感想はいかがですか。

越知氏:
 これは海外のファンと接していて強く感じるのですが,ゲームを“文化”としてとらえている人が多いんですよ。もちろん日本もそうですけど,海外のほうが,ゲームの歴史に対するリスペクトを強く感じます。たとえばgamescomなどの海外のゲームショウでは,レトロゲームコーナーが当たり前のようにありますからね。

 ビデオゲーム市場を興したのはATARIだけれども,1980〜90年代に日本のゲームメーカーが頑張ったからこそ,この娯楽が世界に知れ渡っている。そのことを皆が分かっていて,リスペクトもちゃんと表してくれている。しかもそれが特別なことではなく,ごく当たり前の感覚で行っているんですよ。

4Gamer:
 確かに日本においては,文化というよりも“娯楽”で見ているファンがまだまだ多い印象ですね。メディアの一員として考えさせられます。

越知氏:
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 今回SUNSOFTを復活させるにあたり,ゲームファンのリスペクトに対してふさわしい形で,なおかつ今のゲーマーに受け入れられるものを実現したいです。もともとのIPが持っている価値を大事にしながら,新しいものを創出して,日本だけでなくグローバルに向けて展開したい。そうやって,この業界に僅かながらでも爪痕を残したいなと考えながら,「いっき団結」を開発しています。ぜひ,今後の動向に注目してください。

4Gamer:
 個人的にも期待しています。
 本日はありがとうございました。


「いっき団結」公式サイト

  • 関連タイトル:

    いっき団結

  • 関連タイトル:

    ギミック! SPECIAL EDITION

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