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[インタビュー]「PARAVOX」最高ランクの最速到達者となったShuraku選手に聞く,その原点とハイスピードシューターの魅力
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印刷2024/07/30 16:00

インタビュー

[インタビュー]「PARAVOX」最高ランクの最速到達者となったShuraku選手に聞く,その原点とハイスピードシューターの魅力

 シンガポールに拠点を置くデベロッパである81RAVENSが開発を手がけるハイスピードシューター「PARAVOX」をご存じだろうか。
 3vs.3のチーム戦が楽しめるTPS……と言えばいかにも普通だが,謳い文句どおりのハイスピードバトルとテンポのよい試合展開で人気を呼び,オープンαの段階で多くのプロチームが参戦を表明。とくにコンペティティブ(競技向け)なシューターを求める層から注目を集めるタイトルとなっている。


 そんな同作では,期間中にいち早く最高ランクである“NEO”に到達したプレイヤーに現金100万円をプレゼントするイベント「PARAVOX FESTIVAL: RANKING RUSH」を6月に開催した。一般プレイヤーはもちろん,幾つものプロチームを巻き込んだこのイベントを制したのが,ZETA DIVISIONに所属する弱冠17歳のプロプレイヤー,Shuraku選手である。
 そんなShuraku選手がイベントの副賞である“81RAVENS 日本オフィス訪問”を行うのに合わせて,今回4Gamerでは同選手へのインタビューを実施した。Shuraku選手の原点や「PARAVOX」の魅力,そして今後の展望まで幅広く話を聞いてみたので,本作のプレイヤーはぜひご一読いただきたい。

ZETA DIVISIONのShuraku選手。「フォートナイト」などのシューター系タイトルで頭角を現す若手ゲーマー。2024年5月に同チーム「PARAVOX」部門への加入を果たす
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「PARAVOX」へ転身した,若干17歳の最速ランカー


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。まずは,ご自身のゲーム遍歴から伺ってみたいのですが,最初にプレイしたゲームって覚えてらっしゃいますか?

Shuraku選手:
 初めてとなると……おそらくポケモンですね。幼稚園の頃だから「ポケットモンスターブラック・ホワイト」だったと思います。

4Gamer:
 「ブラック・ホワイト」とは,なかなかジェネレーションギャップを感じてしまいます(笑)。では「フォートナイト」をプレイするようになったのは,どういうきっかけだったんですか。

Shuraku選手:
 父がけっこうゲーマーで,僕が好きそうなゲームを探してきてくれるんですよ。「これ面白そうやで」って(笑)。だから「フォートナイト」もそんなタイトルのうちの一つでした。本人はプレイしていなかったので,多分ネットで話題になっているのを見たんだと思いますけど。

4Gamer:
 「フォートナイト」をプレイし始めて,最初から勝てましたか。その当時は,シューター系の経験があったわけじゃないと思うんですが。

Shuraku選手:
 最初はSwitch版を遊んでいて,友達やクラスメイトの中ではそれなりに勝ってたと思いますが,オンライン(ランクマッチ)の勝率はそうでもなかったと思います。むしろ,負けて悔しかったほうが記憶に残ってます。そこからうまくなろうと対戦を重ねていくうちに,自分に何が足りないのかが見えてきて,ちょっとずつ勝てるようになっていったと思います。

取材当日は,Shuraku選手への賞品(パネル)の授与のほか,Shuraku選手によるプレイ動画撮影や,間もなく実装予定の新武器のチラ見せ,Shuraku選手と運営スタッフの意見交換なども行われた
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4Gamer:
 努力で得た強さなんですね。プロプレイヤーって,どんなゲームをプレイしてもうまいタイプの人と,一つのゲームをやり込み続けた結果としてプロになったタイプの人がいると思っています。ということは,Shuraku選手はどちらかというと後者ですかね。

Shuraku選手:
 そうですね。自分としては,完全に努力型だと。ただ,最近「ストリートファイター6」PC / PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / AC)を始めたら,あっさりMASTERまで行けちゃったので,もしかしてちょっとは才能があるのかも,なんて思っちゃいました(笑)。

4Gamer:
 おお,初の格闘ゲームということですよね。だとすると,なかなか凄いです。

Shuraku選手:
 ほぼ独学でした。ただ,MASTERになってすぐにプレイしなくなってしまったので,浅瀬の話ではあります。まだマスターリーグが実装される前で,ちょうど「PARAVOX」が始まるタイミングでもあったので。

4Gamer:
 なるほど。「フォートナイト」の次の競技タイトルとして,「PARAVOX」を選んだのはどうしてだったんですか。

Shuraku選手:
 「フォートナイト」から離れて,色々なゲームに手を出していたんですけど,「PARAVOX」もそんなゲームの中の一つでした。プレイしてみたら,これは新しくて面白いなと。

4Gamer:
 まだ正式リリース前の,オープンα段階のタイトルで戦うことに不安はなかったのでしょうか。

Shuraku選手:
 迷いや不安がないかというと嘘になります。これからどうなるかは分かりませんが,ただそれもまた人生経験だし,面白いんじゃない? くらいの気持ちですね。

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4Gamer:
 ZETA DIVISIONとしてはどうなのでしょうか。正式サービス前の「PARAVOX」部門を立ち上げることに,迷いはありませんでしたか。

ZETA DIVISION担当者
 とくに不安はありませんでした。開発会社の方からもゲームシステムなどを詳細に説明していただき,その熱量を直接伝えていただいたのも大きな要因です。

4Gamer:
 なるほど……。そもそもなんですが,Shuraku選手が「フォートナイト」の競技シーンから離れたのはどうしてだったんですか。

Shuraku選手:
 説明が難しいんですが……自分の中で,「フォートナイト」に一区切り付いたのが大きいと思います。実は,辞める1年くらい前からずっと考えていたことで,でもずるずる続けちゃってたんですよね。勝ってもいたので周りから引き留められもしましたが,いよいよもう線を引かないとって思ったんです。

4Gamer:
 では,これからは「PARAVOX」1本に絞ってプレイされていくんですね。

Shuraku選手:
 そうですね。息抜きにやる格闘ゲームなんかは別ですが,マウスを使うシューター系のゲームは「PARAVOX」だけで行きます。ほかのシューター系を触っちゃうと,ちょっと言葉で説明するのが難しいんですがエイムの感覚がおかしくなるというか,敵との距離感がズレちゃうんですよね。

4Gamer:
 先ほど「PARAVOX」のことを“新しくて面白い”とおっしゃっていましたが,その辺りをもう少し詳しく聞かせてください。どういうところが魅力だったのでしょうか。

Shuraku選手:
 まず展開がすごく速いところですね。「そんな速度で動き回れる!?」っていうスピードで敵味方が動き回って,試合展開もとてもスピーディなので,そこがほかのゲームにない魅力だと感じています。

4Gamer:
 確かにスピードはものすごいですね。

Shuraku選手:
 あとは武器構成ですね。同じ構成でもプレイヤーやチーム次第で動きがぜんぜん違ってくるので,戦術の幅が広いんですよ。エイムの精度だけで勝負が決まらないのもいいです。スピードが速いぶんエイムがすごく難しいので,それだけに頼っていると勝てないんですよ。

4Gamer:
 今回,世界最速でNEOランクに到達し,報酬の100万円を獲得されたわけですが,プレイにおいて意識したことはありましたか。


Shuraku選手:
 「PARAVOX」はキルよりもポイントを取ることが重要なんですが,僕としては自分がポイントを取るんじゃなく,チームメイトがポイントを取りやすいようサポートすることを心がけていました。だからこの100万円は,チーム全員で勝ち取ったものだと思っています。誰一人欠けても無理でしたから。

4Gamer:
 チームメイトのRuto選手koruku選手は,Shuraku選手から見てどんなプレイヤーですか?

Shuraku選手:
 2人とも個人技が強い……個人技最強って感じですね。あの2人と比べたら,自分は個性がない。強いて言えば,エイムがちょっと得意なぐらいかな。

4Gamer:
 NEOランク挑戦期間中に,ほかのチームを意識しましたか。

Shuraku選手:
 ほかのチームの動向が気にならなかったわけではないですが,ほとんど負けなかったので,プレッシャーはあまり感じませんでした。武器もチーム内で固定して,ひたすらランクマッチを回した結果,自然に上がっていった印象です。

勝率96%という驚異的なペースでNEOランクに到達したというShuraku選手
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4Gamer:
 6月22日には「PARAVOX Gold Rush Tournament」の日本代表決定トーナメントが開催されました。チームとしては3位という結果でしたが,手応えはいかがですか。

Shuraku選手:
 個々人が練習でやってきたことは出せたと思っています。ただ,チームとしての連携には課題がありました。そこは練度を上げていくしかないですね。

4Gamer:
 普段のランクマッチとトーナメントなどの競技シーンで,プレイを変えたりはするのでしょうか。

Shuraku選手:
 意識して変えてはいないですね。ランクマッチで当たる相手もかなり強いので,手加減というか余計なことはできないです。

4Gamer:
 日本国内のチームと海外のチームとでは,プレイスタイルに地域差のようなものを感じますか。

Shuraku選手:
 プレイスタイルは分からないですが,武器構成なんかはけっこう違うように思います。海外勢とそこまで対戦していないので,もう少し分析する必要がありますね。

4Gamer:
 チームでの練習はどのように行っているのでしょう。基本はオンラインですか?

Shuraku選手:
 住んでる場所がけっこう離れているのでオンラインが多いです。ただ,この前やったオフラインのブートキャンプは楽しかったですね。一つのゲームをあんなにプレイしたのは久しぶりでした(笑)。

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4Gamer:
 Shuraku選手ご自身は,ZETA DIVISIONの強さの秘密はどこにあると考えていますか。何か革新的な戦術だったり,テクニックだったりがあるんでしょうか。

Shuraku選手:
 そういうのはないです(笑)。僕らのスタイルは,ただ正面からぶつかって圧倒していくだけですから。ただ,練習中はなるべく色んな武器を使うようにはしています。今だったらKELSEA(ビームマグナム)とか。

4Gamer:
 この武器が強い,みたいなのはありますか。Shuraku選手はスナイパーライフル(SCACCI)を愛用しているようですが。

Shuraku選手:
 今の環境だと,やっぱりショットガン(BEATDOT)とスナイパーライフルは強いと思います。威力がある武器は人数差を作りやすいですから。あとはKELSEAのように,唯一無二の強み(スキル)がある武器もいいですね。

4Gamer:
 分かりました。最後に今後の意気込みをいただけますか。

Shuraku選手:
 チームで出場できる大会がいつになるかは分かりませんが,とりあえず最強の選手になれるようにがんばります。とくにスナイパーライフルではトップを取りたいので,チームメイトのRuto選手やkoruku選手,それとREJECTのAimer選手には負けたくないですね。
 あとTwitchでの配信と,最近ちょっとできてないんですが動画作り(YouTube)も再開するつもりですので,興味のある人はぜひ見にきてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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――2024年7月16日収録

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