インタビュー
「ラグナロクオンライン」初のボイス付NPC「新人広報員 聖なる花江」が登場。CVを担当した花江夏樹さんに話を聞いた
2019年12月1日に17周年を迎える,ガンホー・オンライン・エンターテイメントがサービス中のMMORPG「ラグナロクオンライン」(以下,RO)。それに先がけて本日(2019年11月26日),公式サイト内に17周年を祝うアニバーサリーサイトもオープンした。毎年,ゲーム内外で数々の企画やキャンペーンが実施され,多くのプレイヤーを楽しませてくれるアニバーサリーイベントだが,今年はその企画の1つとして,RO史上初のボイス付NPCが実装されることが明らかになった。キャラクターボイスを担当するのは,YouTubeでゲーム実況を配信するほどのゲーム好きとしても知られる,人気声優の花江夏樹さんだ。
花江さんのYouTubeチャンネル
実装されるNPCは「新人広報員 聖なる花江」とご自身の名前が付いたキャラクターで,ROのプレイヤーでもあった花江さんが,自ら職業や装備するアイテムなどをチョイスしたという。
収録されたボイスの内容もさることながら,花江さんがどんなROプレイヤーだったのか,とても気になるROファン,花江さんのファンも多いだろう。今回,花江さんへのメディア合同インタビューが実施されたので,その模様をお届けしたい。
中学生時代にドハマリした「ラグナロクオンライン」
──ROのキャラクターに花江さんがボイスを吹き込むことになった経緯を教えてください。
花江夏樹さん(以下,花江さん):
「パズル&ドラゴンズ」(iOS / Android。以下,パズドラ)関係でお仕事をさせていただいたことがありまして,そこで冗談交じりに「昔『ラグナロクオンライン』をずっとやっていたので,お仕事があったらぜひ!」みたいな話をしていたんですよ。僕の中ではやっぱり「ガンホーさんといえば『RO』!」みたいな印象があったんですね。
──それが今回のキッカケになったと。
花江さん:
はい。その後に「ラグナロクマスターズ」(iOS / Android。以下,ラグマス)の動画企画をご依頼いただけて。そこでも懐かしいなって思っていたんですよ。
──配信された動画で「昔(ROを)やってたんだよ」とおっしゃっていましたね。
「ラグナロクマスターズ」実況ページ(全3回)
花江さん:
そうです。中学生のころですね。
──その時期だと,友達でオンラインゲームをやっている人もいなかったのでは。
花江さん:
僕がみんなを誘っていました。
──リアルの友達と一緒にROを始めたんですか?
花江さん:
いえ。もともとは他社のタイトルを遊んでいて,そこで知り合った友達からROに誘われたんです。「大人のゲームやろうぜ!」という感じで。
一同:(笑)
──なるほど。SDキャラクターからの脱却みたいな。
花江さん:
そうですね。だから,一番最初にROを始めたときは,リアルの友達はいない状態で,その友達のギルドに入っていろいろ教えてもらいました。
──本格的にMMORPGを始めたときの感想はいかがでしたか。
花江さん:
ちょっと年齢層が高めの人と交流ができたり,主婦の人と狩りにいったりして。世界が違って見えたというか……広がった感じがして。家にいる時間はずっとやってましたね。
──結構,ドハマリしたんですか?
花江さん:
しましたねぇ。めちゃくちゃキャラクターを作ったんですよ。作っては消し作っては消し,でしたが。だから,転生まではあまり行かなくて。
──当時は転生まで育てるのが厳しかったですからね。
花江さん:
転生が実装されたばかりのときくらいだったと思います。なので,ほかの職業もやってみたくて。アコライト系が一番多かったですけど,一番最初に始めたのはバードでしたね。
──歌に興味があったからですか?
花江さん:
そういうわけではなく,なんとなく選んだんです。ずっとフェイヨンの森の近くで天下大将軍を弓で狩ってました。
──長い間プレイされていたんですか。
花江さん:
中学時代はずっとやっていましたね。高校に入ってからはFPSに行っちゃったんです。
──では,ブランクとしては長いと。
花江さん:
長いですね。だから,久しぶりに(ROの)ホームページを見たら職業がめちゃくちゃ増えているし,システムも増えているんで,ちょっと別ゲー感があります。
──プレイしていた当時の思い出深いエピソードとかありますか。
花江さん:
ROで知り合った友達とは今でも交流があって,高校生のころは一緒にブログをやっていました。いま僕が出ているアニメを見てくれたりとか,こないだのラグマスの実況とかも見てくれたりして,結構連絡を取り合っているんです。思い出深いのは,その人にずーっと壁(役)をしてもらっていたことですね。
あと,ほかのギルドメンバーは大学生の人とかが多かったんですが,僕は中学生でマナーもよく分かっていなくて,ちょっと失礼なこと言っちゃうんです。それでメチャクチャ怒られて,凹んで謝るみたいな。そういう,ちょっと大人になっていくというか,そんな思い出があったりします。
──オンラインゲームのあるあるなエピソードですね。
花江さん:
あとはROを始めてから学校の友達を誘って一緒に遊んだり,学校に攻略本を持っていって読んだりしていました。ただ……中学生のときの1500円(30日)は厳しかったですね。
──おこずかいギリギリ?
花江さん:
ギリギリでしたね。途中から経験値ブーストみたいなアイテムとか有料アイテムが出てきて,あれが欲しくてちょっと困りました。
──狩りでの思い出はありますか。
花江さん:
ソロプレイは,アコライト系をずっと育てていたので,アマツがすごく記憶に残っています。鉄砲撃ってくるのって何でしたっけ。
──銃奇兵ですね。アコライトだと,ずっと畳(アマツダンジョン)に籠もっている時期ですよね。
花江さん:
はい。もう,めちゃくちゃ籠もっていました。
──支援系プリーストはあそこしかなかったんですよね。ということは,支援系プリーストだったんですか?
花江さん:
はい。と言っても,プリーストは1体しか作らなかったですよ。どちらかと言えば,僕はモンク派生が多くて,4〜5体くらい作りました。
──じゃあスリーパーも狩っていた?
花江さん:
スリーパーも狩りましたが,やっぱり銃奇兵が一番思い出に残っています。あと桃の木の……。
──コンロンダンジョンの人面桃樹ですね。
花江さん:
指弾型モンクを育てたときにそれを狩っていました。
──パーティプレイはどうでしたか。
花江さん:
友達と狩るというより,臨時で狩りに行くことが多くて。そこの募集で優遇されていたのでプリーストを作ったんです。
──ああ,なるほど。パーティではどこへ狩りに?
花江さん:
グラストヘイムの監獄や古城が多かったですね。あとはギルドで潜ったり……してたかなぁ。
「新人広報員 聖なる花江」のセリフにはいろいろな仕掛けが?
──実況企画では,一般化したウルドワールドでドラムという新種族でプレイされると聞いています。ドラムの見た目の印象はいかがでしょう。
花江さん:
めちゃくちゃ可愛いですね。猫好きなので使ってみたいですし,MMORPGだとサモナー系が好きなんです。
──1年半ぐらい前に実装された種族ですが大人気ですよ。
花江さん:
今まで人間の種族しかいなかったから,楽しみですね。ROの良さの1つは,2Dのドット絵ですね。3Dゲーとかグラフィックスが進化しているゲームもいっぱいあるなかで,こういう2Dのドットの暖かさや可愛さが魅力だと思います。そこに猫が加わるんだから鬼に金棒ですね。
──BGMでも“にゃんにゃん”言っているので,花江さんもぜひ実況時に聞いてみてください。
ところでボイスを収録された「新人広報員 聖なる花江」ですが,グラフィックスは思い入れのある装備だそうですね。頭に矢リンゴ(名射手のリンゴ)を選んだ理由は何だったのでしょう?
NPC 新人広報員 聖なる花江
年齢/ヒミツ
出身地/ルティエ
好きな物/猫!もちろん一緒に暮らしてます。
嫌いな物/虫が嫌い。特にマゴットが大嫌い。
勤務先/ルーンミッドガッツ王国 ミッドガルド新聞社
年齢/ヒミツ
出身地/ルティエ
好きな物/猫!もちろん一緒に暮らしてます。
嫌いな物/虫が嫌い。特にマゴットが大嫌い。
勤務先/ルーンミッドガッツ王国 ミッドガルド新聞社
花江さん:
ギルドに入ったときは初心者だったので,ギルマス(ギルドマスター)が装備をくれたんですよ。そのなかの1つに矢リンゴがあって。
──バードだったからでしょうね。Dexが必要な弓系は矢リンゴ定番でしたから。
花江さん:
たぶん,そうですね。あとプパカードを挿した鎧とかをもらって,それでしばらく狩りをしていました。そのギルマスがしばらくして引退しちゃったんですけど,そのままあげるよと。それが思い出に残っていたので,今回チョイスしました。
──その他の装備は,とくに使っていたというわけではないんですか?
花江さん:
使っていたわけじゃなく,「今はこんなカッコイイのあるんだ」とチョイスしました。ガスマスクは,個人的に好きだからですね。
■選んだ衣装と理由
職業:プリースト/最終的にプリーストに落ち着いて一番記憶に新しい職業
ヘアスタイル:逆毛/現役時代,逆毛がある意味流行っていて,基本この髪型だった為
ヘアカラー:白/この色でよくキャラを作っていたので
頭装備(上段):名射手のリンゴ/現役時代,ギルドでお世話になった人が引退した時に貰ったもの
頭装備(中段):アンダーリムメガネ・ガスマスク/ガスマスクを集めるのが好きなので,趣味です ※イラストのみ「ガスマスク」が表示されます。
頭装備(下段):思念のオーラ 紅蓮/なんか邪悪でカッコイイから!
頭装備(肩にかける物):戦乙女の翼/カッコイイ!
職業:プリースト/最終的にプリーストに落ち着いて一番記憶に新しい職業
ヘアスタイル:逆毛/現役時代,逆毛がある意味流行っていて,基本この髪型だった為
ヘアカラー:白/この色でよくキャラを作っていたので
頭装備(上段):名射手のリンゴ/現役時代,ギルドでお世話になった人が引退した時に貰ったもの
頭装備(中段):アンダーリムメガネ・ガスマスク/ガスマスクを集めるのが好きなので,趣味です ※イラストのみ「ガスマスク」が表示されます。
頭装備(下段):思念のオーラ 紅蓮/なんか邪悪でカッコイイから!
頭装備(肩にかける物):戦乙女の翼/カッコイイ!
──プリーストを選んだ理由は,何かあるんですか。
花江さん:
バードから始まって最終的にプリに落ち着いたその頃が,一番記憶に鮮明に残っていたんです。髪型も逆毛はあまりイメージがよくないネタ枠でしたが,知らずに選んじゃって。友達からいろいろ言われましたけど「でも,まあいいや」って,ずっとこれにしてたんです。
──なるほど。では,花江さんから見て,この「新人広報員 聖なる花江」は,どんなキャラクターなのでしょうか。
僕の思い入れのある職業と,髪型……髪型は僕とあまり似てないですが(笑)。メガネをかけてもらって,翼を生やした上で邪悪なオーラ,思念をまとっている。光属性と闇属性みたいな,そんなコンセプトですね。名前は聖なる花江ですけど,ちょっと闇落ち的な要素を持ってます。
──中二病な感じですね(笑)。でも,やっていることは冒険者さんのお世話なんですよね。面倒見がいいとありますが。
花江さん:
はい。結構僕の理想が詰まったキャラクターになっていると思います。
──花江さん自身,中二病的なキャラクターは好きなんですか?
花江さん:
そうですね。ゲームをしていると,どうしてもそうなっちゃう部分があるので,基本的にそっち寄りになりますね。
──ボイスもそっち寄りですか。
花江さん:
ボイスは爽やかです。猫好きという設定なので,わりと猫に関するセリフがあったりしますし,猫の装備をして話しかけるとボイスも変化します。いろいろな仕掛けをしていただけて。親バカみたいな感じになってます(笑)。
あとはセリフを考えてくださった方も,よく僕のSNSをチェックしてくれていて。そういう,嬉しさと恥ずかしさが入り交じったようなセリフがあったりします。
──爽やかなんですか。見た目とは違うぞと。
花江さん:
好青年という感じで,ちゃんとプレイヤーを導いてくれるキャラクターです。ただ,セリフにくすっと笑える「これ誰も元ネタ知らないだろ」とか「このセリフって入れていいのか?」というものもありました。
──例えば,どんなセリフでしょう。
花江さん:
僕のキャラが「しょうがないにゃあ」って返事をするんですけど。
──ああ,なるほど。それは……LINEスタンプにもなっているので大丈夫だと思います。
花江さん:
あと,実は「超人気声優」という名前にしてもらおうとしたんですが,NGが出てしまって。「聖なる花江」に落ち着きました。
一同:(笑)
──それにしても,実際に中学生の頃にプレイしてたゲームに,自分の名前が入ったNPCが登場するとは思いませんよね。
花江さん:
いやあ,思えないです。その頃は声優なんて職業も知らなかったですし。
──プレイしていたのは,声優を志す前だったんですね。
花江さん:
声優の仕事を知ったのは高校に入ってからだったので。
──聖なる花江というキャラクターが実装されると聞いてどう思いましたか。
花江さん:
「いいのかな」という気持ちはありましたけど,やっぱり嬉しいので「ぜひ!」と。声優になって自分が声を当てたゲームをプレイすることはありますが,昔からやっていたゲームにボイスが追加されることはなかなかないですから。
──しかも,ROでは初のボイス付のNPCなんですよね。
花江さん:
マジっすか!?
──もし来年に第2弾のボイス付NPCが実装されても,第1弾は花江さんが,と先駆者として書かれることになると思います(笑)。
花江さん:
なるほど,ありがとうございます。嬉しいです,ホントに。
──そういえば,ドット絵のキャラクターを元にイラストレーターさんが描かれたイラストもありますが,そちらの感想はいかがですか。
花江さん:
すごく,イケメンプリーストですね。
──プリーストは胸をはだけているところが,女性にも人気ですよね。
花江さん:
いいですよね。僕も見た目ならハイプリーストよりプリーストの方が好きなんです。ROって衣装は職業ごとに統一されているじゃないですか。変えられるのは頭とかぐらいで,そこもいいなって。
──ひと目でその職業っていうのが分かりますよね。
花江さん:
そうなんです。だからめちゃくちゃ二次創作が流行ったのかなって。いまのゲームは全身の衣装が替えられるものが多いから,特徴を出すのが難しいですじゃないですか。当時は,ここしか変えられないのかと思っていたんですが,改めて見るとパッと分かるのはいいと思います。
──頭装備を組み合わせて俺的な個性を出そうと頑張ったこともあったんですか?
花江さん:
あります。でも,可愛い装備は高いじゃないですか。バフォ帽(マジェスティックゴート)が,めちゃくちゃ欲しかったんですけど,全然買えなくて。天使のヘアバンドも買えなかった気がするなあ。
だから大人になってお金が自由に使えるようになって,ちょっとそういう楽しみ方もありだなと思うようになりました。
──最後に,これからROを始める方に向けて,一言お願いします。
花江さん:
長く続いているMMORPGなので,優しい人が多いと思うんですよ。それに,人と交流しながらゲームができる,見ず知らずの人とリアルタイムで遊べるのは本当にいいものだと思います。ぜひ,やってみてほしいですね。
──本日はありがとうございました。
花江さんがボイスを担当した「新人広報員 聖なる花江」は,アニバーサリー期間だけでなく来年のアニバーサリーまで,つまり2020年11月末頃までずっとゲーム内に配置される。実は通常の会話以外にも季節によってしゃべる内容が変わるとのことで,1年を通してボイスを楽しむことができるようだ。
もしかしたら,クリスマスやお正月といった,特定の日のみのボイスもあるかもしれないので,こまめに話しかけてみよう。
このほか,アニバーサリーサイトで17周年をお祝いする花江さんのボイスメッセージが聞けたり,花江さんの公式チャンネルでゲーム実況動画が配信されたりと,今年のアニバーサリーは花江さんが盛りだくさんな内容となっている。
ウルドワールドは2020年1月28日までフリープレイ期間となっているので,ぜひこの機会にROの世界に入って,「新人広報員 聖なる花江」とのおしゃべりを楽しんでみよう。
「新人広報員 聖なる花江」特設ページ
「ラグナロクオンライン」公式サイト
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