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Diabloシリーズが20周年だから,初代「Diablo」の再現ダンジョンで遊びつつ当時を振り返ってみた
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印刷2017/01/21 12:00

プレイレポート

Diabloシリーズが20周年だから,初代「Diablo」の再現ダンジョンで遊びつつ当時を振り返ってみた

 Blizzard EntertainmentのアクションRPG「Diablo」(以下,Diablo I)が1996年の末に発売されてから,20年が経過した。2017年1月には,Diabloの20周年を記念するイベントが大々的に行われたことからも,その影響力の高さがうかがえるだろう。
 今回は「Diablo III: Reaper of Souls」PC / Mac / PS4 / PS3)で現在開催中のアニバーサリーイベントを紹介すると共に,20年前のDiablo I発売当時の頃を振り返ってみたい。

Blizzardがサービスを行っている全タイトルでアニバーサリーイベントが行われていたが,ほとんどは終了している。Diablo III内でのイベントは2017年1月中の開催予定だ
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「ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション」公式サイト

「Diablo III」公式サイト(英語版)



アニバーサリーイベントで「Diablo」が丸ごと復刻

ButcherやDiablo,そしてGodly Plate of the Whaleも


 Diablo IIIにおけるアニバーサリーイベントでは,Diablo Iのゲーム内世界を丸ごと復刻したエリアが用意されている。「こちら」の記事でも紹介しているが,あえて20年前の雰囲気を再現しているのが特徴で,わざわざ画面全体にピクセルの粗いフィルタが施されていたり,マイキャラの向きも8方向に制限されていたりするのだ。

画面全体がピンぼけしたような感じだが,これは同社曰く,特製エフェクト“Glorious Retrovision”によるもの。ちなみにDiablo Iの解像度は640×480ドットで,無理矢理引き延ばすとこんな感じだ
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Adventure modeのAct1序盤(The Old Ruins)に出現したポータルを通じて,呪われた街“Tristram”へ移動できる。もっとも,このTristramに生きている人間は一人としていない。そういえばDiablo IIでも似た展開が用意されていた
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 ダンジョンは全16階+αの構成で,各フロア(Dungeon / Catacombs / Cave / Hell)や雑魚モンスターなどもDiablo Iにちなんだデザインだ。もちろん,The ButcherSkeleton KingLazarus,そしてDiabloといったボスモンスターも待ち受けている。

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The Butcher
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Skeleton King
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Lazarus
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Diablo

 また道中では,King's Sword of HasteArche-Angel's Staff of the Apocalypseなど,Diablo Iでは垂涎だったレアイテムの数々(の名前を冠したジョークアイテム)も得られる。その中にGodly Plate of the Whaleが含まれているのも,Blizzardらしい洒落っ気を感じさせられる。

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なんと地下1階で“KSOH”(の偽物)がドロップする。ちなみにGodly Plate of the Whaleは,Diablo Iで最も多く流通していたDupeアイテムだ。セーブデータをローカルに保存していたDiablo Iは,CheatやDupeに終始悩まされていた
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 見た目はレトロ調のイベントダンジョンだが,基本システムや操作感などがDiablo IIIから変わっておらず,仮に若いゲーマーが見ても古臭いとしか思えないかもしれない。しかし当時の経験者であれば,本稿で触れていない部分も含め,きっと懐かしい気分に浸れること請け合いだろう。

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Diabloを倒すだけならサクっと終わらせられるが,隠し要素もあり,最後は“モーモー牧場”に到達できる。ちなみにDiabloと牛は切っても切れない関係(?)だが,これはDiablo IのTownで“Cow”が意味もなくクリックできたことで,ユーザーサイドが勝手に盛り上がったことがそもそもの発端だ
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チラシの裏っぽい昔話:俺も20年前はフレッシュミートだった

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 1996年といえばWindows 95が登場した翌年で,オンラインゲームはおろか,インターネットの定額サービスすら普及していない時代である。当時の自分は,毎晩テレホタイムになった瞬間にニフティサーブに接続しては,「インターネットってすげー!」と興奮していたようなガキンチョで,そんな頃に出会ったDiablo Iには心底衝撃を受けた。
 もともと,Wizardryなどの海外産RPGをはじめ,アーケードゲームの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」「ガントレット」や,「ダンジョンマスター」(※3D RPGではなくアスキーのMSX向けゲーム)などの協力プレイが好きだったこともあり,Diablo Iにはハマるべくしてハマった感じだ。

 今でこそ当たり前すぎて,当時受けたインパクトを的確に伝えるのは難しいのだが,画面の向こうにいる知らない人と同じゲームをリアルタイムで共有できるというのは,まさに革命と呼ぶに相応しいものだった。
 また,当時のプレイヤーの誰もが,オンラインゲームの初心者だったことも大きい。同じ価値観で遊べる仲間はオンラインゲームを面白くするための欠かせないエッセンスだが,その点においてもベストの環境だったと思う。

 Diablo Iのゲームバランスは全体的にシビアで,死亡すると装備品を地面にバラ撒くだけでなく,Public GameではPKに耳を引きちぎられ,Private Gameでも仲間のFireballやWindforceによる誤射で耳を引きちぎられ,珍しく親切な人にアイテムを譲ってもらってもGPOWだったとか,散々な目に遭うことも少なくなかった。しかしそういったトラブルすら,悲喜こもごものエピソードとしてチャットルームでの笑い話にするために待ち望んでいた記憶がある。

オンラインに対応したクォータービューかつ俯瞰視点のアクションRPGは,今でこそ定番のゲームジャンルだが,その礎は20年前のDiablo Iによって築かれたといっても過言ではないだろう
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マジックアイテムの効果がPrefixとSuffixで別々に付与されるため,膨大なバリエーションがあり,目当てのレアアイテムを発見したときの喜びはひとしお。RingやAmuletがドロップしたときの「チーン」という音を聞いた瞬間の胸の高鳴りは今も忘れられない
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 日本人プレイヤーが集まるデフォルトのロビー用チャンネルは「Diablo Retail JPN-**」だったが,中規模以上のコミュニティの内いくつかは独自のチャンネルを作っていた。得てして,そういった場所には個性的なプレイヤーがいるもので,「凄腕のDuelist達がたむろしている」とか「PlayOnlineやゲーム批評の関係者が来るらしい」とか「ローマ字じゃなくて日本語(2byte文字)でチャットしてるけど,あれはなんだ」などといった噂話を耳にしては,新たな出会いを求めて赴くのも楽しかった。

画像集#031のサムネイル/Diabloシリーズが20周年だから,初代「Diablo」の再現ダンジョンで遊びつつ当時を振り返ってみた
 もちろん,自分も彼らと同じ穴のムジナだったので,気の合った連中とHell/Hellを一掃するタイムアタックを狙ったり,強力すぎるChain LightningやKSOHを封じてLightningやKing's Staff of Haste(KSOH)で攻略したり,1フロアを攻略するのに2〜3時間掛かるMODを作ってもらったりと,妙な遊び方を模索しながら,夢中に遊び続けていた。テレホタイムが終わる朝8時まで遊び,眠い目をこすりながら出社するのもザラだった。

 またゲーム外では,Diablo IのCD-ROMを手に,PCを持っている友人の家を片っ端から回って布教したりもした。7〜8名の家を渡り歩いて全員がハマり満足感を得たが,その一方で普通にダイヤルアップ回線でbattle.netに接続していたため後日数万円規模の請求書が届き,ダイヤルQ2と勘違いした家族へ,菓子折を持って謝りに行ったこともある。

Diablo Iのプレイヤーはほぼ全員がオンラインゲームの初心者であった。オンラインを通じてのコミュニケーションそのものが楽しくて,ダンジョンに潜らずともチャット目的でbattl.netに夜な夜な入り浸っていた人も珍しくなかった
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 そんなこんなで半年くらいが経過し,流石にそろそろ遊び尽くしたかなと思っていたところ,battle.netのチャットで「なんかUltima Onlineっていうゲームが出るらしいよ」といった話を耳にするようになる。そして当時の仲間と一緒にUOにも死ぬほどハマり,1年半が経った頃,今度はBritanniaやKALIやIRCのチャットで「なんかEverQuestっていうゲームが出るらしいよ」と(中略)。

画像集#021のサムネイル/Diabloシリーズが20周年だから,初代「Diablo」の再現ダンジョンで遊びつつ当時を振り返ってみた
 そこからさらに1年後,当時あったオンラインゲーム専門誌でEQなどの攻略記事を書いていたライター集団に,「いま手元にDiablo IIのαテスト用アカウントがあるんだけど」と声を掛けられてこの業界に飛び込み,その後も古今東西のオンラインゲームを遊びまくって(その合間にたまに原稿を書いて)いたら,いつの間にかDiabloも20周年である。

 現在のDiablo IはWindows 10では遊ぶことができず,同社が無料公開しているClassic Gameにも含まれていない。当時のファンサイトの数々もサーバーから消されており寂しい限りだ。ついでに言うと自分もフレッシュミートとはいえない年齢になってしまったが,それでもDiablo Iが色々な意味で思い出深い,大切なタイトルであることに変わりはない。そんなわけで今でも時折,昔のURLをInternet Archiveで眺めて感慨にふけっていたりする。

2000年には「Diablo II」が登場。スピーディーで爽快感溢れるゲームプレイを実現し,ハクスラとしての完成度も高まったが,個人的には緊張感や恐怖などは若干損なわれた気がしている
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当時はDiablo Iの後にもUOやEQなどが立て続けに登場し,オンラインRPGのジャンルがめまぐるしく進化していった。洒落にならないくらいハマって後悔している人もいるかもしれないが,おそらく自分は,仮に人生をやり直せたとしても同じように過ごしてしまうだろう
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発売時のバランス不備は見事に払拭

ハクスラ最高峰のDiablo IIIを今こそプレイしよう


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 さて,話をDiablo IIIに戻すが,2012年に鳴り物入りで登場したものの,その当時のゲームバランスはお世辞にも良いとはいえなかった。リアルマネートレード(RMAH)を前提にしたゲームバランスなどが不評を買っていたのは明白で,購入したけどすぐに離れてしまった人も多いだろう。

 しかしその後のDiablo IIIは,継続的なアップデートによりバランスが再調整されている。RMAHやInfernoは撤廃され,拡張ディスク「Diablo III: Reaper of Souls」(2014年)の追加コンテンツなどにより,その名に相応しいアクションRPGへと変貌を遂げているのだ。
 もし,Diablo IIIの発売直後の印象がまだ根強く残っている読者がいたら,ぜひ今回のアニバーサリーイベントを機に再開してみてほしい。Diabloシリーズに対する思い入れの深い人ほど,きっと良い意味で裏切られるはずだ。

詳しくはレビュー記事も見てもらいたいが,現在のDiablo IIIは「次のリフトに挑戦したら寝よう」と思っていても「やっぱりあと1回」と繰り返してしまう,ハクスラの鏡といえるタイトルである。今後はDiablo IIにちなんだ新クラス“ネクロマンサー”も実装予定だ
画像集#022のサムネイル/Diabloシリーズが20周年だから,初代「Diablo」の再現ダンジョンで遊びつつ当時を振り返ってみた

 ちなみに,日本語版の「ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション」PS4 / PS3)は,定価3800円(税抜)の新価格で販売されている。こちらはローカライズ済み&ゲームパッドにも対応しており,英語版(Windows版)一筋だったプレイヤーからの評判も良い。一方の英語版(Windows版)は,今回のアニバーサリーイベントに関連して半額のキャンペーンが開催されているので,自分に合った方を選ぶとよいだろう。


「ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション」公式サイト

「Diablo III」公式サイト(英語版)

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    Diablo III

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    ディアブロ III

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    Diablo III(Macintosh)

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    Diablo III: Reaper of Souls

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    ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション

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    ディアブロ III リーパー オブ ソウルズ アルティメット イービル エディション

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    ディアブロ

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