新たな舞台は北米大陸！　時代の進化も表現する「大航海時代 Online」拡張パック第4弾「Tierra Americana」発表会レポート

　コーエーテクモゲームスは本日（11月27日），同社社内にて，海洋冒険オンラインRPG「大航海時代 Online」の拡張パック第4弾の発表会を行った。既報のとおり，事前に応募した中から選出された60人のプレイヤーが集まったこの発表会では，新たな拡張パックの名称が「大航海時代 Online 〜Tierra Americana〜（ティエラ・アメリカーナ）」（PC / PS3）となること，そしてオンラインアップグレードの導入が2011年2月22日予定であることなどが明らかとなった。

「大航海時代 Online」公式サイト

コーエーテクモゲームズ 専務取締役ネットワーク事業部長 小林伸太郎氏

　発表会は2部構成で行われ，第1部では，コーエーテクモゲームズ 専務取締役 ネットワーク事業部長 小林伸太郎氏が最初の挨拶を行った。小林氏は，2009年12月に東アジア地域を実装したことに触れて，「それに続く今回のアップデートでは新しい時代，文化，冒険を皆さんにお届けすることになる」と述べた。続けて上記の新拡張パックの名称を発表し，「“Tierra Americana”とは“アメリカの大地”という意味で，今回は大西洋を越えたアメリカ大陸での冒険が待っています」と説明した。また新大陸の冒険だけでなく，ヨーロッパ内陸部の都市における新たな展開や，手の加えられた「大海戦」に期待してほしいと述べていた。


　具体的なアップデートの概要は，大航海時代 Onlineの運営プロデューサーを務める渥美貴史氏と，開発プロデューサーの竹田智一氏によって説明された。
　渥美氏は，これまで本作が冒険の舞台を南米から太平洋，そして東アジアまで広げてきており，“Tierra Americana”のChapter1では北米が舞台となることをあらためて紹介。また今回は，テーマに「自由と創造の時代」を掲げ，未知なるアメリカを舞台に自由に開拓を進めていく様子や，テクノロジーや文化の発達による大航海時代の変化を表現していくと説明した。

運営プロデューサー 渥美貴史氏

開発プロデューサー 竹田智一氏

　また渥美氏は，制作コンセプトとして三つのポイントを挙げる。一つめは「新時代の到来」で，これまで大航海時代を牽引してきたポルトガルとイスパニアに続き，新興国が台頭してきたこと。そうした時代背景のもと，北米大陸が登場することになったと渥美氏は説明する。
　二つめは「“新しい時代”に向けた，システムの導入」で，プレイヤーがアメリカの大地を開拓していくシステムが登場するほか，冒険/交易/戦闘といった要素についても新しい時代に沿った内容になるとのこと。
　三つめは「大航海時代としての原点・独自性の強化」。渥美氏は，これまでの拡張パックがより舞台を広げる方向へ進化してきたのに対し，今回は「新しい時代へ進化していく」と説明する。そのため，本拠地により近いヨーロッパ地域を強化したとのことで，上級者のみならず初心者も身近に楽しめると続けた。


　竹田氏は，新システムとしてまず「新都市建設」を紹介。これは初めて足を踏み入れる北米大陸に，プレイヤー自身が街を作っていくというもので，竹田氏は「これまでの開拓地とは全然違います」と説明する。
　街は「商会」単位で発展させていくもので，街を作る場所をある程度，自由に選べるほか，街の中では自由に建造物を配置できるとのこと。会場では開発中のバージョンを使った街作りの様子が実演された。また建造物や畑，採掘場といった施設が，交易品の生産と販売に深く関わっているという。例えば「牧場」と「食品市場」があれば，牧場には「牛」がおり，食品市場には「牛肉」が並ぶ，という感じで，交易品としてこの二つが登場するというわけだ。そのほかにも，「花壇」や「樹木」といった小物も多数用意されており，建造物を飾ることもできるとのこと。竹田氏は，サンプルとして作った街並みを紹介しながら，「みなさんにはもっと素敵な街を作っていただきたい」と述べていた。



　次にヨーロッパ地域の強化に関して，竹田氏はルネッサンスによる芸術分野の発展を表現したと述べ，新たな都市として“パリ”が登場することを紹介した。パリには新システム「博物館」が実装され，冒険者の発見物オーナメントを陳列することで「文化貢献度」が上がり，称号「文化功労者」を獲得できるほか，信頼度の上昇により同時に複数のクエストを受託できるようになるという。また陳列物に応じて街のトレンドが左右されるとのことで，例えばカリブの発見物を陳列していると，街中のNPCがカリブ風の衣装を着るようになる。

パリの風景

博物館に発見物オーナメントが展示される

これが普段のヨーロッパの酒場だが，その街のトレンドによって……

カリブ文化に染まったり，

インド文化に染まったりするという具合だ

　また，新たな街“フィレンツェ”も追加され，この街に「メディチ家工房」が実装される。プレイヤーがメディチ家に交易品の情報を提供すると「産業貢献度」が上昇。さらにメディチ家が新製品の開発に成功すると，情報を提供したプレイヤーにメディチ家秘伝の「特製レシピ」が伝授されるとのこと。会場では特製レシピによって生産できる衣装や料理が紹介されたが，海戦で使用できる兵器などもあるとのことだ。
　なお，続くチャプターではさらなる有名都市と，それにちなんだシステムが登場するという。




　また，国家への貢献が認定されたプレイヤーが，国家のために活動する「王立艦隊」に任命されるというシステムが実装される。王立艦隊に所属するプレイヤーが名声を得るような行動を取ると，「国威」が高揚していき，やがて「大海戦」が勃発する。つまり，これまでイベントでしか発生しなかった大海戦を，プレイヤー自身の行動によって起こすことが可能となるわけだ。
　大海戦自体も大きく変わり，軍人だけでなく，商人と冒険者にも司令部が置かれ，さまざまな立場のプレイヤーが参加できるようになる。新しい大海戦では，攻撃対象となる街に要塞が築かれるようになるのだが，軍人が敵の要塞を攻撃し，商人が自国の要塞を強化，そして冒険者は敵の要塞に潜入し破壊工作を行うといった役割を担うことになる。敵の要塞を破壊すると，大海戦中でもその街で投資が行えるようになるというメリットがある。これまでにはなかった，街（要塞）にむけて大砲を撃つシーンは新鮮だ。

王立艦隊

もちろん新船も登場

　そのほか新時代の到来を象徴する3人のキャラクターも登場。アメリカ開拓を志す女性「ジュスティーヌ」，メディチ家当主「ロレンツォ・デ・メディチ」，そしてヨーロッパの傭兵隊長「アルブレフト・フォン・ヴァレンシュタイン」の3人で，竹田氏は「どのようにゲームに登場するか期待してください」と述べていた。

画像の左から，ロレンツォ・デ・メディチ，ジュスティーヌ，アルブレフト・フォン・ヴァレンシュタイン

　また船関連では，アメリカで活躍した新型船が登場するほか，船の「再強化」が登場する。再強化を行うことで，乗船の必要レベルが上がる代わりに，船の強化上限が引き上げられ，潜在能力を引き出す……つまりより強化できるというわけだ。レベルの低い船ほど，強化回数が増加するとのこと。
　さらに「貸金庫拡張」や，二強体制が崩れたことに伴う「領地の再設定」，主に初心者に向けた「委任航行」「郵便」「ワールドチャット」などが実装される。


　このほか，Tierra Americanaは，従来の拡張パック同様にチャプター制を導入しており，これまで紹介してきた要素はすべて「Chapter 1“Atlantic”」にて実装されるとのこと。なお，アップデート予定日は既述のとおり，PC/PlayStation 3とも2011年2月22日となる。またプレイ期間50日間，特典アイテム5点がついたパッケージ版も同日に発売される。価格は，7140円（税込）となる。
　Tierra AmericanaのChapter 1“Atlantic”が実装されるまでの期間には，ゲーム内でTierra Americanaのプレイベントが行われ，また並行して，現行のEl Orienteのアップデートとイベントが実施されることも発表された。

坂本三佳さん

　続いて，ゲストにTBSの人気テレビ番組「世界ふしぎ発見！」のミステリーハンターとして活動するタレントの坂本三佳さんが登壇し，自身が訪れた世界各地のエピソードを写真とともに披露した。タクラマカン砂漠の名称が“一度入ったら出られない”という意味を持っていることに始まり，マチュピチュやストーンヘンジといった世界的な遺跡，カラハリ砂漠に形成されるオカバンゴ湿原，ピラミッド，パリの下水道掃除に使われる木の玉，セーヌ川にまつわる興味深い話が坂本さんから飛び出した。
　途中から，渥美氏と竹田氏も加わりトークを展開した。両氏の質問に答えて坂本さんは，カブト虫の幼虫を食べたという話や，象の群れに囲まれた話などを披露したが，極めつけは「オカルト体験」。なんでも，ペルーの遺跡の中で，スタッフの一人が機材に引っかかった頭蓋骨を思わず蹴りとばしてしまったところ，その夜に原因不明の高熱を出して，生死をさまよったのだという。遺跡内で撮影した映像にもすべてノイズが入っていたそうで，それ以来遺跡に入るときは挨拶をしてから入るのだという。坂本さんは「遺跡に入るときには謙虚な気持ちが必要」と述べていた。


　第1部最後のコーナーは，「プレイヤーの皆様からの質問にズバッと答えます 〜in コーエーテクモ〜」。これは渥美氏と竹田氏が，プレイヤーからの質問に答えるコーナーで，もっとも多かった質問は「新しく追加される海域は？」「内陸の都市は実装されるの？」とのこと。この回答は，今回発表されたアップデート内容のとおりだ。
　次に「全世界のマップを網羅したあとの展開は？」という質問には，新海域に加えて，新たな時代の概念を加えることで要素を拡張していくとのこと。竹田氏は「世界にはまだまだ秘境があるので，それをどんどん実装していきたい」と意気込みを見せていた。
　9月にオープンしたSNSとの連動については，現在，企画検討中とのこと。相場と関連したイベントに関しては，好評を受けて同様のイベントを実施していく予定だ。また「ティークリッパー」と「一等戦列艦」へのテコ入れは，「行います」と竹田氏が力強く返答。新エモーションについては，今回のアップデートに間に合わなかったものの，「とっておきのもの」の準備を進めているというので，今後の発表を楽しみに待ちたい。

　第2部では「ユーザーカンファレンス」と称して，会場に集まったプレイヤーと大航海時代 Onlineの運営・開発スタッフとの交流会が行われた。ここではスタッフによる開発や運営にまつわるエピソードが披露されたほか，一足早いクリスマスプレゼントということで，ゲーム内アイテムを賞品にしたクイズ大会や，PlayStation 3などの豪華景品を賭けたビンゴ大会が行われた。
　その中でも耳寄りな話題は，プレイヤーが所有できる船の枠を増やせないかどうかについて，竹田氏と開発の内田氏が「前向きに検討する」と発言した点だろう。とはいっても，まだ実現可能と確定したわけではなく，検討の結果，見送りになる可能性もある。早合点せず，今後の発表を待ってほしい。

ユーザーカンファレンスでは，スタッフの山田氏（左）と内田氏（中央）が登壇し，運営・開発にまつわるエピソードを披露した

ゲーム中に登場する「ププランツリー」の実物も登場！

　最後の挨拶では，渥美氏が「大航海時代 Onlineが，こうして新しい時代に入ることを発表できて大変嬉しく思っています」とプレイヤーに感謝を述べた。また竹田氏は「今日，いくつかお約束をしましたので，これから何とかなるかどうかスタッフでミーティングを行います」と述べ，一連の発表会を締め括った。

坂本三佳さんも，クイズ大会やビンゴ大会に参加した

ビンゴ大会の一等は，PlayStation 3と，坂本さんが提供したエジプトのミイラ（のレプリカ）。凄い取り合わせだ

「大航海時代 Online」公式サイト