インタビュー
KeNNy,uNleashed & fumio×MSY。「ゲーマー視点でRazer Mambaを評価する」座談会レポートを掲載
→Razer Mambaレビュー(前):アウトライン編
→Razer Mambaレビュー(後):使い勝手編
今回行われたMambaの座談会は,Razer USAの国内正規代理店であるMSYからの依頼によるもの。マウスの座談会といえば,2009年3月に掲載した「SideWinder X8 Mouse」(以下,SideWinder X8)に関するものが思い出されるが,MSYとしては,同じハイエンドクラスの製品同士を同じくゲーマーの視点で比較してもらいたいという思いがあってのことだろう。
→「SideWinder X8はゲームで使えるのか」座談会レポート
7月11日に行われた座談会は,SideWinder X8のときと同様,国内FPSコミュニティの有名人であるKeNNy氏,uNleashed氏,そして,4Gamerのマウスレビューでおなじみのfumio氏が集まり,それぞれに忌憚のない意見を述べてもらったのだ。
また,MSYエンターテイメント事業部 マーケティングチームの近藤俊介氏と,同R&Dチームの竹内周平氏も参加し,出席者からの質問などに答えてもらった。というわけで,今回はその様子をお伝えしよう。
形状面では三者とも不満なし
だが,センサーに多少の違和感?
――さっそく始めたいと思います。SideWinder X8のときと同じく,まずは,実際触ってどういう印象を受けたかを,順番に聞かせてください。
KeNNy氏:
僕の場合,最初に送ってもらったマウスに「ポインタが飛ぶ」という,かなり違和感のある動作が見られましたが,別の個体と交換してもらったら正常に動きました。
交換後の第一印象としては,この形がすごく持ちやすく,“つかみ持ち”タイプの自分にフィットしますね。マウスのクリック感も柔らかくて押しやすいです。
センサーについては,ちょっと浮かしただけでもポインタが反応しなかったりするのが気になります。僕はそうやって浮かし気味にマウスを動かすんですが,そうすると正常に動いてくれなくて違和感ありです。リフトオフディスタンスが短いせいでしょうか。
fumio氏:
センサーに関しては,それ以外,とくに不満はないですが,ガラス製のIcemat(※「Icemat Purple 2nd Edition」)とは相性がよくないですね。「Razer Destructor」上で使う分には全然問題ありません。形状的な部分はDeathAdderプラスαという感じで,かなり持ちやすいと思います。
竹内氏:
fumioさんの持ち方は,指を3本乗っけるスタイルですよね。
fumio氏:
そうですね。いろいろ変えてみたこともありましたが,結局この持ち方に落ち着いてます。こういう持ち方をするときって,マウスの中心が手の中心と重なる左右対称形のマウスのほうがやっぱりいいのかな。
uNleashed氏:
だけどMambaの場合,奥のほうで「つまみ持ち」もできるし,かなり手前を持つこともできる。持ち上げるときにも横のくぼみの部分がフィットするという,非常に素直な形のマウスだと思います。
センサーに関しては,「布との相性が悪い」と聞いていたんですけど,ファームウェアとドライバを最新にして使った限りでは,違和感はなかったですね。ただ,持ち上げるときに予期しない視点移動が起きることは何度かありました。リフトオフの関係なのか,持ち上げ方が悪いのかは不明ですが,まあ,これは慣れの問題なのかな。
短ければいいわけではない?
理想的なリフトオフディスタンスとは
――リフトオフディスタンスについての話が出てきましたが,MSYではそのあたりの情報を何かお持ちでしょうか?
竹内氏:
ただ,実際に短くしてみるとゲームプレイにうまく合わなかったりという場合もあると思いますので,新たなファームウェアでリフトオフディスタンスの調整を行ったり,調整機能が追加されるということはあるかもしれません。
近藤氏:
ちなみに,リフトオフディスタンスについて,皆さんの理想的な距離というのはどのぐらいなんでしょうか? 今まで使ってきたマウスに慣れてしまって,それが自分にとって一番心地よい距離ということはあると思いますが。
uNleashed氏:
基本的に,そういうことではないでしょうか。
KeNNy氏:
感覚的ですよね。
fumio氏:
でも,それにしては短いような感じがする。もしかしたら,1円玉の厚さ以下の部分で微妙に感じる何かがあるのかも,というところなんですが。
――若干“暴れて”いますよね。最初のファームウェアだと相当暴れていたように記憶していますが,そのあたりがまだ,現状のファームウェアだと改善しきってないのかもしれません。
fumio氏:
そうそう。僕はしばらくの間,出荷時の状態のファームを使っていたんです。そのときは短さがとくに気にはならなかったのが,数日前にアップデートしたとたん,気になり始めたんです。ファームウェアでそのあたりが調整されてたりするんでしょうか?
竹内氏:
それはあるかもしれないですね。布製パッドとの相性問題をファームウェアで改善した結果,逆にリフトオフディスタンスが短くなってしまったのかもしれない。もしくは,単純に仕様が変わってしまったことも考えられます。ただ,そのあたりはやはりRazerに聞いてみないと,断言できません。
ちなみ,今ちょうど1.08のファームウェアの準備をしているということで,またいくつか改善点があるようです。先日1.05のドライバをリリースしていますので,そちらと合わせてようやく完成度が高くなってきたとRazerは言っていました。
――その,発売から安定するまで時間がかかるというのは,どうにかならないんですか?
一同:
(笑)。
近藤氏:
ただ,Razer側にはそういった問題点を極力細かく直していくように言っておりますので,段階的にですけれど,安定していくと考えております。もちろん最初から完全版が出るのが理想的なんですが。
やや分かりづらいファームウェアのアップデート
サポートはあるが,ソフトウェアの日本語化が待たれる
――せっかくなので,ファームウェアについてほかに何か意見はありませんか? 具体的にはセンサー周りのことになるかと思われますが。
KeNNy氏:
ええと,ファームウェアをダウンロードしてインストールすればそれでアップデートされたものだと思っていたんですが,さらに,インストールしたファイルを実行する仕組みだったんですね。それに気づかず,ずっと古いファームのまま使ってました(笑)。
――ぱっと見て,少なくとも分かりやすくはないですよね。せめて日本語化されていればかなりマシなんでしょうが……。(近藤氏に向かって)ファームウェアのアップデータを日本語化する予定はないんですか?
近藤氏:
また弊社に電話してもらえれば正しいアップデートのやり方をサポートさせていただいてますので,少しでも「怖いなあ」と思った場合,ご連絡をください。きちんと対応させていただきます。
uNleashed氏:
ファームウェアに関してですが,私の環境の問題なのかもしれないんですけど,アップデートするときにソフトがハングアップして,それで何回かUSBを抜き差ししてるうちに正常に終了したということがあって,あれはちょっと怖いなと思いましたね。
――ああ,ウインドウ固まりますね。1回でもRazerのハイエンドマウスを使ったことがあれば,「いつものこと」と片付けられます。
竹内氏:
Razer曰くですね,「以前はファームウェアのアップデートが失敗したら最悪使えなくなってしまうこともあったけど,その点,今回はかなり堅牢に作った」とのことです。一度失敗したと思っても,そのあとでちゃんと正常に終了させられれば,普通に使えるようになるそうです。
uNleashed氏:
どんどんファームを更新するタイプだから,それはありがたいですよね。
竹内氏:
失敗したと思っても弊社にお電話いただいて,それでもできないということになりましたら,こちらに送っていただければアップデートしてお返しいたします。
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