ムービー
[GC 2007#103]あの海辺の家はどこへ続いているのか? 「Crysis」,13分にもおよぶ直撮りプレイムービーを掲載
これは,7月のE3 Summit前後から公開され始め,すっかりおなじみとなった例の海辺の家とその周辺を舞台とするシーン(関連記事)からスタートするが,そこから続くマップが約13分にわたって収録されたムービーである。少なくとも,このマップに関してはほぼネタバレ状態だと思われるので,製品がリリースされたあと新鮮な気分でCrysisを楽しもう,と思っている人は注意してほしい。
なにしろ,あの海辺をどっちへ進むと何が起きるのか,すっかり分かってしまうのである。ムービーの終わりには,次のマップへとつながるムービーシーンが登場し,驚くべき怪異現象に出会った主人公ら特殊部隊兵士達が困惑する様子が収められている。そこへいきなり出現したのは想像を絶するエイリアンの姿だった……。
また,取材班は8月22日に行われた個別インタビューにも参加したが,そこではデベロッパであるCrytekのCEO,Cevat Yerli氏が自らが,初公開の新マップ“Ice”の解説をしてくれた。Iceは,墜落してしまったエイリアンの宇宙船のせいで一面が凍りついた地帯で,そこから見捨てられた廃坑を経て,宇宙船に侵入するというものだ。
Yerli氏は,ナノスーツの機能を見せるため画面を三人称視点に切り替え,透明になったり,ハイジャンプをしたり,Strengthを増して岩を持ち上げてくれた。もっとも,製品版には視点切り替えのオプションはつかないそうで,これはあくまでデモのみの機能だ。Strengthを増すことで,敵やオブジェクトを素手で吹き飛ばしたりできるが,それ以外にも照準がブレなくなるなどの副次的効果がいろいろとあり,ナノスーツをいかに使いこなすかがゲームの大きな興味となる。
Crytekの前作である「Far Cry」の難度は高すぎたのではないか? というこちらの質問に対し,Yerli氏はそれを認め,そのために導入されたのがナノスーツだと語る。Far CryのAIは出来が良く,そのため,かえってハイレベルのAIをプレイヤーが実感できなかった。なぜなら,正面きって撃ち合えばAI側に分があるため,プレイヤーはどうしても遠距離攻撃を多用することになるからだ。
こうした問題を回避し,戦いにリアリティを与えつつ近距離の戦闘を楽しむためにナノスーツや武器のカスタマイズ機能などが導入されたのである。もっとも,本作は前作よりかなりAIのレベルが向上してもいるので,ゲームバランスにはかなりの注意を払っているとのことだ。
一つのマップにはさまざまな進行ルートが考えられ,戦略の幅も広がっている。とはいえCrysisはあくまでアクションゲームであり,タクティカルシューターではないので,特殊部隊の仲間に命令を下すといった機能については考えられておらず,複雑な戦略を工夫するというゲーム性ではないのである。と,以上に述べたようなことは,すでにさまざまなメディアにも書かれてはいるが,CEO自らの口から説明されたということで,やや冗長だったかもしれないが,書き加えた次第。
Crytekのオフィスはライプチヒから車で数時間のハンブルグにある。6:00AMにハンブルグを出発し,11:00AMからのメディアミーティングをこなすYerli氏は,ついうっかり自分の名刺を机の上に忘れてきちゃったものの,終わり次第ハンブルグにとって返し,Crysisの最後の追い込みを続けるという,かなり多忙な様子であった。社長もなかなか大変である。
最後に「これまで何度か遅れてきましたが,11月16日の発売は大丈夫ですか」と聞いたところ,発売日のほとんどはメディアが勝手に予想したものであり,公式にアナウンスするのは今回が初めてとなるはず。いずれにせよ発売日は間違いない,とのこと。時間が限られていたため,Crytekのキエフスタジオでスタートした新プロジェクトなど,興味深い質問は先送りとなったが,ともあれ発売まで残り3か月。それまでここに掲載したムービーなどを見て盛り上がっていてほしい所存だ。
ただし,何度も言うように,かなりネタバレ的なムービーでもあるため,「発売されるまで,何も分かりたくない」というストイックな方はご注意であります。(松本隆一)
→ムービーのダウンロードは「こちら」(13分40秒:WMV)
ダウンロード詳細:720MB(755,741,593バイト)
- 関連タイトル:
クライシス 完全日本語版
- この記事のURL:
キーワード
(C) 2007 Crytek. All Rights Reserved. Crytek, Crysis and CryENGINE are trademarks or registered trademarks of Crytek. EA and the EA logo are trademarks or registered trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. All other trademarks are the property of their respective owners.