レビュー
「プロサッカークラブをつくろう!ONLINE」で実施された,「プレシーズントライアル2nd」のプレイレポートを掲載
今回は,3月28日から4月13日という期間で行われた「プレシーズントライアル2nd」のプレイレポートをお届けしよう。プレシーズントライアルは,クローズドβテストに相当するもので,テスト自体はこれが2回目。1回目は2006年12月に「プレシーズントライアル」として行われている。以前,1回目のテストを元にした広告特集を掲載したが,仕様面でいろいろと変更されている点が多いので,あらためて基本的な部分も説明しよう。
■おらがクラブでヨーロッパサッカー界に殴りこみ!?
また,どの国にどれだけのプレイヤーが参加しているのか,という表示も出るので,クラブをどこに作るかは,そのあたりも参考にするとよさそうだ。とはいえ,今回はテストということもあり,あれこれ考えずヒラメキでイングランドを選択してみた。
クラブを作る国とその名を決めたら,次はアンケート形式の質問に答えていくことになる。質問事項は「代表(プレイヤー)の経歴」「このクラブでどんなサッカーを目指すのか」「選手達に求めるものは何か」など。最後に「プレイ方針」と「中心選手タイプ」を決めると,スカウトによって有力選手がリストアップされる。この中から一人を選択すると,それ以外の選手/監督が自動的に決定し,クラブが作成されるという仕組みだ。
ここで選ぶ中心選手は,確実に序盤の牽引役となる。攻撃的なチームを目指すならFWを,守備的なチームならDFやDMFを中心選手に選ぶといいだろう。
初期状態では,クラブにいる選手の能力はお粗末なもの。先ほど決定した中心選手以外は,軒並み低いランクの選手ばかりで,システムの理解度も低い。こんなどん底ともいえる状態から,練習を日々積み重ね,優秀な選手を獲得しながら,クラブを強くしていくわけだ。
本作では,ゲーム中の時間は,プレイヤーがログインしていない間も自動的に進行していく。一度クラブさえ作ってしまえば,ログインせずに放置していてもゲームは進んでいくのだ。ただし,もちろん放っておくだけでは強くならない。選手をしっかり練習させたり,スカウトに優秀な選手を探させたりと,適切な指示を出していく必要があるわけだ。
もっともこれらの指示を行うのに,それほど時間がかかるわけではない。公式サイトのうたい文句通り,一日わずか10分程度の接続でもなんとかなる。とはいえ,契約が切れてしまった選手は試合に出場できず,そういった選手がチーム内にいた場合は,自動的に仮の選手が補われてしまう。仮選手の能力は低いので,チーム力を維持するためには,あまり長期間放っておくというのは,得策ではない。1日の接続時間は短くても問題ないが,頻繁に接続する必要がありそうだ。
■2タイプの試合形式で自動進行するゲームシステム
この過程で,ほかのプレイヤーのクラブとも,直接試合をすることになる。しかし,同じ国,同じディビジョンにいるプレイヤーが,全員同一リーグ戦でプレイするわけではない。一つのリーグ戦で同時に戦うのは,同じ国/ディビジョンの中からランダムに選ばれた16チーム。各チームが,ホーム&アウェイで全30節の試合を行い,順位を決定するのだ。なお,1年のリーグ戦に要する時間は,実時間にして4日間となる。1年=4日間が過ぎると,昇格・降格・残留などでディビジョン編成が更新され,また新しいサイクルが始まるというわけだ。個人的には,1シーズン4日という時間は,長すぎもせず短すぎもせず,かなり絶妙だと感じた。
上のディビジョンに行けば行くほど,スポンサー収入は多くなり,経済的に潤い,スタジアムやクラブハウスなどの施設を拡充しやすくなる。とはいえ,すべての人がDivisionでの優勝を目指す必要はない。現実のサッカークラブがそうであるように,ある程度の選手を育て,ほかのクラブに売りながら生計を立てるという中堅クラブ的なプレイもアリだろう。
また,メインのリーグ戦とは別に,カップ戦形式の大会も用意されている。カップ戦は,短ければ2時間ほど,長くても8時間ほどで完結する大会だ。カップ戦は,常にいくつか開催されており,その中から自由に参加できるものと,各国のリーグ戦上位チームだけが集められた「招待カップ」がある。大会ごとに賞金や賞品(主にカード)が設定されているので,だいたいはそれを目当てに参加するわけだが,いい賞品の出る大会には当然多くのプレイヤーが集まってくるので,そのあたりの駆け引きも重要だろう。なお,クラブのランクが高くなればなるほど,より高グレードのカップ戦に挑戦できるようになり,賞金,賞品もどんどんよくなっていく。
ただし,カップ戦に出ると,選手に疲労が溜まってしまうので注意が必要だ。筆者は,控えのメンバーが十分でない序盤にカップ戦に出場しすぎてしまい,リーグ戦での成績が落ちてしまうということがあった。このあたりは,現実のクラブ事情を反映しているようで面白い。
これら試合の結果により,クラブには行動ポイント(AP)や,ランキングポイントが与えられる。APは,プレイヤーがさまざまな行動をとる際に消費されるポイント。これが不足すると,各種施設の拡充や,カード(後述)の追加購入ができなくなる。一方のランキングポイントは,ゲーム内でのクラブのランキングに影響してくる。
ちなみに,試合が行われているときには,実際にそれを観戦可能だ。試合は3Dアニメーションで再生されるが,本家「サカつく」のように,試合中に直接指示は出せない。ゲームプランやフォーメーションなどは,試合前にチーム編成画面で設定しておく必要がある。
■育成の鍵を握る2種類のカード
カードは大きく分けて2種類。選手のスロットにセットして個人の能力を上げるスキルカードと,スカウトを派遣する際にセットして,いい選手/監督の発見確率を上げるスカウトカードだ(ちなみに,前回のテストにあった戦術カードと応援カードはなくなっていた)。スキルカード,スカウトカードともにさまざまな種類があり,組み合わせることでより大きな効果を発揮する。また,各種カードには,コモン,アンコモン,レア,レジェンドの,4段階のレアリティがある。レアリティが高いほど効果も高いが,その分手に入りにくくなっている。
カードは基本的に使い捨てなので,とくにスキルカードはどの選手に対して使うか,よく考えてからセットしたほうがいい。序盤のランクが低い選手は,2年,3年とゲームが進むにつれて,よりランクの高い選手とどんどん入れ替えていくことになる。そんな選手に大事なカードをセットするのは,かなりもったいない。高いレアリティのカードは,末永く活躍してもらいたい有力選手を選んでセットしたいところだが,なかなか有望な選手が見つからないこともあり,このあたりのジレンマがまた楽しい。さしずめ,敏腕コーチは雇えたが,それに見合う,才能に溢れた選手を見つけられないといったところだろう。
また選手のスロットにはすべてのカードがセットできるわけではなく,レジェンドカードをセットできない選手などもいる。このあたりは,選手の潜在能力を現しているといえるだろう。単純な能力値だけでなく,スロットの種類もチェックしたうえで選手を獲得しよう。
スキルカードやスカウトカードは,基本的に「カード購入」コマンドによって入手する。「購入」とはいうものの,お金は使用しない。リーグ戦の試合を1戦こなすたびに,カード購入を1回行える。
カード購入の際には,まずスキルカードかスカウトカードのどちらを購入するか決めなければならない。カード購入を実行すると,まず10枚のカードが表示され,裏返しでシャッフルされて,場に並べられる。プレイヤーは裏返しのカードの中から1枚を選ぶという仕組みだ。
運良く欲しいカードを引ければいいが,なんといっても運任せなので,なかなかうまくはいかない。1枚選択した後,まだ欲しいカードが場に残っている場合は,APを消費して2枚目以降のカードを引くこともできる。
ちなみに,カードの中には,好きなカードを選べるようになるカードや,追加で1枚カードが引けるようになる,“当たり”的なものもある。かといって,熱中してAPを使い過ぎてしまうと,ここぞというときにAPがなく,悔しい思いをすることもあるだろう。AP値には常に気を配ったほうがいい。
なお,カード購入で手に入るカードの傾向は,所属しているリーグ,クラブのランク,オフィスやクラブハウス施設の種類などによって左右される。筆者の経験上,割と同じカードが溜まっていくので,欲しいカードがある場合は,ほかのプレイヤーとどんどんトレードしたほうが効率良く集められるようだ。
■ライバル達とのコミュニケーションでチームは強くなる
6か国にはそれぞれ特徴があり,どんな国でも長所と短所が存在する。例えば筆者の所属するイングランドリーグのクラブは,経営面はまあまあだが,新人発掘力が弱い。一方,オランダのクラブは,新人発掘力に優れているものの,お金に関しては比較的窮している。つまり,この2クラブ間で金銭トレードを行えば,お互いにメリットがあるわけだ。
選手だけでなく,各種カードもトレードの対象だ。カードトレードのほうが手軽なだけに,テスト中は頻繁に行われていた。
選手の中には,決まったカードを3枚まとめてセットすることで,「プレイスタイル」を獲得できる者がいる。プレイスタイルは,戦術とうまく組み合わせることで,効果を発揮できるもの。しかし,カードの種類は非常に多いため,カード購入だけではプレイスタイルを完成させるカードすべてを手に入れるのは非常に難しい。そこでうまく利用したいのがトレード機能というわけだ。もちろんトレードも万能ではないが,トレードする相手を増やせば増やすほど,欲しいカードの入手確率は高くなっていくだろう。効率的な育成のためにも,積極的なトレードは不可欠なのだ。
また,サカつくONLINEでは,何人かのプレイヤーが集まって,同盟を作ることができる。同じ同盟に所属しているプレイヤー同士は,専用のチャットチャンネルがあり,より緊密なコミュニケーションが取れるようになっており,情報交換やトレードの面で有利。お互いの弱い部分を補える相手を見つけることは,クラブ育成上非常に重要だ。同盟のランクもあり,自分が所属する同盟が上位になるように,同盟内の黒子に徹するというプレイスタイルもありかもしれない。
そして,各プレイヤーには,Web上に「マイページ」が提供される。このページでは,自クラブの所属選手や成績など,さまざまな情報が閲覧できる。忙しくてなかなかゲームにログインできないときも,Webでマイページを確認するだけで,直近の試合の勝敗が分かるのだ。もちろん,他プレイヤーのマイページを閲覧することも可能。マイページには,日記を公開したり,メッセージを送ったりできる機能もある。サカつくONLINEプレイヤーを対象にしたSNSと考えていいだろう。
■待ち遠しすぎて仕方がない正式サービス開始
なんといっても,気軽にプレイできるのは嬉しいところ。短時間の接続でも十分に遊べるし,長時間接続していたからといってやたらと強くなるわけでもない。これだったら,ほかのオンラインゲームと並行しても問題なく遊べるだろう。
それでいて,ゲームの面白さまでがライトになったわけではない。いい選手を集め,育てて,チームを強くしていくといったサカつくのエッセンスはしっかり残したまま,オンラインゲームならではのコミュニケーションの魅力が,実にうまく融合されているといえるだろう。
正式サービス開始が楽しみで仕方ないが,その時期や課金システムなどはまだ明らかになっていない。このあたりの情報が非常に待ち遠しいところだ。(ライター:K.サワノフ)
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プロサッカークラブをつくろう!ONLINE 2
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