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オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載
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印刷2010/03/10 11:05

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オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載

画像集#006のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載
画像集#007のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載
 オートデスクは,Game Developer Conference 2010の開催に合わせて,同社のCG関連ツールで主力製品のアップデートを発表した。
 オートデスクといえば,「Autodesk 3ds Max」や「Autodesk Maya」「Autodesk Softimage」といった,現代の代表的な3DCGツールを一手に扱っている会社である。製品を見る限りだと4Gamer的にはあまり関係ないのだが,これらのツールはゲーム制作でも必須のものとなっており,そのアップデートは,今後出てくるゲームと無関係ではない。ということで,オートデスクの主力製品とゲーム用ミドルウェアの新製品の動向について軽く紹介してみたい。

 アメリカでの発表と日本での発表で,製品群がやや異なるのだが,日本では未発表の3ds Maxを含めて,まずは,発表された主要製品群を挙げてみよう。

 3ds Max 2011(日本での発売日は未定)
 3ds Max Design 2011(日本での発売日は未定)
 Maya 2011(53万5500円:税込)
 Softimage 2011(57万7500円:税込)
 MotionBuilder 2011(61万4250円:税込)
 Mudbox 2011(11万5500円:税込)

画像集#001のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載

 上記で価格の書いてあるものに関しては,4月7日の国内発売となる。
 3ds Max 2011と3ds Max Design 2011は,本日アメリカで同時発表され,アメリカ国内では同時発売となるようだが,日本版はローカライズなどが加わる関係からか発売日がずれこむ模様。なお,3ds Max Design 2011は3ds Max 2011を建築業界向けにしたもので,機能はほぼ同じだ。
 最新版といわれても,前バージョンを知らない人がほとんどだとは思うが,ここでは全機能を解説するスペースはないので,主要3製品の新機能を中心に簡単に紹介しておこう。

●3ds Max 2011
画像集#011のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載
 3ds Max 2011では,GPUによるレンダリングが可能になった。CUDAによる実装とのことなので,NVIDIA系のGPUに限定されると思われるが,3DレンダリングをGPUベースで行えば生産性も格段に向上するだろう。
 また,Google SketchUpのデータも取り込めるようになった。余談だが,(少なくとも)昨年末までは,派生物の制作を禁止するというおかしなライセンスになっていたGoogle 3Dギャラリーも,いまではマトモなライセンスになっているので,3Dギャラリーで公開されている膨大な3Dモデリングデータを自分の作品で使うこともできるようになっている。
 そのほか,マテリアルエディタが今風のノードをつなぐタイプのものになったり,Character Animation Toolsが統合されたり,Autodesk Toxikの全機能を含んだ3Ds Max Compositeを用意したりなど,機能拡張が進んだほか,ビューポートでほぼすべての素材を確認可能になるなど使い勝手を含めた多くの改善が行われている。

画像集#012のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載 画像集#013のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載


●Maya 2011
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 Maya 2011では,UIが全面的に刷新された。機能面では,ダブルクォータニオンを使ったスキニングに対応し,キャラクターの複雑な動きでもねじれなどが起きにくくなっている。
 人体アニメーション用のフルボディIK機能として,以前からMayaには古いバージョンのHumanIKが組み込まれていたのだが,それがHumanIK 4.0ベースのものに更新された。最新クラスのミドルウェアが組み込まれることで,キャラクターアニメーションの自由度が大きく広がっている。
 また,アニメーションのリターゲット機能は,すでにあるモーションデータを頭身やデザインの違うモデリングデータに適用させる技術だが,これが大きく改善された。モーションデータを簡単に共用できるようになるため,生産性の向上が期待できる。Maya 2011のリターゲット機能にはMotionBuilder相当のものが組み込まれているという。
 そのほか,3Dエディトリアルが用意され,Maya上で3Dシーンを作成可能になるなどアニメーション機能を中心とした強化が行われているようだ。

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●Softimage 2011
画像集#010のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載
 Softimage 2011では,定評のあったビジュアルプログラミング環境ICEが強化され,キャラクターのモーションなどへも適用可能になったり,100種類のICEコンパウンドが追加されたほか,GPU PhysXを利用する処理などもサポートされている。
 アニメーション関係ではFaceRobotによるリップシンク機能が組み込まれ,レンダリング関係では内蔵のmental ray以外のレンダラとの親和性が大きく向上したほか,mental ray自体も速度と安定性が大きく向上しているという。

画像集#016のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載 画像集#017のサムネイル/オートデスクが主要製品をアップデート,ゲーム開発ミドルウェアも新機能搭載


 以上のような主要製品以外にも多くの製品がアップデートされている。
 その中でゲームにもっと直接的に関連してきそうなのは,同社のゲーム用ミドルウェアHumanIKとKynapsのバージョンアップのほうだろう。こちらについては,まだ情報が少ないのだが,発表された範囲で紹介しておこう。
 HumanIKは,人体制御専用のミドルウェアだ。ある程度決められたアニメーションパターンであっても,状況に応じて変化させながら適用していくことができ,お決まりの動作ではない自然なリアルタイム人体アニメーションを実現するものである。「Prince of Percia」や「Assassin's Creed」に使われているミドルウェアだといえば,その実力を理解してもらえるだろうか。
 今回発表された最新版のHumanIK 4.5では,さらなる進化を遂げているようだ。デモでは匍匐全身を地形に沿った自然な状態で実現できることが示されていた。これは,これまで手足だけで行われていた外界との接触判定を,身体の各部で自由に設定することができるようになり,より柔軟な状況対応が可能になって実現できたものだそうだ。


 3DCG制作環境自体がより強力なものとなり,高度な処理を肩代わりしてくれるミドルウェアもどんどん進化している。これらの開発ツールによって実現される次世代ゲームの登場が楽しみだ。
 なお,GDC会場で行われている新製品のデモを特設サイトから視聴することもできる。新製品の概要にいち早く触れたい人は,そちらもお見逃しなく。

オートデスク公式サイト

http://www.autodesk.co.jp/

バーチャルGDC

http://www.autodesk.com/pr-gdc

オートデスク、Autodesk Maya 2011をはじめとする
3次元CG制作ソフトウェアの最新版を一斉に発表


〜 3次元の表現能力や処理性能の向上、ユーザインターフェイスの刷新、相互運用性の強化を通じて、
高品位なCGを効率的に制作できるエンドツーエンドのクリエイティブワークフローを実現 〜


 オートデスク株式会社(本社:東京都中央区、社長:鬼澤盛夫)は、映画やテレビ、ゲーム、デザインなど、デジタルエンターテインメントの制作を支援する3次元(3D)CG制作ソフトウェアの最新版4製品を一斉に発表しました。今回発表された新製品は、統合3次元CGソリューション「Autodesk Maya 2011」(オートデスクマヤ 2011)、3次元アニメーションソフトウェア「Autodesk Softimage 2011」(オートデスクソフトイマージ2011)、デジタルスカルプト/3次元ペイントソフトウェア「Autodesk Mudbox-2011」(オートデスクマッドボックス2011)、リアルタイムキャラクタアニメーションソフトウェア「Autodesk MotionBuilder 2011」(オートデスクモーションビルダー2011)です。
 また、高品質なゲームの開発を効率的に行えるようにするミドルウェア2製品、「Autodesk HumanIK 4.5」(オートデスクヒューマンアイケー4.5) と「Autodesk Kynapse 7 」(オートデスクキナプス7)も発表しました。これらのキャラクターアニメーションやAI(人工知能)のミドルウェアにより、今までの工数を削減させながら、ゲームのリアリティを向上させることができます。

 今回発表した3次元CG制作ソフトウェアでは、製品開発の一部をソニー・ピクチャーズ・イメージワークス社など、業界をリードする制作会社と共同で行っており、顧客に大きな価値と先進的な技術を提供します。また、Autodesk Maya 2011は、カスタマイズ可能なユーザインターフェイスや高性能なビューポート、3次元シーン編集インターフェイスなどを新規に採用し、CG制作のワークフローを改善します。さらに、最新版4製品では、レンダリングやエフェクト、シミュレーションなどでの機能強化や、Autodesk FBXRに代表されるオープンな3次元ファイルフォーマットのサポートによるデータの相互運用性の向上により、制作者の創造力を最大限に引き出すとともに、生産性を向上します。
今回発表された各製品の特長は以下の通りです。

Autodesk Maya 2011(オートデスクマヤ 2011):
 統合型3次元モデリング/アニメーション/レンダリング・ソリューション、Autodesk Maya 2011は、既存機能の強化や新機能の搭載に加え、アップル社の64ビットMac OS X Snow Leopard.にも対応し、クリエイタの広範なニーズに応えます。
  • ノキア社のアプリケーション開発フレームワーク「Qt」をベースに改良したユーザインターフェイスにより、容易なカスタマイズを実現
  • グラフィックスパイプラインを新設計し、ビューポート内での表示の品質を向上。複雑なシーンでも高いパフォーマンスを維持
  • マルチカメラ編集機能を搭載した新型のカメラシーケンサーにより、プリビジュアライゼーションや仮想現実感のある映画の制作を効率化。AAFとFinal Cut Pro EDLのファイルフォーマットによるインポート
  • に対応
  • よりスムーズなスキニングを実現する新開発のデュアルクォータニオンやインタラクティブなボリューム・バインディング機能、ペイントスキンウエイト・ツール、デフォーマーウエイトミラーリング、ラップデフォーマー用サーフェスフォールオフモードを搭載し、よりリアルなCGキャラクタの作成を実現
  • Maya Compositeにベクターペイント機能を新搭載。ペイントストロークを使用したシーケンス全体またはフレームごとのカラーペイントやデータの公開・複製を実現

Autodesk Softimage 2011(オートデスクソフトイマージ2011):
 Autodesk Softimage 2011は、クリエイタが短時間でも複雑かつ高品位のキャラクタの作成やエフェクトができるようにする新しいレンダリングテクノロジやアニメーションツールを提供します。
  • 外部のシェーダやレンダラを自動的にホスティングするレンダリングサンドボックス
  • ICE(インタラクティブ・クリエイティブ・エンバイロメント)でキネマティクスをサポートし、リギングの概念を刷新
  • Face RobotRのフェイシャルアニメーション・ツールセットによる自動リップシンク
  • 新搭載のmental ray 2011レンダラにより、安定性の向上とレンダリングの高速化を実現。100個の新たなmental rayシェーダによって、様々な素材のシミュレーションが可能
  • 最新のNVIDIA PhysXリジッドボディライブラリに対応。NVIDIA CUDA対応のGPUオプションを追加することによって、パフォーマンスを高速化
  • Autodesk Mudbox-2011(オートデスクマッドボックス2011):
    デジタルスカルプト/3次元ペイントソフトウェアのAutodesk Mudbox 2011 は、モデルのデフォームおよびポーズの確認に有効な最新ツールです。
  • ペイントレイヤー用の新型画像調整ブラシとブレンドモード
  • ベクターディスプレイスメントマップ抽出
  • より高品位のターンテーブル作成機能
  • Autodesk MayaとAdobe Photoshopとのファイル交換強化
  • アップル社の64ビットMac OS X Snow Leopardに対応

Autodesk MotionBuilder 2011(オートデスクモーションビルダー2011):
 Autodesk Maya 2011との相互運用性を大幅に向上したAutodesk MotionBuilde 2011は、プロダクションパイプラインへの統合を、より円滑に、かつ高い信頼性で実現します。
  • スキニングおよびブレンドシェープデフォメーションをGPUで計算することで、高速な表示を実現
  • ビューポート内の対話性が向上し、数倍の再生速度を実現することにより、リアルタイム・バーチャル・プロダクション・システムとしてのソフトウェア機能をさらに強化

Autodesk FBX 2011(オートデスクエフビーエックス2011):
 Autodesk FBX 2011アセット交換テクノロジーは、オートデスク製ソフトウェア同士、さらには特定のサードパーティー製アプリケーションとの間で、より精度の高いデータ交換を実現します。
  • オープンフォーマットによりサードパーティー製アプリケーションの対応数が増加
  • エピックゲームズ(Epic Games)のUnreal Engine 3を使用するゲーム開発者は、FBXファイルをUnreal Editorに直接インポート可能となり、C++言語を使っていないパイプラインでも、Pythonプログラミング言語を使ってFBX技術を統合可能

Autodesk HumanIK 4.5(オートデスクヒューマンアイケー4.5) ミドルウェア:
 Autodesk HumanIK アニメーションミドルウェアは、既存のアニメーションシステムを強化するフルボディ・インバース・キネマティクス(FBIK)のランタイムソリューションとして、キャラクタとその環境との間にダイナミックかつリアルな対話性を実現します。
  • Unreal EngineとCharacterizationプラグインを統合し、Autodesk Mayaでの容易なキャラクタ作成と検証が実現
  • ストレッチ&スクワッシュを実現することで、よりリアルなキャラクタを再現

Autodesk Kynapse 7 (オートデスクキナプス7)ミドルウェア:
 Autodesk Kynapseミドルウェアは、これまでに100以上のゲーム製作現場で使われてきた実績のある人工知能(AI)ソリューションです。
  • 複雑かつダイナミックな3次元経路探索、空間的推論、チーム共同作業、自動データ生成をサポート
  • 新型の経路データ生成機能を搭載
  • チューニングとプロファイリングの性能を向上
  • 統合・設定を簡素化
  • 既製の挙動モデルを搭載
  • パスファインディングを高速化しダイナミックな変化に対応

 オートデスクのデジタルエンターテインメント向け専用サイト「AREA(英語のみ)」のバーチャルGDC(http://www.autodesk.com/pr-gdc)で、2010年3月11日から13日まで、ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)のオートデスク・ブースから中継される2011年バージョン製品のプレゼンテーションをご覧いただけます。また、オートデスクYouTube.チャンネル(英語のみ)では2011 デジタルエンターテインメント制作ソフトウェア製品の新機能に関するショートムービーをご覧いただけます。
 また、オートデスクでは、今回発表した3次元CG制作ソフトウェアの最新バージョンをデモンストレーションを交えて紹介するセミナーを下記の要領で開催します。詳細はホームページの専用サイトをご参照ください。

セミナータイトル: Autodesk Maya 2011 & Autodesk Softimage 2011新バージョン発表セミナー
URL: http://www.info-event.jp/autodesk/seminar/

<大阪開催>
日時: 2010年4月13日(火) 13:30-17:00(予定)
会場: 大阪国際会議場(グランキューブ大阪)、大阪市北区中之島5-3-51
<東京開催>
日時: 2010年4月15日(木) と16日(金) 両日ともに13:30-17:00(予定)
会場: 秋葉原UDX シアター、東京都千代田区外神田4-14-1
  • 関連タイトル:

    Autodesk

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