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印刷2012/03/08 18:02

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[GDC 2012]Autodesk,ゲーム関連ミドルウェア「Gameware」の最新版を発表。Wii U開発向けに任天堂へのライセンス提供も開始

 北米時間2012年3月6日,Autodeskは米サンフランシスコ市のAutodesk Galleryで報道関係者向けイベントを開催し,ゲーム関連ミドルウェア「Gameware」の最新版を発表した。

イベントでは,Marc Stevens副社長(Vice President Product Management, Autodesk)が,パートナーシップの拡大と,次世代への準備,新製品紹介の3点がGDC 2012におけるニュースだと挨拶。ゲーム業界はソーシャルの台頭などで変革期を迎えているが,業界共通の課題に向けて扱いやすいソリューションを提供していくとした。なお,右はAutodesk Galleryの入っているビル
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Greg Castle氏(Product Manager, Autodesk)
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 Autodeskでプロダクトマネージャーを務めるGreg Castle氏は,説明会で,Gamewareが新たに対応するゲームエンジンに「CryENGINE 3」と「Havok Vision Engine」が加わったことと,任天堂のWii U用ゲーム開発に向けてライセンス提供する契約を交わしたとも発表している。
 任天堂との契約により,Gamewareを構成するミドルウェアのうち,「HumanIK」「Kynapse」「ScaleForm」の3製品が,Wii U用ゲームの開発者へ提供されるわけだ。

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Gamewareの対応ゲームエンジンに2製品が加わった
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Wii U用ゲームの開発向けにGamewareをライセンス提供する

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 また,Autodeskが2011年11月に買収したGrip Entertainmentのミドルウェア「grip」が,高度なAIをサポートするものであり,今後はビヘイビアツリー式のアニメーションシステムをサポートする「Cognition」と,多くのMob NPCを制御する「Population」という,2つの機能が提供されることも明らかになっている。

 Castle氏はまた,既存のGamewareから最新バージョンで変わった点も説明していたが,これはプレスリリースによくまとまっているので,引用して紹介しておきたい。

・Kynapse 2013 (2013)
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 Autodesk Kynapse 2013は、NPCのよりリアルなシミュレート機能を強化しています。パスファインディングの新しいモードでは、水平(編注:レベル?)上にあるダイナミックオブジェクトの集合体を基準にパスデータが動的に更新されるため、変化する環境に合わせてキャラクターの行動をシミュレートできます。また、自動パス補正機能も、アニメーションシステムがより高い精度で動きを予測し、キャラクターがより自然な動きをするよう支援します。それらに加え、さらなるメモリ最適化により、AIボットのフットプリントを軽減し、ゲーム内により多くのNPCを配置できます。

・Scaleform 4.1
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 Autodesk Scaleform 4.1(オートデスクスケールフォーム 4.1)は、オートデスクの最新のビデオゲームユーザインターフェイス(UI)ソリューションで、特にモバイルゲーム開発向けに、新機能や強化された機能を提供します。新しいモバイル用プレーヤー、柔軟な入力サポート、ゲームキット、チュートリアルなど、モバイルゲームUIや2Dゲーム/アプリの開発のためのツールセットが拡充されました。
 全てのタイプのビデオゲーム開発向けに、ユーザビリティと性能がさらに強化されています。Scaleform 4.1では、BitmapData、AS3 XML、レギュラーエクスプレッション(正規表現)へのサポートが追加され、ActionScript 3との互換性を高めています。また新製品は、アセットのグラフィカルプレビューを実装しており、ミドルウェアのエクスポート/クッキングツール用に使いやすいフロントエンドクライアントを提供します。さらに、フラッシュアプリケーションを微調整するためのAMP(Analyzer for Memory and Performance)ツールの新バージョンを通じて、さらに使いやすいUIや、性能を向上したGPU(Graphics Processing Unit)によるプロファイリング機能を提供します。
 Scaleform 4.1は、新たに実績あるUnity 3エンジンと連動して使用できるようになりました。また、タブレット端末やPC向けに優れた接触入力ベースのインターフェイスを提供するマイクロソフトのWindows 8 Metroプラットフォームもサポートします。


・Beast 2013
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 Autodesk Beast 2013は、ライブシーンのオーサリングができるため、クリエーターが編集したシーンジオメトリやライト、さらにそれらのパラメータ、ベーキングプロパティなどの結果をインタラクティブに見ることができます。これらの機能は、ビューポート内でのインタラクティブなプレビューを提供する、より効率的なライティングワークフローの一部としてUnreal Engineに統合されます。また、Beast 2013では、迅速でシンプルなライティングセットアップ機能を備えたグローバルイルミネーション モードを使うことで、クリエーターは構造の細部を調べなくても高品質なライティングを作成できます。

・HumanIK 2013
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 ソルバーを改善したアニメーションミドルウェアであるAutodesk HumanIK 2013 (オートデスクヒューマンアイケー 2013): Autodesk HumanIK 2013では、2 ボーン IK ソルバー、新しい肩のソルバーに加え、背骨の湾曲制御に新パラメータを使用した改良された背骨ソルバーを簡単に利用できるため、より一層リアルなキャラクターアニメーション作成が可能です。またアニメーターは、改善されたHumanIK プラグインを搭載したAutodesk MotionBuilderR 2012にキャラクターを取り込むことで、問題があるキャラクターアニメーションの部分をより簡単に特定できます。

 似たジャンルの製品が多いので整理しておくと,KynapseがPath探索,HumanIKがキャラクターの細かな動きを担当。gripのCognitionがAIベースのアニメーション,同Populationが(衝突回避など簡単な処理だけだが)多数のキャラクター制御を行うものになる。

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 なお,新しい分野への挑戦として,ソーシャルとカジュアル,モバイルゲームへの展開が方向性として示唆された点は押さえておきたい。現行のGamewareで100%サポートされるわけではないが,ScaleFormなどから順に,スマートフォン対応などが進められていく模様だ。


Project Skylineベースのデモも


Project Skyline
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 発表会では,次世代のゲーム開発環境となる「Project Skyline」についての言及も行われている。
 Project Skylineは,Autodeskの3Dツール系ゲーム関連製品群と,ミドルウェア系製品群たるGamewareとを有機的に結合しようという試みだ(関連記事)。デザイン時に最終製品と同じ実行環境を駆動できるため,開発効率を大きく引き上げられることを期待されているものだが,現在も継続して開発中とのことだった。

Project Skylineデモゲーム「Hyperspace Madness」のスクリーンショット。GamewareなどAutodesk製品の機能をアピールするために作られたデモンストレーションのようなものになっているという。表現力がどの程度に達しているかちょっと気になる
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 こういったミドルウェアや開発ツールは,ゲーマーと直接の関係はないものの,よりよいツールがより表現力のあるゲームを生み出しているのも間違いないところである。Autodeskの今後にはやはり要注目だ。

AutodeskのGameware公式Webページ

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