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インタビュー
「モンスターハンター フロンティアG」の大型アップデート「G7」実施直前インタビュー。ハンター自身の新たな力が覚醒する「超越秘儀」実装の狙いを聞いた
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このアップデートでは,ハンター自身が覚醒して新たな力を得る「超越秘儀」(ちょうえつひぎ)の実装が注目を集めており,さらに穿龍棍の新スタイルである「天ノ型」と「嵐ノ型」が追加となる。もちろん恒例の新モンスターやその素材で生産可能な武具も登場するのだが,公開されているビジュアルや概要からは,これまでとは少々異なるコンセプトで設計されているように見受けられる。
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今回4Gamerでは,G7で実装される新要素について,MHF-Gのプロデューサーを務めるカプコンの宮下輝樹氏,運営プロデューサーの関野亮央氏に話を聞いてきた。
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MHF-G プロデューサーの宮下輝樹氏(左),同 運営プロデューサーの関野亮央氏(右) |
「G7」プレビューサイト
「モンスターハンター フロンティアG」公式サイト
「超越秘儀」はMHF-Gチームが新体制になって
初めてゼロから手がけたコンテンツ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まずはG7アップデートの目玉となる「超越秘儀」について教えてください。公開されている情報によると「ハンターの新たな力を覚醒させる」とのことですが,従来のMHF-Gにはなかったコンセプトですね。
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ええ。超越秘儀のコンセプトからお話すると,これまでは武具の生産や強化によってハンターが成長していきましたが,今回はハンター自身を強くしようということです。
4Gamer:
どうしてそのように考えたのですか。
宮下氏:
ちょうど1年前(2014年4月),新武器種として穿龍棍を実装したことにより,ハンターの皆さんの狩りが大きく変わりました。そこで,今年もそれに近いことをやりたいと思ったんです。
また,前回のG6アップデートでは,MHF-Gチームが新体制に移行したとはいえ,杉浦(エグゼクティブプロデューサーの杉浦一徳氏)の色が残っていたんですね。だからこそ,G7ではこれまでと違う新しいことをやってみたいと。
関野亮央氏(以下,関野氏):
つまり,G7は新体制に移行して,初めてゼロから手がけたアップデートというわけです。
宮下氏:
超越秘儀とは,簡単に言えばHR(ハンターランク)31から修得可能な技です。基本的にはモンスターをどんどん攻撃していくと「秘儀ゲージ」が溜まり,一定時間,覚醒できるようになります。
超越化した状態では,狩りが有利になるさまざまな効果が発動するので,ピンチのときに一気に力を解き放つといった使い方が可能です。
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4Gamer:
成長要素はあるのでしょうか。
宮下氏:
超越秘儀は修得後に強化可能で,強くなればなるほど,ハンターがまとうオーラの輝きが増していきます。ゲージがある程度溜まった状態でクエストをスタートできたり,属性効果をより引き出したり,あるいは超越秘儀の持続時間を延長したりといったように,それぞれのハンターが自分のプレイスタイルに合わせて強化できます。
4Gamer:
HR31から修得可能ということは,これからMHF-Gを始めるようなハンターでも,すぐに使えそうですね。
宮下氏:
そのとおりです。HR99までは無料でプレイできますから,多くのハンターに超越秘儀を体験してほしいですね。
ただ,入り口のハードルは低くなっている一方で,極めるためには結構時間がかかります。ベテランハンター向けのやり込み要素でもあるんですよ。
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4Gamer:
超越秘儀には,ハンター同士の連携によって発生する効果もあるんですね。
宮下氏:
ええ。複数のハンターが同時に発動することで,発動時間の延長や大技「六華閃舞」(りっかせんぶ)を通常より早いタイミングで撃てるようになります。
4Gamer:
そういえば,4月8日に公開された「【滝行編】開発運営レポート(動画版)」では,お二人に杉浦さん,木本さん(ディレクターの木本龍己氏)を加えた4人パーティで,滝に打たれて超越秘儀を会得する……という場面がありました。
宮下氏:
超越秘儀とはどんなものなのか,皆さんがイメージしにくいんじゃないかと思ったんですよ。そこで,我々が滝行を通じて覚醒するところをお見せしようと(笑)。水が痛かったり,呼吸もしにくかったりと本当に大変でした。
関野氏:
最後に座るのが辛くて……。感覚が麻痺してしまって,思うように動けないんです。
宮下氏:
ともあれ,ハンターが何かをすることで覚醒し,超越秘儀を修得するという流れを説明していますので,ぜひ映像をご覧ください。
「ここぞ」というタイミングで発動できるように
調整に調整を重ねた大技「六華閃舞」
4Gamer:
先ほども少し触れていましたが,超越秘儀の大技となる六華閃舞についても教えてください。
宮下氏:
超越秘儀の発動中,大型モンスターに一定のダメージを与えることで繰り出せる技です。六華閃舞の「六」は,MHF-Gに登場する火/水/雷/氷/龍の5属性に無属性を加えた6つの属性のことを指しています。たとえば,雷属性の六華閃舞はモンスターを痺れさせて動きを封じ,氷属性ならば凍らせて氷結状態にすることが可能です。
4Gamer:
つまり,六華閃舞は6種類の効果を発揮する大技だということですね。
関野氏:
ええ。各属性のエフェクトも特徴的になっているので,こちらも注目してもらえればと。
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4Gamer:
六華閃舞の属性はどのように決定されるのですか。
関野氏:
クエストに同行しているハンター同士で共有する6属性のの蓄積具合によって決まります。
宮下氏:
超越秘儀の発動中,モンスターにダメージを与えた武器の属性に応じて,それぞれの属性が溜まっていきます。そして,最も早く上限に達した属性の六華閃舞が発動できるという仕組みですね。たとえば,クエストに同行するハンター4人で武器の属性を揃えると,早く溜まるというわけです。
関野氏:
ちなみに複属性武器の場合は,攻撃が通りやすいほうの属性が溜まるようになっています。
4Gamer:
なるほど。つまり,それが先ほど言われた「ハンター同士の連携」ということですね。
宮下氏:
ええ。クエストに出発する前にモンスターの弱点属性で武器を揃えたり,六華閃舞を発動するタイミングについてコミュニケーションを取ったりしてもらいたいと考えています。
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今のMHF-Gでは,一連のクエストにおけるコミュニケーションが少なくなっている傾向にあります。そこを少しずつ変えていきたいんです。定型文でも「撃ちます」と一言でも使うようになれば,かなり違うと思います。
4Gamer:
六華閃舞の登場によって,ハンターがモンスターに対してかなり有利になると思うのですが,いかがでしょうか。
関野氏:
先ほど説明したように,まずは秘儀ゲージを溜めて,超越秘儀を発動する。そこから,さらに属性のゲージを溜める必要がありますので,六華閃舞はポンポン撃てるようなものではなく,最後の最後に使える「切り札」に近い存在と言えます。
宮下氏:
クエスト中に1回使えるかどうかというイメージですね。ちなみに六華閃舞を撃つと,超越化が解除されてしまうので,「ここぞ」というタイミングが来たら使うことになるでしょう。
4Gamer:
六華閃舞を連発すれば,簡単に狩猟できるというものではなさそうですね。
関野氏:
そのような意味ではハンターが初心者かベテランか,また対象のモンスターによって,超越秘儀と六華閃舞の活用法は明確に分かれると予想しています。
たとえばベテランハンターが通常のモンスターを狩猟するなら,超越秘儀を発動させるより,4人で穿龍棍を使って頭部に攻撃を集中したほうが早く狩れるかもしれません。
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宮下氏:
実装直後は,超越秘儀と六華閃舞を使ってみたいと思われるでしょうが,実はベテランになるほど,最初はうまくいかないかも。イャンクックのクエストで試してみても,ゲージが溜まる前に倒してしまう可能性が高いと思います。
関野氏:
そのような場合は,「極限征伐戦」といった高難度のコンテンツで超越秘儀と六華閃舞を活用していただきたいですね。
MHF-Gを始めてからまだ日が浅いというハンターであれば,HR50までの公式狩猟試験やHR100以降に挑める剛種に苦戦することもあるでしょう。そこで,超越秘儀と六華閃舞の存在がクエスト攻略の助けになればいいなと考えています。
宮下氏:
自分にはちょっと難度が高いクエストで,「これはヤバいかも」と感じたときに発動すると気持ちよさを感じられるバランスを目指しています。そのためにもゲージの溜まり方や超越秘儀の持続時間などは,ギリギリまで念入りに調整していくつもりです。
ハンター自身の見た目が変化しないと
新しい遊びとして受け入れてもらえない
4Gamer:
質問の順序が前後しましたが,超越秘儀が生まれた経緯を教えていただけますか。
宮下氏:
最初は,ハンターの見た目を変えようと考えたんです。その理由は,MHF-Gはモンスターが次々に追加されていくゲームですが,ハンター側も変わらないと遊びが変わったように見えないからです。
そこで,いろいろと検討した結果,ハンターが「ドーン!」と覚醒するのはどうだろうと。
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4Gamer:
キービジュアルが公開されたとき,そのインパクトの大きさから注目を集めました。
宮下氏:
まさに狙いどおりでした。「何だ,これは?」と思ってもらいたくて,公開前日まであれこれといじっていました。
超越秘儀という名称も,モンハンっぽさ,中二っぽさのある分かりやすい言葉を探して,僕と関野でずっと考えたんです。会社から帰宅しても,スマホでやりとりして(笑)。
関野氏:
すごく仲のいい友達同士で相談しているみたいでしたね。「これどう?」「ちょっと違う気がするなあ」とか(笑)。
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「じゃあ,さっきのあれとこれをつなげてみたら?」といったようにして生まれたアイデアを,翌日にはテキストに起こしてチーム内で検討するといった感じです。
関野氏:
あえて横文字を使うことで,インパクトが出るんじゃないかという案もありましたね。
宮下氏:
そんな中で,最初に浮上したのは六華閃舞という名称のほうだったんです。しかし,「属性の意味合いが強すぎるのでは?」ということで,覚醒は超越秘儀に,そこからの大技が六華閃舞という形に落ち着きました。
関野氏:
名称が決まった後も,公開直前までチーム全員が不安でしたね。これが新モンスターであれば,外見や種族から属性や攻撃手段をあれこれ想像してもらえるのですが,ハンターの新要素ではどうなるのか分からないですから。
宮下氏:
1枚の絵と超越秘儀という言葉だけで,どこまで興味を惹けるのかが読めませんでした。結果的にはなかなかの興味を持っていただき,その後も話題になりましたので,第一歩としては成功だったのかなと。
4Gamer:
超越秘儀と六華閃舞は,新体制がゼロから手がけた初めての成果物ということで,ハンターからの評価が楽しみですね。
関野氏:
賛否両論があると思いますが,皆さんの声をMHF-Gチームがどう受け止めるのか。ここで間違えると,超越秘儀の存在意義が大きくブレてしまうので,大きな覚悟を持って臨みます。超越秘儀と六華閃舞の実装によって,狩りが大きく変わると期待しています。
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宮下氏:
使えすぎてもダメ,使えなさすぎてもダメ。いざというときに発動できて,さらに効果を実感できるものにしなくてはいけません。
こうしたハンター側の強化は,簡単にできると思われがちですが,実はモンスターの強化よりも大変なんです。たとえば六華閃舞のエフェクトを制作するには,全モンスターに手を入れる必要があり,それだけ工数が増えるというわけです。
関野氏:
雪山に生息するモンスターは氷属性の六華閃舞で凍るのか,ラオシャンロンなどの超大型モンスターはどうするのか,といった課題も出てきました。
宮下氏:
オチを言ってしまうと,ラオシャンロンにダメージを与えられますが,凍らせることはできません。
同じ穿龍棍でも従来の「地ノ型」とは全然違う
新しい遊び方を可能にする「天ノ型」「嵐ノ型」
4Gamer:
続いて,穿龍棍の新スタイルである「天ノ型」と「嵐ノ型」について教えてください。
宮下氏:
だいぶ時間がかかりましたが,ようやく実装することができます。
天ノ型はステップを多用する回避攻撃がメイン,嵐ノ型は溜めて突くようなイメージのアクションになっています。穿龍棍といえば,空中で戦えることが大きな特徴ですが,新しい2つの型は主に地上で戦うものですね。
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4Gamer:
あまりジャンプしない戦い方になるということですか。
宮下氏:
当然,ジャンプすることは可能ですが,メインにはならないでしょう。ジャンプするならステップしたほうが次の攻撃につながりやすい,あるいは一撃をきちんと当てたほうが有利になるといったように,同じ武器種であっても異なる遊び方を楽しんでもらおうと考えました。
今回,天ノ型と嵐ノ型の調整にあたっては,ベテランハンターの皆さんを招いて,丸一日テストプレイをしていただいたんです。
関野氏:
毎日,熱心にプレイされている方ばかりだったので,操作に慣れるのも早く,かなり貴重なご意見をいただきました。
宮下氏:
「ここが強い。ここが弱い」という意見だけでなく,もっと細かい触り心地,それこそフレーム数の具体的な指摘もありました。
そうしたご意見やご指摘をチームに持ち帰って検討し,最終的にどのように調整するのかを決定しています。
関野氏:
詳しく説明しますと,天ノ型はモンスターに攻撃をヒットさせると「EXゲージ」が蓄積します。これを消費することで,「EX回避」というステップが可能になる仕組みです。つまり,永遠にステップを続けられるのではなく,その合間に攻撃をヒットさせていく戦い方になるはずです。
宮下氏:
うまい人だと,攻撃してステップ,攻撃してステップと延々繰り返せると思います。
逆に言えば,慣れるまでは少し時間がかかるかもしれません。たとえば,2回のステップでどこまで移動できるのかといったことを頭の中でイメージできないと,うまく次の行動に移れないんです。
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関野氏:
だからと言って,ものすごく難しいというものではありません。徐々に慣れていく過程では「今,うまくいった」と実感できることもありますし,それを繰り返すうちに使いこなせるようなバランスに調整しています。
4Gamer:
それでは嵐ノ型はいかがでしょうか。
宮下氏:
嵐ノ型は,「穿極拳舞」(せんごくけんぶ)でパンチを連打してオーラを溜めると,最後に「穿極解放」で大ダメージを与えられます。
ただ,モンスターの攻撃を受けるとオーラの蓄積はキャンセルされるので,どのタイミングで穿極解放を発動するべきかという駆け引きの要素も重要です。
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関野氏:
嵐ノ型は,地ノ型に近いイメージなので,操作しやすいと思います。そういった意味で,天ノ型と嵐ノ型はまったく異なる特徴のスタイルと言えるでしょうね。
流体金属を操る「ハルドメルグ」と新たに登場する「始種」
4Gamer:
今回の新モンスター「司銀龍 ハルドメルグ」は流体金属を操るとのことですが,詳しく説明をお願いできますか。
宮下氏:
ハルドメルグは,翼の部分に流体金属をまとっています。それを弾として飛ばしてきたり,地面からドバッと噴出させたりと,かなり派手な攻撃を繰り出します。
従来の古龍もそうでしたが,ハルドメルグもどんな攻撃が来るか,最初はなかなか予想できないと思います。僕自身,最初にこのアイデアを聞いたときは,うまくイメージできませんでした。
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4Gamer:
ハルドメルグの場合は,最初から流体金属というコンセプトがあったんですか。
関野氏:
ええ。開発したスタッフには,流体金属を使った攻撃のイメージがはっきりあったようです。
宮下氏:
ただ,当初は重量感のある液状の物質をうまく表現できなくて苦労しましたね。
関野氏:
金属の表現や重量感がうまく再現できなくて,シャバシャバしていたんですよ。
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宮下氏:
ただ,相当苦労した甲斐もあって,最終的にはこれまでと違う攻撃をしてくるモンスターに仕上がりました。
4Gamer:
これまでの飛竜や古龍とは,翼のデザインも一味違います。
関野氏:
今回は,限界まで思い切ってみようと決めたんです。超越秘儀もそうですが,まずは見た目からこれまでと違うことをアピールしようと考え,意図的にちょっと“オサレ系”に寄せてみました。
ちなみにハルドメルグのクエストは剛種,G級,G級特異個体の3種類です。そのうちG級では, 新たな攻撃アクションが加わります。また,舞台は剛種が「雪山」,G級とG級特異個体が「迎撃拠点」となります。
宮下氏:
ハルドメルグの素材から生産可能な武具も「これぞモンハン」という部分を残しつつ,流体金属をモチーフとしたこれまでとはちょっと違うデザインになっています。
関野氏:
デザインは好みが別れると思いますが,まずはやってみてから評価していただこうと思っています。「こうすると嫌われるんじゃないか?」という理由でやらないよりは,思い切ってやってみて「違う」と言われたら,速やかに改善しようと。そうでなければ,チームとしての成長もないですから。
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4Gamer:
それは,オンラインゲームならではの考え方ですね。
関野氏:
グラフィックスを見ただけではイマイチの武具も,実際に動かしてみると予想以上に好印象だったり,性能面に惹かれて作ってみたら意外と気に入ったりすることもあるはずです。だからこそ,今回のようなチャレンジは必要だと考えています。
4Gamer:
なるほど。
それでは,もう1体の新モンスター「水砦竜 グレアドモス」の解説もお願いします。
宮下氏:
ハルドメルグと違って,従来の路線を引き継いだモンスターです。「始種」というカテゴリに属するのですが,これは烈種の一段上の存在となります。当然,烈種より強く,攻撃も派手です。たとえば,画面全体が水のエフェクトで何も見えなくなるような(笑)。
ちなみに,始種は従来のモンスターの祖先にあたるという設定です。グレアドモスが何の祖先なのかは,外見から予想できると思いますが,攻撃が水属性になっていたりと,そのイメージはだいぶ変わっています。
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関野氏:
今回のアップデートで始種を追加した理由として,G級武器以外の存在意義が薄れてきていることが挙げられます。
そこで,始種武器が烈種武器より強くなるのは当然として,その素材を入手するための狩りの部分から変えたいと考えたんです。また始種武具は,烈種武具から強化派生できるので,これまでに作成した烈種武器はムダになりません。
4Gamer:
さっそくグレアドモスの武具が公開されていますが,見た目はなかなかゴツイ印象です。
宮下氏:
グラフィックスは気に入っているのですが,その性能は調整を重ねている段階です。最初に上がってきた数値を見たときは,あまりにも性能が高すぎて「本当にこれでいいの?」と戸惑いました。
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関野氏:
ちなみに烈種防具の一部は,グレアドモスの素材を使って始種防具に強化派生できます。人気の高いものでは,キリンやバルラガルの防具がそうですね。
宮下氏:
G7以降,防具の組み合わせを新たに考えていただくことになるかもしれません。
関野氏:
武具の性能が発表になったら,いろいろなご意見が飛び交うと思います。
宮下氏:
ハルドメルグで「あれ?」,グレアドモスでさらに「あれれ?」と思われるでしょう。そこで組み替えを楽しんでもらいたいところですが,厳しい意見が寄せられるのは覚悟しています(苦笑)。
4Gamer:
これまでの定番やセオリーが崩れるということですか。
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現在,主流になっているものが確立してからだいぶ時間が経っているので,そろそろ崩してもいいのではないかと。それが本音です。
宮下氏:
逆に,MHF-Gを始めたばかりで定番の武具を持っていない人は,始種を倒せばいいということにもなります。
4Gamer:
今後,始種モンスターが増えていくのでしょうか。
宮下氏:
そうなりますね。現在,次のモンスターを開発中で,さらにその次の開発にも取りかかっています。
始種に共通する特徴としては,属性や状態異常に特化していることが挙げられます。もちろん,古龍の登場も予定しています。
関野氏:
これまでのモンスターはだいぶイメージが固定していますが,始種はそのあたりを裏切るような存在です。部位破壊が可能な部分も増えていたりと,祖先とはいえ,まったく別のモンスターに仕上がっていますよ。
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参加へのモチベーションを向上すべく
定期開催イベントのリファインを実施
4Gamer:
今回,ガンランスと狩猟笛のバランス調整が行われます。とくにガンランスは,宮下さんが愛用しているということで,以前から注目されていました。
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ガンランスは,すべての攻撃と砲撃の威力を向上させました。さらに,一部の攻撃行動にいわゆるスーパーアーマー効果が付与されて怯まなくなったり,特定の攻撃が味方に当たった場合にリアクションが緩和されたりと,全体的に使いやすくなっています。皆さんの期待に応えられる内容だと思います(笑)。
関野氏:
狩猟笛はG級クエスト時の「攻撃力強化【小】」と「攻撃力強化【大】」の旋律効果を,「加算方式」から「乗算方式」へと変更しました。これは狩猟笛の特徴を伸ばす上方修正ですね。
攻撃に関しては,攻撃アクションの威力と気絶値を上方修正しています。とくに気絶値に関しては,同じ打撃武器の穿龍棍とハンマーとの兼ね合いを考慮しています。
また,斜め上段突きの速度向上により,使い勝手が良くなったと思います。これまでは1回殴ったら,すぐに回避しなくてはいけないため,なぜ存在しているのか分からない状態でしたから。
宮下氏:
以前からお話していることですが,武器のバランス調整は「これで終わり」ということがありません。今後もずっと継続していきますし,すでに次の武器種の調整に取りかかっているところです。
関野氏:
とくに,弓とライトボウガンは調整が難しくて……。これらをメインで使っているハンターの皆さんには,ご迷惑をお掛けしています。
4Gamer:
そのほか,定期開催イベントのリファインが発表されています。
宮下氏:
「狩人祭」「極限征伐戦」「パローネ大航祭」「天廊遠征録」のすべてに追加要素を実装し,全部を遊ぶことでメリットが生まれる仕組みを用意する予定です。
関野氏:
天廊遠征録とパローネ大航祭はG6でもいろいろ手を入れましたが,狩人祭と極限征伐戦に関しては若干手薄になっていました。そこで全体を見直し,開催中のイベントを遊ぶと,翌週の別のイベントに影響を与える要素を追加します。
さらに,それぞれのイベントで生産可能な専用武具を報酬の目玉として用意しました。
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防具といえば,天廊遠征録に関連する「天廊防具」が新たに登場しますが,どのような特徴がありますか。
宮下氏:
天廊武器と同じく,ハンターが自分で特殊効果をカスタマイズできる防具です。「天刻印」と呼ばれる専用装飾品によって,G級防具の特殊効果やHC防具の体力自動回復効果,烈種防具の常時スキルランクアップ効果を防具の各部位に追加できます。
関野氏:
もちろんほかの防具同様,通常の装飾品で各部位に設定されているスキルを発動させることも可能です。
宮下氏:
これまでになかったリーチ長の天廊武器も用意しました。これで天廊遠征録に挑戦するモチベーションが高まればいいなと思います。
4Gamer:
ところで,天廊遠征録はG6の目玉コンテンツでしたが,これまでの手応えはいかがですか。
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開催回を重ねるごとに,皆さんのご意見を踏まえて改善しているのですが,まだまだ合格点に達したとは考えていません。たとえば,天廊武器は自分でカスタマイズできる点がセールスポイントですが,その反面,目指すものを実現するためにどれだけの素材が必要なのか,それを入手するためにどれだけプレイすればいいのか分からないという状態でした。
現在,公式サイトに「天廊武器 性能シミュレーター」を実装しましたが,これでもまだ十分とは言えません。
4Gamer:
今後も改善を続けていくということですね。
関野氏:
ええ。天廊自体の雰囲気も課題の一つだと思っています。広大なフィールドを走り回ってモンスターを狩ることが「モンスターハンター」の魅力ですが,天廊は真っ暗な建物に放り込まれ,漠然と上階を目指すというコンテンツです。しかも,お話したように素材もいくつ必要なのかはっきりしない。もともと未知の塔という設定ではありますが,ハンターにとっては設定以外にも未知の部分が多い。
ですから,もっと背景的な説明を加えるなどして,できる部分から改善していく予定です。
宮下氏:
なかでも天廊をプレイするメリットは,もっと分かりやすく提示できると思います。そうした改善を,天廊防具やほかの定期開催イベントとリンクさせることで実現しようとしているんです。
4Gamer:
なるほど。
それでは,「さまざまなランク帯のハンターが一緒に遊べるコンテンツ」という実装前に掲げていた目標に対する評価を教えてください。
関野氏:
初回開催時には,猟団のメンバー同士でワイワイ楽しむ光景が見られました。しかし,「天廊の番人」と呼ばれる強いモンスターを用意したことで,ランク帯が低いハンターは足手まといになってしまうという傾向が強くなってしまった感があります。
結果として,上位ランクのハンターには満足していただいているのですが,そうではない人にはメリットが漠然としていることもあり,置いてけぼりを食らったような感想を持たれているようです。
以前のインタビューで「天廊は,皆さんと一緒に作り上げていくコンテンツ」と発言したとおり,そうしたご意見を踏まえつつ,一つ一つ改善していきます。
コミュニティ施策として「復帰区」を実装
さらにネットカフェ全国ツアーをスタート
4Gamer:
4月1日から主に復帰ハンター向けに「復帰区」※が実装されましたが,その意図を教えてください。
※4月1日の実装時の名称は「修練区」。4月15日のリファインにて,名称変更が予定されている。
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前回のログインから90日以上経過しているハンターと,新たにゲームを始めて入門区のチュートリアルを終えたハンターが入場できるのですが,効率的に強い武具を揃えられるというメリットがあります。
現在のMHF-Gはクエストの種類が多すぎて,どれを選べばいいのかすぐには分からない状態になっています。そこでクエスト数を絞り込み,カテゴリの名称に報酬名をそのまま入れました。たとえばゼニー(ゲーム内の通貨)が欲しかったら,「ゼニー大量獲得」というクエストを選べばいいというわけです。
4Gamer:
それは分かりやすいですね。
宮下氏:
さらに復帰区に入れるハンターには,名前の横に若葉マークを逆にしたようなマークが表示されます。ほかの区に行っても,久しぶりにプレイしている人だと判別できますので,周囲からも配慮されるのではないでしょうか。
4Gamer:
実際の雰囲気はどうでしたか。
宮下氏:
非常に盛り上がっていますよ。ほとんどが復帰ハンターなので,最新や定番の武具を持っていなくても当たり前。とても和やかな雰囲気でした。
4Gamer:
これまでとは少し違う雰囲気のコミュニティが形成されていると?
宮下氏:
ええ。しかし,復帰区には30日間しか入れないので,それを超えると卒業ということになります。とはいえ,ベテランハンターと一緒にプレイするのは不安という人のために「現役/復帰/新米交流用ワールド」を用意しました。復帰ハンターが多くいることを承知のうえでワールドを選んでいるので,ベテランも温かく接してくれるはずです。
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関野氏:
復帰区を卒業するタイミングは,ハンターによってまちまちだと思います。「この武器を作ったら卒業」という人もいれば,30日間ずっと入っている人もいるでしょう。
宮下氏:
ただ,どこかで区切りを設定しないと,今度はほかのハンターと触れ合う機会がなくなってしまう。そこで,期限を30日間とさせていただきました。復帰区をきっかけに,お休みしているハンターの皆さんにはぜひ復帰してほしいです。
4Gamer:
あとはプロモーションの一環として,公認ネットカフェ全国ツアーが始まります(関連記事)。かつて杉浦さんが実施されたように,お二人で47都道府県を回る予定ですか。
関野氏:
現時点では,全国主要都市プラスαを回る形になります。
宮下氏:
47都道府県を回れず申し訳ないのですが,お近くで開催する際にお立ち寄りください。
内容的にも以前とは少し趣向を変え,来場された皆さんとの交流の場を設けようと考えています。
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杉浦と同じことをもう一度繰り返すだけでは,あまり意味がないですから。皆さんと一緒にクエストをプレイするようなイベントを考えています。
宮下氏:
プレゼンの内容もぶっちゃけたものになりますよ。主に裏話ということですが。
4Gamer:
楽しい話題を期待しています。
それでは,MHF-Gチームが新体制になって初めてゼロから取り組んだというG7アップデートに向けて,あらためて意気込みをお願いします。
宮下氏:
新年度の始まりにあたる4月に実施するということで,心機一転を図るアップデートがG7となります。これまでにない新しいMHF-Gを準備する一方で,古きよき部分にもスポットを当てることを目指しています。とくに,ハンターの皆さんが武器と防具を見直していただけるように,かなり時間を割いて企画開発を進めました。もちろん今回だけでなく,G8,G9,その先に向けてもそうした部分を提供していきたいと考えています。
関野氏:
新しく始められる人,久しぶりに復帰された人,継続して遊んでいただいている人。すべてのハンターの皆さんに満足していただくために,復帰区とG7アップデートを用意しました。宮下と僕が中心となる新体制では初のアップデートとして,新しいことにも思い切ってチャレンジしていますので,ぜひ楽しんでください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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