連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第174回「グレレスラー」
ゲイムのパブリッシャーは当然,企業なわけだから,税金とか経費とか申告とかそういう経理上の問題で,抱えているタイトルをなるべく年度が切り替わる前に発売しておきたいわけです。……どうして年度が切り替わる前に発売したほうがいいのか,実は細かいところをよく分かってないんだけど,ともかく年度が変わる前に発売しておいたほうが会社の財務にとってはいいらしいって風の噂で聞いたことがあるわ。
実際,今年も3月には新作タイトルが大量に発売されたけど,4月になったら落ち着いた感じがあるでしょう? ということは4月って,3月にまとめて確保しておいたゲイムを,一気にプレイしていくチャンスでもあるわけ。
ちなみに,2012年になってこの3か月間,私が何を成し遂げたのかというと……本業であるプロレスでベルトを獲得したの! そして,それを失ったわけです! それが先週。4月1日だったから,タイトルマッチで負けたことを嘘で済ませて,試合自体無かったことにしてもいいんじゃないかと私は思うんだけど,どうやら世間の人がそれを許してくれないみたいで。まったくイヤな世の中ね。可愛い嘘が通用しなくなってきている。このしみったれた世の中に唾を吐きかけてやりたい気分だわ! あ,嘘です。
人生勝つこともあれば負けることもあるから,負けた時こそ潔くあれ! って江田島平八の戦友の熊田金造が言ってた。羅漢塾の塾長。西に羅漢塾あれば東に男塾ありっていう,あの羅漢塾ね。
ここでどうでもいい話をすると,インディープロレス業界にも「西の小峠,東の真霜」という言い伝えがあるの。これは人並み外れたものを持っている選手を表現した格言で,関西では大阪プロレス所属の小峠篤司選手,関東ではKAIENTAI-DOJOの真霜拳號選手。この2人がものすごい逸物を持った人材,略して逸材ってわけ。
……えっと,このまま私にこの手の話をさせたらたぶんゲイムの話はしなくなってしまうので,この辺にしときましょう。というわけで! 4月に入ってこの時期は蓄積ゲイムをプレイするタイミングだ! ってことをとうとうと語ってみたわけだけれども! それでも私は,あえて新作ゲイムを紹介してやろうと思っているわ。
今チャンピオンベルトを失ってグレてるからな,私。前フリに準じた構成で進めるなんて,そんな読者や担当さんの思い通りにさせてたまるもんですか! こうなったらとことん支離滅裂に今週ヤったゲイムを紹介してやるわ。覚悟するんだな!
だから,私はゲイムでもサッカーが大好きで,毎年ウイイレをプレイするのね。そこでヤってみました「プロ野球スピリッツ2012」(※編注:えっ?)。
ただ,最近のゲイム,とくにスポーツゲイムはいろんな機種で発売されてるじゃない? だから,「プロスピをプレイしました」って言っても,どの機種でプレイしたかでそのタイトルの印象が変わってくるのよね。
ところで,私が今一番プレイしているゲイムの機種はニンテンドー3DSなの。3DSとPlayStation VitaもしくはPSPで発売されるタイトルだったら,だいたい3DS版を選ぶ傾向にあるわね。だから,今回プロスピで私が選んだ機種はPS Vita版(※編注:ええっ?)。
……言ったじゃない,支離滅裂に紹介するって。グレてるから。まあ,要するにPS Vita版のプロスピをプレイしましたって話なんだけどね(※編注:それ一行で済むし,そもそも今年は3DS版出てないし……)。
感想としては,もう凄いとしか言いようがないわ。毎回PS Vitaのソフトをこの連載で紹介するときに「グラフィックスがキレイ」っていう,ある種当たり前のことしか書いてないんだけども,今回も同じ褒め方をさせてもらおうかしら。
グラフィックスがもう,携帯ゲイム機のそれではないわ。キレイすぎる。引くほどキレイ。私が美しすぎて友達がいないのと同じように,プロスピ2012のPS Vita版もキレイすぎて逆に引いてしまう。そんなレベル。
プロスピってシリーズは,リアルさ追求系の野球ゲイムだから,もうグラフィックスがキレイなだけでその本分というか,存在意義をまっとうしてしまっているわけですよ。それでいて安定した野球ゲイムとして楽しめるという。
中でも,ポーカーの要領でカードで役を作って選手を作成する「スピリッツ」モードの「カードチャレンジ」がやたらと楽しいのよ。10分程度で選手をクリエイトできるから,ついつい選手を作っちゃうのよね。
リアルだわ楽しいわで,最高峰の野球ゲイムの座を今年も守ったと言っても過言じゃないわね。最後まで分かり切った紹介しかしないけど「野球ファンやシリーズファンにはおススメ」。これに尽きるわ。少なくともPS Vita版は持ち運びのできる携帯ゲイム機であるということを忘れちゃうぐらい,すごくグラフィックスがキレイで,一見の価値あり。
その時の私の心情をプロファイルするに,たぶんゲイムショップに「大人気! 在庫わずか!」というPOPが貼られていたからではないかと。なんせ美少年はともかく美少女に興味は無いし,アニメ絵にも声優さんにもさほど興味は無い。でも店の勢いにつられて買ってしまった。
で,買ってしまってもそのまま封が開かれずに眠ってしまう作品もあるんだけども,そんな中ゲイムを箱ごと落としてしまい,偶然にも封が破れてしまった。で,ついつい開けてしまい,どうせ開けたんだったらと思って気軽にプレイしてしまった。
で,プレイする以上はできるだけ楽しまないとゲイムに失礼だから,いくらジャンル的に興味が無くとも先入観は抜いてゲイムを楽しもうと努力してみた。
結果,そこまで悪くはない印象を抱いている。私がいるのは今まさにこの辺。
イヤ,ジャンルに対する苦手意識はいまだに持ってるわよ。独特なセリフ回しに対して受け入れがたい部分もある。ただ,面白いと思える部分も確かに存在するの。ここは素直に認めなきゃいけない。
どこっていうと,話の展開のさせ方であったり,ケンカのシーンのRPG風な見せ方であったり。少なくとも,表現者としての勉強にはなったと私は感じたわね。この手のゲイムって,ゲイムが発するにおいというかその世界観が合うか合わないか,といったあたりから評価はスタートすると思うの。まあ,凄く簡単に言うと好きか嫌いかって話なんだけどね。
もちろん人間の好みは千差万別だから,好き嫌いは必ず存在する。これは仕方が無い。ただ,嫌い=面白くない,という式は必ずしも成立しないと私は考えているわ。例えば,私はゲイレスラーという特殊なジャンルだから,熱心なプロレスファンから好かれてないケースも多いの。
嫌いなのは結構。でも,嫌いだからといって,たいして見もせずにやることなすこと全部面白くない,と決めつけられるのは嫌だなぁとは思うわね。せめて,ちゃんと見て判断してくれまいか。ただ,そういう作り手の希望を押しつけるわけにはいかないんだけどね。ここがエンターテイメント産業の難しいところ。
今回リトルバスターズ!をプレイしてみてそんなことを感じた,というか思い直したわ。私がとくに好きなジャンルではない。でも,私にとって面白いと感じる部分は確かにあったし,大いに勉強にもなったわ。ま,普段は好んで選ばないだけで,決して嫌いなわけじゃないからね。
さっきも書いたとおり,好き嫌いからスタートするんで万人におススメはしないけれども,このジャンルが苦手な人も,プレイしてみると新しい発見があるかもしれないわよ。
ハイそんな感じで今週はPS Vita用の新作を2本プレイしてみましたよ。最後のほうはもうグレが薄まってたけども。グビッ! ともかく,4月は新作ゲイムが少なくなるから,ベルトを失った心の穴を今まで眠らせていたゲイムで埋めることになると思われます! ゴクゴク。友達いないし,そこはゲイムの役割なのです。ヒック!
そしてひとまず今週はプロスピ2012とリトルバスターズ!が悪くは無かった,と偉そうに申し上げておきます。グビグビ! 多少の上から目線は許してくれよ。グレてんだから。いいんですよ? もっと優しく接してくれても。また来週! ウィック!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 3:「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2012」
PlayStation Vita:「リトルバスターズ! Converted Edition」
PSP:「幻想水滸伝 紡がれし百年の時」
Wii:「いただきストリートWii」
ニンテンドー3DS:「牧場物語 はじまりの大地」
Xbox 360:「トロピコ4 日本語版」
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- 関連タイトル:
プロ野球スピリッツ2012
- 関連タイトル:
リトルバスターズ! Converted Edition
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ゲーム内に再現された球場内看板は、原則として2011年プロ野球ペナントシーズン中のデータを基に制作しています。
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