連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第409回「『龍が如く6』から伝わった“すべてを乗り越える覚悟”」
どれくらい意味をなさないかというと,「やったー! 気付いたらSNSのフォロワー数が○○人! ありがとうございます!」っていう投稿くらい。「そ,そうか,おめでとう。すごいね!」としか言えないわよね。これ,要するに「私に○○人が注目しているんだけど注目してくれてありがとう!」って言ってるわけだから。さらに,数を増やすという目的でそのSNSを活用しているなら,すでにフォローしている人に向けてそれを言われても,というところもある。
……あ,違う違う。そうじゃない。毒を吐いているわけじゃないし,そういう投稿をする人を悪く言ってるんじゃないのよ。自分のSNSをどう使おうと,どういう意思を示そうとその人の自由だからね。そこを言ってるんじゃないの。
SNSなんて基本的に意味のない気軽なツールで,そこに各人が意味を乗せて発信するわけじゃない。当然,発したことには責任は付きまとうんだけど。今は世間を騒がせる炎上騒ぎがニュースとして取り上げられるほどだけど,そもそもSNSというものが今みたいに普及する前は,もっと気軽な便利ツールとしてスタートしていたはずなのよね。
で,そんなもともと意味がない発信ツールの中でもとくに意味があるように見えて意味がない発信が,「フォロワー○○人! ありがとう」だってことが言いたいわけ。要は,自慢よね。で,自慢は悪いことなのかというと,そういうわけでもない。ホラ,悪気がないってことをここまで説明しないと炎上しちゃうから。
お試し版ではオープニングと1章の途中までプレイできたんだけど,さらに亜細亜街にも立ち入れる製品版。ただ,この原稿が掲載されるタイミングには,もうみんな同じような立場だからさほど意味がない。それでもこんな自慢をしてみたくなったってわけ。
もっと細かく説明するわね。4Gamerには直接関係ないし,何よりひっそりとヤっていたのでこの連載では触れたくなかったんだけど,私,ゲイム実況動画というものをヤっておりまして。というのも,私が所属するDDTプロレスが「DDTプロレスアワー」というニコ生チャンネルを持っているんだけど,そこを利用してゲイム実況をヤっているのね。
体裁としては,プロレスに興味がない人達に対し,ゲイム実況を通じてDDTプロレスに興味を持ってもらうためっていう感じかしら。私がゲイム好きだから,ダラダラとゲイムをプレイするだけなんだけど。それでも一応,扱うゲイムのメーカーさんに許可は取っているわよ。そしてもちろん,ちまたの有名ゲイム実況者のように,職業としてヤっているわけでもなく。あくまでプロレスの活動の一環。プロレスに興味を持ってもらうためのゲイム実況。
で,ですよ。この放送で,龍が如く6をプレイしたいなーと思ってセガゲームスに許可を取ろうと打診したところ,なんと横山昌義プロデューサーも出演して発売前の龍が如く6を一緒にプレイしようではないかという運びになりまして。それが今週の月曜日のこと。
ただまあ,横山プロデューサーの都合は悪くなってしまったんだけど,かわりに阪本寛之ディレクターが出てくれたのね。私も思うわ。なぜプロレスのチャンネルでこんなちゃんとしたゲイム企画っぽいものが行われたのか,と。逆にいうと,プロレスのチャンネルだから,いろいろなしがらみゼロで実現した気もするんだけどね。
ともかく,そういう背景で今回,龍が如く6の新要素ばかりを先にプレイしましたよ。なので今回は,私のプレイした龍が如く6新要素をまとめて紹介します!
まずね,全体的な印象としては“シームレス感が半端ない”これに尽きるわ。戦闘とか,マップの切り替わりはこれまでにないレベルでつなぎ目がない。要は,あいだにローディングが挟まって画面が切り替わったりせず,ずっと操作し続けられる。だから,プレイしていて集中力が途切れることがより少なくなったってことなの。
これは大きいわよ。ゲイムって非現実じゃない。我々はゲイムを通して非現実を楽しんでる。でも,ロード時間って現実なのよね。ロード時間が多いゲイムって,現実と非現実を行ったり来たりしているから,場合によっては集中できなくなったりするのね。
龍が如く6では,その往来が限りなく少なくなっている。であるがゆえに,非現実に集中できるのよ。阪本ディレクター曰く,今作はPS4専用ソフトということで,PS4のマシンパワーを利用するために根本的にゲイムエンジンから作り直したらしいのよ。
これが意味するのは“すべてを乗り越える覚悟”よね。
ゲイム内容っていうのは,ある種ゲイムを制作するにあたって,一番最初に着手する部分だと思うの。プレイヤーが一番気になるところだとも思うし。プレイヤーの意見を反映できるのもここよね。
で,ぶっちゃけここがしっかりしていればゲイムとしては成立するのよ。プロレスに例えると,試合内容が面白ければそれで成立してしまうように。でもね,龍が如く6はそれだけでは良しとしなかった。
ついでにこのままプロレスに例えてしまいましょう。商品は,試合そのものです。それは正しい。でも。そうじゃない。その日その時間,例えば12:00〜15:00までの3時間。その時間に,喜怒哀楽が詰まった最高の時間を過ごしてもらう。そういう時間の中に試合も含まれる。売店にはオリジナルのグッズが置いてあり,その日,来てくれた人に対して選手のサイン会があり,試合に華を添えるような演出もある。紙テープを投げたり,声を出して応援したりできる環境を作る。そうやって,時間とお金を割いてもらったお客さんをもてなす。
こういうのって,なかなか気付いてはもらえないけれど,手を抜いてはいけない部分だと思うの。そして,それに向けて方向性を共有して実行する。それこそがエンターテイメントのチームだと,私は思っているのね。
龍が如く6におけるゲイムエンジンの再構築は,これにあたると私は思っているわ。プレイヤーは気付きづらいし,何ならディレクターから聞いた私もきっと全部は気付けていないけれど,最高の体験を提供するには避けて通れなかった。私が気付いているもの,気付けなかったものすべてを踏まえて,龍が如く6チームが共有した覚悟に,私は敬意を表します。
……と,枚挙にいとまがないわ。当初の予定では1時間の配信だったんだけど,時間経過を見て見ぬふりをして2時間まで引っ張っちゃった。それくらい時間が経つのが早く感じられたの。それほどまでにゲイムに没頭できたんでしょうね。逆に言うと,2時間分以上に非常に濃い時間を提供してもらったわ。セガゲームスさん,阪本ディレクター,ありがとうございました。阪本さんは同級生だってことも発覚したし,お礼は私の身体でお返しするとしましょう。
というわけで,龍が如く6について,フライング気味にプレイしてその感想をお届けした感じですがね。オススメですよ。いやホントに。
ストーリーやキャラクターの好き嫌いを抜いても,このゲイムには遊びが詰まっているわ。極端なことを言うと,麻雀ゲイムとしてこのゲイムをプレイしてもいいくらい。「バーチャファイター 5 Final Showdown」と「ぷよぷよ」も普通にタイトル画面から遊べるしね。それくらい手を抜いていない。抜いていないというか,手が込んでる。
繰り返すけど,ホントにオススメ。私が言うのもなんだけど,もし文句があるならば一度プレイしてからにして。それぐらいの自信と覚悟がこのゲイムには詰まっていると私は感じたわ。
そんな感じでまた来週。クリアしたくらいのタイミングで,また触れると思います!
今週のハマりゲイム
(文字通りゲイムスロットにハマっているゲイム)
PlayStation 4:「龍が如く6 命の詩。」
PlayStation 3:特殊なDVD ※死亡確認→復活予定
PlayStation Vita:「シヴィライゼーション レボリューション 2+」
PSP:「サモンナイト5」
Wii U:「Splatoon(スプラトゥーン)」
Wii:「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」
ニンテンドー3DS:「ポケットモンスター サン」
Xbox 360:「剣の街の異邦人 〜白の王宮〜」
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- 関連タイトル:
龍が如く6 命の詩。
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