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[GC 2007#065]ウワサの“史上最強の濃密アクション”「Prototype」発表
GC 2007では,Vivendi Gamesの商用ブースでデモを見せてもらったのだが,Radical Entertainmentの面々が「史上最強の濃密アクション」と表現するのにふさわしい内容だ。まだプレα版の段階で,完成度は20%程度であるとはいえ,このゲームの底知れないパワーを感じずにはいられなかった。
Prototypeで主人公となるのは,Alex Mercer(アレックス・マーサー)という謎の人物。ゲームのオープニングで秘密の研究所から抜け出してくるのだが,過去の記憶はいっさい失われてしまっている。ただいえるのは,彼は生身の人間ではなく,さまざまな形状に変身できる人造兵器“プロトタイプ”に改良されてしまっているということだ。
本作では,ニューヨークのマンハッタン島を完全に再現したという広大なオープンワールドが舞台となる。街中に人々が歩き回り,車が行き交う,非常に生き生きした世界である。ここで,彼を制圧しようと突入してくる軍隊だけでなく,ニューヨーク中に侵入し始めたミュータント達を交えて,激しい三つ巴の戦いを繰り返しながら,自分の過去や,ニューヨークがミュータントで溢れかえった理由を探っていくことになるのである。
アレックスが人を殺すと,その死体から抜き取られたDNAが自分の体に取り込まれる。その際に,その死体に宿った記憶をも吸い出すことになる。メインミッションでは,自分の肉体改造に関わった人物を殺害し,その記憶を吸い出すことで自分の過去に迫っていくことになるのである。
また,アレックスは殺した人間の外観を一時的に真似ることも可能で,例えば兵士になりきって行く手をふさぐ軍隊の内部に潜入し,上官に難なく近づいていくことも可能だ。ビルの側面を駆け上がったり,建物から建物へとジャンプし,さらには道路の自動車を押しのけながら駆け抜けていったりするさまは,まるでスパイダーマンか超人ハルクそのものだ。「Assassin's Creed」を筆頭に,最近のアクションゲームでは「Free Running」の影響を受けたと思われる,オブジェクトをものともせずにスムースに駆け抜けていくアニメーション技術が流行しているが,Prototypeはそれを極端なほど強調した感覚だ。
さらにPrototypeでは,戦車に飛び移って上部ハッチを剥ぎ取り,中の兵士を殺して自分で操縦することもできる。戦車兵の操縦能力だけでなく,基地の場所といった記憶までを取り込むことが可能なので,これは造作もないことだ。人を殺すごとに,アレックスの肉体はさらに醜く,強大になる。
スムースなアニメーションが非常に現代的だが,とくにPrototypeのゲームらしさを表しているのが,戦闘ヘリを奪取するシーンだ。ビルの高みからジャンプしてヘリの後部に取り付き,コクピットの横へと飛び移っていく。ガラスを剥ぎ取るとパイロットが驚いているような仕草を見せるのもつかの間,すぐ中に侵入してパイロットを殺害,その操縦能力の記憶を吸収して自分で操縦するという描写だ。この間,デモの担当者はすべて方向ボタンとジャンプボタンだけで操作しており,操作も非常に簡素化されているようだった。
Prototypeでは,濃密なアクションや別人になりきってのステルス,そして付近の障害物や人をものともせずに走り抜けていく高度なアニメーションなど,すべてのアクションがスムースに処理されている。ここ数年ポピュラーになってきたオープンエンドな世界でのアクションゲームのジャンルを,さらに1歩先に進めているのは確かだろう。(ライター:奥谷海人)
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