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[Gamescom]「Mafia II」インタビュー 〜 ゲーム的手法に映画的手法を借りた,オープンエンド型アクションゲームの新しい形
2K Czechは,1997年に設立されたIllusion Softworksを前身とするチェコ共和国のゲーム開発会社である。Illusion Softworksは,1999年の「Hidden & Dangerous」など,早くからミリタリー系のアクションゲームで名を上げており,Gathering of Developersブランドでリリースされた2002年の「Mafia: The City of Lost Heaven」が大きな評価を受け,世界的に知名度を高めた東欧のゲーム開発会社として知られる。
このMafiaシリーズの最新作として,Mafia IIが初めて発表されたのは2007年8月のライプツィヒで開催されたGames Conventionでのことだ。そして,2008年早々にはHidden & Dangerous以来,提携関係にあったTake-Two Interactiveに買収され,同社の1ブランドである2K Games傘下の「2K Czech」というオフィス名に改名されたのである。
Mafia IIは,前作同様オープンエンドなゲーム世界で織り成す三人称視点のアクションアドベンチャーゲームだ。その詳細は,今回のGamescomにおけるデモのレポート記事などを参照してもらうとして,今回はコーラー氏に実施したインタビューの内容をお届けしよう。
4Gamer:
それではよろしくお願いします。まず,経歴からご紹介ください。
Kolar氏:
4Gamer:
Mafia IIは,前作はもちろん,「Grand Theft Auto」シリーズや「The Godfather」シリーズなどと比較しても,ナレーティブ(物語)部分の比重が高い作品ですね。
Kolar氏:
ええ。我々は,このゲームが“映画とゲームの架け橋”のような存在になると願っています。オープンエンド型のゲームは大きな可能性を秘めていますが,その多くはストーリー面でプレイヤーの体験に頼り切っており,十分にゲームそのものへ組み込まれているとはいえません。マフィアとしての人生を送るストーリーと,ゲームらしいプレイヤーの自由な探索による発見や好奇心を掻き立てる要素が,バランスをうまく取り合っているようなゲームになることが,この作品の基点であるのです。この点では,他のゲームに負けない作品になっているのではないでしょうか。
4Gamer:
今回のデモを見る限りは,相当なカットシーンがあるようですね。
Kolar氏:
先ほどの話に繋がりますが,どれくらい映画的で客観的なストーリーにするか,もしくはゲーム的で主観的な話にするか,という命題ですね。オープンエンドな世界ではストーリーが間延びしやすいですから,カットシーンによるプレイヤーのストーリーへの回帰という手法は有効だと思います。Mafia IIはセリフだけでも700ページを超える分量の脚本が用意されています。今では,ミッションも増えたりしていますから,あれより実際はもっと多くなっているかも知れません。
4Gamer:
Mafia IIに関して疑問に感じている部分があります。このゲームは,1940年代から1950年代までのアメリカがイメージされて作られていますが,そのストーリーは直線的に続いていくわけではないのでしょうか?
Kolar氏:
そうです。主人公は第二次世界大戦からの帰還兵で,貧困から逃れるために悪事に手を染めていく姿を最初は描いています。後半は1952年からとなり,すでにマフィアとして成功した主人公に切り替わりますが,逆に裏社会に手を染めたことの反動や葛藤が描かれていくのです。こういう時間の飛躍はゲームではあまりないもので,映画的な手法を利用したものといえるのではないでしょうか。
4Gamer:
ゲームプレイという観点では,二つの時代に大きな違いはあるのでしょうか?
Kolar氏:
はい。主人公は最初の時代ではまだ若く,大きな仕事をこなすノウハウもリソースもないので,他人の仕事を請け負って成り上がっていかなければなりません。その過程で新しいスキルを身につけたり,新しい武器へのアクセスが可能になったりしていくので,後半ではかなり行動が多様化していますね。プレイヤーには,常に新しい発見をしてもらえるようなゲームになると思っています。
4Gamer:
Mafia IIでは,屋内でのゲームプレイも相当な労力で制作されているようですね。
Kolar氏:
屋内ということに特化するというのではなく,ごく自然の状況のように,屋内と屋外でのプレイに差がないようなゲームプレイを念頭に置いています。例えば,今回のデモでは,倉庫の中で車を爆破させ,そのあと車を使って外に出てカーチェイスが始まるというシーンがあったでしょう? 以前も,アパートの2階から,路上で起こっていることを見下ろすシーンをデモしておりますが,Mafia IIのゲームエンジンはそういうシームレスな環境を再現できる能力を持っていますので,そこをうまく利用したゲームにするよう心がけています。屋内外を自由に移動できることで,ミッションも非常に多彩なものが作れるのは強みですね。
4Gamer:
最後に,前作は非常に難しいという評価が多かったですが,そのあたり今回はどうなりますか。
Kolar氏:
難しい問題ですね。難度が高ければプレイヤーは投げ出してしまいますし,簡単にし過ぎるとすぐに飽きられてしまう。そこは,やはり我々の思うところで作っていくしかありませんね(笑)。
4Gamer:
ありがとうございました。
Mafia IIは,PCほか,PLAYSTATION 3やXbox 360の3機種2010年で,第1四半期にリリースされる予定になっている。今回2K Czechのコーラー氏が語ってくれたような「映画的方法論とゲーム的方法論の融合」が,彼らの思いどおりにMafia IIで表現されているかは見どころの一つだろう。前作は日本でもそれなりに話題になっていただけに,今回も日本でのリリースを期待したいところだ。
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