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ZOTAC製mini-ITXマザー「IONITX」レビュー掲載。IONプラットフォームの実力をムービーでチェックする
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印刷2009/05/23 10:30

レビュー

プレイムービーでチェックする,IONプラットフォームの可能性

ZOTAC IONITX-A-U

Text by Chun

»  AtomベースのPCでボトルネックとなる3Dグラフィックス性能を,大きく改善すると期待される「ION」プラットフォーム。2009年5月中旬に,ZOTAC製Mini-ITXマザーボードの販売が始まったが,IONによって何が変わるのか。今回は,オンラインゲーム4タイトルを使って,動いている様子の直撮りムービーから,IONの可能性を見てみたい。


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 Atom搭載システムというと,2008年以降,一般PCメディアや家電量販店の店頭で話題沸騰のNetbookが代表例だろう。最近では,液晶ディスプレイ一体型のNettopもちらほらと見かけるようになってきたが,これらに共通するのは,「Net」――インターネットを前提とした,最低限のPC機能を提供するというものだ。メールチェックをしたり,Webブラウジングをしたりするには,まったく申し分のない性能を発揮する一方,“それ以上”をやろうとすると,とたんにパフォーマンス不足を露呈する(関連記事)。だからこそ,NetbookをはじめとするAtom搭載PCは,(ガジェット好きはひとまず置いておくとして)「PC=メールとWebブラウズに使うもの」と考える人達から熱烈な歓迎を受けると同時に,「PC=ソフトウェア次第で何でもできるもの」と考える人達から嫌われているのではないか,とも思う。

GeForce 9400M Gグラフィックス機能統合型チップセット。入手したIONITX-A-Uのもので,刻印は「MCP7A-ION-B2」となっている。最近はNVIDIA内部でも,このチップセットを「ION」「ION Processor」と呼んだりしているようなので,今後,GeForce 9400M Gという表記は用いられなくなる可能性もある
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 そんななか,2008年12月17日にNVIDIAから発表された「ION」(イオン)プラットフォームは,「GeForce 9400M G」グラフィックス機能統合型チップセットを採用することにより,Atom搭載システムのグラフィックス周りを劇的に改善しようというものだ。“メールとWebブラウズ用”だったAtomシステムに,3D性能とビデオ再生機能,CUDAアクセラレータ機能を追加するもの,と言い換えてもいいだろう。
 最近になって,搭載製品の動きは活発化しているが,今回取り上げるのは,5月中旬に店頭販売の始まったZOTAC International(以下,ZOTAC)製Mini-ITXマザーボード,「IONITX」シリーズである。
 今回4Gamerでは,ZOTACの販売代理店であるアスクから,シリーズ最上位モデルで,原稿執筆時点では未発売の「IONITX-A-U」(国内製品名:ZOTAC ION N330 dual core)を借りることができたので,本製品を使って,ゲームにおけるIONプラットフォームの可能性を探ってみたい。

IONITX-A-U
メーカー:ZOTAC International,問い合わせ先:アスク(販売代理店) info@ask-corp.co.jp
予想実売価格:3万1500円前後(2009年5月23日現在)
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ACアダプタ駆動の最上位モデルは無線LAN機能も搭載

メモリスロット2本搭載も拡張カードには非対応


IONITX-A-Uが搭載するデュアルコア(デュアルダイ)のAtom 330。FSB 533MHz,L2キャッシュ容量1MBだ。Hyper-Threadingテクノロジにより,WindowsからはクアッドコアCPUとして認識される
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 テストに先立って,ボードを概観しておこう。
 IONITXシリーズは,ざっくり,デュアルコア/シングルコアAtomを搭載し,PCI Express Mini Card仕様のIEEE 802.11 a/g/n無線LANカードが差さっているかいないか,容量90WのACアダプタが付属するかしないかで4モデルに分かれる。今回テストするIONITX-A-Uはこのうち,デュアルコアの「Atom 330/1.60GHz」と無線LANモジュールが標準搭載で,ACアダプタ付属の製品だ。

IONITX-A-Uに付属品を取り付けてみたところ。I/Oインタフェース部にACアダプタ用のコネクタが用意されており,その隣には製品ボックス付属の無線LAN用アンテナを取り付けるコネクタもある。Serial ATAコネクタは3系統で,マザーボード上に用意された4ピン電源コネクタから,三つ叉のSerial ATA電源ケーブルを使ってストレージデバイスへ供給する仕様。I/OインタフェースにはeSATAコネクタも用意されている
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今回入手したサンプルには欧州仕様のACコネクタケーブルが付属していたが,製品版ではもちろん日本仕様になる見込み
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搭載する無線LANモジュール。最近,各社のノートPCやNetbookで見かけるAzureWare製の「AW-NE771」(AR5891)だ

I/Oインタフェース
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 外部出力インタフェースは,アナログRGB(D-Sub)とアナログ/デジタルRGB(DVI-I),デジタルYCbCr&RGB(HDMI)の3系統。PC2-6400対応のDDR2 DIMMスロットは2基用意されており,最大4GB分のメインメモリを搭載可能だ。一方,拡張カード用のPCI ExpressやPCIのスロットは用意されていない。
 また,マザーボード自体はファンレス仕様なのだが,ファンによる冷却が想定されており,製品ボックスには60mm角10mm厚の冷却ファンと,それをヒートシンクに固定するためのネジが付属する。今回のテストに当たっては,この付属ファンを利用しているので,あらかじめお断りしておきたい。

付属のファンを取り付けたところ(左)。右はマザーボード裏面だ
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「GPU-Z」(Version 0.3.4)実行結果。例によってスペック情報は取得できていないが,コア&シェーダクロックはチェックできる(※サムネイルをクリックすると,別ウインドウで全体を表示します)
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 GeForce 9400M Gというグラフィックス機能統合型チップセットについても簡単にまとめておこう。本チップセット自体は,別にION専用というわけではなく,「GeForce 9400M」という名前で,Core 2 Duoプロセッサを搭載したMacbookにも採用されている。
 製造プロセスルールは65nm。Streaming Processor数は16基で,IONITXシリーズにおいては,コアクロック450MHz,シェーダクロック1100MHzで動作する。GeForce 9Mシリーズということで,DirectX 10,PureVideo HD,CUDAに対応するのも特徴だ。


ウリのAeroを想定し,Windows Vista環境でテスト

とりあえず「3DMark06はちゃんと動く」レベルに


Windowsエクスペリエンスインデックスを実行してみると,Aeroデスクトップは5.9だった
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 念のため示しておくと,今回のテスト環境はのとおり。IONプラットフォームが持つアピールポイントの一つに,「Intel 945GC Express」や「Mobile Intel 945GSE Express」といった,既存のAtom用グラフィックス機能統合型チップセットでは動作させられない,Aeroデスクトップのサポートが挙げられていることもあり,今回は32bit版Windows Vista UltimateをOSとしてチョイスしている。

画像集#014のサムネイル/ZOTAC製mini-ITXマザー「IONITX」レビュー掲載。IONプラットフォームの実力をムービーでチェックする

 というわけで,ひとまず「3DMark06 Build 1.1.0」(以下,3DMark06)を,ベンチマークレギュレーション7.0準拠で実施してみよう。
 4Gamerでは2008年7月に,「Atom 230/1.60GHz」オンボードのIntel製マザーボード「D945GCLF」をテストしているが,「Intel 945GC Express」に統合されたグラフィックス機能は,「Game Test」を完走させるのに30分以上かかるなど,「動いている」というのも難しいような状態になっていた。その点,IONプラットフォームは,さすがGeForce 9Mシリーズというか,(フレームレートは見るからに低いものの)DirectX 9世代のテストはすべて問題なく実行できている。そのスコアは1416 3DMarks。テスト環境が異なるため,参考程度に過ぎないことをお断りしつつ,強引に比較すれば,93 3DMarksだったD945GCLFとの差は約15倍だ。

 では,実際にゲームをプレイしたらどうなるだろうか? 3DMark06のスコアが1000台という時点で,レギュレーション7.0準拠のテストに堪えられるとは思えないため,今回は,最新世代の3Dゲームと比べると比較的描画負荷が低く,IONプラットフォームでプレイできる可能性が高そうなゲームタイトルで,かつ,3Dオンラインゲームとしては比較的負荷の高そうなもの,

  1. EverQuest II(以下,EQ2)
  2. R2 -Reign of Revolution(以下,R2)
  3. Alliance of Valiant Arms(以下,AVA)
  4. ファンタジーアース ゼロ以下,FEZ)

で,実際にどこまで動くか,を試すことにした。


「周りに人さえいなければ……」

描画設定を低めにすればプレイ自体は可能


 最初に,下のムービーを見てほしい。これは,4タイトルがどの程度快適に動作するのか,実際のプレイシーンをビデオカメラで撮影し,約30秒ずつ切り出して,連結させたものだ。


■EverQuest II

〜人があまりいない街中程度なら,平均的な設定でも問題なし


 サービス開始から5年が経過していることもあり,最新世代のミドル〜ハイクラスGPUを搭載したPCなら,グラフィックスオプションを「最大クオリティ」に設定しても,Raid(レイド,オンラインRPGでは,「大規模なパーティ行動」の意)でも不満なくプレイできるが,IONプラットフォームではさすがに無理。「最大クオリティ」設定だと,まったくほかのキャラクターがいない状況でも4〜5fps,少しでもモンスターが画面に登場すると,1〜2fps程度に落ちてしまう。

「平均的」選択時のスクリーンショット(※サムネイルをクリックすると,別ウインドウで全体を表示します。以下同)
画像集#015のサムネイル/ZOTAC製mini-ITXマザー「IONITX」レビュー掲載。IONプラットフォームの実力をムービーでチェックする
 一方,グラフィックス設定を「平均的」にまで落とすと,キャラクターの影や地面の草などが描画されなくなるが,あまりオブジェクトのない状態なら20fps程度,木々が画面を覆うような状況でも10fps前後は維持できる。激しい動きが必要なければ問題なくプレイできるといえるだろう。上に示したムービーは,「平均的」設定時のものだ。
 やや余談気味に続けると,英語版EQ2のリリース当時,「Penitum 4/2.80GHz」と「GeForce 6800 GT」を搭載したPCで遊んでいたのだが,「あのときの重さが戻ってきた」ような体感である。

上段左から「最大クオリティ」「極大クオリティ」「高クオリティ」,下段左から「高パフォーマンス」「極大パフォーマンス」「最大パフォーマンス」設定時のスクリーンショット。「平均的」以下では,キャラクターの影と草が表示されなくなる
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 なお,パフォーマンスを重視する「極大パフォーマンス」に設定してみたところ,グラフィックスディテールは著しく落ちる一方,風に揺れたり,多数の枝が表示されたりと,描画負荷の高い樹木が多く表示される局面でも14fps前後を維持できていた。2アカウントでプレイする人の“2アカめ”なら,十分機能しそうだ。


■R2 -Regine of Revolution

〜「Shader 1.x」設定で,人が少なければプレイ可能


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ムービー撮影時の設定
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ムービー撮影時の設定で撮影したスクリーンショット
 PvP(≒対人戦)に特化したMMORPG,R2。起動時のグラフィックス設定から,選択できるものをすべて最高に指定してみたところ,IONプラットフォームでは,最初の村に降り立った時点でいきなり一桁fpsの洗礼を受けることに。そこで,グラフィックス設定にある「Shader設定」を「Shader1.x」に変更すると,引っ張られる形で詳細設定が「中」になったものの,それなりに動けるようになった。ムービーは,この「中」設定で撮影したものだ。

 とはいえ,さすがにここまで描画設定が落ちると,画面の見栄えは少々お粗末感が漂い出す。PvPが盛んに行われるようになり,とくに乱戦になると,多人数を表示するためにCPU処理が必要になるので,ゲームを進めていくことを考えると,IONプラットフォーム――というかAtomプロセッサ――はちょっとつらいかもしれない。


■Alliance of Valiant Arms

〜Shader Model 2.0設定で滑らかに動く


 AVAは,Unreal Engine 3(以下,UE3)を採用したオンライン専用のFPSだ。最新世代のゲームエンジンとしては軽さに定評のあるUE3を,IONプラットフォームがどうこなせるのかが気になるところだが,結論からいうと,解像度1280×960ドットでゲーム側の「自動設定」に任せたところ,かなり滑らかに動いていた。

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ムービー撮影時の設定。自動設定後,「詳細設定」から確認したものだ
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ムービー撮影時の設定で撮影したスクリーンショット
 「自動設定」で決め打たれた結果は右にスクリーンショットで示したとおり。「シェーダモデル」は「2.0(一般仕様)」になっており,テクスチャ周りの設定も低くなっているが,実際の見栄えはそう悪くない。ムービーはこの設定でプレイしたときのものだが,そこそこ見られるものになっている印象だ。
 この要因としては,オンラインRPGと比べると,マップがそれほど大きくないことや,市街戦のため,樹木などといった動的なオブジェクトがないこと,FPSゆえに自キャラが描画されないこと,画面内で同時に表示されるキャラの数が,せいぜい数人に留まることなどが挙げられるだろう。

 いずれにせよ。AVAをはじめとしたオンライン専用FPSであれば,IONプラットフォームでも満足にプレイできると述べてよさそうである。ただ,マップデータの展開を行うに当たってAtomではパワー不足なため,ゲーム開始時のロード時間がかかり,ゲームのスタートにやや出遅れる感があったことは指摘しておきたい。


■ファンタジーアース ゼロ

〜人が多い銀行前や戦場で突如として厳しくなる


テクスチャ設定を高く指定したとき(上)と,フレームレートの向上を図ってグラフィックスオプションを下げていった結果(下)。アーマーの表現がかなり寂しいものになっている
画像集#026のサムネイル/ZOTAC製mini-ITXマザー「IONITX」レビュー掲載。IONプラットフォームの実力をムービーでチェックする
画像集#027のサムネイル/ZOTAC製mini-ITXマザー「IONITX」レビュー掲載。IONプラットフォームの実力をムービーでチェックする
 FEZでは,序盤のフィールドや,クエストで訪れるインスタンスゾーンなどでは,解像度1024×768ドットに設定しつつ,「水面の映り込み」を「ON」,「テクセルアニメーション」を「High」,「ファークリップ」を最大に指定しても,平均して20fps弱は出た。動作そのものもそれほど“重い”感じはなかった。
 しかし首都など,人の多い街中では状況が一変する。周囲にキャラクターが20体ほどいる状態だと,一気にフレームレートは一桁台前半に落ち込んだのである。
 「ファークリップ」のスライダーを一番下にまで動かしたり,キャラクター名の表示をオフにしたりと,さまざまな手を尽くして,ようやくマトモに動ける10fps程度のフレームレートを獲得したときには,装備中の「ライオンの頭のようなデザインが施されていたアーマー」も,見るも無惨な状態に……。

 上のムービーで示したのは,「解像度」を「1024 x 768」,「テクスチャ解像度」を「1/2」,「キャラクター表示」を「普通」,「ファークリップ」をスライダーの左から4分の1程度のところにそれぞれ設定したときのものだが,プレイヤーキャラクターの数がそれほど多くないため,とりあえず動ける,くらいにはなっている()。
 FEZは,とくにキャラクター表示のCPU負荷が高いため,「キャラクター表示」を「少量」にすれば,フレームレートの改善を図れるのだが,こうすると,大規模戦闘中,突然真横に敵キャラクターが出現したりするので,対人戦ではつらい。どんなにグラフィックス性能が上がっても,CPUがネックになってしまっては,IONにはなすすべがないというわけだ。

※2009年5月25日21:00追記
 FEZの「影表示」オプションは,フレームレートを左右する項目だ。そこで,ムービー撮影時と基本的に同じ設定で,「影表示」を,ムービー撮影時の「全員詳細」から,「全員簡易」や「なし」に変更してみたところ,フレームレートが最大で2倍に上がるのを確認できた。
 だが,その効果は,「乱戦時,3fpsが6fpsに」といったレベル。確かに影表示の設定を変更すれば,フレームレートは上がるのだが,それ以上にCPUボトルネックのほうが大きい,というわけである。
 ちなみに,「影表示」を「なし」にした状態から,「テクスチャ解像度」を「1/4」に落としても,フレームレートは10fpsと,PvPにはつらい数字だったことは付記しておきたい。


カジュアルゲーム,あるいはサブアカウントなら十分使える

問題は間違いなくマザーボードの単価


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 以上,結論としては,「オンラインゲームをプレイするに当たって,IONプラットフォームは必要最低限の3D性能を持っているが,CPUパワーが必要な局面だとかなりつらい」といったところに落ち着く。
 多くのキャラクターが同時に表示されることの多いMMORPGでは,CPUパワーが不可欠なことを,オンラインゲーマーは体験的にご存じだと思うが,Atomプロセッサでは,どうしてもそのような局面でパワー不足を感じてしまうのだ。
 一方,MMORPGでも,PvPやRaidを前提としない“まったりプレイ”をしたりとか,オンライン専用FPSやいわゆるカジュアルタイトルなど,もっとCPU負荷の低い3Dオンラインゲームをプレイしたりするなら,十分に使える。EQ2のようなタイトルでサブアカウントに使ったりするのにも申し分ない。

製品ボックス
画像集#029のサムネイル/ZOTAC製mini-ITXマザー「IONITX」レビュー掲載。IONプラットフォームの実力をムービーでチェックする
 しかし,全面的に勧められるかというとそうでもない。理由は,一にも二にも価格設定だ。もちろん,3Dゲームを満足にプレイできない従来型のAtomマザーボードを持ち出して「あちらは1万円台前半なのに」と言っても意味はない。また,ACアダプタが付属するため,メモリモジュールとHDD,光学ドライブ,PCケースさえあれば,すぐに環境を構築できるという点も魅力だが,同時に,3Dゲームを前にしたときの制約を考えると,コストパフォーマンスは高くないと言わざるを得ないのである。
 シングルコアAtom搭載モデルなら2万円台前半から購入できるが,今度はCPUパフォーマンスが低下するおそれが出るという,別の問題があったりするのも考えものだ。

 というわけでIONITXは,Atomプロセッサの弱点を踏まえたうえでタイトルを適切に選ぶことができ,グラフィックス設定にある程度の妥協ができ,かつ,価格の高さが気にならない人向け,ということになる。この条件をクリアできるユーザーなら,小型のオンラインゲーム用PCとして,IONプラットフォームを大いに活躍させられるだろう。

  • 関連タイトル:

    GeForce 9M

  • 関連タイトル:

    Atom

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