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[CEDEC 2008#06]経産省も拡張現実を夢見る!? 10年で5兆円の成長を目指すコンテンツ産業戦略とは
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印刷2008/09/10 23:01

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[CEDEC 2008#06]経産省も拡張現実を夢見る!? 10年で5兆円の成長を目指すコンテンツ産業戦略とは

総務省 情報流通行政局 コンテンツ振興課 飯村由香理氏
 ゲームメディアの一員にして,恥ずかしながら意識したことがなかったのだが,平成18年7月7日の閣議決定「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」では,なかなか驚くべき方針が立案されていた様子。それは,映画/テレビ/ラジオ/ゲーム/書籍/音楽CD/各種デジタル配信などを含む「コンテンツ産業」の規模を,今後10年で5兆円伸ばすという,お国の方針である。

 2006年時点で,これらコンテンツ産業の規模は11.4兆円であり,前年比1.4%増しで拡大傾向が続いているというから,自然増だけで13.1兆円くらいにはなる計算だが,1.7兆円伸びるところを5兆円伸ばさなければいけないのだから,けっこうたいへんそうだ。

 この,小泉内閣のときの政策決定をめぐって,今回のCEDECでは総務省と経済産業省が,それを形にするための施策を説明した。かたやゲーム産業の規模をマクロに捉えるよすがとして,かたやバーチャルワールドもどきの土地を作ってしまおうという驚きの発想が語られたセッションについて,ちょっとずつ紹介してみよう。

 まずは総務省 情報流通行政局 コンテンツ振興課の飯村由香理氏の講演から,ゲームに関連しそうな話題を拾ってみたい。講演は「デジタル・コンテンツの流通促進について」と題され,映像/放送コンテンツを主たる対象とした振興策,とくに,例えばいったん放映された番組を映像ソフト化して国内外に販売するといった「マルチユース(二次利用)市場」を重視していくべきというのが主題である。
 一時利用市場の約5割がテキスト系コンテンツ,マルチユース市場の約6割が映像系ソフトというのは,ライトノベルに始まって,うまくいけば劇場版アニメに終わる,最近のオタク市場を思い浮かべるとすごく納得しやすいかもしれない。最も活発で多様な市場へのトライアルは,最もコストの低い(リスクの小さい)分野から起こるのである。

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[CEDEC 2008#06]経産省も拡張現実を夢見る!? 10年で5兆円の成長を目指すコンテンツ産業戦略とは
 2006年におけるコンテンツ産業全体のうち,ゲームが占める金額は5〜6%。ただし,この中にPCゲームおよびPCオンラインゲームが含まれているかどうかは分からない。現状で含まれていないと仮定して足すと,7〜8%くらいまで膨らむ可能性がある。
 それはさておき,よく,ゲーム業界が映画業界を追い抜くという話題があって,実際映画は6〜7%であるから,この実感自体は(日本においても)大枠で間違いではないわけだ。ただし,映画を抜いたからどうなんだというのがこのグラフ全体の意味するところで,地上波テレビが25%以上,新聞記事ですら17〜18%である。雑誌を除いた書籍の市場でも6〜7%と,ここでいうゲームよりは大きい。

 その意味で,ゲーム業界がここまでに成し遂げた成果を性急に評価することにはやや疑問があって,むしろ今後どんなステップで伸びていくのか,楽しみな分野と見るべきなのだろう。


経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課(メディアコンテンツ課) 加藤幹也氏
 さて,話題は変わって経済産業省の講演である。こちらは「経済産業省の取り組み」と題して,経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課(メディアコンテンツ課)の加藤幹也氏が,日本のコンテンツを海外にPRする手段として,東京ゲームショウもその一環をなすところのCoFesta(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)や,コンテンツ分野における長期的な市場見通しを踏まえた取り組み課題を整理した「技術戦略MAP」,Creative Commonsの経産省版,そして,記事の標題にした拡張現実(オーギュメンテッド・リアリティ)による地域経済振興を意味する「eクリエイション空間コンセプト」などについて説明した。

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[CEDEC 2008#06]経産省も拡張現実を夢見る!? 10年で5兆円の成長を目指すコンテンツ産業戦略とは
 このうち「技術戦略MAP」は,ひと頃「自衛隊がガンダムを?」「経産省がバーチャルアイドルを?」とネット上で騒がれたことにより,ある意味有名になった取り組みだ。

 将来のニーズを踏まえて,あらかじめ産/官/学が効率よく連携できるよう,来たるべき社会のありようにコンセンサスを持っておくことが策定目的である。2005年にスタートし,毎年改訂されているのだという。

[CEDEC 2008#06]経産省も拡張現実を夢見る!? 10年で5兆円の成長を目指すコンテンツ産業戦略とは
 そこには大枠の理念ばかりでなく,あり得るサービスや商品の例示も含まれていて,離れて住んでいる家族がいつでも「会える」仮想茶の間,身の周りの世話をしてくれ,家族にもなれるペットロボットなど,いつどうやって実現するのかはともかく,堅実にして未来的なアイデアが打ち出されている。

 こうしてさまざまな需要を作り出し,産業を育てていけば,いつしかコンテンツ市場も5兆円くらい伸びようというもの……のようだ。いやまあもちろん,もう少し手堅い未来志向技術/製品のPRと情報共有も,経産省は手がけているわけだが。

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 そんな話の延長として,いま少し具体的に語られたのが「eクリエイション空間コンセプト」である。これは「デジタル街ブラウザー」を通して見た街の映像に,拡張情報を埋め込んでしまおうというもの。例えば,そこを通る人の心拍数情報を付加して,とにかく人がドキドキしている通りが目で見て分かるとか,けっこうぶっ飛んだ説明がなされていた。

 もちろん,新製品が入荷した店に記号を表示するとか,いま自分が買いたい商品を扱っているお店を強調するとかいった,もう少しおとなしい用途にも使える。

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 また,六本木にある三つの美術館で囲まれた三角形の地域で,展示品が携帯電話で見られるようにする「空中美術館」提案などもあり,とにかく地域を限ってそこに付加価値を付与する試みが,考えられている。しかも平成20年度には予備的実験,翌年度にはそれを受けて首都圏の大型商業施設や,地方の商店街を舞台にした実証実験が予定されているというから驚きだ。

 「電脳メガネ」ほどスマートなサポート機器の開発は,さすがにもうしばらく無理だと思うが,アニメ「電脳コイル」における大黒市のような情報技術による「オーバーラップ」は,案外早く現実のものとなりそうである。Web上の仮想現実だけを見て,いつまでも第二社会だと思っていてはいけない。そうした意味で興味深い講演だった。

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 なお,両講演ではコンテンツ振興策の一環として,海賊版対策についての報告もあったのだが,どちらにおいても主たる保護対象は映像作品/製品であって,程度でいえばこちらもかなり深刻なはずの国内PCゲーム市場については,とくに言及がなかった。

 この点について経産省の加藤氏に聞いてみたところ,被害の規模や実態がつかめない点が大きいのだという。コンテンツ市場の拡大を考えているこのタイミングで,まずは省庁と意見交換を行うというのも,あるいは解決に向けた一ステップとなるのかもしれない。

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