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今から観る「LJL」プレイオフ特集! 世界大会をかけた各チームの現状と,LoLの現在環境をおさらいする,2023春の観戦ガイド
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印刷2023/03/31 18:00

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今から観る「LJL」プレイオフ特集! 世界大会をかけた各チームの現状と,LoLの現在環境をおさらいする,2023春の観戦ガイド

 「リーグ・オブ・レジェンド」(以下,LoL)のプロチームがしのぎを削る,日本リーグ「League of Legends Japan League」(以下,LJL)において,2023年4月1日に“プレイオフ”が開幕する。

 プレイオフとは,1月28日に始まった春の大会「LJL 2023 Spring Split」の決勝トーナメントのことで,決戦を勝ち抜いたチームにはその栄誉と,5月に行われるLoL世界大会「Mid-Season Invitational」(通称,MSI)への出場権が与えられる。

 つまり,最終決戦が始まる今週末からがめちゃくちゃ熱いのだ!

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 そこで今回はプレイオフ特集と題し,「え〜? 今から観るんだけどだいじょ〜ぶ〜?」という方々に向けて,これさえ読めば事情通になれる(かもしれない!)観戦ガイドをお届けしていく。

 春季出場の全8チームの現状や,大会ルールのほかLoLの現在環境など,分かっている人もおさらいとしてぜひ一読してほしい。


“BO5”の見どころは,チームの修正力にあり!
負けた直後に打つ,次の一手にこそ注目を!


 今季LJLにおける大きな変更点は,レギュラーシーズン(プレイオフまでの順位を決める総当たり戦)の対戦形式が「BO3」(2本先取)になったことで,昨年までの一発勝負の流れとはガラッと変わった。

 これはLJLが海外を見据えて打って出た,“世界戦基準の連戦形式で勝ちきるチームを作ろう”といった新たな表明と言えよう。

 さらにプレイオフのルールは以下のようになる。


■プレイオフの大まかなルール

・出場チームは全6チーム
 (レギュラーシーズン7位〜8位は未進出)

・対戦形式は全試合「BO5」
 (3本先取制。最大5試合)

・シングルイリミネーショントーナメント
 (敗者復活ナシの勝ち上がり形式)

・リーグ戦の1位および2位のチームはシード枠
 (プレイオフへの1位通過はSG,2位はDFM)


 例年との大きな違いは「リーグ戦の1位・2位のチームにシード権が付与されるが,敗者復活戦は撤廃」という点である。

 そのうえで1位通過のチームは,3位〜6位から勝ち上がってきた2チームに対する「対戦相手を指定する権利」も与えられる。

 要するに1位は,保険のガーディアンエンジェルに頼れなくなったが,対面する相手チャンピオンをピックできるようになった。

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 試合を勝ち抜くためにマッチ3勝が必要なBO5では,一度や二度の奇策に頼ったところで,文字通り勝利数が足りない。
 強敵相手に3勝するには,チームとしての地力が試される。

 ゆえに筆者の見どころもズバリ,チームの“修正力”にある。勝ったほうのチームはもちろんすばらしいが,負けてしまったほうのチームがどのような部分を修正し,次の戦いに備えるのか。
 そうした対応力が今季の注目ポイントとなっていた。

 ちなみに修正力というのは……例えば,自分が対面で,攻撃力に優れるチャンピオンにキャリーされて(勝利の流れを作られること)負けたとしよう。じゃあ,次に戦ったときもそのチャンピオンを出されたら,愚痴って諦めるのか。いいや違う。誰しも対抗策を考えるはずだ。
 それを実際に行動に移すことが,各チームの修正力である。

 そのための手段としては,ドラフト時のバン&ピックで「相手に渡さない」というシンプルなやり方もあれば,「わざと取らせてカウンターとなるチャンピオンを取る」といった方法もある。
 またドラフトのみならず,「さっきは序盤で有利を取られたのがマズかったから,今度は初動の動きを変えよう」などと,プレイングやゲームメイクで流れを変えるケースもある。
 こうしたときに取れる手段の多さも,チームの強さの表れだ。

バンで対処はシンプルに強力だが,“バン枠”という限られたリソースを費やす。じゃあ,代わりにどのチャンピオンのバンをやめるのか……という部分を見るのもまた面白い
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 LoLにおける勝敗の理由は千差万別。開戦数分のコントロールワードの刺し方,中盤でのミクロ(個人技)やマクロ(全体戦術),エンドゲームへの畳み方など,さまざまな要因が勝ち負けを左右する。

 そういったもろもろを,各チームがいかに分析・修正し,次の戦いに臨むのか。それこそがBO5の見どころとなるため,プレイオフの配信視聴のときに気にかけておくと,観戦の楽しみもより増すだろう。


プレイオフは“パッチ13.5”
移り変わる環境をおさらい


 プレイオフに用いられるLoLのバージョンは“パッチ13.5”。我々プレイヤーが遊んでいるサーバーでは,すでに実装から3週間が経った環境であるが,この機会に変更点などをおさらいしておこう。

 まず気にすべきは,リワーク(スキルセットの大幅変更。チャンピオンの改修)され,勝率爆上がりのネコちゃん「ユーミ」だ。彼女は“このほうがネコっぽい”という方向性でより愛らしくなった。
 なかには「またあのネコが暴れるのか……」と,最近の3月後半の空模様のような気分になる人もいるだろうが,ご安心を。
 競技シーンにおける新チャンピオンならびにリワークチャンピオンは原則,“1パッチの間はグローバルバン(どのチームもピック不可)”の扱いとなる。なのでひとまず,プレイオフ中は愛らしいネコちゃんが試合に現れてゴロゴロニャーンすることはいっさいない。

 では,実際にピックされそうなチャンピオンで言うと……筆頭となるのはmidのレギュラー的存在「ルブラン」だろう。スキル「Q-シジルマリス」がバフされ,レーンミニオンのウェーブクリア(敵ミニオンたちを一掃する動き)がさらに強力になったためだ。
 13.5環境では他地域の動向も含め,バンにせよピックにせよ,ルブランの選択率自体がかなりのもの。プレイオフでも警戒されるだろう。

「ルブラン」はウェーブクリア能力の向上により,サイドレーンやジャングルに対してもアクションしやすくなった。視界外から飛び込んできて,後衛に強力なダメージを与えてくる,midで長年愛されてきたチャンピオンだ
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 midレーンなら「アジール」の下方修正も影響が大きい。序盤の強さがかなりナーフされたことで,メジャーリージョン(世界的な強豪地域。中国・韓国・欧米・北米を指す)でのピックはほぼゼロになった。プレイオフ中もおそらく,その姿を見ることはなくなるだろう。
 LoLではこういった事情がよくあることで,それだけ環境がガラッと変わるから,みな遊び飽きない&見飽きないという魅力がある。
 それだけに今季も含め競技シーンに長らく出ずっぱりだった皇帝には,しばらく春休みを楽しんでいただきたいところだ。

 このほか「ガングプランク」も,スキル「E-火薬樽」のクールダウン増加,固有スキル「背水の銃剣」のダメージ弱体化により,対面へのプレッシャーとパワーが大幅に下がっている。

 LJLでの影響だと,“TaNa選手がガングプランクでキャリーする”というのが鉄板のゲームプランであったFENNELは,ここにきて手札をひとつ失ってしまった形だ。プレイオフでは代わりとなるチャンピオンをピックできるのかに注目している。もしかすると,13.5でバフされて世界的にピック率が増えてきた「ケネン」が選ばれたりして?

「ガングプランク」は,アイテム「ナヴォリ クイックブレード」の改修以降から絶好調であったが,今回のナーフにより,さすがにしばらくはおとなしくなりそうだ
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 botレーンに関しては“タンクサポート”の存在がかなり大きいか。とくに「ラカン」が評価されており,「ザヤ」と組み合わせたときのシナジーがことさら強力になった。ザヤのほうは13.5でナーフされたのだが,ラカンが強い限り,このコンビはまだまだ現役のご様子。

 また「ケイトリン」がナーフされた影響で,わりと堅調である「ゼリ」「ヴァルス」「アフェリオス」あたりのピック優先度が上がってきた傾向にある。他方で,13.5でバフされた「ジンクス」も世界的にかなりピックされているのだが,勝率がいまいち芳しくない。
 彼女は「ウーコン」「ヴァイ」「リー・シン」など,集団戦で強力なjg候補に対して無力になりがちなのが手痛いせいだろう。

 さらに「アニー」「グラガス」「ジェイス」「ベイガー」など“フレックスチャンピオン”(複数レーンで運用できる万能型)もまだまだ強い。これらは「mid候補にしつつ,対面相性が悪かったらtopへ」などと,1体で2枠分を考慮できるため,ドラフト戦略で優位に立てることからプロシーンでは多様されがちだ。13.5環境でも引き続き重用されると思われる。最近はtopに台頭した「カ・サンテ」のmid運用も生まれたため,(フレックス系だけピックされた)ドラフト前半では,相手チームのレーンの割り当てがまるで分からないなんてこともしばし起こる。

 なかでも,グラガスは4レーン(top/jg/mid/sup)フレックスに対応し,アニーはmid/supどちらでも勝率が高まっているとあって,この2チャンピオンの動向には引き続き目を光らせておきたい。

「アニー」は今季を象徴するピックと言ってもいいだろう。今までの鬱憤を晴らすかのように,あらゆる場所で引っ張りだこだ。大会配信でも「ティバーズだぁ!」(スキル「R-やっちゃえ!ティバーズ!」で出現するクマ)の実況をよく聞いた
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 あと,忘れてはいけないのが「オレリオン・ソル」である。

 オレソルは世界環境でのピック数は少ないながらも,今後“どこかのチームが準備していてもおかしくはないピック”だと個人的に考えている。彼は序盤のレーン戦があまりもツラい……という大きな課題を抱えているが,後半のキャリー力やミニオンクリアには目を見張るものがあるので,豊富な手札が求められるBO5なら出てきてくれたり?

 といった,予想屋な発言を残しておこう。

「オレリオン・ソル」はパッチ13.3で生まれ変わった! 個人的に大好き……というひいきもあるが,実際のところ,プロシーン的にもかなり有用なピックに思えている。プレイヤーならではの予想がプロシーンで的中するとうれしくなるのも,またLoLの醍醐味
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2023年,最初の日本一はどのチームか?
プレイオフを争う上位6チームを紹介


 ここからは,4月1日開始のプレイオフのスケジュールに則り,LJL出場の全8チームの見どころなどを解説していく。


■4月1日(土)18:00〜
  Playoff Round 1 Match 1
  「SHG(3位)vs.AXZ(6位)」


 春を3位通過したSHGは,Blank選手によるゲームの支配力,Vsta選手&Marble選手による強力なbotレーンが,Round1出場チームのなかでも抜きんでて力強い印象がある。
 そうした強敵SHGを相手に,今季は尻上がりに調子を上げてきたAXZがどこまで食らいついていけるか。初戦から注目が集まる。

○SHG(Fukuoka SoftBank HAWKS gaming):春季3位
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 Worlds(世界大会)での優勝経験があるjg/Blank選手を擁するこのチームは,不利な状況や困難な集団戦をほとんど個人技だけで返してしまう例もあるほどに,個々人のハンドスキルが光る。mid/DasheR選手が有利展開を作れば,全体のマップコントロールもより盤石になる。
 また,ポッピーsupやマオカイtop,さらにはベルベスsupのような意外性のあるピックも持ち味の一つ。BO5の出方を注視したい。

【注目するなら】Marble選手(adc)
 2年目のLJLを迎えた新人adc。“2年目は不調に陥る”なんて風説もなんのその。開幕戦から優れたパフォーマンスを発揮していた。
 Marble選手は間合いの管理が的確であり,とくに集団戦で輝く印象だ。「ゼリ」のプレイ中に,集団戦で最前線に立ち続けながらもまったくダメージを負うことなく完璧な立ち回りを見せることもあった。
 シーズン後半で少しばかり調子を落としたようにも見えたが,土壇場でどこまで調整できているかは気になるところ。“NEXT Yutapon”ではなく“Marble”として,歴史に名を残す瞬間が待ち遠しい。


○AXZ(AXIZ):春季6位
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 戦績で拮抗してきたCGAとの激闘を制し,見事プレイオフへの切符を手にしたこのチームは,6位進出ながらも調子を上げているのが目に見えるため,このたびの一戦も冴えわたりそうだ。
 チームのカラーなのか,メンバーが変わっても“AXZは格上になにか起こす”という気風があり,実際DFMとの最終戦ではsup/Dicey選手とjg/Hoglet選手がチームを支え,結果1マッチをもぎ取った。ああした勢いを自らのものにできていれば,SHGに勝ちきっても不思議ではない。

【注目するなら】Dicey選手(sup)
 勝てばプレイオフ,負ければ涙のシーズン敗退という,大事なCGA戦を勝利に導いた立役者。「勝ったら俺が焼き肉を奢る!」と公言し,仲間たちの士気を上げていたAXZが誇る大黒柱だ。
 プレイオフに向けてはタンクサポートメタを踏まえ,多彩なチャンピオンを仕上げているという。CGA戦で見せた「スレッシュ」もかなりの腕前だったので,同じくフック系supで見るならば「ブリッツクランク」なども準備しているのかもしれない。
 なお,相方であるadc/Cheoni選手は,チームが不調のさなかにも他チームのadc選手らと遜色のないダメージを出し続けてきた。Dicey選手のプレイがそこをさらに引き出せば,AXZは格段に強くなるのだろう。


■4月2日(日)18:00〜
  Playoff Round 1 Match 2
  「FL(4位)vs.BC(5位)」


 レギュラーシーズンの直接対決では互いに1勝ずつ,かつどちらもストレートで試合を終えていた。そうした結果と順位も踏まえると,今季のこの2チームに実力差はほぼないと言っていいだろう。
 見るべきは,TaNa選手vs.RayFarky選手のtopマッチアップ。彼らの明暗がチームの勝利に直結すると言っても過言ではないはず。
 RayFarky選手の今季勝率100%を誇る「ダリウス」に対して,FN側はいかなる回答をぶつけるのか。熱き日曜日となりそうだ。

○FL(FENNEL):春季4位
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 今シーズンから新規参戦した,戦術の幅の広さが強みであるこのチームは,「ジェイスにグラガスにジグスにベイガーに〜」といったフレックスピックでの主導権争いを得意とする。手札の豊富さはLJL屈指だ。
 今季からtopレーンに加入したTaNa選手のプレイングが鮮烈で,彼はどんなチャンピオンでも高パフォーマンスを発揮してきた。パッチ13.5でバフされたケネンを用いてくるかが以降の見どころだ。

【注目するなら】Hachamecha選手(jg)
 LJL有数の日本人jgにして,(プレイング的な意味で)屈強な韓国人選手が次々と現れるLJLシーンにおいて,自身の価値を常に示し続けてきた選手。チーム最年長とあり,FLの精神的な支柱でもある。
 目立つのはその強気なプレイスタイルで,視界確保によるコントロールよりも,自身の動きで戦いの流れを変えていく印象だ。「ヴァイ」や「セジュアニ」のように,エンゲージ能力(相手に一方的に仕掛けられるスキルなどの意)を有する硬めのチャンピオンを得意としていることで,今のjg環境ともかなり噛み合っている。
 パッチ13.5から姿を見せはじめる「シン・ジャオ」も得意としており,プレイオフではより一層の活躍が見込めるだろう。


○BC(Burning Core):春季5位
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 なんといっても上半身(top/mid/jgのマップ上部に位置する3ポジションの通称)が強いこのチームは,mid/Dice選手による強力なキャリームーブが,苦しい試合でも数々の打開策を生んできた。
 adc/Yuhi選手は豊富なチャンピオンプール(得意なチャンピオンの数)を持ち,今季のピックだけでも実に14種類をさらした。より多くの手札を用意したいBO5においては頼りになる存在だろう。
 jg/EL選手の活躍に少しばかりムラがあるのは懸念材料だが,プレイオフを勝ち進んでもおかしくないチーム力は十分に備えている。

【注目するなら】RayFarky選手(top)
 言わずと知れた「ダリウス」の名手。ピック時はレーン戦だけでなく,集団戦でもとてつもないプレッシャーを発揮してきた。特筆すべきはスキル「E-捕縛」の自由自在な使い方で,これ一本でエンゲージもカウンターもピールもこなしてみせる。まさにバトルメイカー。
 それにダリウス以外のピックも強力だ。グラガスやジェイスなどのフレックス系も使いこなせるため,実際のプレイングだけでなく,バン&ピックの段階から意識せざるを得ない存在である。


■4月8日(土)18:00〜
  Playoff Round 2 Match 1
  「SG(1位)vs.Round1 勝利チーム(指名権アリ)」


 傑出したチーム力で,春を盤石の1位で駆け抜けてきたSG。上記のどのチームが勝ち上がったとしても,SG側には「問題なく叩きのめすだけ」といった意気込みがあるとみていい。
 1位進出でプレイオフ入りする彼らは特権として“勝ち上がった2チームのうち,対戦相手を指名できる権利”を持つ。
 得手不得手などの相性で見るのか,同じくシード入りしたDFMが苦手なチームをぶつけるようにして,手の内を研究するのか。決勝前から情報アドバンテージを握れるのが今季LJLのトップランナーの強みであり,この指名権がいかに使われるかのモデルケースにもなるだろう。


○SG(Sengoku Gamig):春季1位
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 LJL最強midと名高いJett選手を据えたこのチームは,過去にLPL(中国リーグ)での優勝経験があるadc/LokeN選手を新たに布陣に加え,レギュラーシーズン中はすさまじい快勝を見せてきた。
 ゲーム最高責任者として,数多のチームを世界まで導いたReapeardコーチを迎えた影響も大きく,マクロ面での隙は皆無。名コーチの辣腕は,BO5の戦術面でもいかんなく発揮されることだろう。
 目下のライバルは,プレイオフ直前の直接対決で黒星を味わわせてきたDFMか。両雄が決勝で相まみえる可能性も大いにある。

【注目するなら】Jett選手(mid)
 その活躍ぶりからして,今季のLJL最強格と目されているmidレーナ―。集団戦ではJett選手が画面に映るだけで,空気がヒリつく感覚すらも生まれる。プレイ的にも注目度的にも絶対に目が離せない1人だ。
 プレイの一例を挙げるなら,「サイラス」使用時の驚きのパフォーマンスだろう。対面不利なレーン戦でもなんなくこなし,戦況を塗り替えてきた今季の常勝ピックである。以降は,パッチ13.5の「ルブラン」ピックがあるのかないのか,さらなる飛躍に期待させられる。


■4月9日(日)18:00〜
  Playoff Round 2 Match 2
  「DFM(2位)vs Round1 勝利チーム(指名権ナシ)」


 シーズン序盤こそ不穏な立ち上がりだったが,驚異の10連勝から,気付けば2位浮上。2023年もさすがの大活躍を果たしたDFM。彼らは国内最多優勝チームであり,今大会は5連覇をかけた戦いとなる。
 レギュラーシーズン最終盤は,AXZとの戦いにおいて少々遅れを取ったが(というより,あれはAXZの全力がハンパなかったとしつつ),決戦までにコンディションをどれだけ高めてくるだろうか。

○DFM(DetonatioN FocusMe):春季2位
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 続けてチーム評だが,勝つべき場面でしっかりと勝つ強さ,それを持つこのチームは,全ロールに目立った欠点が見当たらず,全員が“その構成・場面ですべきこと”をしっかりとイメージできている節があり,ゲームプランの遂行力がずば抜けている。LJLにおいて最も総合力が高いチームであるという印象は,多くのファンと相違ないだろう。
 チームの動きとして顕著なのは,序盤に有利を作ったときだ。それをなんとなしに手放すことはなく,着実に有利を広げる動きにつなげる。他チームはそれをどうやっていなすかが勝利のカギになるだろうが……DFM対策をしないチームなどいないだろうから,言わぬが花。
 国内外問わずBO5を戦ってきた経験豊富なメンバーをそろえ,戦術面での切り札も多く,特殊なピックも準備。厄介だ,実に厄介だ。

【注目するなら】tol2選手(top)
 LEC(EMEA地域のリーグ)に渡ったtop/Evi選手に代わり,今季からDFMに加入した若手topレーナ―。キャリア2年目の新人選手とあり,シーズン序盤はプレイ内容を不安視されていたが,短期間で即順応。今では頼りがいすら感じる人も多そうな,DFM topの顔役になった。
 シーズン序盤はbot主軸のメタ関係で,「グラガス」や「サイオン」といったチームの支え役をピックしていたが,もともと「アクシャン」や「トリスターナ」などの超攻撃的なキャリー系チャンピオンが得意な選手のため,プレイオフでの台頭には大いに注目している。


★来季に期待したい「CGA」と「V3」!


 ここまではプレイオフ進出チームの紹介であったが,惜しくもシーズンを終えてしまった7位のCGA,8位のV3にも触れていこう。
 両チームとも,今季は試合中のコミュニケーションエラーが散見されたが,選手らの実力のほどは確かなもの。来季までに弱点を塗り潰し,次こそは上位争いに加わっている姿を目にしたい。


○CGA(Crest Gaming Act):春季7位
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 シーズン開始直後から不調の流れが見えており,徐々に挽回していったものの,同じ状況にあったAXZとの直接対決に敗れてしまったことで,惜しくもプレイオフへの進出を逃してしまったCGA。

 今季はメタの影響もあったのか,要であるtop/Nap選手のプレイがどうにもふるわず。不利なマッチアップながらもソロキルを奪い取るといった場面こそあったが,例年まで見せてくれていた歴戦のプレイングと比べると,ファン目線では少しばかり物足りなかったりも。
 さらにPrimo選手に替わり,Qooコーチがsupを務める事態になるなど,チームコンディションも上向きとはいえなかった。

 しかし,LJL参戦時から言われていた“集団戦が強い”というチームカラーは,今年も変わっていないように感じられた。
 チーム全体の練度が増すであろう,来季の夏までには,これまでのように強いCGAが再来することを願っている。


○V3(V3 Esports):春季8位
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 勝てるマッチはあった。けれど,2マッチ勝たなければならないBO3特有の壁に阻まれ,結果的に全敗で今シーズンを終えてしまったV3。

 コミュニケーションの不通だったのか,外部からでは断じきれないが,少なくとも繊細な動きを求めていきたいはずの場面で,意思統一ができていないシーンがまま見受けられる結果に。
 個々人の力量は間違いなくあるはずで,さらに向上しているのは確か。だが最上位のチームとて「選手5人の意思と判断を,言葉を介していては遅すぎる瞬間の空気で形成し,結果をつかみ取る」といった局面が幾度となく要求されるこのゲームでは,大差のハンドスキルよりも,微差のコミュニケーションが勝敗を分けることが往々にしてある。
 それをどこまで詰められるのか。今後のV3の課題は小さくはない。

 といっても「ノクターン」や「ガリオ」など,メタとは一風異なるユニークなピックを見せてくれるところは興味深い。
 まずは1勝。まっとうな正面勝負でも,相手の意表を突くような戦術でも,次の夏には勝利に喜ぶファンの姿を見せてほしい。

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 あらためて,春の大会「LJL 2023 Spring Split」プレイオフの1戦目「SHG vs.AXZ」は4月1日18時より,Twitch,YouTube,AfreecaTVのライアットゲームズ公式チャンネルで配信される。

 2か月に及ぶ戦いの総決算。どのチームが,どんなピックで,どのようなマクロを用いて,世界戦へのチケットを手にするのか。
 そして春は落としてしまう結果になったチームも,次の夏に始まるであろう「LJL 2023 Summer Split」までに宿題をこなせばいい。

 まずは目の前,今春の日本一がまもなく決まる。
 今週末から行われる最終決戦を,ぜひその目に焼きつけてほしい。

Twitch「LJL 2023 Spring Split」

YouTube「LJL 2023 Spring Split」

AfreecaTV「LJL 2023 Spring Split」

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