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Bungieが制作する最高で最後のHalo。Xbox 360用FPS「Halo: Reach」のレビュー&ムービーを掲載
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印刷2010/10/16 10:02

レビュー

Bungieが制作する最高で最後のHalo

Halo: Reach

Text by Alexander服部


 9月15日に発売されたXbox 360用FPS「Halo: Reach」は,世界中で大ヒットを記録しているHaloシリーズ3部作の,前日譚を描いた作品だ。プレイヤーは,6人で構成されるスパルタン(遺伝子操作により強化されたスーパーソルジャー。3部作の主人公マスターチーフもスパルタンである)の精鋭部隊“ノーブルチーム”の一員となり,地球の最終防衛ラインに位置する惑星リーチにおいて,人類の存亡をかけた重要任務を遂行することになる。

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 ところでHaloシリーズは,ゲームの世界設定が詳細に作り込まれ,過去に行われた戦争も“歴史”として設定されている。3部作の前日譚であるHalo: Reachでの戦いも,当然“過去の戦争”として歴史にその結末が刻まれているのだが,それによると「惑星リーチは陥落し,スパルタンは一人を除いてすべて行方不明になっている」。つまりプレイヤーは,すでに敗北が決定している戦場へと飛び込まなければならないのだ。
 ちなみにHaloシリーズの世界では,「スパルタンの死亡は味方の戦意に大きく関わるため,行方不明という発表以外は違法」とされている。
 果たして惑星リーチは,いかにして陥落したのか。その戦争はどれほど苛烈だったのか。そして,行方不明者達は本当に行方不明なのか,それとも死亡したのか。衝撃的な結末が待ち構えていることをあらかじめ知るがゆえに,多くの謎を抱えながら,プレイヤーはこの戦いに挑むことになる。

 日本ではさほどメジャーとはいえないゲームであるものの,全世界で常に高い評価を得てきたHaloシリーズ。発売日から1か月ほど経ってはいるが,本稿ではその最新作のレビューを,動画を交えてお届けする。FPSというジャンルが嫌いでないのなら,ぜひチェックしてほしい。

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FPSに不慣れでもHaloなら問題ない

未経験でも戸惑うことなく苛烈な戦場へ!


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 Halo: Reachの概要については,「こちら」や「こちら」の記事でみっちりと紹介しているので,ここではとくに興味深い点をピックアップしつつ,ゲームの特徴と魅力をお伝えしよう。

 まず本作は,“シールド+体力制”のFPSなので,そう簡単に即死することはないし,物陰に隠れたりしていれば,シールド/体力も回復していく。そして,各エリアにそれなりの数のチェックポイントが存在するので,FPSが苦手な人であっても,十分ゲームが楽しめる。こういった仕様は,今では何ら珍しくない。ただ,これらは全世界シリーズ累計で3400万本ものセールスを記録したHaloシリーズのおかげで,一気に“FPSの常識”と呼べるまでに一般化したものなのだ。今作のゲームバランスに関しても,誰もが戦闘とストーリーを気持ちよく楽しめるよう,うまく調整されている。

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 それでもFPSは苦手だ! という人にとっては,フレンドと共にストーリーを攻略できるCo-op(協力プレイ)に対応している点が嬉しい。Halo 3やHalo 3: ODSTと同様,最初から最後まで4人同時プレイでゲームを進められる。仲のいい友人などと,同じ戦場で,同じストーリーを楽しむ土台として,Halo: Reachは非常に適している。緊迫感溢れるストーリーを,ノーブルチームの仲間同士として戦い抜くのは無駄にテンションが上がるし,ポジショニングや連係プレイを工夫する楽しみも格別だ。もちろん豊富な武器や乗り物など,一人ではとても扱いきれないような状況でも,Co-opなら無駄なく活用することができる。


 オンラインプレイでは,ODSTから採用されたFirefight(FF)と呼ばれるモードも面白い。これは4人まで同時にプレイ可能なコンテンツで,連続的に攻めてくる敵の一群を,ひたすら蹴散らし続けるというモードだ。
 Gears of War 2のHORDEというモードと基本的な概念は同じなのだが,こちらはラウンド制ではなく,敵の増援が絶え間なくやってくる。結果として,敵の武器を計画的に拾ったり,乗り物を効果的に使ったりというところに知恵を絞り,生き残るために仲間と力を合わせる必要が生じる。

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 一定数の敵を蹴散らすとステージクリアになる(プレイ時間は状況によってまちまち)のだが,攻められ続けたあとの開放感はかなりのものだ。ワンステージの所要時間がちょうど良いので,寝る前にワンプレイ,といった感じで気楽に楽しめる。

 元々,オンラインプレイの充実度が極めて高いシリーズだけあって,オンライン対戦の設定可能項目は数えるのが面倒になるぐらい存在する(オンライン前提のFFにしても同様だ)。ロケットランチャーをデフォルト武器にして,敵を一撃で殺し続ける設定や,重力を半分にして空中戦を楽しむ設定など,ありとあらゆる状況でのオンライン対戦が可能だ。重厚なストーリーを楽しむだけではなく,世界中のプレイヤーとバカ騒ぎするためのアイテムとしても優秀なのが,Haloシリーズの大きな魅力なのである。

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まさにシリーズ集大成

ルーキーでもベテランでも満足できる


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 FPSに不慣れな人でも十分楽しめる本作だが,シリーズ作を残さずプレイしているような人にとってはどうなのだろうか。結論を先に言うと,かなり手応えもあるし,経験者ならではの楽しみ方も用意されている。

 筆者はこれまでのHaloシリーズを,ODSTも含めて最高難度でクリアしてきているのだが,Halo: Reachでの最高難度は従来作に比べてもかなりしんどかった。格段に賢くなった敵のAIや圧倒的な数は,コアプレイヤーでも確かな手応えが感じられるだろう。「レジェンドだってCo-opなら余裕!」という,筆者も持っていたこれまでの認識は,本作では見事に通用しなかった。

 また本作には,ノーブルチームの味方となる部隊がいくつか登場するのだが,その中にODSTのヘルダイバー部隊が含まれているのは,Haloファンにとって非常に嬉しい要素だろう。過去作品を遊んでいなくても普通に楽しめる作品とはいえ,このようなファンサービスはほかにもいくつか盛り込まれている(マスターチーフも登場)ので,ぜひ探してみてほしい。


Haloシリーズ最新作としての魅力


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 世界中で楽しまれているFPSシリーズの最新作ということもあり,本作にはさほど奇抜な新要素は盛り込まれていない。しかし,プレイフィールを大きく変える新要素はしっかりと盛り込まれている。それが“アーマビリティ”だ。

 アーマビリティは,キャラクターに特定の装備を付けさせることで,特殊能力を発揮できるようになるシステムだ。機動力を高める“スプリント”,空中からの強襲や緊急待避を可能にする“ジェットパック”,敵の猛攻から一時的に体を守る“アーマーロック”や“ドロップシールド”,動かなければほぼ「消えられる」“アクティブカモフラージュ”などが存在し,Haloシリーズに新たな奥深さを付与している。

 例えば従来作であれば,乗り物に追いかけられた場合,かなりの確率で轢き殺されていたが,アーマーロックを使えば逆に吹っ飛ばすことができる。ジェットパックがあれば,上昇して空中から反撃することも可能になる。
 物陰に隠れるにしても,相手が直接視認できない場所からホログラムで囮を出しておけば,相手がそのデコイに引っかかる可能性はかなり高く,上手く使うことで戦闘を有利に展開できる(これは敵AIも引っかかってくれる能力だ)。


 掲載したムービーを見れば分かってもらえるはずだが,どの能力も「ここぞ」という場面で力を発揮する。シビアな戦いを強いられるオンライン対戦で,アーマビリティがどれだけ重要になってくるのかは,簡単に想像できるのではないだろうか。


FPS好きなら,買わない理由が思いつかないほどの秀作


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 筆者はこのゲームのストーリーモードをクリアしたあと,何とも言えない感動を味わうことになった。それは惑星リーチの陥落という,(作品世界の)歴史に刻まれたイベントを体験できたからかもしれないし,ストーリー上で明示される“次への希望”が理由かもしれない。間違いなく言えるのは,Halo: Reachのストーリーモードは驚くほどに良くできている! ということだ。シリーズを通して,世界設定や物語がここまでしっかりしているFPSは,そうあるものではない。本作のリミテッドエディションに同梱されている特典“ハルゼイ ジャーナル”に目を通せば,Haloシリーズの世界にどれだけの厚みがあるのか,過去作をプレイしたことがない人でも理解できるはずだ。

 ゲームの基本部分やオンラインモードの出来に関して,その完成度の高さを何度も説明する必要はないだろう。オンライン対戦のバランスなどについては,一部調整が必要な部分もあるだろうが,それは時間(今後のアップデート)が解決してくれるはず。メタスコアや4Gamer読者レビューの点数を見てみても,本作がどれだけ評価されているタイトルなのかがうかがい知れるはずだ。
 ともあれ,FPSが嫌いでない人なら,本作を買って後悔する可能性は極めて低いと思う。なぜか日本では大きく話題にならないタイトルのため,購入をためらっている人も,もしかしたらいるかもしれない。しかし,全世界でシリーズ累計3400万本以上売れているシリーズの最新作,その実力は本物だ。興味のある人はぜひ購入を検討してみてほしい。

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