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[E3 09]古くて新感覚なアドベンチャーゲーム「Heavy Rain」がベールを脱いだ
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印刷2009/06/04 17:12

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[E3 09]古くて新感覚なアドベンチャーゲーム「Heavy Rain」がベールを脱いだ

 フランスのQuantic Dreamが開発する「Heavy Rain」が,E3 2009にて公開された。このHeavy Rainに関しては,2006年にテクノロジーデモ「The Casting」が公開され,カメラに向かって涙を流し,銃口を向けるリアルな女性キャラクターの独演が大いに話題になった(関連記事)。

画像集#004のサムネイル/[E3 09]古くて新感覚なアドベンチャーゲーム「Heavy Rain」がベールを脱いだ

 今回のE3では,PLAYSTATION 3のエクスクルーシブタイトルとして公開され,会場のフロアでは実際に遊べるほどまでできている。今回のプレス向けデモでは,非公開の部分を含むシーンが公開されて,このゲームの魅力が紹介された。
 ちなみにQuantic Dreamは,1999年にデヴィッド・ボウイもキャラクターとして出演した「Omikron: The Nomad Soul」でデビューし,2005年の「Indigo Prophecy」(オリジナルタイトル: Fahrenheit)でも高い評価を得るなどして,アドベンチャー専科の開発チームとして知名度を上げてきた。今回のデモの説明を行った同社のCEOデイビッド・ケイジ(David Cage)氏は,これまですべての作品の脚本を手掛けている。

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 Heavy Rainは,死体に折り紙を飾るという連続殺人犯に絡む,4人のキャラクターが主人公だ。フロアでもデモを遊べるようになっていたFBI捜査官Jayden Norman,そしてショートヘアの駆け出しフォトグラファーMadisonの2人に加え,残りの主人公はそれぞれ8月のGamesCOM,9月の東京ゲームショウ2009で公開されるという。ストーリーでは,これらのキャラクターを交互に操作しながらゲームを進めていく。

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 Heavy Rainの肝は,「クイックタイム・イベントシステム」と呼ばれるゲーム操作を,フルにゲームプレイに活用していることだ。このクイックタイム・イベントとは,イベントシーンが行われているときに,リアルタイムで何らかのボタン操作を加えることで,次のアニメーションの結果が変化するという手法のことで,ここ最近では「God of War」や「バイオハザード5」でたまに挿入される,危機回避シーンなどを想像すればよいだろうか。

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 本作はイベントシーン中,画面上に「△」や「×」などの記号が表示され,一定のタイミングを見計らって,記号に対応するコントローラのボタンを押すという仕組みだ。また,コントローラを強く振って相手の羽交い絞めから逃れたり,リズムアクション風にダンスしたりというシーンもある。
 Jaydenが廃材屋のMad Jackに聞き込みに行くシーンを収録した,会場でプレイアブルで出展されているデモでは,このクイックタイム・イベントシステムを利用してのJaydenとMad Jackの戦いが楽しめるようになっていたが,ボタンを押すのは多くても5秒に1度といった感覚だ。既存のアクションアドベンチャーを想像している人には,「ただ見ているだけのゲームと混乱する可能性はある」とケイジ氏は懸念していたが,このゲームは,激しいボタンやスティックの操作で進めていくのではなく,ボタンのタイミングや選択による,本格的なアドベンチャーゲームの延長線上にあるものだと理解したほうがよいのかもしれない。

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 また,今回のデモでは,「Madison at the Blue Lagoon」と名付けられた,Madisonを操作するチャプターも特別に収録されている。これは,MadisonがBlue Lagoonというクラブに向かい,連続殺人犯に関する何らかの情報を知っていると思われる,ラテン系のオーナーに接近するというミッションだ。クラブでは100人くらいの客が踊っており,Madisonはその間を人にぶつかりながらすり抜けていく。キャラクターの移動には,アナログスティックではなくR2トリガーボタンを利用するが,グラフィックスが美しく,まるでCG映画を観ているかのような感覚である。
 ここではクイックタイム・イベントシステムを使いながら,一般的なアクションアドベンチャーでは想像も付かないような,さまざまな“謎解き”を行っていく。このオーナーの気を惹くために,プレイヤーはMadisonを操作してアイラインや口紅を塗り,コントローラを振りながらスカートを破って丈を短くしたり,服を脱いで腰を揺らすダンスをしてみたりと,かなりお色気ムンムンの行動を取っていくのである。会話にも卑語が多用されており,大人向けのゲームとして売り出すのは確実なようだ。

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 アクションだけでなく,会話にもユニークなシステムが採用されており,ゲーム中にL1トリガーボタンを押すことで,操作中のキャラクターが考えていることが記号付きの文字になって頭の周囲に現れる。落ち着いているときは,ゆっくりと回転しているので,文字や記号を認識しやすいが,焦っているシーンでは文字などが鮮明に表示されないので,読み違ったりボタンを押し間違えたりということも起こり得る。こうしてキャラクターの「焦りのための誤判断」を表現しているというわけである。

Quantic DreamのCEOデイビッド・ケイジ氏が,Heavy Rainを説明する
画像集#001のサムネイル/[E3 09]古くて新感覚なアドベンチャーゲーム「Heavy Rain」がベールを脱いだ
 あまりにも間違ったアクションや会話を選び続けると,当然キャラクター達は窮地に陥り,死んでしまうこともある。面白いのは,この部分にもQuantic Dreamなりのユニークフィーチャーがあり,なんと主人公の一人が死んでしまっても,ゲームはそのまま他のキャラクターを使って進んでいくことになるのだという。
 ケイジ氏は「物語では時として主人公が死んでしまうこともある。ゲームオーバーという要素を取り払うとともに,そんな主人公の死をゲームで表現したかった」と,それぞれのプレイヤーが違った展開を楽しめることを期待しているようである。4人全員が死んでしまうと,連続殺人犯が逃げおおせたという結末で完結するらしい。もっとも,あとで確認してみたところセーブデータは複数あり,どうしても後戻りしたいなら,シーンごとにプレイし直すといったことは可能になるようだ。

 Heavy Rainは,2010年前半に,PLAYSTATION 3専用ソフトとしてリリースされる。日本でのリリースは現時点では未定になっているが,ほかのゲームとは一味も二味も異なるこのアドベンチャーゲームの続報には,今後も注目しておきたいところだ。

  • 関連タイトル:

    HEAVY RAIN -心の軋むとき-

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