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突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた
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印刷2010/08/13 13:52

インタビュー

突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた

画像集#001のサムネイル/突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた
 2010年の6月下旬に発表され,7月14日には正式サービスが開始されたブラウザゲーム「ドラゴンクルセイド2」。前作にあたる「ドラゴンクルセイド」が,日本におけるブラウザゲームの草分けにして代表的な存在であるだけに,突然発表された後継作がどのような内容で,プレイヤーにどう受け止められているのか気になっている人も多いことだろう。そこで4Gamerでは,ベクターでブラウザゲーム部の部長を務める板倉基之氏と,モバイルゲーム部のマーケティング・アライアンスチーム 猪飼良平氏に,ドラゴンクルセイド2について,いろいろ聞いてみた。

 ちなみに猪飼氏は,前作ドラゴンクルセイドを立ち上げたときの中心人物で,現在はモバイル版「ドラゴンクルセイドMOBILE」の企画と運営に携わっている。前作を担当していたときには,一般のプレイヤーに混じって誰よりも深くプレイしていたと,社内でも有名な人物でもある。

「ドラゴンクルセイド2」公式サイト


画像集#002のサムネイル/突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた

好評をもって迎えられた“正統派の後継作”「ドラゴンクルセイド2」


画像集#003のサムネイル/突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた
板倉基之氏
 今や,ベクターが手がける事業の柱に成長したブラウザゲームだが,その発端は2009年4月の専門ポータルサイト「ブラゲタイム」の開設だ。2009年度の決算時には登録会員数25万人と発表されたが,そのあとも引き続き会員数は増加中と,かなりの好調ぶりを見せている。
 また,サービス開始から1年3か月が経った現在,稼働中のブラウザゲームは他社提供のものも含めて9タイトル。さらに2010年の夏から秋にかけて新たに2タイトルの投入を予定している。

「現在は自社タイトル5つ,他社提供タイトル4つという体制でやっています。日本のブラウザゲーム専門ポータルとしては,間違いなくナンバーワンといえます」(板倉氏)

 しかし,ブラゲタイムの看板タイトルとなったドラゴンクルセイドも,サービス開始からわずか1年強しか経っていない。その状況で,新たにドラゴンクルセイド2を投入したのは,少々タイミングが早いとも思える。というのも後継作の登場により,まだ商品価値の残っている前作を潰してしまうリスクが発生するからだ。

画像集#004のサムネイル/突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた

 実際,社内でもそうした議論が起こったそうだが,結局ベクターでは,プレイヤーに与える“新鮮さ”を重視し,ドラゴンクルセイド2の好調な開発状況を鑑みて投入を決定。その結果,プレイヤーからの反応は上々で,現時点では両タイトルを並行してプレイする人が多く見られるという。

 「ドラゴンクルセイド2と前作の違いは,まず見た目が綺麗になりました。またシステム的にはレベルが上がりやすくなったことをはじめ,全体的なスピード感が上がっています。前作だと,1年以上プレイしても英雄がレベル40に達しているかどうかというところですが,2では1週間でレベル30台後半になり,40も見えてきたという感じになっています。そろそろギルド戦の段階に入りますね」(板倉氏)

 プレイヤー数の増加も順調で,すでにサーバも2台稼働しており,8月上旬には3台目を設置するとのこと。これは当初の予想を大きく上回る勢いなのだという。
 そのほかドラゴンクルセイド2では,前作でプレイヤーが不満を抱いていた部分が改善されている。開発元のBeijing Sun Ground Interactive Entertainmentは,日本のプレイヤーの要望や動向を積極的に分析し,コンテンツを企画したり,バランスの調整を施したりしているという。

画像集#005のサムネイル/突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた

 「中国では,早い段階で前作の人気が落ちてしまったことも,その理由でしょう。そのあとでブームになった日本市場については,かなり意識しているようです。弊社タイトルも含めて,中国開発のゲームは移植する段階では,日本市場と少しズレていると感じることが多いのですが,ドラゴンクルセイド2に関しては,最初から高いレベルで日本向けになっていました」(板倉氏)

 「一プレイヤーの視点でいうと,“正統派の後継作”という感じです。前作のいろんな部分に手が入っていて,『楽しいなあ』と。
 また城を建てたあとに,内部の施設の位置を入れ替えられるようになったのも,日本向けの仕様ですね。日本のプレイヤーは,きちんと内部が整理されていることを好みますが,中国ではあまり気にしないようで,最初は開発元に全然理解してもらえませんでした」(猪飼氏)


画像集#006のサムネイル/突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた
 バランス調整の中には,プレイヤー間のコミュニケーションに配慮して施されたものもある。例えば,前作ではプレイヤー各自が資源地を6個まで所有することができた。その設定では,プレイヤーの数に対して,資源地の絶対数が少なく必然的に争奪戦が発生するというわけである。しかしゲーム序盤では,争奪する側も防衛する側も戦力が少なく,お互いに戦争を仕掛けることができない。するとどうなるかというと,プレイヤー同士が書簡(ゲーム内のメール)で罵り合いを始めてしまうことが多いのだ。

 「そうしたやり取りに関しての意見は,かなり寄せられていました。そこで2では,一人が所有できる資源地を2個までにし,その代わり資源地にレベルの概念を持たせています。そうなると序盤での争奪戦は発生せず,ある程度の期間を置いて戦力を蓄えた者同士が,高レベルの資源地をめぐって戦うことになるわけです。」(板倉氏)


画像集#008のサムネイル/突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた
 ゲームのスケール感という点では,ギルド関連に大きく手が加えられている。ギルドごとに城を所有できるようになり,ギルド同士で戦争をすることの必然性がシステム的に強められた。
 またギルドに加入せず,一人でプレイする人に向けた要素も強化されている。前作にもあったチュートリアルクエストに加え,種族ごとのストーリークエストや,全体的なバックストーリーが用意され,RPG的な遊び方を楽しめるようにもなった。

 「種族の選択にしても,前作は1年経過したことで『上を目指すならコレしかない』というような定番が決まってきてしまいました。そこで2ではバランスの再調整だけではなく,種族数も増やしたのですが,新しい攻略要素として受け止められているようです。中でもドワーフの女性は好評で,ゲーム内ではファンクラブのようなものを作って楽しんでいる人達もいますよ(笑)」(板倉氏)

 「前作のときから要望として出していた8時間の停戦アイテムが実現して嬉しいです。前作では1日と5日単位のものしかなく,システムの都合で時間単位のアイテムは作れなかったんです。そうなると例えば深夜0:00に使うと,停戦が解けてプレイを再開するのも深夜0:00になってしまうんですよね。それが8時間単位になると,朝まで眠ってからプレイを再開できます(笑)。そのほか,どうしても出席しなければならない冠婚葬祭などのときにも使えそうです」(猪飼氏)

 「全体的に,前作をプレイしていた人達からは良好な反応が返ってきています。2は有料アイテムの種類を増やしたので,少し心配ではあったのですが,フタを開けてみればこちらも好評でした。
 一部には,『前作と全然違うゲームになることを期待していた』『前作のノウハウを使いまわせるので新鮮さが薄い』という意見もありましたが」(板倉氏)

 意外なところでは,前作であればオフィスで仕事中に起動しても分かりにくかったが,グラフィックスが向上したドラゴンクルセイド2では目立ちすぎて困るという意見もあったそうだ。

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 そのほか面白い傾向としては,どのブラウザを使って遊んでいるかという点が挙げられる。ベクターのほかのタイトルでは,Internet Explorerが80%以上を占めるのだが,ドラゴンクルセイドシリーズは60%台と低めの割合になっている。次いでFire Foxが20%程度で,それを追うGoogle Chromeの伸びが著しい。その一方では,Safariの使用率からMacintosh/iPhoneユーザーが少なからずいることがうかがえ,ほかのオンラインゲーム/ブラウザゲームとは少々異なるユーザー層が垣間見えてくる。

 「ドラゴンクルセイドシリーズはFlashを使っていないので,多くのブラウザや機種で動作します。ユーザーさんの環境として珍しいところでは,Wiiでしょうね。前作はWiiのブラウザでプレイできたのに,2になって解像度が上がったので遊べなくなったという意見を,2名のかたからいただきました」(板倉氏)

 ドラゴンクルセイド2の発表にあたり,ベクターが最もナーバスになっていたのは,「前作の扱いはどうなるのか? サービスが終了してしまうのではないか?」というプレイヤーからの問い合わせだったという。

 「実は前作から2に繋がるイベントも企画して準備を進めていたのですが,実装が間に合わず実現しなかったんです。そのイベントは長期にわたって開催される予定で,2のサービスが始まったあとも,前作のサービスが継続されることが誰の目にも分かるようにしてあったのですが……。しかも前作で何もしていない時期に2の発表を行ったので,余計に前作のサービスが終了するような雰囲気を与えてしまったかもしれません。とはいえ,まだギルド戦を実装していないサーバもありますから,我々としてはサービス終了なんて考えてもいませんでしたけれども」(板倉氏)

 なおドラゴンクルセイド2は始まったばかりということもあって,ゲームイベントなどは一切公開されておらず,今後は,攻城戦イベントなどが次々に行われる予定だ。なお,前作の攻城戦はベテランプレイヤーでも難解な仕様だったが,2ではよりシステマチックにして分かりやすくしているとのこと。


ベクター初のシリーズ展開として,モバイル版を含めた3タイトルそれぞれに注力


画像集#009のサムネイル/突如市場に投入された人気作の後継「ドラゴンクルセイド2」。その位置付けなどをベクターの運営スタッフに聞いてみた
ドラゴンクルセイド
 ドラゴンクルセイドは,上記の通りブラウザゲームを日本市場に知らしめた前作と,今回サービスを開始した2,そしてモバゲータウンで提供しているモバイル版が存在し,いずれも開発は中国のBeijing Sun Ground Interactive Entertainmentが行っている。ベクターでは,同社初のシリーズ展開という位置づけで,今後もそれぞれ展開していく。


 「ドラゴンクルセイド(前作)には,もともと大悪魔を封印するという設定があるので,それを『封印戦争』という形で実現します。実は中国で同じコンセプトのコンテンツがあったのですが,日本でそのまま実装しようと提案したら,開発元から『つまらないので,やめてくれ』といわれてしまいました(笑)。そこで日本では,現在,一から見直しています。実装時期は,なるべく早くと考えていますが,なんとか暑いうちに……」(板倉氏)

 ドラゴンクルセイドMOBILEに関しては,日本市場の状況と動向を踏まえ,ベクター側で仕様を決め,開発作業は中国という,共同開発となっている。

 「発端は,『モバイルいいよね,やりたいよね』という感じでしたね(笑)。そこで開発元に提案したのですが,そもそも中国には日本と同じモバイル環境がないわけです。そこで日本に来てもらって,いろいろ説明することになりました」(猪飼氏)

 モバイル版の具体的な企画が上がった2010年初頭は,中国の開発元の所在地近辺では3G回線がほとんど機能していなかったという。また日本のモバイル環境にしても,多彩な機種に応じたユーザーインタフェースの調整など,考慮しなければならない部分が多く,開発は困難の連続だった。

 「モバイル版を遊んでいる人の中には,ブラウザ版のプレイヤーもいますし,名前を知っているタイトルだから試しにやってみたというかたもいます。ゲームとして見た場合,細かい作業が多く,あまりモバイルに向いているとはいえないので,遊んでくださっている人には感謝しています」(猪飼氏)

 実際にモバイル版を体験したプレイヤーの反応は,「難しい」というものが大半を占めるという。しかし,それ以外のネガティブな意見はほとんど見られず,「難しいが,面白いゲーム」「こういう歯応えのあるゲームを待っていた」といった感じで受け止められているようだ。

ドラゴンクルセイドMOBILE
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 「モバイル版は,ブラウザのドラゴンクルセイドと比較すると,いくつかの部分で機能を制限しています。これは機能が多すぎるので,ゲームの内容をある程度把握するまでは制限しておいたほうがいいという判断に基づいた措置です。8月からはその制限を順次解除していきますので,いずれはモバイル版でもブラウザ版とほぼ同等の機能が使えるようになります。また難しいといわれている部分や,ユーザーインタフェースは随時改善していきます」(猪飼氏)

 また,シリーズ全般にいえることだが,効率のよさをひたすらに追求する日本人プレイヤーが多いことに,開発元はかなり驚いたそうだ。日本のプレイヤーは,開発の意図とは異なる形でゲーム内のシステムを利用──いわば“隙間”を見つけ出し,より効率のいいプレイをしているというのである。

 「例えば『即撤収』という有料アイテムがあります。もともとは自分の城が襲われたときなどに,狩りに出向いている英雄を呼び戻すためのアイテムなんですが,あるとき,誰かが効率のいい経験値稼ぎに使えることに気づいたんです。その日を境にこのアイテムがバンバン売れるようになったので,開発元が不思議に思って理由を尋ねてきたんですよ。そこで事情を伝えたら,少し呆れていました(笑)」(猪飼氏)

 最後に,ドラゴンクルセイドシリーズのプレイヤーに向けたメッセージを両氏にいただいたので,掲載しよう。

 「ドラゴンクルセイド2は,前作のプレイヤーの皆さんから寄せられた意見を大きく取り入れており,非常に遊びやすくなっています。また,シリーズを初めてプレイするという人には,少しとっつきにくい部分があるかもしれませんが,チュートリアルも前作と比較すると分かりやすくなっています。ぜひプレイしてみてください」(板倉氏)

 「皆さんの要望は,仕様上無理なものはともかくとして,可能な限り実現できるようにしていきます。ドラゴンクルセイド2は,前作を遊んだことがある人であれば一層楽しめるようになっています。ドラゴンクルセイドMOBILEともども,よろしくお願いします」(猪飼氏)

「ドラゴンクルセイド2」公式サイト

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