ムービー
パンツァー,フォー! ミンスクで開催されたWargaming.net記念イベントの特別ムービー公開。撮影風景,動くIII号突撃砲のムービーなどを合わせて掲載
「World of Tanks」で知られるベラルーシのWargaming.netは,今を去ること2か月前の2013年8月1日,2日の両日,同社設立15周年を祝うイベントをベラルーシの首都ミンスクで開催した。そのときに行われたカンファレンスは8月3日に掲載した記事で,また,正式サービスの開始が11月に延期されてしまった「World of Warplanes」のテストプレイおよび開発者インタビューは,8月7日に掲載した記事のとおりだが,ここでは,我々がそれ以外に何をやっていたのかということをお伝えしたい。
我々はベラルーシで何をやっていたのか? いい質問です。実はムービーを撮っていました。いやもう,マジで。それが,下に掲載したものだ。
「Wargaming.net」公式サイト
「World of Tanks」公式サイト
現在CEOを務めるVictor Kislyi氏を中心に,主に学生時代の知り合いが集まって立ち上げられたという,そんなWargaming.netのデビュー作は,中世を背景にしたターンベースのストラテジー「DBA Online」だった。あなたがもし熱烈な「DBA Online」ファンだったら申し訳ないが,ロシア/東欧での販売はそれなりでも,日本ではほとんど知られていないタイトルといっても過言ではない気がしないでもないと思う。
■「DBA Online」
約2か月の制作期間を要したムービーの最初のパートは,その「DBA Online」をイメージしたものになっており,私が想像するに,記念すべき15周年,オレ達はここからスタートしたんだよなあという感慨の表れではないだろうか。ムービーのほとんどは役者さん達が演じているのだが,合間合間にチラチラッと出てくるエキストラ,実はそれが我々メディアなのだ。なんだかそれらしい衣装を着せられて演技指導され,西洋チャンバラを演じたわけで,証拠の写真を上に掲載したので,ムービーと見比べると面白いかもしれない。取材を行ったライターの徳岡正肇氏もモンク風の衣装を着させられて写真に写っているが,ちょっとトイレに行っているスキに撮影が終わってしまったので,実は映画には映っていない。いや,それがさあ,トイレの前にがんばっているおばちゃんが,なぜか中に入れてくれなくて,英語は全然通じないし,なんかひどい目にあったんだよ,ってのは余談。
■「World of Tanks」と「Order of War」
残念ながら,我々日本のメディアは撮影時,「World of Warplanes」のIvan Kulbych氏にインタビューしていたので,ムービーには映っていない。こんなんばっか。いいんですけど。以下に,17:00になったのでとりあえず車庫に帰って行く公務員チックなIII号突撃砲の姿を撮影したムービーを掲載したので,興味のある人は見てほしい。それにしてもIII突だって,びっくりしたなあもう。
ご覧になってお分かりのように,このパートもほとんどが役者さんとCGによって構成されているが,必要以上に嬉しそうな徳岡氏の顔がようやくチラリと確認できるので,ぜひお見逃しなく。まあ,たとえ見逃してもそれほど惜しいわけではないかもしれません。
■「Stalin's Line Museum」
さて,このへんでムービーの撮影および,翌日行われたWargaming.net15周年記念イベントの会場となった「Stalin's Line Museum」について紹介しよう。ここは,ソビエト連邦の対ドイツ戦勝60周年を記念して2005年6月30日にオープンした施設で,新旧取り混ぜた戦車や大砲,航空機,ヘリコプター,戦闘機からミサイルまでが,広大な敷地に多数展示されている。
ちなみに“Stalin's Line(スターリンライン)”とは,西からの攻撃に備えてスターリン時代以前から整備されていた防衛線のことで,フィンランド国境近くのカレリア地峡から黒海まで続く,約1200kmにもおよぶ長大なもの。当時ソビエト連邦の一部だったベラルーシ共和国では,300以上のトーチカと140kmにおよぶ防衛ラインが作られている。
もっとも,機械化された近代陸軍の前に永久要塞は無力であり,はるかに凝った作りになっていたフランスのマジノ線同様,ドイツ戦車部隊にあっさり突破されてしまったのは,皆様よくご存じのとおりだ。
2012年10月6日に掲載した記事で紹介したロシアの「クビンカ戦車博物館」に比べると,日本における知名度はあまり高くないかもしれず,また,車両や航空機はすべて野外展示となっているため,保存状態もあまりよろしくない。ただ,筋金入りの戦車ファンにとって嬉しいかもしれないのは,廃棄された戦車がそのへんに置いてあることだ。半ば壊れているとはいえ,T-55のエンジンルーム内部やBMPの操縦席など,普段なかなか目にすることのないものが見られて,とくにとくに徳岡氏の興奮は尋常じゃなかった。
さらには,架橋戦車や舟艇運搬車,移動式レーダーサイトや地雷原啓開用の車両など,ソ連/東欧の野戦特殊車両のコレクションも豊富であり,ここでしか実物を見られなさそうな車両も少なくない。そのむき出しのメカニズムにグッと来る人も多いかも知れないので,ベラルーシに行く機会があれば,ぜひこの「Stalin's Line Museum」も視野に入れておこう。
上にも書いたように,翌8月2日にはWargaming.netの従業員やその家族,そして関係者が招待された記念パーティーが大々的に開催された。会場マップに「Shooting Area」と書いてあるので,何かを撮影(Shoot)するのだと思って行ったら,AK-47だのマキシム機関銃だのを本当に撃たせてくれて(ただし,空砲)ビックリしたり,装甲兵員輸送車にお客さんを乗せてコースを1周してくれたりと,日本では考えられないようなアトラクションが多数用意されていた。ベラルーシ空軍によるデモ飛行まであったよ。
■イベントの模様
というわけで,これからも彼らの動きには注目していきたい。
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