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MSI,Radeon R9 280X/270X搭載カード3製品を発表。メディア向けラウンドテーブルで同社製グラフィックスカード独自の特徴をアピール
製品ラインナップは,「R9 280X Twin Frozr 4S OC」と,「R9 270X Twin Frozr 4S OC」「R9 270X HAWK」。販売代理店想定売価は順に,4万5000円前後,3万円前後,3万4000円前後となっており,いずれも10月25日発売予定だ。
掲載当初,発売日を10月18日と記載していましたが,販売代理店のアスクから,発売日が10月25日に変更されたとの発表がありましたので,本文を変更いたしました。(2013年10月17日)
なお,Radeon R9 280XやRadeon R9 270Xとは何か,という話は,掲載済みの解説記事およびレビュー記事をチェックしてほしい。
AMD,R9 290シリーズを除くRadeon R9&R7シリーズのスペックを公開。R9 280X以下は基本的にHD 7000系のリフレッシュ
「Radeon R9 280X」「Radeon R9 270X」「Radeon R7 260X」レビュー。AMDによる“2013年秋のリネーム祭り”は侮れない
ゲーマー向けモデルはTwin Frozr 4Sクーラー搭載
HAWKシリーズは「同価格帯で一番上」を目指した製品
まずは発表された3製品を説明しておこう。R9 280X Twin Frozr 4S OCはRadeon R9 280Xに,MSI独自の「Twin Frozr 4S」クーラーを組み合わせたゲーマー向けグラフィックスカードである。下に掲載したスライドでは,GPUコアのベースクロックが書かれていないが,確認したところベースクロックが1000MHz,最大動作クロックは1050MHzとのことで,リファレンス仕様より最大動作クロックが50MHz分クロックアップされている。なお,グラフィックスメモリは容量3GBのGDDR5メモリで,動作クロック6GHz相当という点はリファレンス仕様と同じだ。
映像出力端子は,mini DisplayPort×2,HDMI×1,Dual-Link DVI-I×1の4系統を備えている。
R9 280X Twin Frozr 4S OC(左)と,スペックや特徴を記したスライド(右) |
R9 270X Twin Frozr 4S OCも,Twin Frozr 4Sクーラーを搭載するゲーマー向け製品だが,GPUコアのベースクロックが1070MHz,最大クロックが1120MHzと,Radeon R9 270Xの「最大1050MHz」と比べると,メーカーレベルで若干のクロックアップがなされている。グラフィックスメモリは容量2GBで動作クロック6GHz相当と,こちらは定格どおりだ。
映像出力端子は,DisplayPortとHDMI,Dual-Link DVI-IとDual-Link DVI-D各1系統となっている。
R9 270X Twin Frozr 4S OC(左)と,スペックや特徴を記したスライド(右) |
もう1製品のR9 270X HAWKは,ゲーマー向けではなくオーバークロッカー向けの製品である。スペック面を見ると,グラフィックスメモリ容量やメモリの動作クロック,映像出力端子などはR9 270X Twin Frozr 4S OCと同じだが,GPUコアのベースクロックは,若干高い1080MHzに引き上げられている(最大クロックは未公開)。搭載するクーラーは「Twin Frozr 4」とのことだ。
R9 270X HAWK(左)と,スペックや特徴を記したスライド(右) |
MSIは4つの要素でグラフィックスカードを差別化する
説明の冒頭でYang氏が提示したキーワードは,「G.A.M.E. Spirit」というもの。G.A.M.E.の部分には,以下のような意味が込められているという。
まず「G」は,MSI製の簡易オーバークロックツール「Gaming App」のことだ。同社独自のオーバークロックツールといえば「Afterburner」が名高い。しかしYang氏らが言うに,「Afterburnerでは難しい」というユーザーが少なくないのだという。そこでもっと簡単に,ボタンを押すだけでグラフィックスカードの動作設定を変更するツールとして提供されているのが,Gaming Appというわけだ。
Gaming Appでは,「Gaming Mode」「ECO Mode」「Silent Mode」と用意された3つのボタンを押し分けることで,グラフィックスカードの動作モードを変更できる。たとえば,[Gaming Mode]ボタンをクリックすればオーバークロック動作モードに切り替わり,[Silent Mode]を押せばファンの回転数を落とした静音動作モードに切り替わるという。「普通の人も欲しがる3つの機能」(Yang氏)を簡単に切り替えられることが,他社製品にない利点であるとアピールしていた。
続く「A」は,「Advanced thermal design」の頭文字で,MSI製グラフィックスカード独自の冷却機構を意味する。たとえばTwin Frozr 4やTwin Frozr 4Sの場合,冷却ファンからのエアフローを誘導するバッフルプレート的な機能を,放熱フィンの加工によって実現しているのだという。たしかにフィンをよく見ると,小さな「ハ」の字型の窪みがあり,これでエアフローの向きを整えているらしい。これはMSIが特許を持っている技術とのことだ。
Twin Frozr 4とTwin Frozr 4Sで共通して導入されている,エアフロー制御技術の説明スライド(左)と,R9 280X Twin Frozr 4S OCに実装されたその実物(右)。ハの字型に窪んでいる部分で,エアフローを誘導するらしい |
また,R9 270X HAWKは裏面にも金属製プレートを装備しており,放熱面ではほかの2製品よりも有利になっているとのこと。電源部の温度は,背面にプレートを装着しない状態と比べて4〜5℃ほど下げられるという。
ファンを支えるフレームの右側に見える黒い板が,そのプレートだ(左)。GPUやメモリチップには接していないが,カード表面を広く覆っている(右) |
3文字めの「M」は,MSIのマザーボードやグラフィックスカードではお馴染みの「Military Class Component」のこと。高品質で高耐久性の部品を使うことで,製品全体の耐久性が大きく変わるのだという。今回の新製品はMilitary Class 4に準拠しているとのことだが,これら高品質の部品の採用によって,こうしたものを使わない場合と比べて,コストは25%も上がっているのだそうだ。
Predator自体は2011年に登場したものだが,今ひとつアピール不足が響いてか,あまり知られていないとYang氏は嘆く。ゲームのプレイ動画撮影が人気を集めていることでもあるので,これをあらためてアピールすることで,MSI製品の人気を高めたいとのことだった。
今後も日本市場ではハイエンドを重視し,品質の高さを訴えていくと述べて,Yang氏は説明を締めくくった。Yang氏の言葉どおりの製品が,今後も登場し続けることを期待したい。
MSI ゲーマー向けグラフィックスカード 製品ページ
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