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「戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡」前編のBD/DVDは2011年6月29日発売。中村悠一さん,遠藤 綾さん,浅野真澄さんらによるトークショウが行われたプレミア上映会をレポート
これは,セガのPSP用ソフト「戦場のヴァルキュリア3」を原作とする「誰がための銃瘡」前編のBlu-ray/DVD(※)が2011年6月29日に発売されることを記念したイベントだ。
※通常版はDVDのみ,完全生産限定版はBlu-ray/DVDで発売される(関連記事)。
このイベントでは,「誰がための銃瘡」の前後編が一挙に上映された。抽選で選ばれた300人の幸運な来場者達は,2011年8月31日に発売予定の「誰がための銃瘡」後編を,発売に先駆けて鑑賞できる機会を得たわけだ。
また,クルト役の中村悠一さん,リエラ役の遠藤 綾さん,イムカ役の浅野真澄さん,監督の近藤信宏さん,演出の三好正人さんらによるトークショーが,上映前と上映後の2回にわたり行われた。
本稿では,トークショウの模様を中心にレポートしていこう。なお,以前掲載した「誰がための銃瘡」のプロモーションムービーを以下に再掲載しておくので,まだチェックしていないという人はぜひ視聴してみてほしい。
OVA「戦場のヴァルキュリア3 誰がための銃瘡」公式サイト
「戦場のヴァルキュリア3」公式サイト
作品の上映に先駆け,まずは中村悠一さん,遠藤綾さん,浅野真澄さんという,主要キャスト3人によるトークショーが行われた。
最初のお題は,「誰がための銃瘡」の後編が完成し,映画館で上映されることについての感想だ。
中村さんは「この作品はOVAなのでご家庭では観られると思うんですが,今回のように大きなスクリーンや立派な音響で観られるのは,うらやましいですね」とコメント。
遠藤さんは「後編は先日完成したばかりなので,私達もまだちゃんと観ているわけではないんです。前編・後編を映画のように一つのストーリーとして観られるのは今日しかないので,楽しんでください」と語った。
浅野さんは「後編が完成したのは4日前と,できたてほやほやです。前編を観ていない人も多いかもしれないけど,スクリーンで観ていただけて嬉しいですし,迫力のあるシーンも多いので,楽しいのではないかと思います」と述べていた。
続いては,お勧めのシーンや見どころについてのトークとなった。
中村さんは「前編・後編合わせて1時間なんですが,主要キャラクターや,シリーズに登場したキャラクターが散りばめられていて,そこが見どころになっていると思います。この中には『戦場のヴァルキュリア3』を遊んでいない人もいるかもしれないけど,『戦場のヴァルキュリア』を遊んだ人でも楽しめる要素があると思います」とアピール。
遠藤さんは「イムカとリエラの関わり合いや,ゲームとは違ったストーリーが描かれているところが面白いと思います。リエラがヴァルキュリア化しますし,ゲームでしか見られていないシーンも注目なのではないかと思います」とコメントした。
浅野さんは,イムカがデレるところや,かわいい仕草をするシーンを見どころとして挙げた。浅野さん自身も,アフレコ時に「イムカかわいいなあ」と思っていたそうだ。
また,事前に本上映会の応募者から寄せられた質問にキャスト陣が答える一幕もあった。その質問は「好きなセリフや一番気合を入れたセリフを教えてください」というもの。
遠藤さんが挙げたのは,前編の「あ,ミュートリング」というセリフ。リエラの故郷では「ミュートリングの鳴き声を聞くと幸せになる」という言い伝えがあるのだが,それに対しクルトは「そんな迷信に根拠はない」とあしらってしまう。遠藤さんは,「クルトは恋愛に興味がなく冷たいこともあるけど,任務や使命に忠実という面が分かったから辛くはなかったですね」と,このシーンを振り返った。
中村さんは,後編にある「作戦を説明する!」というセリフを挙げた。「こんなセリフは普段は言わないし,『戦場のヴァルキュリア』らしさや,クルトらしさが出ている」という理由から選んだとのこと。また,アニメのアフレコはゲームと違い,声優が集まって収録したため,この命令するセリフから掛け合いにつながるといった展開が楽しかったそうだ。
浅野さんは,「セブンが言うことに間違いはない」というセリフを挙げた。「イムカは誰にも心を開いていない一匹狼のようなキャラクターだったのに,誰かに対するセリフが出てきて嬉しかったのではないかと思います」とコメント。続けて,「ただ,クルトはこれに対してのリアクションはないんです」と話し,会場の笑いを誘っていた。
中村さんは最後に,「ゲームからOVAというように,別の展開をしていくのはなかなかないと思いますが,これもシリーズを応援してくださっている皆様のおかげです。楽しんでいってください」と謝辞を述べてステージを降りた。
上映会で鑑賞できた「誰がための銃瘡」については,ネタバレをできるだけ避けつつ,見どころを紹介していきたいと思う。なお,「こちら」の記事に世界観や前編のあらすじを記載しているので,知りたい人はチェックしてみてほしい。
後編のあらすじを大まかに説明すると,ガリア正規軍 422部隊(通称:ネームレス)とガリア公国義勇軍 第7小隊が,帝国軍の拠点「ディルスバーグ橋頭堡」を攻略するという内容。もちろん,帝国軍特殊部隊 カラミティ・レーヴェンも登場し,ストーリーに絡んでくる。
作戦遂行に当たっての迫力ある戦闘シーンが描かれるだけでなく,第7小隊ではイサラに見せ場があったり,ネームレスでは隊員同士の衝突があったりといったドラマもあり,時間があっという間に過ぎてしまうと感じられるほど,濃密な内容になっていた。
上映後に行われたトークショーには,遠藤さんと浅野さんに加え,監督の近藤信宏さん,演出担当の三好正人さんが登壇した。
まず,作品を劇場のスクリーンで鑑賞した感想を登壇者達が語った。
近藤さんは,大きな画面と立派な音響だと迫力があるとコメント。「皆さん,DVDやBlu-rayを買ったら,大きな画面とリッチな音で観ていただくといいと思います」とアピールも忘れなかった。
三好さんは,PSPでしか見られない「戦場のヴァルキュリア3」の世界が大きなスクリーンで再現できたことが,今回のアニメ化で一番良かったところだと述べた。
遠藤さんは,「リエラのヴァルキュリア化は,たくさんのカットを使っていただきました。PSPの画面でも迫力はあるんですが,スクリーンで観られて嬉しかったですね。イムカの戦闘シーンも言葉数は少ないけど迫力があるし,堪能できました」と語っていた。
浅野さんは,アフレコ時はまだ色や音がついていなかったため,「これがいったいどうなるんだろう?」と思っていたそうだ。実際に仕上がったものを観てその迫力に驚き,また戦闘シーンへのこだわりが分かって嬉しかったそうだ。イムカについては,「銃に弾を装てんするところがかっこいいし,リアルですね」とコメントしていた,
「戦場のヴァルキュリア3」は,リエラとイムカのダブルヒロインという設定のため,それぞれの見せ場を作るのは難しかったそうだ。
近藤さんは「ヒロインが2人も出てくると,カットを作るのが大変だった」,三好さんは「リエラのヴァルキュリア化のシーンが演出的に一番重い」と,それぞれ苦労した点,悩んだ点を明らかにした。また,苦労しただけあって迫力あるものが描けたと,仕上がりについての自信もうかがわせていた。
なおイムカに関しては,キャラクターを把握しにくいということがあったという。たとえば作画においても,セガからの「その表情を出すのはまだ早い」「孤独感を漂わせて表現してほしい」といったリクエストに応えるのには苦労したと,制作時の裏話も飛び出た。
遠藤さんは,前編収録の際,台本の出演キャストリストに「戦場のヴァルキュリア」のキャラクターと担当声優の名前があるのを見つけて驚いたという。また,作品の一員になれたことと,「戦場のヴァルキュリア3」のチームが引っ張っていける作品になったのが嬉しかったと話していた。また,アフレコに関しては,ネームレスのメンバーとの掛け合いがあったが,緊張感より嬉しさのほうが大きく,前編・後編ともに楽しく収録できたと述べていた。
浅野さんは「ゲームでは一人で収録したけど,アニメのアフレコではキャラクターの空気感や人間関係が分かりました」とコメント。アフレコで“この人はこういう感じ”という感覚が立体的になったことが興味深かったと話していた。
最後に,アニメの発売を待つファンに向けて各登壇者がそれぞれ以下のようにメッセージを送り,イベントは幕を閉じた。
遠藤綾さん:
ゲームからOVA化されて,イベントにも出させていただくことはなかなかないですし,本当に光栄に思います。続編がありそうな雰囲気でしたが,そのときは皆さんの応援の力が必要になりますので,これからも戦場のヴァルキュリアを応援してください。
浅野真澄さん:
「戦場のヴァルキュリア」に関わらせていただいて1年ぐらい経過しましたが,今回のイベントの応募者はすごいことになっていたと聞いています。それだけ多くの皆さんに注目してもらえてありがたく思っています。ゲームもOVAも面白いので,これからも応援してもらえればと思います。
近藤信宏さん:
ゲームを遊んでいないとストーリーが分からないと思うので,ぜひ遊んでみてください。そして,ここから世界が広がっていくといいですね。ゲームもOVAも応援していってもらえるとありがたいです。
三好正人さん:
ゲームをまだ遊ばれていないのなら,そちらも楽しんでいただきたいです。そして,OVAとゲームを行ったり来たりすると楽しめると思います。
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