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Xperia Z5三兄弟や「Nexus 5X」の性能と発熱を「デレステ」で検証。NTTドコモ2015〜16年冬春モデルテストレポート前編
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印刷2015/10/01 16:16

テストレポート

Xperia Z5三兄弟や「Nexus 5X」の性能と発熱を「デレステ」で検証。NTTドコモ2015〜16年冬春モデルテストレポート前編

新製品発表会で「Xperia Z5 Premium」を披露するNTTドコモ代表取締役社長の加藤 薫
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 既報のとおり,2015年9月30日,NTTドコモは,2015〜16年冬春モデルとなるスマートフォンとAndroidタブレット計10製品を発表した。2015年夏モデルと比べて,ハードウェア面で劇的に進化した,という製品はあまりないのだが,同じSoCを使う製品ばかりだった前回に比べると,いろいろとバリエーションが増えたように思える。
 そこで本稿では,10機種の中から,4Gamer読者が気になりそうな機種を重点的にチェックしてみたい。取り上げるのは,Xperia Z5シリーズの三兄弟と,北米時間2015年9月29日に発表されたばかりの「Nexus 5X」の計4製品だ。

コンパニオンのお姉様方の中に,東京ゲームショウ2015の会場で「Xperia入浴」を披露されていた早瀬あやさん(左)がいらっしゃいました
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Xperia Z5,Xperia Z5 Premium

Xperia Z5 Compact


 最初に,発表されたXperia Z5シリーズのラインナップを整理しておこう。ラインナップの中核である,“無印”モデルの「Xperia Z5 SO-01H」(以下,Xperia Z5)は,2015年夏モデルで登場した「Xperia Z4」の後継機に当たる製品だ。同様に,「Xperia Z5 Compact SO-02H」(以下,Z5 Compact)は,2014年冬モデルで登場した「Xperia Z3 Compact」の後継機という位置づけの製品だ。
 毛色が違うのは「Xperia Z5 Premium SO-03H」(以下,Z5 Premium)で,これは無印Z5を上回るハイエンドモデルとして開発された製品である。海外では,ドイツ・ベルリン市で開催された家電見本市「IFA 2015」で発表済みだが(関連記事),国内では今回が初お披露目となったわけだ。
 今回はこれらの中から,とくに注目を集めそうなXperia Z5とZ5 Premiumを中心にレポートしていこう。

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 今回登場したXperia Z5の3製品には,共通する特徴がいくつかあるのだが,その1つめに挙げられるのは,搭載SoC(System-on-a-Chip)として,Qualcomm製の「Snapdragon 810 MSM8994」(以下,Snapdragon 810)を採用している点だろう。
 同SoCを搭載するスマートフォンは,発熱による性能低下や低温やけどの恐れなどが問題視される傾向にあり,メーカー各社は,ハードウェアとソフトウェアの両面で難しい対応を迫られていた。実際,筆者も同SoCを搭載する2015年夏モデルスマートフォンをいくつかレビューしてみようかと考えていたのだが,きちんと評価を下すことさえできそうもないので,結局見送ったという経緯がある。
 そんな事情のあるSnapdragon 810を,ソニーは今回の3機種でも採用してきた。筐体サイズで考えると,5インチ超の液晶パネルを採用するXperia Z5とZ5 Premiumなら,放熱機構を改善する余地もあるだろうと思える。

 ともあれ,スペック周りの話は後段にまとめるとして,まずは外観から見ていこう。Xperia Z5とZ5 Premiumは,ほぼ同一のデザインを採用しており,全体的にはXperia Z4の改良型という印象が強い。
 そんな両製品の外観だが,従来のXperiaと比べたときの大きな変更点としては,本体右側面に指紋認証センサー内蔵の[電源/スリープ]ボタンを実装したことが挙げられる。[電源/スリープ]ボタンが大きくなったので,それにともなってボタン類のレイアウトも,若干だが変更された。

Z5 Premiumの本体前面(左)。これまでのXperiaと違いはなく,上下端にフロントステレオスピーカーを備える仕様もそのままだ。本体背面(右)も同様で,レイアウトに大きな変更はなし。ちなみに,SoCは,アウトカメラとドコモロゴの「d」の中間あたりにあるようだった
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Z5 Premiumのカラーバリエーションである「Chrome」の背面は,鏡そのものだ
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 こうしたいくつかの違いはあるものの,有り体に言ってしまえば,「いつものXperia」以外の何ものでもない。上記以外に外観で特徴的な要素を探すと,Z5 Premiumのカラーバリエーションである「Chrome」で,背面が鏡のように見えることくらいだろうか。
 5.5インチサイズと大きな液晶パネルを備えるので,Z5 Premiumは,一向に後継製品が出てこない6.4インチ液晶パネル搭載スマートフォン「Xperia Z Ultra」に変わる立ち位置の製品,と言っていいのかもしれない。

本体上側面(左)。ヘッドセット端子とサブマイクがある。本体下側面(右)には,ストラップホールとキャップレス防水仕様のUSB Micro-B端子が並ぶ
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従来機種とあまり代わり映えのしない本体左側面(左)。上側に防水カバーがあり,中にはnanoSIMカードとmicroSDカードを収納するスロットがある。下側にはXperiaロゴが目立つように置かれていた。一方,本体右側面(右)の変化は大きい。左からカメラのシャッターボタン,音量調節ボタン,[電源/スリープ]ボタンと並んでいる。[電源/スリープ]ボタンの大型化によって,音量調節ボタンが下寄りに移動した形だが,ちょっと誤操作しやすいかもしれない
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カバーを開けて,nanoSIMカードおよびmicroSDカードスロットを開いたところ。容量200GBまでのmicroSDXCカードに対応するそうだ
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Xperiaのトレードマークだった,銀色で丸い[電源/スリープ]ボタンは姿を消し,指紋認証センサー内蔵の縦長ボタンへと変更された

 スペック面でも,Xperia Z5とZ5 Premiumは,極めて似通っている。液晶パネルサイズと解像度,本体サイズとバッテリー容量以外の要素,つまり,中身はほぼ同じなのだ。本体サイズにしても,Xperia Z5より一周り大きい程度の感覚なので,手に持ったときの印象に大きな差はない。
 ただ,重さの分布は少し違っている印象だ。Xperia Z5とZ5 Premiumは,どちらも本体中央からやや下あたりに重心がくるのだが,Z5 PremiumはXperia Z5よりも,少しだが軽く感じるのが面白い。ごくわずかな違いなのだが,実際に持ち比べてみると面白いので,店頭に実機が並び始めたらチェックしてみてほしい。

こちらはXperia Z5。Z5 Premiumとほぼ同じデザインで,サイズもそれほど大きな差はない。Xperia Z5とZ5 Premiumのどちらもだが,グリップ感はXperia Z4よりも良くなった印象だ
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こちらはZ5 Compactで,ボディカラーはポップな「Coral」。デザインコンセプトはXperia Z5と同じで,指紋認証センサー兼用の[電源/スリープ]ボタンも備えている(右)
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 展示会場にいた説明員によると,Z5 Premiumは,内部のヒートパイプを2本に増やして,1本は側面(左右いずれかは不明),もう1本はバッテリー側に延ばしているという。そのため,全体がほんのりと熱を持つことは回避できなくても,SoCの周辺が極端に熱くなるというXperia Z4で見られた発熱問題を回避して,放熱性能を高めているそうだ。
 Xperia Z5も,放熱設計を一から見直しているそうで,「同じSoCを積んでいるとはいっても,Xperia Z4とは別物と思ってほしい」とのことだった。

 実際に負荷をかけて,発熱状況を確認してみた。定番の3Dグラフィックスベンチマークプログラムである「3DMark」を走らせながら,SoCのありそうな場所を触ってみたのだが,極端に熱を持つ場所は見当たらず,ボディ全体がぬるくなっている感じだ。また,縦画面で持っている状態で手に熱を感じにくくするためなのか,左右両側面の下側は,あまり温度が上昇していなかった。説明員に確認したところ,バッテリーを除いて主だった熱源は,手で触れにくい本体上部にすべて集中しているそうだ。

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 それでは各種テストによる性能検証を行ってみよう。
 先に説明しておきたいのだが,今回は新しく,ベンチマークテストに最適なゲームとして,「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(iOS / Android,以下 デレステ)によるテストを導入してみた。
 ジャンルはいわゆるリズムアクションで,かなり処理負荷の高いゲームである。たとえば,動作モードの設定を「3D標準」にすると処理がもたつく端末が多く,序盤は普通にプレイできていても,後半の紙吹雪が舞うシーンや,引きのアングルでカメラが動くシーンなどでは,目に見えてフレームレートが落ちたり,タップが反応しなくなったりするといった具合だ。
 ゲーム自体も面白いが,ベンチマークテスト的な意味でも,実に好都合なアプリであり,デレステがサクサク動作するスマートフォンであれば,国産のゲームタイトルは問題なく快適に動作すると言っても過言ではない。

 まずは,Z5 Premiumでテストしてみたが,チュートリアル時に表示される動作モードの判定は「3D標準」だった。実際のプレイでは,設定をデフォルトのままにして「お願い! シンデレラ」(難易度Pro)をフルコンボコースでテストしている。
 なお,Z5 Premium側の設定は,バッテリー関連の設定はデフォルト(消費電力が減る設定はしない状態),超解像技術「X-Reality for mobile」はオンのまま計測した。余談だが,バッテリー設定は「STAMINAモード」にして,X-Reality for mobileをオフにしたほうが,ゲームの動作は多少快適になるはずだ。

チュートリアル時の判定は「3D標準」で,高性能な端末と判定されている
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 スペックの低いスマートフォンでデレステをプレイすると,タップ時の効果音がもたつきの要因になるケースが多い。その点,Z5 Premiumはまったく問題ナシ。また,曲冒頭でのフレームレート低下や,紙吹雪開始時のもたつきも見られず,表示はとても良好なものだった。
 気になったのは入力の取得だ。タップでは問題なかったのだが,フリック入力での取得ミスが2回あった。もう1度プレイしても,同じようなフリックの取得ミスが起きているので,Z5 Premiumの問題に思える。
 Xperia Z5でも同様にテストしてみたのだが,表示やタッチに対する反応はZ5 Premiumとほぼ同様の傾向が見られたものの,フリック入力では問題が生じなかった。Xperia Z5の挙動から考えると,4K解像度の液晶パネルに合わせたスケーリング処理が,Z5 Premiumの性能面におけるネックになっているのかもしれない。

 一方,Z5 Compactは同じSoCを搭載するにもかかわらず,レスポンスの面ではもっとも良好だった。これはデレステの各種入力だけでなく,後述する「ぺしぺしIkina」の結果もそうだ。もし,高解像度へのスケーリング処理がZ5 Premiumのレスポンス面におけるネックになっているとしたら,解像度が720×1280ドットと低いZ5 Compactでは,スケーリング処理が不要な分だけ,性能面のハンデがないのかもしれない。

 では,デレステ以外のベンチマークテスト結果も見てみよう。まずは3DMarkだが,今回はテスト時間の都合もあって,「Ice Storm Unlimited」プリセットのみで計測している。結果は下に掲載した写真のとおりで,最も低かったZ5 Premiumが「25542」,最も高かったXperia Z5で「26369」,Z5 Compactは「25688」となった。ハードウェア短評におけるXperia Z4のテスト結果が「21175」だったので,同じSoCを搭載するにも関わらず,3製品ともスコアが大きく向上していることは注目に値するだろう。

左からZ5 Premium,Xperia Z5,Z5 Compactの総合スコア。Xperia Z5のみ少し高いが,ほぼ横並びで誤差レベルの差といえる
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左からZ5 Premium,Xperia Z5,Z5 Compactの詳細スコア
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 ちょっと面白かったのは,Ice Storm Unlimited計測時のCPU動作クロックや温度変化を記録した「Monitoring data」の結果だ。温度変化を見てみると,Z5 Premiumは終始40℃程度とフラットな結果。Xperia Z5は30℃台前半から始まり,テスト後半には30℃台後半まで温度が上がっていた。Z5 Compactは,テスト後半で40℃に突入しているが,40℃以上にはなっていない。CPU動作クロックの変化も三者三様であった。

左からZ5 Premium,Xperia Z5,Z5 Compactの「Monitoring data」グラフ。Z5 Compactは小型な分だけ発熱に気をつかう必要があるのか,CPU動作クロック細かく変動しているのが分かる。サムネイルでは細かい部分が見にくいので,クリックして拡大写真を見てほしい
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「CPU-Z」でCPUおよびGPU動作クロックの挙動を確認してみた。左がZ5 Premiumのもので,Xperia Z5もほぼ同じ数値。右はZ5 Compactのものだ。短時間の観察だが,3機種とも高性能な「Cortex-A57」CPUコアをあまり使わないようにチューニングされているようだった。また,Z5 CompactはGPUコアの動作クロックも低めにしているようだ
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メインメモリおよびストレージアクセス性能を計測する「A1 SD Bench」の結果で,左がZ5 Premium,右はXperia Z5のスコアだ。Z5 Compactのスコアは撮影し忘れてしまったが,Z5 Premiumとほぼ同じだった。Xperia Z5だけ高速なのは,どのような理由によるものか分からなかった
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 定番の連射測定アプリ「ぺしぺしIkina」の結果は,連打回数が93〜96になるように連打して,Z5 Premiumが「72」,Xperia Z5が「71」とほぼ同等。Z5 Compactだけが「85」と高いスコアとなった。
 スコアからも想像できるように,Z5 PremiumとXperia Z5の挙動はほぼ同じで,1〜12タップめまではスムーズだが,そのあとに長めの飽和があり,40タップめ以降から小刻みな飽和が続くといった具合だ。Z5 Compactは,8タップめで短い飽和があり,以降は50タップめでまた短い飽和を確認。60タップめ以降でもごく短い飽和があった程度で,もっとも良好だった。

こちらも定番の連射測定アプリ「ぺしぺしIkina」の結果で,左からZ5 Premium,Xperia Z5,Z5 Compactの順で並べている
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 最後に,テスト中の発熱についても触れておこう。まず3機種とも,デレステのプレイや各種ベンチマークテストの実行中に,どこかが極端に熱くなったりはしなかった。あくまでも体感ベースではあるが,Xperia Z4に比べれば,熱対策はしっかりとできていると判断してよさそうだ。
 Xperia Z5とZ5 Compactは,Z5 Premiumよりも心持ち温度が高いように感じた。会場では,コンパクトなZ5 Compactの熱設計に不安を感じている人もいたので,Xperia Z5とあまり変わらないというのは,正直意外でもあった。とはいえ,長時間プレイした場合は,また話が変わってくる可能性はあるだろう。

 余談だが,デレステのプレイを興味深そうに見ていた説明員によると,熱によるSoCの動作クロック低下を回避したい場合は,充電しながらのプレイをお勧めしないそうだ。充電時は必然的にバッテリーが熱を持つものだが,Xperia Z5シリーズはバッテリーの方向にヒートパイプが延びているので,放熱しきれなくなって性能が一時的にダウンするからだろう。

 さて,テストの結果からまとめてみると,Xperia Z5は性能,放熱のどちらもXperia Z4からの進化が見られており,ハイエンドスマートフォンとして無難な選択肢になると思える。やや放熱面での不安は残るものの,性能とコンパクトさの両立を求める人なら,Z5 Compactも悪くない選択肢だ。
 残るZ5 Premiumだが,4K解像度液晶パネルという際だった特徴はあるものの,性能面で兄弟機をしのぐものではなく,むしろ液晶パネルに性能やレスポンスの面で足を引っ張られる可能性も否定できない。バッテリー駆動時間の長さや「スマホで4K液晶」という派手なキャッチフレーズに惹かれるという人はともかく,そうでない人にはXperia Z5のほうが妥当な選択肢になるだろう。


●Xperia Z5 SO-01Hの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 5.1(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:5.2インチTFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile),解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 810 MSM8994」(4+4 CPUコア 最大CPU動作クロック2GHz,Adreno 430 GPUコア)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大200GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2300万画素
  • インカメラ:有効画素数約510万画素
  • バッテリー容量:2900mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約350時間/約440時間
  • 3G連続通話/LTE連続通話:約740分/約1160分
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz,700MHz
  • LTE-Advanced対応:あり
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:72(W)×146(D)×7.3(H)mm
  • 本体重量:約154g
  • 本体カラー:White,Graphite Black,Gold,Green
  • 主な対応サービス&機能:spモード,ドコモメール,GPS,dマーケット,フルセグ,ワンセグ,ハイレゾオーディオ,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING(クラス5),防水(IPX5,8),防塵(IP6X)

●Xperia Z5 Premium SO-03Hの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 5.1(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:5.5インチTFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile),解像度2160×3840ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 810 MSM8994」(4+4 CPUコア 最大CPU動作クロック2GHz,Adreno 430 GPUコア)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大200GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2300万画素
  • インカメラ:有効画素数約510万画素
  • バッテリー容量:3430mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約510時間/約490時間
  • 3G連続通話/LTE連続通話:約860分/約1330分
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz,700MHz
  • LTE-Advanced対応:あり
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:76(W)×154(D)×7.8(H)mm
  • 本体重量:約181g
  • 本体カラー:Chrome,Black
  • 主な対応サービス&機能:spモード,ドコモメール,GPS,dマーケット,フルセグ,ワンセグ,ハイレゾオーディオ,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING(クラス5),防水(IPX5,8),防塵(IP6X)

●Xperia Z5 Compact SO-02Hの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 5.1(Lollipop)
  • ディスプレイパネル:4.6インチTFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile),解像度720×1280ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 810 MSM8994」(4+4 CPUコア 最大CPU動作クロック2GHz,Adreno 430 GPUコア)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大200GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2300万画素
  • インカメラ:有効画素数約510万画素
  • バッテリー容量:2700mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:約430時間/約400時間
  • 3G連続通話/LTE連続通話:約700分/約1080分
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,1.5GHz,800MHz,700MHz
  • LTE-Advanced対応:あり
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.1
  • 本体サイズ:65(W)×127(D)×8.9(H)mm
  • 本体重量:約138g
  • 本体カラー:Yellow,Graphite Black,White,Coral
  • 主な対応サービス&機能:spモード,ドコモメール,GPS,dマーケット,ワンセグ,ハイレゾオーディオ,おサイフケータイ(NFC),WORLD WING(クラス5),防水(IPX5,8),防塵(IP6X)


Nexus 5X


 続いては,NTTドコモ製品としては4年ぶりとなる,Nexusシリーズのスマートフォン「Nexus 5」をチェックしてみる。製品の概要はGoogleによる発表時の記事に書かれているので,ここでは実機でのチェックを中心にレポートしよう。

 まずは外観からチェックしてみる。かつてのNexusシリーズは,いかにも「リファレンス機」といった印象を受ける,パッとしないデザインの製品というイメージが強かった。しかし,LG Electronicsが製造するNexus 5Xは,そうしたNexusシリーズのイメージから,少しは脱却してきているかな,という印象を受ける。

本体前面(左)には,フロントステレオスピーカーを採用。ソニーやHTC製品の特徴だった仕様だが,ハイエンドスマートフォンでは,そろそろ定番の仕様になりそうだ。本体背面では,出っ張ったアウトカメラと,その下にある指紋認証センサーが目立つ
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指紋認証センサーの採用がトピックであるものの,利用できるサービスやアプリは広がるだろうか
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 背面には,指紋認証センサー「Nexus Imprint」を備えているのだが,Xperia Z5シリーズと異なり,NTTドコモが提供する生体認証対応サービスやアプリは導入されていないので,ロックの解除以外でゲーマーに役立つ利用シーンがあるのかは,微妙なところかもしれない。

本体上側面(左)には,サブマイクがあるだけ。本体下側面(右)には,ヘッドセット端子とUSB Type-C端子がある
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本体左側面(左)には,nanoSIMカードスロットが,本体右側面(右)には,音量調節ボタンと[電源/スリープ]ボタンが配置されていた
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 SoCのQualcomm製「Snapdragon 808」は,最近ようやく搭載製品が登場し始めた新顔なので,性能面が気になる人もいるだろう。結論から言ってしまうと,Snapdragon 810を搭載するXperia Z5には及ばないものの,2014年後半のハイエンドスマートフォン並みの性能は有しているようだ。

 まず,デレステを「3D標準」でプレイしてみたが,意外にもフレームレートの低下を感じることはあまりなかった。カメラが引いたアングルや紙吹雪のシーンでは,フレームレートが若干低下しているのが分かったものの,露骨に遅くなるわけではなく,プレイに支障はないと思われる。
 ただ,タップの取得ミスが3回ほどあったので,難易度Pro程度までならいいが,難易度Masterでは,ちょっと厳しいかもしれない。ゲーム側の設定を調整して対応するといいだろう。

デレステの判定は「3D標準」。CPU性能よりもGPU性能を重視している印象だ
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 3DMarkの結果はSnapdragon 810よりも低い「18668」となった。細目を見てみると,意外にもCPU性能を見る「Physics score」はXperia Z5とほぼ同等であり,一方でGPU性能を見る「Graphics score」は,60%弱の性能しか出ていない。
 なお,Monitoring dateのグラフに特徴的な要素は見当たらなかったが,30℃台後半で推移していたので,Snapdragon 810よりも発熱は低めになりそうな気配だ。

Ice Storm Unlimitedの総合スコア(左)と細目(右)。GPU性能は,Xperia Z5のおよそ6割程度となった
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Ice Storm Unlimitedのスコアが低めだったので,Ice Storm Extremeも計測してみた。各スコアは測定限界である「Maxed out!」になったものの,Graphics test 2のFPSは高くない
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A1 SD benchの結果。RAMとInternal memoryともに際立った部分はない。強いていえば,Writeが速めなくらいだろうか
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ぺしぺしIkinaは,93〜96になるように連打して「86」と上々だ。3タップめに若干長めの飽和があったのが,少し気になる

 Snapdragon 810を搭載するハイエンド製品には及ばないものの,性能面で大きく劣るものではなく,デレステ級のヘビーなゲームもおおむね快適に動作しているのは大きなポイントだろう。NTTドコモの製品でありながら,ドコモスマートフォンにインストールされている大量のアプリが入っていないという点も,スマートフォンのベテランユーザーには評価されるかもしれない。
 こうした特徴や,最新のAndroid 6.0をいち早く使えるという点に魅力を感じる人はにとっては,悪くない選択肢といえそうだ。

●Nexus 5Xの主なスペック
  • メーカー:LG Electronics
  • OS:Android 6.0(Marshmallow)
  • ディスプレイパネル:5.2インチTFT液晶,解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 808 MSM8992」(2+4 CPUコア 最大CPU動作クロック1.8GHz,Adreno 418 GPUコア)
  • メインメモリ容量:2GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1235万画素
  • インカメラ:有効画素数約500万画素
  • バッテリー容量:2700mAh
  • 3G待受時間/LTE待受時間:未定
  • 3G連続通話/LTE連続通話:未定
  • LTE通信周波数帯:2GHz,1.7GHz,800MHz
  • LTE-Advanced対応:あり
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11n/ac
  • Bluetooth対応:4.2
  • 本体サイズ:73(W)×147(D)×7.9(H)mm
  • 本体重量:約136g
  • 本体カラー:Quartz,Carbon
  • 主な対応サービス&機能:spモード,ドコモメール,GPS,dマーケット,WORLD WING(クラス5)

「Xperia Z5」シリーズ3製品に「Nexus 5X」も。ドコモ,2015〜16年冬春モデルのスマートフォン10製品を発表

NTTドコモ 2015〜16冬春モデル 特設ページ


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