プレイレポート
「ボーダーランズ2」のテストプレイをレポート。豊富な武器とさらに広がったフィールドに注目。Gearbox Softwareのキーマンへのミニインタビューも合わせて掲載
テイクツー・インタラクティブ・ジャパンが2012年10月25日の発売を予定しているシリーズ最新作「ボーダーランズ2」(PlayStation 3/Xbox 360)。
先行で発売された欧米では評価も高く,Metacriticのメタスコアを見ると,Xbox 360版が90点,PlayStation 3版が91点と,軒並み高いポイントを得ているのが分かる(2012年10月18日現在)。欧米での予約本数が,Take-Two InteractiveにとってGTAシリーズに続く史上三番目となるなど,同社の看板タイトルに躍り出てきた雰囲気だ。
日本語版も,声優さんによるボイス吹き替えや,北米版と変わらない規制なしの表現など,かなり力が入ったローカライズが行われており,注目が集まりつつある。
「ボーダーランズ2」公式サイト
そんなボーダーランズ2だが,先頃テイクツー・インタラクティブ・ジャパンにお邪魔して,日本語版のシングルプレイとマルチプレイを少々プレイする機会を得た。とうわけで,ここで,ちょっとその印象などをお伝えしたい。ちなみに,掲載したスクリーンショットは,テイクツー・インタラクティブから提供されたもので,今回の試遊と直接の関係はない。その点はあらかじめご了承願いたい。
シングルプレイは,序盤の部分を試遊できた。冒頭のムービーでは惑星パンドラとエイリアンの残したらしき廃墟「Vault」(保管庫)のことなど,前作の説明が行われる。本作は,「Borderlands」(PlayStation 3/Xbox 360)の続編ではあるものの,主人公となるキャラクターは一新されている。また,ゲームの舞台は同じく惑星パンドラとなるが,冒険できるフィールドは大幅に広がっているという。プレイヤーは,エイリアンの残した未知のテクノロジーが眠るVaultを探し求めるヴォルトハンターとして惑星パンドラに降り立ち,荒くれ者やクリーチャーなどと戦いながら成長していくのだ。
ゲーム世界はオープンワールドに近い作りとなっているが,特定のフラグを立てなければ侵入できない場所もあるという。また,前作のフィールドはほとんどが砂漠のような土地だったが,今回はスタート地点である雪原のほか,森林地帯や火口など,さまざまなエリアが存在している。
ゲームのざっくりとした目的は,ヴォルトハンターたちを狙う悪役ハンサム・ジャックを倒すことなのだが,目的を達成してエンディングを迎えたあとも,冒険は終わらない。パンドラにはラスボスよりも強い敵が存在し,キャラクターのレベルを限界まで高めた熟練プレイヤーがCo-opでようやく倒せるような敵も用意されているという。
■アクストンのスキル
■サルバドールのスキル
登場するキャラクターはデフォルトで4人。敵を自動攻撃するさまざまなタレットを配置できる「アクストン」,武器を両手に持って攻撃できる「サルバドール」,対象を異次元空間に閉じこめ,敵を拘束したり,味方を守ったりできる「マヤ」,そしてホログラムによるオトリで敵を惑わせる「ゼロ」といった具合に,キャラクター全員がまったく違った特徴を備えている。
ちなみに,ゲームを進めることでキャラクターのレベルが上がると,スキルポイントが得られ,それを各キャラが持っている3つのスキルツリーに振り分けることで,さまざまなスキルが使えるようになる。どのスキルをどのように伸ばしていくかは,プレイヤーの自由だ。
■マヤのスキル
■ゼロのスキル
というわけで,テストプレイで筆者が選んだのは,ガンザーカーのサルバドールだ。序盤はチュートリアルになっており,半死半生で横たわるサルバドールを助け,いろいろなことを教えてくれるのは,前作でも登場したおなじみのロボット,クラップトラップだ。例によってあることないことベラベラしゃべるお調子者だが,クリーチャーに体のパーツを奪われ,それを取り戻すという流れで,ゲームシステムの説明が行われていく。それにしても,英語版と違い日本語吹き替え版だけに,クラップトラップの会話の内容がちゃんと分かると面白い。だいたい半分ぐらいは,意味のないこと言ってたんだな,こいつ。
このチュートリアルが終わると,サー・ハマーロックという新たなキーマンが登場して,主人公にミッションを与えることになる。
筆者が請け負ったのは,バンディッツ(盗賊)が巣くうエリアを一掃し,なんだか忘れてしまったが,とあるアイテムを手に入れることだ。とはいえ,最初のミッションだというのに敵は非常に手強く,サルバドールは死にまくり。倒されるとこれといったペナルティなしに,最寄りのリスポーンポイントで再生される(難度によるのかも知れない)が,直前に倒したはずのボス的なキャラクターが復活していたりして,なかなか進まない。
ご存じのようにボーダーランズシリーズのユニークな点は,FPSとRPGが融合したようなゲームシステムにある。ランダムで生成される武器の数は豊富,というか常識を超えて膨大であり(前作は,「世界で最も多くの武器が出るゲーム」としてギネスブックに登録されているが,今回はそれを上回り,当然ギネス記録も更新だろう),しかもそれぞれに,このタイプの敵には強いとか,効果がないとかの特徴が設定されているので,それらを適材適所で使い分けていける。というわけで,武器をとっかえひっかえ,何度となくリスポーンを繰り返しつつ,なんとかバンディッツどもを倒し,次のエリアに向かうというあたりでシングルプレイは時間切れとなった。
続いては,マルチプレイに挑戦だ。今回はCo-opで,いくつものウェーブになって襲ってくるロボットやバンディッツを,4人のプレイヤーが協力して撃退するという内容。まずは,高い位置にある待機エリアでスキルポイントを振ったり,武器/弾薬を調達したりしたあと,エレベーターを使ってアリーナへ降りていくという流れになっている。
やられて体力が減ると動けなくなるが,一定時間内であれば,仲間による蘇生が可能だ。蘇生できなかった場合は,待機エリアでリスポーンすることになるのだが,ミソは全員がやられてしまわない限り,エレベーターが作動しないということ。そのため,誰かが生き残っている場合,先にやられたプレイヤーは上から銃撃などで支援することになるわけだが,視野が非常に限られているため,なかなかもどかしい。もうちょい,右に行ってよ。
Co-opではもちろん,各クラスの協力が重要になる。プレイしていて最も役に立った印象なのが,新キャラクターであるセイレーンのマヤが持つ特殊スキル,フェーズロックだ。フェーズロックによって敵を空中に浮かべて動けなくし,そこをよってたかって攻撃するという戦法がかなり有効だった。また,サルバドールの持つ銃の中には,ロボットに対して有効だが,人にはあまり効果がないとか,その逆の効果を持つものとかがあり,それは着弾したときの色で判別できるらしい。何色がどうこうというのは書けないが,発売されたらぜひ確認して欲しい。
一つのウェーブが終わると,またエレベーターに乗って待機ポイントへ向かい,次のウェーブに備えることになる。出現してくる敵はどんどん強力になるので,こちらも準備を万端に整えることが必要だ。空飛ぶロボットには腰を抜かしたが,数波をしのいだところで,こちらも残念ながら時間切れとなった。
ゲームの基本的なシステムは前作と変わらないので,前作を遊んだ人なら戸惑うことなくプレイできるはずだ。あちらこちらを探索してアイテムを集め,さまざまなスキルを獲得してキャラクターを成長させるというRPG的な要素と,一人称視点の派手なFPSの融合という個性的なスタイルの本作。前作以来久々のプレイだったが,時間が短く感じられ,シングルでもマルチでも,もっと遊んでいたいという気持ちになった(いいところで,終わっちゃったし)。前作を知っているに越したことはないが,知らなくてもまったく問題はないので,未経験の人はぜひチャレンジしてみよう。
さて,タイミングとしては今回の試遊以前に行ったものだが,本作を制作したデベロッパであるGearbox SoftwareのCEO兼プレジデントで,本作のエグゼクティブ・プロデューサーも務めるランディ・ピッチフォード氏が来日した際に行ったミニインタビューを紹介したい。なんでも,ランディ氏をはじめとするGearbox Softwareのスタッフには,日本製RPGのファンが多いらしく,本作のRPG要素にはそれが影響しているとのこと。本作の細かな仕様や,公開されていない要素などもいくつか明らかとなったので,チェックしてほしい。
Gearbox Softwareのランディ・ピッチフォード氏に
ミニインタビュー
ゲームの概要はひととおり発表されていますが,本作の世界観と導入ストーリーについて,補足情報などあればお聞かせください。
ピッチフォード氏:
前作からの舞台であるパンドラという惑星には,エイリアンのロストテクノロジーが眠るヴォルトが存在する……という言い伝えが残っています。過去にそのテクノロジーのカケラを手に入れた企業が隆盛を極めており,さらに大きな“力”を狙って,多くの人々がパンドラにやってきています。
4Gamer:
主人公となるヴォルトハンター達も,一攫千金を狙ってパンドラにやってきたということですね。
ピッチフォード氏:
はい。そんな主人公達のライバルとなるのが,ハイペリオン社のCEOであるハンサム・ジャックという人物です。彼はロストテクノロジーが眠るヴォルトを発見しているのですが,その開け方が分からないため,ほかの人間にヴォルトを発見されることを恐れています。そこで彼は,パンドラにヴォルトハンターを招聘し,訪れるヴォルトハンターを次々と排除しているんです。
4Gamer:
ずいぶん物騒なスタートですね。
ピッチフォード氏:
確かにそうですね(笑)。本作では,そのハンサム・ジャックの魔の手を逃れた4人の主人公の物語を描いています。プレイヤーはヴォルトハンターの1人となってハンサム・ジャックと対立し,パンドラの未来を願う人々などと出会い,物語を進めていきます。
世界観については,何時間話しても話しきれないので,このあたりにしておきましょうか(笑)。
4Gamer:
ありがとうございます。では次に,この「ボーダーランズ2」でとくに注目してほしい部分は,どのあたりでしょうか。
ピッチフォード氏:
やはり,本作のもっとも特徴的な部分である,FPS+RPGというゲームデザインが,私としてもとくに面白いところだと思っています。また,このゲーム独自のアートディレクションについても,我々は大きな自信を持っています。先ほどお話した,世界観やストーリー展開については,4人の主人公の活躍に注目してほしいですね。
4Gamer:
グラフィックスに関しては,前作と比べてカートゥーン調のキャラクターがより鮮やかに表現されている印象を受けたのですが,いかがでしょうか。
ピッチフォード氏:
グラフィックスのテイストに関して,大きく手を加えているわけではないんです。ただ前作は,砂漠のようなフィールドが多く,グラフィックスが映える場所が少なかったんですよね。本作では,前作にはなかったような緑あふれる土地や,真っ赤に燃える火口など,フィールドのバリエーションが増えたので,受ける印象は大きく変わっていると思います。リアルな陰影を付けたカートゥーン調のグラフィックスも,そういったステージのおかげでより映えるようになっています。
4Gamer:
分かりました。それでは最後に,本作に期待しているゲームファンに向けてメッセージをお願いします。
ピッチフォード氏:
「ボーダーランズ」の新作を日本で発売する機会が得られ,とても嬉しいです。前作「ボーダーランズ」をプレイしてくれた世界中のファンのために,より面白くなった「ボーダーランズ2」をお届けします。日本のゲーマーにも,ぜひこの面白さを体験してほしいと思います。
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(C)2011 Gearbox Software, LLC. All rights reserved. Borderlands, Gearbox Software, and the Gearbox logo are registered trademarks of Gearbox Software, LLC in the U.S. and other countries. Borderlands is published and distributed by 2K Games. 2K Games and the 2K Games logo are registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. in the U.S. and other countries and used here under license.
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