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「ネットとリアルの和解」がニコニコ超会議の役割――ニコニコ超会議2の総括をする「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」第11回
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印刷2013/05/02 17:22

インタビュー

「ネットとリアルの和解」がニコニコ超会議の役割――ニコニコ超会議2の総括をする「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」第11回


 4月27日と28日に幕張メッセにて開催され,延べ来場者数が10万3561人,延べ視聴者数が509万4944人を記録した「ニコニコ超会議2」。その興奮冷めやらぬ29日に,ドワンゴの川上量生氏からの突然の電話が鳴り響きました。そして開口一番,川上氏はこう言ったのです。

 「今年もやりませんか」

 というわけで,ドワンゴ・川上量生氏との対談企画「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」第11回は,「ニコニコ超会議2」を振り返る特別座談会をお送り致します。
 ニコニコ超会議2の統括プロデューサーを務めた横澤大輔氏と,併催された「ニコニコ超パーティーII」のプロデューサー阿部大護氏のお二人をゲストに迎え,いつもながらの緩い空気で,いろいろなことを語ってもらいました。
 安倍総理も来場するなど,リアルでも大いに話題となったニコニコ超会議2ですが,その裏舞台ではどんなことが起こっていたのか。また,川上氏の考える「ニコニコ超会議の社会的な意義」とは……? 今回も興味深い話が盛り沢山の内容になっているので,ぜひご一読ください。

関連記事:
今は“無駄なこと”が不足しているから,僕らは「ニコニコ超会議」をやったんです――ドワンゴ川上量生氏との対談企画「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」第6回


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。川上さんは少し遅れているようですね。

横澤氏:
 人が燃え尽きて廃人のようになってるところを急に呼びつけておいて……まったくあの人は!

あべちゃん:
 「ニコニコ超会議2」が終わって,昨日の今日ですもんね。さすがにきつい。

横澤大輔(よこさわだいすけ):ドワンゴ 執行役員 CCO。ニコニコ動画をはじめとして,ドワンゴのさまざまな事業/イベントを手がけてきた人物。ニコニコ超会議では統括プロデューサーを務めた。ちなみに,ドワンゴの着メロ事業の立ち上げ時に,その事業を一手に引き受けたドワンゴコンテンツ(旧・CELL)の代表取締役会長でもある
横澤氏:
 僕なんて朝起きたとき,疲れすぎていて声が出ませんでしたからね。びっくりですよ。

あべちゃん:
 僕も朝起きたら,手のしびれに頭痛,悪寒,そして吐き気とか,もうね……。

横澤氏:
 イベントが終わって気が緩んだ瞬間に,一気に疲れが襲って来た感じですよねぇ。

4Gamer:
 さすがに大変そうですよね……。

横澤氏:
 コアメンバーはここ3日間ほぼ徹夜でしたからね。もうヘトヘトですよ。

―――20分後

川上氏:
 いやー,遅れちゃった。ごめんごめん。

4Gamer横澤氏あべちゃん:
 お疲れ様です。

川上氏:
 昨年に引き続き,今年もまた「ニコニコ超会議」についての話し合いの場をセッティングしてしまいました。4Gamerさんも急な話で申し訳ありませんでしたが,本日はよろしくお願いします!

4Gamer:
 いや,僕よりも横澤さんと阿部さんの方が……。

川上氏:
 え? いや,この二人はまだ超会議2の興奮冷めやらぬって感じだろうし,全然余裕でしょう(笑)。

横澤氏あべちゃん:
 いやいやいやいや。なにいってんのオッサン!

川上氏:
 でもさ,やっぱり超会議2の話は,テンションが上がってるウチに話しておかないと駄目でしょ?

横澤氏:
 その台詞は去年も聞いたような……。でも,今日のお昼ぐらいに起きて携帯を見たら,LINEでこの取材のためのグループが作られていて。しかも,川上さんが「4GamerさんはOKだと言っている!」とか書き込んでいるのを見て,正直「ハメられた」と思いましたよ。4GamerさんがOKだといっているのに,僕らが断わる理由はないですからね。

4Gamer:
 なんだかごめんなさい。

横澤氏:
 いえいえ。全部川上さんが悪い!

川上氏:
 まぁまぁ,そんな話は置いておいて,さっそく本題へ入ろうよ。

4Gamer:
 本題って,今日はニコニコ超会議2の総括をするんですか?

川上氏:
 そうですね。ただ総括をとか言われても,そもそもニコニコ超会議2でいったい何が起こっていたのか。たくさんの事が起こりすぎというか,あまりにカオス過ぎて,当事者の僕らもよくわからないんですよね。Twitterとかで情報を探ろうとしても,あまりにログの流れが速すぎてついていけないしさ。

横澤氏:
 確かに。僕も会期中,頑張ってTwitterをチェックしていたんですけど,もうなにがなにやらって感じでしたもん。

川上氏:
 いきなりGACKTさんが来たとかってのは聞いたんだけどね。

横澤氏:
 あれは,「今から行くわー」みたいな感じでいきなりでしょ。嬉しいんだけど,ふらっと来る場所じゃないでしょ!って感じで(笑)。

阿部大護(あべだいご):通称「あべちゃん」。ドワンゴコンテンツ ライブ事業部 ユーザー文化推進セクション セクションマネージャー。元々は一ユーザーとしてニコニコ動画に大ハマリしていた人物で,あまりにハマリ過ぎた結果,レコード系会社からドワンゴに転職。「ニコニコ大会議2010夏」以降のニコニコ大会議など,同社の数々のイベントを手がける
あべちゃん:
 飲み屋か!って感じですよね(笑)。

4Gamer:
 GACKT氏の来場は,大変な騒ぎになってたみたいですねぇ。

あべちゃん:
 あとなんか,羽生善治さんがいたとかも聞きましたよ。

川上氏:
 あ,その噂は僕も聞いた!


4Gamer:
 噂って……川上さんも把握してないんですか?

川上氏:
 いやぁ,もうホントに分からないんだよね。だから,ニコニコ超会議2でいったい何が起こっていたのか。むしろ我々が教えてほしい!

一同:
 (爆笑)。

4Gamer:
 えっと,これはどう話を進めれば……。


ニコニコ超会議は,ネット民とリアル民の戦いの場


4Gamer:
 まずこれは聞いておきたいんですが,ニコニコ超会議2って,やっぱり赤字だったんですかね?

川上氏:
 赤字に関して言うと,まず去年は約4億7000万円の赤字でした。で,ニコニコ超会議2の最初の発表会では,僕は「1億円を目標にします」という話をしていたわけですけど,その1億円というラインは,なんとか超えられたかなという感じで。

4Gamer横澤氏:
 ん?

あべちゃん:
 それ,どっちの意味で超えたんですか(笑)。

横澤氏:
 なんか今,数学の問題みたいな感じでしたよね。マイナスのマイナスはプラスみたいな。

川上氏:
 要するに,去年の4億7000万円は残念ながら大幅に下回ってしまった。だけど,目標の1億円はだいぶ上回ったと!

延べ来場者数は去年を約1万人上回る10万3561人を記録した「ニコニコ超会議2」
ニコニコ
横澤氏:
 まぁ普通のこういう大規模なイベントって,場所貸しの商売というか,会場を埋めたら儲かるようになっているじゃないですか。でもニコニコ超会議は,2/3が自社ブースで,企業ブースが1/3しかないから,そもそも儲かりようがないんですよね。全部埋まっても赤字ですよ。

川上氏:
 儲かるわけないよね。そもそも最初に立てた予算段階で,赤字は1億円を超えてたし。

横澤氏:
 ほぼ計画通りにいって,赤字が1億円突破って感じですよね。

4Gamer:
 純粋にビジネス的にみれば,ニコニコ超会議っていわゆる「感謝祭」ですよね。だから,これ単体で儲かる儲からないって議論をするのが,そもそも無意味だとは思うんですけど。

川上氏:
 ただ,本来はニコニコユーザーの感謝祭って位置づけなのかもしれないけど,ニコ動っていうのはプラットフォームじゃないですか。そのカバーする範囲があまりに広大だから,感謝祭の枠を飛び越えちゃっているんだよね(苦笑)。海外では,「日本のComic-Con」みたいな紹介のされ方をしてるけど,そういう日本のサブカルチャー全体の祭典っていう位置づけになっている。

横澤氏:
 一社で主催するようなイベントじゃないですよね。ホントに(苦笑)。

川上氏:
 そして日本のネット文化史的に見れば,ニコニコ超会議っていうのは,リア充文化とネト充文化が衝突する最前線になっている。戦場になっているって,そういう意味合いがあるわけですよ。だから,今回の超会議2は,去年にも増してアンチの活動が激しかったよねぇ(苦笑)。

あべちゃん:
 激しかった……。

川上氏:
 これはやっぱり,ニコニコ超会議ってものが,“ネット民とリアル民の戦いの場”としてますます認知されてきたってことだよね。勢力争いの最前線として。

横澤氏:
 この“場”をどちらが支配するんだっていうね。関ヶ原感ありましたよね。

川上氏:
 あったあった。だからこそ,攻撃も激しかったんだよね。「逮捕者が出た」みたいなデマを流されたりだとか。大変だったもん。

4Gamer:
 そんなデマが流れたんですか?

横澤氏:
 ええ。会期中に「逮捕者が11名出た」とかってデマが流れて。これ,本当に確認しにいったんですから。

川上氏:
 他にも,警察側からの連絡はかなりあったんだよね。こういう情報がありますが,どうなっていますかって。

4Gamer:
 あれだけ大規模なイベントになると,やっぱりいろいろ大変なんですねぇ。

横澤氏:
 でも今回,警察からはすごく褒められたんですよ。普通の民間のイベントで,ここまでちゃんと警備をやってくれるところはなかなか無いって言われて。

川上氏:
 っていうか,ドワンゴって実は,要人警護とかは“慣れている”からね(苦笑)。生放送とかでも,現役総理には何回か出演してもらってる。

横澤氏:
 そうそう。麻生太郎さんが現役総理のときには,単独インタビューとかもしてますし。

川上氏:
 でもあれは,こちらが首相官邸に出向いたんじゃなかったっけ?

横澤氏:
 あ,インタビューはそうだったかも。でも,その後の着ボイスの収録とかは,こちらに来てもらったんですよ。

川上氏:
 え,現役の総理大臣が来てたの? マジで?

横澤氏:
 そうですよ。

川上氏:
 すごいじゃん。

4Gamer:
 っていうか,それを川上さんが知らないってどういうことだろう……。

横澤氏:
 まぁともかく。実は僕らって警察や警備会社とはかなりコミュケーションを取っていて,割と信頼関係もあるんです。ニコファーレとかドワンゴのスタジオの見取り図を警察が持ってるくらいですから。

あべちゃん:
 そういえば,超会議2の警備には,機動隊も参加していたんでしたっけ?

横澤氏:
 いましたいました。というか超会議2では,警視庁がいて,県警がいて,SPがいて,機動隊がいて,自衛隊がいて,さらに米軍までいたわけですからねぇ。これだけ強力な警備体制が敷かれてるイベントって,そうはないと思う(苦笑)。

川上氏:
 10式戦車(ひとまる式戦車)っていう,最新鋭の兵器もあったしねぇ(笑)

ニコニコ
横澤氏:
 ああ,10式戦車の搬入はすごい緊張感あったんですよ。トラックで運ばれてきて,あの巨体ががーっと降りてくるわけですけど,それがもの凄い迫力で。降りたあとで,向きを整えるために戦車がその場で旋回したときなんか,もうスタッフ一同で大騒ぎ。夜中の2時の出来事だったんですが,みんな寝てないからおかしなテンションで,奇声を張り上げてましたもん。

川上氏:
 いやぁ,それは僕も見たかった。

横澤氏:
 当然,動いてるシーンは撮影しちゃ駄目だって言われていたので,その時は,全員がデジタルデバイスを置いて,自分の目にその光景を焼き付けるっていう,妙にアナログな情景が広がっててちょっと面白かった。

川上氏:
 しかし,警察側にとってみたら,超会議2って本当に迷惑なイベントだよね(苦笑)。こんなにネット民が攻撃対象としているイベントだっていうのに,そこに総理大臣まで来ちゃうもんだから,警察側も真面目に取り扱わざるを得ない。

横澤氏:
 国会議員の先生方もたくさんいらっしゃいますから。

あべちゃん:
 結局,誰が来たんですか? 降臨的な立ち位置の人は。

横澤氏:
 自民党からは,安倍総理,石破幹事長,林農林水産大臣,茂木経済産業大臣,小池百合子広報本部長。民主党は,海江田代表,菅さん,細野さんなどなど。

川上氏:
 維新の会は東国原さん,松井さんが来てたらしいね。

横澤氏:
 共産党からは志位さんが来てたし,みんなの党からは松田公太さんが来てました。あとは……すいません,ちょっと多すぎて。

4Gamer:
 国会議員ってトータルではどのくらい来ていたんですか?

横澤氏:
 うーん。ざっと数えただけでも,80人ぐらいは来ていたと思います。100人はいかないかなってぐらい。

川上氏:
 もう,なんかの委員会ぐらいは開けそうだね。

横澤氏:
 ニコニコ超会議で,本当の会議が開ける勢いですよね(苦笑)。

川上氏:
 まぁでも,安倍総理って,ニコニコ超会議に来たその日の夜に,EXILEのライブにも行ってたじゃないですか。センスが素晴らしい。

あべちゃん:
 はいはい。

川上氏:
 これ凄いなと思って。自民党の人というか,安倍さんを補佐している参謀の人が仕切っていると思うんだけど,今の日本の浮動票の人達がどこにいるのか。よくわかってるなと思ったのね。

横澤氏:
 確かに。

川上氏:
 ニコニコ超会議と,EXILEでしょ。リアル側でネットをあまり使わない人達の祭典と,ネットをヘビーに使う,ネットを中心に使う人達の祭典の両方に顔を出していたわけだからね。ヤンキー対オタクって構図で考えても,これは本当によいバランス感覚だと思うもん(笑)

ニコニコ


ニコニコ超会議を裏で支えるドワンゴのオペレーションノウハウ


4Gamer:
 しかし,ニコニコ超会議の運営というか,オペレーションって,なにげに凄いしっかりしていると思うんですけど,あれは横澤さんが全部仕切っているんですか?

横澤氏:
 ああ,根幹的な部分は,僕が全部見ていますね。

4Gamer:
 具体的にはどういう感じで進めていたんでしょう。

横澤氏:
 まず,ニコニコ超会議って,過去のどんなイベントのフォーマットにも当てはまらないんですよね。あえて真似るとしたら,大学の文化祭とかくらいで(苦笑)

川上氏:
 本当にそうだよねぇ。

横澤氏:
 だから,割と手探りなんですけれど,形としては,まずイベント全体に適用される「運営マニュアル」があって,そのブースや企画ごとの個別のマニュアルがあるって形ですね。

川上氏:
 運営マニュアルの束の写真を見せてあげたら? 君が最終チェックしたあとに,僕に送りつけてきたやつ。

ニコニコ
横澤氏:
 ああ,はい。えーと,これで一部なんですけどね。

4Gamer:
 げ。なんですか,これ……。

川上氏:
 全部で広辞苑3冊分くらいある(苦笑)。

4Gamer:
 これって,ブースごとに内容がちょっと違うってことですか?

横澤氏:
 ちょっとじゃなくて,全部違います。

4Gamer:
 これは凄い。

川上氏:
 いや,本当にね。イベントの開催日が近付いてきたあたりで,僕は横澤くんに「今,どんな感じ?」って連絡したんだけど,無言でこの写真だけが送られてきて。「あ,すみません。お邪魔しました」みたいな(笑)。

4Gamer:
 邪魔すんなやと(笑)。

川上氏:
 僕は,チケットの売上とか結構気になるんで,すぐ聞くんですよ。忙しい人に。だけど,これが来てから,あんまり聞くのはやめようと思いました。

横澤氏:
 運営マニュアルって話でいうと,例えば,会場で馬車を引いて歩かせるって企画があったんですけど,あれのオペレーションって凄い綿密に作られているんですよね。一見すると,ただのバカっぽい企画なんだけど,運営的には,実はかなり難しい企画で。

4Gamer:
 ああ,事故とかが起きやすいってことですか?

横澤氏:
 ええ。だから,運休マニュアルとか,事故対応マニュアルとか,何かあったときの有事マニュアルとかがまとまっていて。さらにそれがパターンA,パターンBとか詳しく書かれている。スタッフが迷わず動けるように全部ちゃんと組まれているんですよ。

4Gamer:
 去年の超会議の話になりますけど,初日で入場がスムーズにできないって問題が起きたけど,2日めにはもう解決されていたじゃないですか。あれも,地味に凄いなって思っていたんですよね。

横澤氏:
 ああ,あれもですね。問題が判明してから,すぐにスタッフで対策を練って,ゲートの回転率から並べる人数,1分当たり何人入れるかっていうのを,全部計算し直したんです。加えて,お客さんが並んでいる間のホスピタリティをどうするのか,また並んでいるときにも楽しんでもらうにはどうするのかとか,細かいところを含めて全部考えて。

川上氏:
 入場に関しては,今年はまったく混乱がなかったよね。

4Gamer:
 さっきのセキュリティのお話もそうですけど,そういう部分の基礎力というか,下地があるからこそ,超会議ってちゃんと成り立っているんですね。なんだか納得しました。

横澤氏:
 僕は,社内で「超会議はピカソだ」ってよく言うんですよね。つまり,基礎はちゃんとできているんだけど,そこに乗っかってるものは,もうなんだかわからないみたいな。そういう形がよいと思うんですよね。

川上氏:
 ホント,IT会社なのに,もの凄い勢いでイベントのノウハウが溜まっているよねぇ。これはこれでどうなのって気もするけど(苦笑)。


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