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ゲーム用スマートフォンとしては鉄板な1台。「Galaxy S7 edge」のゲーム向け機能と性能をチェックしてみた
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印刷2016/06/09 17:02

レビュー

2016年夏モデル期待のハイエンド機が持つ「ゲーム向け機能」と性能をチェック

Samsung Galaxy S7 edge

Text by 林 佑樹

Galaxy S7 edge SC-02H
メーカー:NTTドコモ
問い合わせ先:ドコモ インフォメーションセンター 電話:0120-800-000
価格:9万3960円(一括払い時,税込)
画像集 No.002のサムネイル画像 / ゲーム用スマートフォンとしては鉄板な1台。「Galaxy S7 edge」のゲーム向け機能と性能をチェックしてみた
 2016年夏モデルスマートフォンの先陣を切る形で発売された「Galaxy S7 edge」。Samsung Electronics(以下,Samsung)の看板であるGalaxyシリーズに追加となった新しいハイエンドモデルだけに,店頭でのチェックを済ませた人もいれば,すでに買ったという人も,あるいはしばらく様子見という人もいるだろう。

 筆者は5月11日に行われたNTTドコモの製品発表会で,「Galaxy S7 edge SC-02H」のテストを行ったのだが,時間の制約もあり,ゲーム関連機能の検証や時間のかかるベンチマークテストは実行できなかった。そんなおり,同製品を発売日に購入した編集部員がいたので,容赦なく強奪して,チェックしきれなかった要素や追加の性能検証を行うことにした次第だ。はたして,売りの1つであるゲーム関連機能は,実用的に使えるのだろうか。じっくりと調べてみよう。

 なお,製品発表会でのテストレポート記事で「Galaxy S7 edgeとは何か」という話は済ませているため,本稿ではその部分を割愛する。スペックの詳細を知りたい場合は,先の記事を確認してもらえればと思う。

Galaxy S7 edge
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Xperia X Performance対Galaxy S7 edge対AQUOS ZETA。ゲーマーにお勧めできるスマホはどれだ? NTTドコモ2016夏モデルテストレポート



ボディ形状に起因する縦持ち時の誤入力しやすさは相変わらず。横持ち時の誤入力は改善


 まずは,独特のボディ形状がもたらす「ゲームプレイ時の持ちやすさ」をチェックしてみよう。
 というのも,1世代前のモデルである「Galaxy S6 edge」をレビューしたときに,ディスプレイの両側面がカーブを描いたボディ形状が原因で,縦持ち状態でのプレイ中に本体をギュッと握ってしまうと,エッジ部分のセンサーに手が触れてしまうため,誤入力の要因になりやすいことを問題点として指摘していたからだ。

 残念なことに,前モデルとほぼ同じ形状のボディを採用したGalaxy S7 edgeでも,縦持ち状態での誤入力のしやすさについては,まったく変わっていなかった。こればかりはどうしようもないので,側面を覆うようなバンパーやジャケットを用意して,なるべく触れないようにするのが無難だろう。

左は軽く握った状態,右は強めに握った状態だ。とても持ちやすいボディではあるが,右の写真を見ても分かるように,誤タッチ率も高いのが難点
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 一方で横持ち時は,[履歴]ボタンと[戻る]ボタンを一時的に無効化する機能があるので,こうした問題は生じない。むしろ,プレイしやすいと感じる人が多いのではないだろうか。


ゲーム用機能「Game Launcher」と「Game Tools」を試す


 ゲーマーにとって,Galaxy S7 edgeで一番の注目ポイントは,「Game Launcher」と「Game Tools」という,ゲーム用の独自機能を用意しているところだ。今回じっくり確かめてみたところ,ゲームを楽しみたいときに,あると便利な要素をほどよく押さえたものとなっていて,活用しがいのある機能であることを確認できた。詳しく説明していこう。

対応するゲームアプリで呼び出せる機能群がGame Toolsだ
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自動的にゲームアプリを追加するランチャー機能のGame Launcher
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 まずはGame Launcherを見てみよう。この機能は基本的に,インストールしたゲームアプリを自動で専用ランチャーにまとめるという機能だ。ただ,ランチャー機能だけには留まらず,ゲーム中の通知表示を制限したり,後述するGame Toolsをオン/オフしたりできるなど,ゲームに関わりのある機能へのショートカットにもなっている。
 また,Google Playのゲームアプリランキングを表示する「人気ランキング」や,YouTubeにアップロードされたゲーム動画をチェックできる「おすすめ動画」といったメニューも用意されており,ゲームに関する要素の入口として設計されているわけだ。

 繰り返しになるが,Game Launcherへのゲームアプリの登録は自動的に行われる。試した限りでは,メジャーなタイトルは自動登録に対応しているようだった。Game Launcherの画面には,「表示されないゲームを追加依頼するにはここをタップ」というリンクもあるので,表示されないタイトルがあれば,Samsung側に報告できるらしい。

Androidの設定からGame Launcherにアクセスするには,設定→高度な機能→ゲームと辿る必要があり,少々分かりにくい
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 Game Launcherの右上には,設定アイコンがあるのだが,これはGame Launcherをオン/オフするだけのものだった。左下にある通知を制限する機能のほうが,ゲーム中は重要だろう。

 もう一方のGame Toolsは,以下の設定機能をまとめたものだ。Game Launcherに登録されたゲームアプリを起動すると,デフォルトでは画面左下に,Game Toolsのメニューを表示するためのアイコンが,フローティングで表示されるので,これをタップするとゲーム画面の上にメニューが表示される。

  • ゲーム中に通知を制限(※Game Launcherの機能と同じ)
  • 履歴キーおよび戻るキーをロック
  • ゲーム画面の最小化
  • 画面キャプチャ
  • 録画
  • 設定(※Game Toolsの設定を開く)

Game Toolsアイコンをタップすると,ゲームアプリの上層レイヤーとしてメニューが開く。このとき,ゲームへの入力は中断される
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 アイコンのデフォルト位置は,ゲームによっては邪魔になりこともありそうだ。この点もきちんと考慮されており,アイコンをドラッグして画面左右両端のどこにでも移動できる。プレイ開始前に,邪魔にならない場所へと動かしておけばいいだろう。
 なお,Game Launcherの自動登録に非対応のゲームアプリでは,Game Toolsのアイコンは表示されない。

Game Toolsアイコンは,ゲーム画面上に表示される。デフォルトは赤丸の位置で,だいたいのゲームで邪魔にならない場所だ。縦画面の場合も,デフォルトの表示位置は同じ左下となる
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Game Toolsアイコンはドラッグで移動可能(赤丸)。両端のどこにでも配置できる
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 Game Toolsの機能をひとつずつチェックしていこう。
 「ゲーム中に通知を制限」は読んで字のごとしで,Game Launcherにある項目と同じ機能だ。ゲーム中に通知を受け取って,事故ってしまった経験があるのであれば,楽にオン/オフできる便利な機能だと感じるだろう。

 「履歴キーおよび戻るキーをロック」も機能名そのままで,ゲーム中のみ,本体下側にある[履歴]ボタンと[戻る]ボタンを無効化できる。Galaxy S7 edgeの[履歴]ボタンと[戻る]ボタンはタッチセンサー式であり,軽く触れただけでも反応するため,ゲームプレイ時の本機能有効化はほぼマストだ。

最小化されたゲームアプリは,ホーム画面上では丸いアイコン(赤枠内)で表示される
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 「ゲーム画面の最小化」は「履歴キーおよび戻るキーをロック」をオンにしているときに活用するものだ。ゲームのプレイ中にGame Toolsからこれを選択すると,プレイ中のゲームは中断してAndroidのホーム画面に戻る。中断されたゲームは,ホーム画面上に丸いアイコンとして表示されているので,それをタップすればゲームが再開する仕組みだ。
 イメージとしては,Windowsのアプリを最小化するとタスクバーにアイコンとして残り,それをクリックするとアプリが復元されるのと同じようなもの,と言えば分かりやすいだろうか。

 「画面キャプチャ」は,タップした時点でスクリーンショットの撮影を実行するものだ。Game Tools対応アプリでAndroidのスクリーンショット機能を使うと,Game Toolsのアイコンがスクリーンショット上に残ってしまう。そこで画面キャプチャ機能を使えば,それを回避してアイコンのないスクリーンショットが撮れるようにしてあるわけだ。
 素早くスクリーンショットを撮りたいという場合には不向きだが,大抵のゲームでは,この機能を活用できるだろう。

左は通常のスクリーンショットで,右はGame Toolsによるスクリーンショット。左の画像は,左下にアイコンが乗ってしまっているが,右画像にはない
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 画面キャプチャでスクリーンショット撮影を実行したときに,「さらにキャプチャ」という追加のボタンが表示される。これは,1画面に入りきらない縦長の表示を1枚の画像として撮影できる機能で,ゲームプレイ時というより,Webページの表示やベンチマークスコアのキャプチャを行うようなときに便利だったりする。

縦長の表示をキャプチャしようとすると,画面下側に「さらにキャプチャ」というボタンが表示される(左)。これをタップすると,自動でスクロールして表示全体を1枚の画像にしてくれる(右)
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 機能の最後は「録画」で,文字どおりゲーム中のプレイ映像を録画するためのものだが,これは重要なので,段落を分けて紹介したい。


録画機能は実用的。リズムゲームの場合はゲーム側でのタイミング調整が必要


 というわけで「録画」だが,Game Toolsのメニューで録画をタップすると録画が始まり,このとき画面上には「プロフィールアイコン」が表示される。録画を終えたいときはこのアイコンをタップするという仕様だ。
 プロフィールアイコンの位置は自由に動かせるため,基本的には邪魔にならない場所に配置しておけばいい。

「録画」は,お手軽にプレイ動画を残せる機能という認識でいい。左下にある4Gamerロゴが,上で説明したプロフィールアイコンだ
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 録画の詳細は,Game Toolsの「設定」から行える。ここでは,プロフィール画像の登録やサイズの指定,プロフィール画像を任意の画像にするか,それともインカメラからの動画にするかといった選択が可能だ。
 また,「オーディオ設定」で「マイク」を選ぶと,スマートフォンのマイクで捉えたプレイヤーの声をゲームサウンドにミックスして録音できる。「ゲーム音声」を選んだ場合,録音対象となるのはゲームのサウンドだけだ。

Game Toolsの設定画面(左)。上にGame Tools自体のオン/オフスイッチ,下には録画の設定画面に遷移するボタンがある。右は録画の設定画面で,プロフィール画像の登録やサイズ変更ができるほか,プロフィール画像をフロントカメラからの映像に切り換えることもできる
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「オーディオ設定」は,マイクでの音声入力も録音するか,ゲームサウンドだけを録るかを選ぶ項目だ(左)。「動画の画質」については後述する。右は,プロフィール用画像をトリミングしている様子。トリミング形状は正方形のみだった。ちなみに,PNG型式画像の読み込みに対応しているので,透過PNGを使えば丸い画像でも登録できるのではと思ったが,透過部分は黒で表示される残念な仕様だった
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 「動画の画質」設定はシンプルで,解像度とビットレートを一覧から選択するだけだ。選択可能なものをにまとめてみた。

表 Game Toolsの録画機能で選択可能な解像度とビットレート
解像度 1920×1080ドット,1280×720ドット,960×540ドット,
854×480ドット,640×350ドット
ビットレート 6Mbps,5Mbps,3Mbps,1Mbps,自動(解像度に応じて変更)

解像度(左)とビットレート(右)の設定画面。デフォルトでは解像度が1280×720ドット,ビットレートが自動となっていた
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 筆者が試した限りでは,よほど負荷の高いゲームでない限り,録画設定は解像度1920×1080ドット,ビットレート6Mbpsで問題なかった。
 ただ,例外もある。「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(iOS / Android,以下 デレステ)で録画テストをしてみたところ,描画のもたつきやタップの取得ミスが生じたのだ。

 解像度を1920×1080ドットから1280×720ドットに下げても,もたつきや取得ミスは発生した。解像度とビットレートを最低の640×360ドット/1Mbpsまで下げれば問題ないかなという感じだったが,そこまで画質を落として録画する意味はない。タップタイミングのシビアなリズムアクションの場合,デレステのようにゲーム側でタイミングを調節する設定があるなら,それを変更したほうがいいだろう。

 以下に掲載した動画は,解像度1920×1080ドット,6Mbpsで録画したものだ。動画は掲載用に再圧縮したものなので,音声にノイズが乗ってしまっているが,プレイ中に何か所かで一瞬,映像や音が途切れているのが分かると思う。分かりやすいのは,1分31秒あたりか。実際に録画した動画ファイルもアップロードしたので,ダウンロードして確認してほしい。

 動画ダウンロード:GS7e_review_dele.zip

プロフィールアイコンは画面のどこにでも移動できる。うっかり終了させてしまう事故を防ぐためにも,まず触らなさそうな場所に配置しておこう
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 プロフィールアイコンの位置調整も必須だ。以下に掲載した動画では,深く考えずデフォルトの位置で録画していたのだが,うっかりプロフィールアイコンに触れてしまい,録画が終わってしまった。タップで録画終了ではなく,長押しで終了させるといった設定ができればいいのだが……。

 動画ダウンロード:GS7e_review_dele2.zip


追加のベンチマークテストで製品版の性能を確認してみた


 製品発表会では時間の制約もあるので,腰を据えてじっくりとベンチマークテストを実行する余裕はない。だが,今回は製品版を触り倒す時間的余裕があるので,テストレポートでは試せなかったテストも含めて,再テストとしてあれこれと試してみることにした。

 今回の追加テストで実行したのは,グラフィックス性能テストの定番である「3DMark」,総合的ベンチマークテストである「Vellamo Mobile Benchmark」と「PCMark for Android」,メインメモリおよびストレージアクセス性能検証に「A1 SD Bench」の4種類。さらに,ゲームプレイのテストとして,デレステと「World of Tanks Blitz」を実行し,挙動と熱の状況も確認してみる。

 まずは3DMarkのIce Storm Unlimitedプリセットを見てみよう。今回は3回計測してみたが,総合スコアは29488〜29896で,30000の大台目前という優秀なものだった。
 さらに,3回実行してもスコアのブレが小さかったことは,注目に値する点である。というのも,搭載SoC(System-on-a-Chip)に「Snapdragon 810」を採用していた2015年のハイエンドスマートフォンでは実行するごとにスコアが低下していったのに対し,Galaxy S7 edgeではそれが見られないからだ。

3DMarkの計測結果3回分(※クリックすると全体画像を表示します)。総合スコアのブレは誤差範囲といえる程度だ
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 もちろん,3DMark側の修正により,スコアのブレが少なくなった可能性もあるが,新世代SoCである「Snapdragon 820」とGalaxy S7 edgeの組み合わせで放熱処理が上手くいっており,高負荷のベンチマークに対しても安定した動作を実現できているということではなかろうか。

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 次のVellamo Mobile Benchmark(以下,Vellamo)は,Qualcommがリリースした総合ベンチマークテストアプリである。Webブラウザの性能評価を行う「Browser」(ブラウザ),CPUやメモリ,ストレージ性能といったハードウェアに焦点を当てた性能を評価する「Metal」,そしてマルチコアCPUの演算性能を見る「Multicore」という3種類のテストを行えるアプリだ。今回は,Galaxy S7 edgeとGalaxy S6 edgeのスコアを比較してみることにした。

 測定結果をまとめたのがグラフ1である。
Multicoreのスコア以外は,前モデルであるGalaxy S6 edgeを大きく引き離しているのが分かるだろう。

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 なお,Multicoreのスコアに大差がないのは,Galaxy S6 edgeの搭載SoCである「Exynos 7420」が,CPUコア4+4基,最大動作クロック2.1GHz+1.5GHzというbig.LITTLE構成であるため,テスト時には2.1GHzで動くbig側の4コアしか使っていない点が影響していると思われる。

 テスト中の動作クロック変動も確認してみると,CPUコアは最大2150MHz,最小307MHzになることを確認できた。Browserは1200〜1600MHz近辺での動作が多かったのに対して,Metalだと307MHzか2150MHzの両極端,MulticoreはMetalに似ているものの,意外に307MHz状態が多く,1600MHz近辺で動いている状態もあるという具合で,テストによって動作クロックの傾向が異なっているのが面白い。

Browser,Metal,Multicoreの動作クロック変動グラフを並べてみた。画像をクリックすると,縦長の画像でスコア全体が表示されるので,チェックしてみてほしい
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 PCMark for Android(以下,PCMark)のテストでは,Webブラウジングやビデオ再生,テキスト入力,写真編集といったワークロードの性能を計測する「Work Performance」と,2016年5月に追加された新テスト「Storage」を実行してみた。

 まず,Work Performanceのスコアは「6482」。担当編集者所有の「Xperia Z4 SO-03G」(※SoCはSnapdragon 810,OSはAndroid 6.0にアップデート済み)で同じテストを実行したところ,スコアは「5426」だったので,Galaxy S7 edgeのスコアは約19%高い。
 テスト中の動作クロックは,1200MHzあたりで打ち止めになっている場合が多いものの,ゲーム以外の一般的なアプリであれば,これで十分という性能とチューニングが反映されているのだろう。実際のところ,使っていても性能面で不満らしい不満を感じることはなかった。

Galaxy S7 edgeにおけるWork Performanceのスコア(左)とMonitoring dataのグラフ(右,※クリックすると全体画像を表示します)
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 Storageテストのスコアは「3937」。Xperia Z4 SO-03Gは「2217」だったので,こちらは約78%高い結果となった。
 ただ,先述のVellamoやA1 SD Benchのストレージ性能テストと,詳細結果の数値を見比べてみると,テストごとの差がかなり大きいのが気になる。逐次読み込みはそれほどばらついていないが,逐次書き込みがばらばらで,A1 SD Benchが158.41MB/sなのに対して,PCMarkは96.64MB/s,Vellamoに至っては79.12MB/sといった具合だ。

PCMark(左)とVellamoのMetal(中央),およびA1 SD Bench(右)によるストレージ性能計測結果(※クリックすると全体画像を表示します)。なお,Vellamoの「Storage I/O」における当該項目は,「seq_read_mbps」「seq_write_mbps」と書かれているが,結果の数値はMB/sであると思われる
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 続いては,ゲームのテストに進もう。
 まずはデレステのテストからだが,製品発表会で確認していた「解像度が正常に認識されない」問題は,ゲーム側のアップデートにより解消され,描画品質は格段によくなっている。チュートリアルでの判定は「2D軽量」のままだったが,画面表示における問題はなくなったと見てよさそうだ。
 それにともなって,描画負荷が増えたのも確かなのだが,連続でプレイしても発熱によるもたつきと遭遇することはなかったので,良好なプレイが可能になったといえる。タップの取得漏れにも遭遇していない。

チュートリアルでの判定は「2D軽量」のままだが,描画品質は向上している(左)。MVの設定は,すべて選択可能になっていた(右)
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MVのスクリーンショット。描画品質の問題はなくなり,良好なプレイが可能になった
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 一方のWorld of Tanks Blitz(以下,WoT Blitz)だが,各種設定を「高」にした状態でプレイして,48fps前後のフレームレートを安定して維持できていた。敵側の車両が少ない状況では,60fpsに貼り付くシーンもあったため,設定次第では60fps前後をキープできる可能性もある。ゲーマー向けタブレット端末の「Predator 8」では,フレームレートが30fps程度だったので,Galaxy S7 edgeのGPU性能が高いのは確かだといえよう。
 WoT Blitzは,30fpsをキープできればプレイに支障が出ないタイトルだが,よりヌメヌメと軽快に動く環境で遊びたいのであれば,Galaxy S7 edgeは要チェックの端末ではないだろうか。

WoT Blitzプレイ中のスクリーンショット。右下のフレームレート表示を見ても分かるが,48fps付近をキープしていた
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ときには60fpsに到達することも(左)。右の画像はテスト時の設定だが,フレームレートをあえて30fpsに制限して,バッテリー駆動時間を延ばすという手もあるように思う
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 最後に,発熱状況をiPhone用赤外線カメラ「FLIR ONE」でチェックしてみよう。
 高負荷なグラフィックスベンチマークテストである「Seascape Benchmark」を10分間実行した直後の温度を確認してみたところ,手が触れそうな部分の温度上昇はかなり抑えられているのを確認できた。また放熱も速く,テストを止めて軽く休憩する程度の時間で,ほぼ体温に近い温度にまで下がる。よほどの長時間プレイでもない限り,筐体が熱を持って気になるというシーンに出くわさないのではないだろうか。

上はアイドル状態。下はSeascape Benchmarkを10分間実行した直後の発熱状態を撮影したもの。テスト用とは別に,撮影用のGalaxy S7 edgeをSamsungから借りたので,同時に実行して表裏両面を撮影した。写真を見ると,右側上部を中心として高温になっているのが分かるだろう。本体前面側の高温部分にSoCがあるようだ
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ゲーム向けスマートフォンとしての完成度は高い

Gear VRとの組み合わせにも期待


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 まとめに入ろう。Galaxy S7 edgeは,総じて完成度の高いスマートフォンだといえる。懸念材料は,誤タップを生じやすいエッジ部分の存在だが,側面を覆う市販のバンパーを取り付けて使えば,カバーできる範囲だと思う。
 Game Launcherに登録可能なゲームタイトル限定とはいえ,[履歴]ボタンと[戻る]ボタンを無効化して誤爆を防げるため,横持ち状態でもゲームに集中しやすい点は,見逃せないポイントといえよう。
 ベンチマークテスト結果を見ても,SoCであるSnapdragon 820の性能を十分に引き出せているようだ。NTTドコモとKDDIの大手キャリア2社が製品を展開しているだけに,ゲーム側による端末への対応も期待できる。

 最後に付け加えておくと,Galaxy S7 edgeを選べば,Samsungの仮想現実対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,VR HMD)である「Gear VR」も利用できる点も,人によっては魅力となりそうだ。VRゲームをプレイしてみたいけれど,高価なPC用VR HMDには手を出せないというときに,Galaxy S7 edgeとGear VRの組み合わせは悪くない選択といえよう。
 一括払い時価格が約9万4000円と,かなり高価である点はネックであるものの,ゲームを堪能できてVRにも使えるハイスペックなスマートフォンであるので,決して損はしない製品といえるのではないだろうか。

●Galaxy S7 edge SC-02Hの主なスペック
  • メーカー:Samsung Electronics
  • OS:Android 6.0(Marshmallow)
  • ディスプレイパネル:5.5インチ有機EL(「Super AMOLED」),解像度1440×2560ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 820」(MSM8996,クアッドCPUコア+Adreno 530,最大CPU動作クロック2.2GHz)
  • メインメモリ容量:4GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大200GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1220万画素
  • インカメラ:有効画素数約500万画素
  • バッテリー容量:3600mAh
  • 待受時間:約420時間(LTE)
  • 連続通話:約1260分(LTE)
  • LTE通信周波数帯:2GHz/1.7GHz/1.5GHz/800MHz/700MHz
  • 最大通信速度:下り375Mbps,上り50Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:4.2
  • 本体サイズ:73(W)×151(D)×7.7(H)mm
  • 本体重量:約158g
  • 本体カラー:Black Onyx,White Pearl,Pink Gold
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,VoLTE(HD+),PREMIUM 4G,おサイフケータイ,防水(IPX5,8),防塵(IP6X),指紋認証,ワンセグ,フルセグ,ハイレゾ

NTTドコモのGalaxy S7 edge SC-02H 製品情報ページ

SamsungのGalaxy S7 edge SC-02H 製品情報ページ


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