インタビュー
「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」に待望の新ジョブ「忍者」が登場。パッチ2.4や今後の展開ついて吉田直樹氏にインタビューしてみた
3つの新ダンジョンはパニック戦主体に
4Gamer:
それでは新ダンジョンについても教えてください。今回も新規が1つと既存のハードモードが2つの,計3つのインスタンスダンジョンが実装されますが,入場に必要なアイテムレベルなどはどうなるのでしょうか。
吉田氏:
アイテムレベルは3ダンジョンとも,現在普通にプレイされている方なら気にしなくとも大丈夫です。特別に装備を集めてくる必要はまったくないと思います。また,これらのダンジョンでは,専用の報酬もありますし,神話装備と交換できるアイテムもドロップします。
4Gamer:
それは,アラガントームストーン:神話や同名記章とは別のアイテムですよね?
そうです。今まで神話装備と呼ばれていたものは,アラガントームストーン:神話の撤廃により交換リストから削除されます。そのかわり今回追加されるダンジョンでドロップするアイテムを使い,好みの神話装備と交換できるような仕組みにしてあります。装備部位によって交換アイテムは異なりますが,サブジョブの装備集めに使いやすくなっていると思います。あとは先ほどお話したように,詩学のストーン集めが中心になります。
4Gamer:
ほかの交換アイテムもあるのか,詩学で交換できるアイテムがどんなものなのか気になりますね……。
では,新規の「氷結潜窟 スノークローク大氷壁」は,どのようなダンジョンになるのでしょうか。
吉田氏:
3つの中ではスノークローク大氷壁は,突発ギミックが多く登場するダンジョンになりますね。各ボスもシンプルですが,一歩間違うと……というタイプが多いです。
4Gamer:
それは……初見プレイが楽しそうです(笑)。
吉田氏:
最初は何も知らない状態で挑戦して,ああじゃないか,こうじゃないかと楽しんでいただけると嬉しいです。おそらく2〜3回トライすれば解ける難易度だと思います。中ボスも戦っている最中に攻略のヒントがあったりしますので,どのダンジョンもテキストにも注目してください。
4Gamer:
そして「遺跡救援 カルン埋没寺院」ですが……えーと,新生直後で即死したトラウマが。東京ゲームショウでの発表時もザワっとしていましたよね(笑)。
吉田氏:
そのときも話しましたが,駆け出し光の戦士たちを苦しめた“蜂”は出てこないので大丈夫です(笑)。カルンのハードはノーマルのときとイメージが全然違っていて,まさに古代遺跡というようなアトラクション風に仕上がっています。今回の3ダンジョンの中で,カルンが一番好きという方が増えてくださるといいなあ……と。
4Gamer:
トレイラーでは,遺跡の地下のような場所に潜っていくシーンがありましたね。
吉田氏:
はい。カルンの遺跡に新たな部分が発見されて,そこに向かうというストーリーになっています。
4Gamer:
キャラクターが砂か土のようなところで,埋もれているシーンもありましたが……。
吉田氏:
ありますね(笑)。そこは,ぜひボス戦をお楽しみにと言うことで。
4Gamer:
分かりました。最後に「逆襲要害 サスタシャ浸食洞」では,クラーケンとの再戦になりそうです。
吉田氏:
「財宝伝説 ハルブレイカー・アイル」では,すっきりしない終わり方でしたが,ここできちんと決着がつきます。なぜ,逃げたクラーケンが,サスタシャにいるのかというのもきちんと語られますし,クラーケンも死にものぐるいで襲ってきますので,皆さんもぜひ墨と触手の雨あられの中で戦ってください。
こうして思い返してみると,今回のダンジョンはどれもパニック戦が多くなると思います。あまりギミックを理解していなくともクリアはできますが,その場合は時間の掛かる大激戦になるのではと。ギミックを理解していくほど,クリア時間が短くなっていくというイメージです。
4Gamer:
ちなみにCFルーレットの位置付けはどうなるのでしょう。
吉田氏:
パッチ2.3のときと同様に,今回実装するものがエキスパートに,これまでのエキスパートのダンジョンがハードに移行します。
4Gamer:
そういえば,ハードモード以上のダンジョンでは哲学素材が宝箱から出ていましたが,新ダンジョンでも素材系のアイテムは出るのでしょうか。
吉田氏:
入手の比率は皆さんのフィードバックをいただいて調整を行いましたが,引き続き素材系のアイテムもドロップします。
4Gamer:
現状のダンジョンだと,素材系アイテムの出現率が高いですよね。
吉田氏:
実際は,全アイテムの出現率は均等だったのですが,素材は装備などと比較すると種類が多いため,出現率が高く見えてしまう状況でした。同様のフィードバックもいただいたので,今回は比率を調整してみました。こちらも引き続き皆さんのフィードバックを拝見しつつ,調整していければと思っています。
4Gamer:
分かりました。
吉田氏:
同じ理由で,リテイナーベンチャーが“ほりだしもの”で拾ってくるアイテムは,ハウジングのパーツやカララントが多く見えてしまうというのもありますね。
4Gamer:
ハウジングアイテムもかなりの数になりますからね。
吉田氏:
ただ,パッチ2.4で土地が増えますし,個人ルームを所有する人も増えるでしょうから,マーケットでの家具の需要も増えると思います。さらに新装備もありますから,カララントを使う機会も増えると思いますので,これらはあまりいじらずにおいています。
まだまだ需要が続く「ハウジング」の土地
落ち着くのはもう少し先に?
4Gamer:
そのハウジングについては,パッチ2.4での土地の大幅な追加後も,まだまだ獲得競争は激しいのではと思います。とくに個人ハウジングの需要も大きいでしょうし。
そうですね。コンテンツとしてスタートしたばかりなので,まだハウジング用の土地の供給が足りていないのは事実です。僕らとしては,順次土地を追加し続けていかなければなりません。
ただ,これはハウジングを実装しているMMORPGすべてに言えることですが,新規に結成されるフリーカンパニーの数は,確実に減少していきます。それに伴って,フリーカンパニーのアジトに対する需要は減っていくことになります。フリーカンパニーが解散し,土地が空くケースも出てくると思います。そうなっていく中で土地の追加を続けていけば,個人の需要も含めて,必ずどこかに需要と供給が一致するタイミングが来ると考えています。
4Gamer:
長期的に見ればおっしゃるとおりだと思います。ただ,プレイヤーとしては,それがいつになるのかわからないから不安だというのが正直なところだと思うんですよ。なかには「ファイナルファンタジーXI」のように,マンションタイプでいいから早くほしいというプレイヤーもいますよね。
吉田氏:
はい,それは把握しています。ですが,マンションタイプのインスタンスで,家の中身だけを提供するタイプは,とくに海外でウケが悪いので……。
4Gamer:
そうなんですか?
吉田氏:
「なぜ,ゲームのファンタジー世界で,リアルの自宅より狭い場所に住まなければならないのか」と感じてしまうようです。新生FFXIVでは,MMORPGだからこその庭付きの家を提供したいと考えています。
4Gamer:
欧米サイズの家や部屋と比較されてしまうと……。であれば,なおのこと早く土地の供給が需要に追いつくように期待したいです。
あと,おそらくハウジングが所有できないことからくる不満の1つに,チョコボのコンテンツにアクセスできないということもあるのではないでしょうか。とくにチョコボのバディランクの限界突破が行えず,育成がランク10で止まったままになりますから。
吉田氏:
限界突破はチョコボ厩舎で“サベネアの野菜”を食べさせるという仕組みですが,野菜はマーケットに流通させられるのに,家が必要なので……というのが現状です。
4Gamer:
街中の「チョコボ厩舎」に機能を追加するという話が以前からありましたが,それはパッチ2.4で実現しそうでしょうか。
吉田氏:
街中での対応は,もう少し先になります。というのも,これは街にセーブワークを持たせるという新たな仕様が必要になるからです。
ただ,サベネアの野菜を厩舎なしで食べさせ,ランク上限を突破するようにできないか,この点はギリギリ2.4のリリースまで粘ってみたいと思います。
4Gamer:
おお,続報に期待しています。
「大迷宮バハムート」とメインストーリーはクライマックスへ突入
4Gamer:
新要素に話を戻しましょう。パッチ2.4で新たなメインストーリー「氷結の幻想」が追加されます。
はい。パッチ2.3では,エオルゼアを守ろうとするラムウの出現で大混乱が起こったり,3国はどこも平和を願っているのに,それぞれの正義が微妙に噛み合わず戦争状態になったりしました。「エオルゼアの守護者」というタイトルは,そんな状態を皮肉ったものでもあります。
パッチ2.4では,さらにそれぞれの立場で思想を振りかざし,一見するといろいろな問題が解決しつつあるように見えますが,実はより危うい方向に進んでいる──それが“氷”のイメージです。それぞれが主張していることは幻想に過ぎず,氷のようにもろく儚く砕け散ってしまうかもしれない,と。
4Gamer:
それが今回のタイトルというわけですね。
吉田氏:
夢を見るのは構わないし,理想も崇高ですが,氷のように儚いことは覚悟してそれらを追い求めよう,というイメージでしょうか。
4Gamer:
どちらも最後に現実を叩き割られそうな……。トレイラーでは,いよいよイシュガルドが本格的に関わってきそうだという雰囲気でした。
吉田氏:
はい。イシュガルド本国から,神殿騎士アイメリクというかなり上位身分の人間がやって来て,直接会談するような展開もあります。イシュガルドがどんな国で,どういう位置付けなのかが,より深く分かっていただけると思います。
4Gamer:
クルザスの状況を見ていると,基本的に排他的なイメージが強いですが,もっと深いところがどうなのか気になりますね。
吉田氏:
また,パッチ2.5へと続く流れの中で,バージョン3.0の舞台になるイシュガルドに光の戦士が向かうことになる経緯も明かされます。パッチ2.4はパッチ2.5に向かっていろいろなものが連動しているので「早く続きが見たい!」と思っていただけると嬉しいです。
4Gamer:
パッチ2.4のメインストーリーは,そんなに気になるところで終わるんですか。
吉田氏:
2.4のストーリーとしては,いろいろと解決しますが,その後や先が気になる部分がすごく多いと思います。ともあれ,次のパッチ2.5で,新生エオルゼア編はいったん幕を下ろしますので,拡張パックへとつながる一旦の結末に向かってプレイしていただけると幸いです。
4Gamer:
どんな展開になるのか楽しみですね。ところで,「事件屋クエスト」も同様にパッチ2.5で終わりとなるのでしょうか。
吉田氏:
そうなる予定ではありますが……あのコンテンツは,何でもありになってしまっていて(笑)。
4Gamer:
今度はテュポーン先生まで登場しますし……。
吉田氏:
そもそもヒルディブランド自身が,旧FFXIVのラストで,衛星ダラガブに突撃して戻ってきていますからね。プレイヤーさんの反響によっては,またしれっと出てくるんじゃないでしょうか(笑)。
4Gamer:
であれば,再登場も遠くなさそうな気がします(笑)。
ダラガブと言えば,パッチ2.4でエンドコンテンツ「大迷宮バハムート:真成編」が登場します。
吉田氏:
旧FFXIVの第七霊災から足かけ4年,「時代の終焉」トレイラーで大暴れしたバハムート,ホワイトアウトしたルイゾワ。あのあと,蛮神バハムートに何が起きたのか,そして「あの人」がバハムートのテンパードようになっている真相は何なのか,そもそもバハムートは誰に召喚され,衛星ダラガブ内部にいたのか,そんな数々の謎が真成編で解明されます。
4Gamer:
旧FFXIVでのダラガブの接近から始まった,一連の物語のクライマックスですから,相当に感慨深いのでは。
吉田氏:
感慨深いです。僕が旧FFXIVを引き継いで以降,FFXIVはプレイヤーの皆さんや社内外を問わず,さまざまな方々に支えられてきました。中でもこの第七霊災は,僕個人の思いつきとプロットで始まり,ここまで突き進んできたストーリーですので,子供のころから憧れていた「ファイナルファンタジー」における,僕個人の初仕事のように思えているのです。ですので余計に……。
4Gamer:
運営体制の刷新もそうでしたが,新生の発表,ダラガブによる終焉と,本当にいろいろと驚かされました。
吉田氏:
そうして,それがゲームのコンテンツとしても,1つのプロジェクトとしてもこの「真成編」で完結します。スタッフにいろいろ無茶を言いながら作ってきたのもあって,やっぱり格別の思い入れがあります。FFらしい展開が待っていますので,皆さんにはぜひ楽しんでいただきたいです。もちろん既に拡張パックから始まる,新しい高難度レイドも企画と仕様設計に入っています。そちらもFFらしい内容で作成していますので,大迷宮バハムートを無事突破した皆さんは,こちらもご期待ください。
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